■クラウド市場の動向と事業内容
2. 事業内容
テラスカイ<3915>の事業セグメントは、ソリューション事業と製品事業の2つに分類される。2024年2月期における構成比はソリューション事業が売上高で91.3%、営業利益で110.1%を占める主力事業となっている。セグメント利益率ではソリューション事業が10%台と比較的安定した水準で推移している。同事業についてはクラウドシステムの開発・導入支援が中心で、ストック売上となる運用・保守の売上比率は15%程度となっている。開発・導入案件の受注動向とプロジェクトの生産性やエンジニアの稼働状況が利益率の変動要因となるが、Salesforce関連の案件に関しては国内トップクラスのエンジニアを抱えており、難易度の高い案件も手掛けられるため、比較的安定した収益性を確保している。ここ1~2年は利益率がやや低下しているが、タイの子会社やQuemixなど新設した子会社の先行投資コストや、積極的な人材採用による教育研修費や戦力化までの未稼働コストの増加が要因として挙げられる。
一方、製品事業の利益率は2022年2月期以降、マイナスが続いている。大手自動車メーカー向けの大型案件が一巡したことや「mitoco」関連の開発費やプロモーション費用など先行投資が続いていることが要因だ。償却前利益率では2024年2月期で5.1%となっており、売上高の9割強はストック売上で占められるため、契約社数の増加で売上規模が拡大していけば、黒字化して収益性もいずれはソリューション事業を上回ってくるものと予想される。
売上構成比をクラウド別で分けると2024年2月期はSalesforce関連が59%、IaaS関連(AWS、GCPなど)が41%となった。Salesforce関連の売上構成比は2020年2月期の69%から10ポイント低下したが、これは製品事業において2020年2月期に売上貢献したSalesforce関連の大型導入案件が一巡したこと、BeeXを中心に子会社で展開するIaaS関連の売上高が順調に成長していることが要因であり、実額ベースではSalesforce関連の売上高も2ケタ成長が続いている。
(1) ソリューション事業
ソリューション事業では、クラウドを活用したシステムを顧客企業のニーズに応じて開発し、導入支援を行っている。具体的には、フロントシステムや基幹システムなどの要件定義から設計・開発・テスト・運用・効果検証・改善策立案・システム化計画までを行う。フロントシステムとしてはSalesforceの開発が多く、Salesforceとライセンス販売契約を締結し、導入支援を展開している。Salesforceを中心としたクラウドシステムの累計導入実績は同社単体で7,000件超(グループで18,000件超)と国内トップクラスとなっている。トヨタ自動車<7203>や日立製作所<6501>、みずほフィナンシャルグループ<8411>、小田急電鉄<9007>グループ、KDDI<9433>など業種・業態・企業規模を問わず多くの企業に導入されているが、SalesforceがCRM分野で強いことから大企業の営業/サービス/マーケティング部門向け大規模案件の比率が高くなっている。また、売上高の5割超は既存顧客からの保守・運用料や継続・追加開発案件で占められる。Salesforceを導入した場合、新機能の追加も含めて開発が継続するケースが大半であり、その場合は最初に導入支援を行ったクラウド・インテグレーターが継続して受注することになる。
なお、子会社のBeeXではSAPのクラウド移行支援やAWSの開発・導入支援(Microsoft Azureも顧客要望があれば対応可能)を展開している。特に、SAPのクラウド移行支援に関しては高い技術力を背景に多くの実績を持つ。また、スカイ365でSalesforceやAWSなどのクラウド導入案件に関するMSPサービスを提供している。そのほか、テラスカイ・テクノロジーズやCuon、リベルスカイ、Quemix、DiceWorks、タイ子会社の事業がソリューション事業に含まれる。
(2) 製品事業
製品事業では、同社がSaaSベンダーとしてクラウドに特化したサービスの開発及び提供を行っているほか、子会社のエノキで開発するAIプラットフォーム事業が含まれる。主な製品としては、「mitoco X(旧DataSpider Cloud)」、「SkyVisualEditor」、「mitoco」などがある。売上高は導入時に計上されるフロー売上と月額課金のストック売上(サブスクリプション売上)に分けられ、2024年2月期のストック売上比率は9割強となっており、内訳をサービス別で見ると「mitoco X」が43%、「SkyVisualEditor」が24%、「mitoco」が25%と3製品で90%を超えている。
「mitoco X」は顧客企業が自社で所有するオンプレミスのシステムと、Salesforceなど各種クラウドサービスのデータを自動連携するツールとなる。2023年9月より自社ブランドによる単独販売になったことで、今後は共同開発先のセゾン情報システムとのレベニューシェアがなくなるほか、独自の機能開発と製品力の強化が可能となった。また、「SkyVisualEditor」は各企業が業務内容に合わせてSalesforceの画面を使い勝手の良いように簡単にカスタマイズできるツールで業界のデファクト製品としての地位を確立している。
注力製品として開発を強化している「mitoco」は、社内のコミュニケーションを円滑にするワークフローやカレンダー、掲示板機能などをSalesforce上で利用できるグループウェア製品でモバイルデバイスにも対応している。また、Salesforceのライセンスを追加購入しなくても、Salesforceのカレンダーや取引先、取引先責任者などの情報を共有できるほか、営業部門が利用するSalesforceと全社員が利用するスケジュールやワークフローシステムなどの情報の分断がなくなり、顧客を中心とした情報の一元管理によって業務が効率化され、Salesforceの活用が一段と促進されることが最大の特徴となっている。2021年12月に経費清算、2022年8月に勤怠管理、2023年9月に財務会計、2024年3月に債務管理と、各種機能を相次いでリリースしている。IT製品・クラウドサービスのユーザーレビュープラットフォーム「ITreview」の投稿をもとに評価の高かった製品・サービスを表彰する「ITreview Grid Award」の「Salesforce拡張機能部門」で最高評価の「Leader」を、「グループウェア部門」で「High Performer」を連続受賞するなどユーザー評価も極めて高い製品となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
■云市场的动向和业务内容
2.业务内容
泰勒斯<3915>的业务分为解决方案业务和产品业务两类。在2024年2月期的构成中,解决方案业务成为主营业务,以占销售额91.3%和营业利润110.1%的份额。在业务段的利润率方面,解决方案业务以10%左右的相对稳定水平推移。该业务主要侧重于云系统的开发和安装支持,保养和维护的销售比例约为15%。受订单动向和项目生产率、工程师的作业状况影响,但它拥有顶尖的工程师团队和处理高难度案例的经验,相对较为稳定的收益性得以保证。在过去1-2年里,利润率略有下降,面临泰国子公司和Quemix等新成立子公司的前期投资费用、积极的人员选拔和教育研究费用以及未投入生产力的成本增加等问题。
对于产品业务,自2022年2月期以来,利润率一直为负值。这是因为大型汽车制造商的大型案例已经完成,投前成本诸如“mitoco”开发费用和促销费用等持续增加。在未经折旧利润率方面,其在2024年2月期中为5.1%,且销售额的9/10以上由存货销售占据,因此,如果销售收入随着合同公司数量的增加而扩大,则预计将实现盈利和更高的收益能力,最终超过其解决方案业务。
将按云分类的销售组成分为2024年2月期时,Salesforce相关销售占59%,IaaS相关销售(AWS、GCP等)占41%。Salesforce相关销售的比例从2020年2月期的69%下降了10个百分点,但这是由于2020年2月期产品业务中贡献的销售主要案例结束,而BeeX为中心的IaaS相关销售贡献度大幅增加,很多子公司销售额高且逐渐发展,因此Salesforce的销售额实际金额也正在快速增长。
(1)解决方案业务。
解决方案业务则根据客户企业的需求开发并利用云技术进行導入支援。具体来说,该公司将面向全流程进行前端系统和核心系统的要件定义、设计、开发、测试、运营、效果验证,改进分析、系统化计划。其前端系统中,Salesforce的开发很多,该公司会与Salesforce签署许可销售合同,并进行導入支援。销售云将始终围绕Salesforce作为中心的云系统的累积安装记录,隶属于公司本体超过7000个事例(集团为18000多个事例),这些集团更是该行业能占据出色的领先地位。该公司为松下电器<7203>、日立制作所<6501>、瑞穗金融集团<8411>、小田急电铁<9007>集团、kddi<9433>等各种行业、形态和企业规模的企业提供导入服务,但Salesforce作为销售管理系统强项,因此对于大企业的销售/服务/营销部门而言,该占大量大型案件。此外,超过50%的销售额都由从现有客户保留的保养/操作费用和连续性/附加开发案件构成。如果销售云则会继续开拓销售,包括新功能追加,云形成整体流程,最终营业支援会授权给最初导入支援的云计划整合师寻找续约机会。
BEE X的子公司在SAP的云移动支援,AWS的开发与浏览支援(Microsoft Azure如果有客户要求的话也能够提供)等方面有建树。具体而言,因为向SAP的云迁移支持方面发挥了这样高超的技术力的缘故,拥有许多工作经验。此外,在Sky 365中,提供Salesforce和AWS等云导入案件的MSP销售支援服务。此外,Terasukai Technologies、Cuon、Liblesky、Quemix、Dice Works、泰国子公司的事业也包括在解决方案业务中。
(2)产品业务。
在产品业务方面,该公司除了作为SaaS供应商专注于云服务的开发和提供外,还包括Enoki子公司的AI平台业务。其主要产品包括mitoco X(原DataSpider Cloud)、SkyVisualEditor、mitoco等。营业收入由引入时计入的流程收入和月度订阅费用的存量收入(订阅收入)组成,到2024年2月期,存量收入比率超过了9成,三种服务的情况如下,“mitoco X”占43%,“SkyVisualEditor”占24%,“mitoco”占25%。
mitoco X是一款工具,顾客企业可以用它将自己拥有的本地系统自动与Salesforce等多种云服务的数据连接起来。自2023年9月起,自主品牌开始单独销售,这意味着与共同开发伙伴世尊信息系统的收入分享就不再存在,同时还可以进行自主功能开发和增强产品实力。此外,“SkyVisualEditor” 是一款工具,各企业可以根据业务内容自由地定制使用便捷的Salesforce画面,它是业界默认产品。
作为注重产品开发的重点产品,mitoco是一款基于Salesforce开发的企业群件产品,可在移动设备上使用,可使公司内部沟通更加流畅,包含了工作流程、日历、公告栏功能等。此外,公司可以共享Salesforce日历、客户、客户负责人等信息,而无需购买Salesforce许可证,不仅如此,营销部门使用的Salesforce和全公司员工使用的日程表和工作流程系统等信息也不再分别存在,提高了信息的集中管理以及工作效率,并且实现了对Salesforce的更好利用。它于2021年12月推出费用报销,2022年8月推出考勤管理,2023年9月推出财务会计,2024年3月推出债务管理等一系列功能。根据IT产品和云服务的用户评论平台ITreview发布的评论,该产品和服务获得了用户高度评价,其“Salesforce扩展功能类别”荣获了“ITreview网络奖”的最高评价“Leader”,并在“企业群件类别”中获得了连续的“High Performer”奖项。
(撰写:FISCO客座分析师佐藤让)