■同業他社比較
アフィリエイト運営会社の大手はインタースペース<2122>のほかファンコミュニケーションズ、アドウェイズ、バリューコマース、リンクシェア・ジャパン(株)(楽天グループ<4755>の子会社)、レントラックスの5社が挙げられる。売上高の規模はその他の事業も展開しているため各社ばらつきがあるものの、同社も含めた6社合計のアフィリエイトサービスにおける業界シェアは約6割、うち同社は1割弱のシェアと見られる。2023年度の業績については各社それぞれで要因があるものの、5社すべて営業利益が2ケタ減益となった。また、2024年の会社計画もレントラックスが増益見通しとなっているが、他4社とも減益計画となっている。インターネット広告市場は拡大基調が続いているものの、広告手法が多様化していることが影響しているものと考えられる。
同業他社の特徴について見ると、ファンコミュニケーションズは2024年3月時点で「A8.net」のパートナーサイト数が約344万サイト、稼働広告主ID数が3,475件と、パートナーサイト数では業界最大規模となっている。中小企業向け広告ビジネスを長く提供しており、EC分野を中心に幅広い広告案件を揃えていることが特徴だ。業績はここ数年、スマートフォン向け広告サービス「nend」の縮小で減益トレンドが続いてきたが、「nend」については2024年3月で事業撤退した。ただ、堅調に推移していた「A8.net」の広告取扱高も2024年1~3月は前年同期比12.6%減と2ケタ減となっており、厳しい状況が続いている。
アドウェイズは、アドプラットフォーム事業(アドネットワーク広告配信サービス、アフィリエイト広告サービス)とエージェンシー事業(国内外における広告代理店)を展開している。モバイル向け比率が高く、ゲームや電子コミック系に強みを持つ。ここ数年は機械学習によるスマートフォン向けアドネットワーク広告配信サービス「UNICORN」の伸長により業績を伸ばしてきたが、2023年12月期はゲーム・電子コミック系の広告出稿減少に加え「UNICORN」の停滞もあり減益となった。2024年1~3月期も金融分野やゲーム分野の広告出稿が低調で減収減益となっている。
バリューコマースは、マーケティングソリューションズ事業(アフィリエイトサービス)とECソリューションズ事業を主に展開している。マーケティングソリューションズ事業の業種別売上構成比は金融分野が3割強と最も高く、そのほか幅広い業種をバランスよく手掛けているのが特徴だ。パートナーサイト数は2024年3月末で78万サイト、広告主数(ID数)は708件となっている。2024年1~3月期の同事業の業績は金融分野でスポット案件を獲得したものの、家電のほか人材や美容関連が減少し、の低調が響き、前年同期比で若干の減収減益となった。
レントラックスは、成果報酬型広告サービス事業と中古建設機械マーケットプレイス関連事業を主に展開している。成果報酬型広告サービス事業の業種別売上構成比(2024年3月期実績)は、金融が39%と最も高く、次いで不動産が10%、自動車買取やエステが各8%で、2024年3月末のパートナーサイト数は32万サイトとなっている。2024年3月期の同事業の業績は金融及び物販分野の減少が響いて前期比6%の減収減益となった。2025年3月期は新規ジャンルの開拓を進めることで増収増益を目指しているが、4月の広告取扱高は前年同月比で2ケタ減と低調な滑り出しとなっている。
株価指標について見ると、同社の株価(2024年5月28日終値)は2024年9月期の予想PERで13.5倍と他4社が7~27倍の水準で評価されているなか、平均水準での評価となっている。ただ、EV/EBITDAは0.1倍と大手5社のなかで唯一、1倍を下回る評価となっており、現在の時価総額は手元キャッシュとほぼ変わらない水準にとどまっている。EV/EBITDAとは企業を買収する場合に、買収コスト(時価総額+有利子負債-現金及び預金)を期間収益(営業利益+償却費)の何年分で回収できるかを簡易的に指標化したものであり、倍率が低いほど買収コストを短期間で回収できることを意味し、株式市場での成長期待が低いことの裏返しであるとも言える。とはいえ、同社の業績は相対的に見れば他社が苦戦するなかでも底堅く推移しており、現在推進している事業戦略により業績が成長軌道に乗ってくれば、株式市場での評価も変わるものと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
■同业他社比较
大型的联盟运营公司有InterSpace<2122>, Funkommunications, Adways, Valuecommerce和LinkShare Japan (rakuten Inc. <4755>的子公司)和Rentorax等5家公司。由于它们也扩展了其他业务,销售规模各自不同,但这6家公司合计在联盟营销业务中的市场份额约为60%,其中该公司约占不到10%的份额。就2023年的业绩而言,虽然各公司都有各自的原因,但这5家公司的经营利润均出现两位数的减少。此外,尽管Rentorax公司的2024年业务计划显示可能增长,但其它4家公司均会出现业绩下滑。尽管互联网广告市场呈扩张趋势,但广告手段多样化也对其造成了影响。
当我们研究同一行业的其他公司时,还有Funkommunications。截至2024年3月,Funkommunications的“A8.net”合作网站数量约为344万,工作中的广告主ID数量为3,475个,在合作网站数量方面已成为业内最大规模的公司。Funkommunications长期向中小企业提供广告业务,其特点在于其集中于EC领域并拥有广泛的广告项目。由于“nend”服务在其向智能手机提供的广告服务中呈下降趋势,其业绩在过去几年中一直处于衰退趋势。但在2024年3月之后,该公司已经退出了nend业务。然而,Funkommunications处理的广告业务总量一直保持稳定,并且在2024年1-3月期间,其承接的广告金额较去年同期下降了12.6%,出现两位数的下降趋势。这是由于目前公司正面临严峻的状况。
Adways公司开展广告平台业务(广告网络广告发布服务,联盟广告服务)和代理公司业务(在国内外拥有广告代理公司)。Mo向率很高,专注于游戏和电子漫画等领域。过去几年,由于智能手机广告网络的扩展,通过机器学习延伸的“UNICORN”移动广告网络服务已经使该业务蓬勃发展。然而,由于游戏和电子漫画等领域的广告出稿减少,以及“UNICORN”的停滞,该公司在2023年12月期间遭遇减少收益。在2024年1-3月期间,由于金融和游戏领域的广告出稿不足,其收入和利润也出现下滑。
Valuecommerce公司主要经营营销解决方案(联盟服务)和EC解决方案。该营销解决方案的业务部门的销售组成结构的金融领域约占比例的30%以上,是比例最高的领域,而该公司特点则是替不同的业界提供平衡的服务。到2024年3月的结束其合作网站数量为78万,广告主数量(ID数量)为708个。尽管该公司在2024年吸引了一些零星的案例,但家用电器、人力资源和美容等领域的服务减少导致该公司在期间收入和利润减少。
Rentorax公司主要从事成果报酬型广告服务业务和二手建筑机械市场业务。截至2024年3月期,该公司的业绩报告中,由金融业占应支出的39%,为该公司最大的业务领域,其次是不动产占比10%,其次是汽车回购和美容类等占比8%,截至2024年3月,其合作网站数量为32万。尽管该公司在2025年3月期目标了新的发展方向以提高收入并扩大利润,并因此取得了成功,但在4月份该公司处理的广告金额与去年同期相比下降了两位数,并出现了下滑的情况。
从股价因子来看,该公司的股价(2024年5月28日收盘价)在2024年9月期的财务预测市盈率为13.5倍,其他四家公司为7-27倍的水平,评价为平均水平。然而,该公司的EV/EBITDA为0.1倍,是五家大手公司中唯一低于1倍的评价,目前的流通值保持在与手头现金几乎持平的水平。EV/EBITDA是指在收购企业时,将收购成本(市值+有息负债-现金及存款)与期间收益(营业利润+折旧费)相除后得到的指标,倍数越低意味着收购成本可以在短时间内回收,反映了市场对企业增长预期的低迷。然而,在相对比较的业绩上,该公司的业绩在其他公司面临困境时相对稳定,且我们认为,如果该公司目前推进的业务战略能够使业绩进入增长轨道,则股票市场的评价也会发生变化。
(撰写:FISCO客座分析师佐藤让)