■事業概要
1. 事業内容
酒井重工業<6358>の主たる事業は、道路舗装などに使われるロードローラの製造・販売で、ロードローラ関連が売上高の約95%を占める。また、「道路建設機械事業を通じて世界の国土開発という社会事業に貢献する」を企業理念に掲げている。
一口でロードローラと言っても、能力や大きさなどは多岐にわたっている。同社の製品数はプラットフォームだけでも20種ほどあり、これにバリエーションを加えた最終製品数は70~80種に及ぶ。大きさも約0.5トンから約20トン(大型土木向け)と幅広い。中心の価格帯は500万円(中型ローラ)~1,000万円(大型ローラ)だが、ロードカッタなど数千万円するものもある。なお、生産は見込み生産であり、受注生産は行っていない。製品の耐用年数は20~30年であるが、ここまで使い切る顧客は少なく、多くの場合は法定償却(6~7年)後に買い換え需要が発生する。また、償却済み機材の多くは中古品として海外(特に発展途上国)へ転売される。
2024年3月期の地域区分別売上高※は、国内14,320百万円(売上高比率43.4%)、北米9,700百万円(同29.4%)、アジア7,566百万円(同22.9%)、その他1,432百万円(同4.3%)となっている。
※「地域区分別売上高」とは、顧客の所在地別に分類した売上高であり、決算短信での報告セグメントである「所在地別売上高」とは異なる。
主な販売先は、国内では約70%が建機レンタル会社(カナモト<9678>、ニシオホールディングス<9699>等)向け、残り約30%がエンドユーザー(大手や中小のゼネコン、道路工事会社等)向けとなっている。エンドユーザー向けには、与信管理の関係からファイナンス会社経由のものも含まれる。海外では、主に代理店経由でエンドユーザーに販売されるが、北米では一部がレンタル会社経由となっている。
2. 特色、強み
既述のように同社はロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカーであるが、以下のような特色や強みを持っている。
(1) 専業メーカーとしての長い歴史
同社の最大の特色(強み)は、ロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカーとしての長い歴史であろう。言い換えれば、選択と集中によるグローバルニッチ戦略によって専門性を高め、独自の技術を蓄積してきたということだ。この長い歴史と経験によって、技術力や信用力を高めてきた。
(2) 技術力
単に「道路を固める、舗装する」と言っても、それぞれの土地や土質、土壌などによって必要な圧力・回転力等(締固め技術)は異なる。そのため、工事会社はそれぞれの工事現場(地盤等)に合った異なる種類のロードローラが必要な場合も多い。同社によると、ローラの施工機能自体が、道路や盛土の最終品質(密度、平坦性、寿命)を決定付けるとのことで、一般的には、転圧密度が1%上がると道路寿命が10%延長されると言われているようだ。そのため工事発注者・施工者にとっては、ロードローラの価格だけでなく、製品品質(性能)も非常に重要な要素となっている。同社は、長い間ロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカーとして歩んできたことから、この「締固め技術」については高い技術力を誇っており、同業他社が追い付くことは容易ではない。
同社の技術力を一言で言えば、「モノとコトの知見」である。すなわち、工事全体を俯瞰したエンジニアリング力と多様な材料への対応力である。具体的には、タイヤによる揉みこみ、縦振動による転圧力UP、横振動によるすり付け、垂直振動による厚層転圧、タイヤ振動によるさらなる高密度転圧、高周波振動による難転圧問題解消等、各種技術の組み合わせにより施工品質と施工効率の向上を可能にしている。
同社の技術力の高さについての一例としては、「機械的振動技術」とその「防振技術」の関係制御力が挙げられる。ロードローラにおいて、施工機能を高める重要な手段が各種の機械的振動であるが、一方でこの振動自体が機械故障の原因となり、さらにはオペレーターの居住性に大きく影響する。したがって、振動の締固め力強化と機械品質の相反する関係を制御する力(技術)が重要であり、これは短期間で蓄積できるものではない。
(3) 信用力
経験工学と実績に裏付けられた信用力も同社の強みだ。地下の締固め品質を確保する技術についてはブラックボックスであり、後発メーカーや非専業メーカーが容易に真似できるものではない。例えば、高温で運ばれてくるアスファルト合材は限られた時間のなかで施工する必要があることに加え、施工不良の場合は再施工という大きな代償を伴う。また、道路や盛土の施工品質問題の発生は遅効性があり、完工時の締固め品質はブラックボックスになる傾向にある。このような経験工学は、長年使い慣れたブランドと様々な現場経験による知見が強みとなっており、これらの点が多くの顧客から信頼を得ている。
3. シェア及び競合
(一社)日本建設機械工業会のデータによれば、2023年度の国内、輸出を合わせた建設機械出荷額は約3.7兆円、このうち同社の主要製品であるロードローラ等の道路機械は約2.3%となっている。この道路機械市場のなかのロードローラ市場において、同社のシェアは70%超とトップメーカーとなっている。競合先としては日立建機<6305>などがあるが、いずれも専業メーカーではない。また、海外メーカーも一部進出しているものの存在感は薄い。したがって、国内においては、市場の浮沈がそのまま同社の業績につながっているとも言える。
世界市場(海外市場)では、正確な統計がないものの、同社のシェア(生産台数ベース)は5~6%と推定される。ただし、これは全世界をベースにしたもので、同社が主戦場としている日本、ASEAN、北米の市場に限ればシェアは15%程度のようだ。なお、世界市場での主な競合はCaterpillar、FAYAT SAS、WIRTGEN GROUP、Volvo Personvagnar ABなどであるが、ロードローラの専業メーカーは見当たらない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
■业务概要
1. 业务内容
酒井重工业<6358>的主要业务是生产和销售用于道路铺设等的压路机,压路机相关产品占销售收入的约95%。另外,公司的企业宗旨是通过道路建设机械业务为世界土地开发做出贡献。
一口说出压路机,其能力和大小等是多种多样的。该公司的产品种类仅在平台上就有约20种,加上不同的变型最终的产品种类就达到了70至80种。大小也广泛,从约0.5吨到约20吨(大型土木工程专用)。主要价格区间为500万日元(中型压路机)到1,000万日元(大型压路机),但也有一些价格数千万日元的压路开挖机等。此外,大部分产品属于预计生产,而非按订单生产。产品的使用年限为20至30年,但实际能完全使用到这个阶段的客户并不多,大多数情况下在法定折旧期(6至7年)后便出现了置换需求。此外,大多数已折旧机械出口海外(尤其是发展中国家),作为二手货销售。
2024年3月期按地域划分的销售收入※为日本境内的143.2亿日元(销售收入占比43.4%)、北美的97亿日元(占29.4%)、亚洲的75.66亿日元(占22.9%)和其他的14.32亿日元(占4.3%)。
※所谓“地域划分的销售收入”是按客户所在地分类的销售收入,与决算短信中所述的“客户所在地划分的销售收入”不同。
主要的市场是国内约70%的工程机械租赁公司(如川元<9678>,西尾控股<9699>等),其余约30%的市场则针对于最终用户(大型和中小的施工总承包商,道路施工公司等)。由于授信问题,最终用户上述中的部分是通过金融公司销售的。海外市场上,主要通过代理商向最终用户销售,但在北美地区也有部分透过租赁公司销售。
2. 特色、优势
如前所述,该公司是专门从事道路建设机械(包括压路机)的专业生产商,具有以下特色和优势。
(1) 作为专业制造商的悠久历史
该公司的最大特色(优势)在于,作为专业制造压路机等道路建设机械的厂商,其历史悠久。换言之,通过选择和集中等全球利基战略来提高专业性,积累独特的技术。这个漫长的历史和经验使其技术和信用能力得到了提高。
(2) 技术实力
光是“固定道路,铺路”这几句话,即便是在不同的土地和土壤等条件下,所需的压力、转动力等密实技术也是不同的。因此,工程公司在许多情况下需要不同种类的压路机等设备来满足各自的工地(地基等)需求。根据该公司的说法,压路机使用功能本身决定了道路和填方的最终质量(密度、均平度、寿命),一般认为,转卷密度增加1%,道路寿命就可以延长10%。因此,对于承包商和施工方而言,压路机的价格和产品质量(性能)都是非常重要的因素。由于该公司曾经专门从事压路机及其他道路建设机械的生产制造多年,因此在密实技术方面拥有卓越的技术实力,业内其他厂商很难追赶上它的步伐。
该公司的技术实力可概括为“产品和服务的专业技术”。也就是说,公司具备的是对整个工程的工程学能力和对各种材料的适应能力。具体而言,采用轮胎的揉捏、垂向振动的压制力UP、横向振动的磨损、垂直振动的厚层压紧,轮胎振动的额外高密度压紧,以及高频振动的难以压紧的问题解决等各种技术相结合,能够实现施工质量和效率的提高。
同公司技术力的一个例子是,提高施工功能的重要手段是各种机械振动,但振动本身可能会导致机械故障,进而严重影响操作员的生活质量。因此,振动抑制技术和控制振动和机器质量之间相反关系的技术(能力)非常重要,而这些不能在短时间内积累。
(3)信用度
建立在经验工程和实绩的信用度也是该公司的优点。确保地下衬砌材料质量的技术是一个黑匣子,后来的制造商和非专业制造商很难简单模仿。例如,来自高温的沥青混凝土需要在有限的时间内施工,并且在施工质量不良的情况下需要再施工,这造成了巨大的代价。此外,道路和土堤建设质量问题的发生是有延迟的,最终的衬砌质量通常也是一个黑匣子。这种经验工程通过多年的品牌使用和不同的现场经验得到了增强,并且这些点获得了许多客户的信任。
3.共享与竞争
根据(一社)日本建设机械工业会的数据,2023年国内和出口的建设机械出货额约为3.7万亿日元,其中与同公司主要产品路面机械有关的振动式压路机约占2.3%。在振动压路机市场中,同公司的市场份额超过70%,并成为领先制造商。作为竞争对手,有日立建机(6305)等,但这些都不是专业制造商。此外,尽管一些海外制造商也有步入该领域,但其存在感相对较弱。因此,可以说在国内市场上,市场的大起大落直接影响该公司的业绩。
对于世界市场(海外市场),虽然没有确切的统计数据,但估计同公司的份额(按生产数量计算)为5-6%。 但是,这是以全球为基础的估计。在该公司主要市场的日本、ASEAN和北美市场中,该公司的市场份额约为15%。此外,世界市场上的主要竞争对手是Caterpillar、FAYAT SAS、WIRTGEN GROUP、Volvo Personvagnar AB等,但尚未看到专业制造商的振动式压路机。
(作者:日经FISCO客座分析师 寺岛昇)