■ESG/SDGsの取り組み
兵機海運<9362>は持続可能な社会の構築と企業価値の向上の両立を目指している。主力の内航海運は、国内における大量・長距離輸送の重要な担い手である。同社によると、国内貨物輸送の約40%は内航海運であり、特に石油製品、鉄鋼、セメント等の産業に不可欠な物資については、80%以上が海上輸送となっている。また、1トンの貨物を1km(1トンキロ)輸送する際のエネルギー消費量は、トラックに比べて5分の1程度となる。このことから、内航海運はエネルギー効率の良い、環境にやさしい輸送機関である。同社は環境負荷が軽いモーダルシフト※を見据え、取扱貨物の複線化等に取り組んでいる。
※トラック等の営業貨物車による貨物輸送を環境負荷が軽い鉄道や船舶の利用へと転換すること。
内航船を新造する場合は、環境負荷低減に貢献できる設備投資を優先するとともに、CO2低減化基準に沿った建造を進めている。なお、国際海事機関(IMO)※により、国内外を問わず全船舶を対象に強化されたSOx規制(船舶燃料油に含まれる硫黄分の濃度規制)に対しては、環境負荷の少ない適合新燃料等へ切り替えて対応している。
※International Maritime Organizationの略。海上の安全、船舶からの海洋汚染防止等、海事分野の諸問題についての政府間の協力を推進するために1958年に設立された国際連合の専門機関。
船舶バラスト水※の規制管理条約への対応としては、紫外線を利用した排水処理装置を設置し、運用している。また、CO2排出の低減への取り組みや、交通エコロジー・モビリティ財団によるエコ通勤の認定も継続している。
※大型船舶が航行時のバランスをとるために船内に貯留する海水のこと。到着港で放出される際、バラスト水中に含まれる様々な海洋生物(動植物プランクトンや海藻の断片等)も一緒に放出されることになる。放出された海洋生物が定着するようになると、「外来種」として生態系をかく乱する等の悪影響を及ぼすことがあり、世界各地で問題となっている。この問題に対して、2017年にIMOの「バラスト水管理条約」が発効した。この国際条約に基づき、世界ではバラスト水の管理が進んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
ESG/SDGs倡议
航运海运公司9362旨在实现可持续社会建设和提高企业价值的双赢目标。其主营的沿海航运是国内大量长距离运输的重要承担者。根据该公司的说法,国内货运的约40%由沿海海运承担,尤其是石油产品、钢铁、水泥等行业不可或缺的物资,其中超过80%通过海上运输实现。此外,在以1吨货物1公里(1吨公里)运输时,其能源消耗量仅有卡车的五分之一。因此,沿海航运是一种能源效率高、环保的运输方式。该公司正在努力实现轻负荷模式的转变,并致力于多种货物的运输。
※指将由货车等业务货车运输的货物转向使用环境负担小的铁路和船舶等交通工具运输。
如果新建沿海船,公司将优先考虑投资环保设施以减少环境负担,并推进符合CO2减排标准的建设。此外,根据国际海事组织(IMO)※要求,公司已经采取了切换到环境负荷较小的合适新燃料等措施,以应对强化的SOx规制(船舶燃料油含硫低浓度规制),并已对国内外所有船舶实施。
※国际海事组织(International Maritime Organization)是指在联合国环境、安全和声誉间换取的原则基础上,致力于推动世界船舶、航行安全、防范海洋污染和海事产业发展的专门机构。它于1958年成立。
作为对船舶混载水转运管理协定的措施,公司已安装并运营使用紫外线污水处理设备。此外,该公司还继续致力于减少二氧化碳排放和进行交通生态和可持续交通等认证。
※指为了保持大型船舶在航行过程中的平衡所储存的海水。当在到达港口时进行放置时,与海洋生物(动植物浮游生物、海藻碎片等)一起排放进入配水器中。一旦放出海洋生物,它会成为“入侵物种”,破坏生态系统,并在世界各地成为麻烦。基于这种问题,IMO的“Ballast Water Management Agreement”已于2017年生效。世界各地正在管理混合水治理。
(作者:富士客座分析师清水阳一郎)