■業績動向
1. 2024年3月期連結業績の概要
四電工<1939>の2024年3月期の連結業績は売上高が前期比3.4%増の92,112百万円、営業利益が同29.6%増の6,444百万円、経常利益が同26.0%増の7,012百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同21.4%増の4,571百万円となった。受注が高水準に推移したほか、工事の採算性向上も寄与して2024年1月付の修正予想(売上高91,000百万円、営業利益6,000百万円、経常利益6,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,200百万円)を上回る大幅増益で着地した。受注高は大型案件も寄与して同7.2%増の97,754百万円で過去最高、売上高は2022年3月期に次ぐ過去2番目の水準、各利益は過去最高益となった。工事種類別(単体ベース)では電気・計装工事と情報通信工事が完成時期のずれ込みにより小幅に減少したものの、配電工事、送電・土木工事、空調・管工事が伸長した。利益面では資材価格の上昇や人件費の増加などがマイナス要因となったものの、増収効果や工事の採算性向上効果に加え、資機材の安定調達やきめ細かな工程管理などにより大型工事が順調に進捗したことも寄与した。売上総利益は前期比15.3%増加し、売上総利益率は同1.8ポイント上昇し17.5%(うち完成工事総利益率は1.8ポイント上昇して16.7%)となった。販管費は同7.5%増、販管費比率は同0.4ポイント上昇して10.5%となった。この結果、営業利益率は同1.4ポイント上昇して7.0%となった。
配電工事が堅調推移
2. セグメント別・工事種類別・得意先別の動向
報告セグメント別(調整前)では、設備工事業は売上高が前期比3.5%増の86,913百万円、営業利益が同36.4%増の5,179百万円、リース事業は売上高が同0.9%減の2,948百万円、営業利益が同5.2%減の294百万円、太陽光発電事業は売上高が同6.2%減の2,145百万円、営業利益が同10.3%減の769百万円、その他は売上高が同16.2%増の1,415百万円、営業利益が205百万円(前期は6百万円)となった。主力の設備工事業が好調に推移して全体をけん引した。設備工事業の営業利益率は前期比で1.5ポイント上昇した。
工事種類別の売上高(単体ベース)は、配電工事が前期比3.5%増の32,846百万円、送電・土木工事が同19.0%増の6,083百万円、電気・計装工事が同2.6%減の23,309百万円、空調・管工事が同17.3%増の9,763百万円、情報通信工事が同9.0%減の3,779百万円、兼業事業が同25.4%増の1,424百万円となった。配電工事が堅調に推移し、送電・土木工事、空調・管工事が大幅に伸長した。電気・計装工事と情報通信工事は完成時期がずれ込んだ影響で減収となった。得意先別の売上高(単体ベース)は、四国電力グループ向けが同5.2%増の39,532百万円、官公庁が同21.1%増の7,718百万円、一般民間が同1.6%減の29,955百万円となった。四国電力グループ向けが堅調に推移し、官公庁が大幅に伸長した。
2024年3月期の主な完成物件としては、シャープ鮫川村青生野太陽光発電所電気工事(電気工事、福島県)、丸亀競走場ナイター設備LED更新工事(電気工事、香川県)、阪神高速道路 通信線路整備その他工事(情報通信工事、大阪府)、JR四国高松駅ビル(TAKAMATSU ORNE)新築他工事(空調・管工事、香川県)、東北大学(青葉山3)新営電気設備工事(電気工事、宮城県)などがある。
自己資本比率が着実に上昇し、財務の健全性が高まる
3. 財務の状況
2024年3月期末の資産合計は前期末比6,135百万円増加して103,205百万円となった。繰延税金資産が1,290百万円減少したが、主に現金及び預金が3,358百万円、投資有価証券が2,923百万円、退職給付に係る資産が1,381百万円それぞれ増加した。負債合計は同248百万円増加して41,408百万円となった。主に未払金が864百万円、未払法人税等が660百万円それぞれ増加した。有利子負債残高(長短借入金、社債)は同1,428百万円減少して10,049百万円となった。純資産合計は同5,887百万円増加して61,796百万円となった。利益剰余金が2,905百万円、その他有価証券評価差額金が2,191百万円、退職給付に係る調整累計額が840百万円それぞれ増加した。この結果、自己資本比率は同2.3ポイント上昇し59.8%となった。利益剰余金の積み上げ等によって自己資本比率は2021年3月期末の52.0%から2024年3月期末は59.8%と上昇を継続しており、キャッシュ・フローの状況にも特に懸念される点が見当たらないことを勘案すれば、同社の財務の健全性が高まったと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
■业绩动向
2024年3月期联合业绩概要
四电工<1939>2024财年合并业绩显示,营业收入较去年同期增长3.4%,达到921.12亿元日元,营业利润同比增长29.6%至64.44亿元日元,经常利润同比增长26.0%至70.12亿元日元,归属于母公司股东净利润同比增长21.4%至45.71亿元日元。受订单量保持在高水平,工程盈利提高等因素的影响,2024年1月修正预测的实际财务结果(营业收入为910亿元日元,营业利润为60亿元日元,经常利润为65亿元日元,归属于母公司股东净利润为42亿元日元)大幅超预期。订货量以大型案件为主贡献,同比增长7.2%至977.54亿元日元,营业收入也位列历史第二,各种利润创历史新高。工程类型(单体基准)中,电气与计测工程以及信息通信工程因完成时间的推迟而略有下降,而电力分配工程、送电土木工程和空调管道工程则有所增长。从利润面来看,虽然原材料价格上涨和人工成本增加等因素成为负面因素,但对公司产生增收效应和工程利润提高效应,以及通过资产和设备稳定采购和详细的工程管理等使得大型工程进展顺利等,各种因素促使公司盈利增加。销售总利润比前一年同期增加15.3%,销售总利润率同比上升1.8个百分点至17.5%(其中完成工程总利润率同比上升1.8个百分点至16.7%)。销售与管理费用同比增加7.5%,销售与管理费用率上升0.4个百分点至10.5%。因此,经营利润率同比上升1.4个百分点至7.0%。
配电工程的推进表现良好
2. 各分部门、工程类型和客户的趋势
报告按业务部门(未调整)分类,设备工程部门的营收同比增长3.5%至869.13亿元日元,营业利润同比增长36.4%至51.79亿元日元;租赁部门的营收同比下降0.9%至29.48亿元日元,营业利润同比下降5.2%至2.94亿元日元;太阳能发电业务营收同比下降6.2%至21.45亿元日元,营业利润同比下降10.3%至7.69亿元日元;其他板块营收同比增加16.2%至14.15亿元日元,营业利润为2.05亿元日元(去年同期为0.6亿元日元)。主要的设备工程业务表现良好,领导整体经营。设备工程业务的营业利润率比去年同期提高了1.5个百分点。
按工程类型分类的销售额(单体基准)中,电力分配工程的销售额同比增长3.5%至328.46亿元日元,送电土木工程同比增长19.0%至60.83亿元日元,电气与计测工程同比下降2.6%至233.09亿元日元,空调与管道工程同比增长17.3%至97.63亿元日元,信息通信工程同比下降9.0%至37.79亿元日元,复合经营同比增长25.4%至14.24亿元日元。电力分配工程的表现强劲,送电土木工程和空调管道工程大幅增长。由于完成时间的推迟而电气与计测工程以及信息通信工程销售额下降。按客户分类的销售额(单体基准)中,四国电力集团销售额同比增加5.2%至395.32亿元日元,政府机构销售额同比增加21.1%至77.18亿元日元,普通民间销售额同比下降1.6%至299.55亿元日元。四国电力集团的销售额保持良好态势,政府机构销售额大幅增长。
2024年3月期的主要完成工程包括位于鲨川村青生野的夏普太阳能光伏电站电气工程(电气工程,福岛县)、丸亀赛马场夜间设施LED更新工程(电气工程,香川县)、阪神高速公路通信电路改善和其他工程(信息通信工程,大阪府)、JR四国高松站大楼(TAKAMATSU ORNE)新建工程(空调与管路工程,香川县)、东北大学(青叶山3)新建电气设备工程(电气工程,宮城县),等等。
自有资本比率稳步上升,财务健康度提高。
3. 财务状况
2024年3月期末的资产总额比上一期末增加了6,135百万日元,达到了103,205百万日元。递延所得税资产减少了1,290百万日元,主要是现金及存款增加了3,358百万日元,投资有价证券增加了2,923百万日元,退职福利相关资产增加了1,381百万日元。负债总额同比增加了248百万日元,达到了41,408百万日元。主要是应付账款增加了864百万日元,应付所得税等增加了660百万日元。有息负债余额(长短期借款、公司债券)减少了1,428百万日元,达到了10,049百万日元。净资产总额同比增加了5,887百万日元,达到了61,796百万日元。利润留存金增加了2,905百万日元,其他有价证券评估差额金增加了2,191百万日元,退职福利相关调整累计额增加了840百万日元。由于利润留存积累等因素,自有资本比率从2021年3月期末的52.0%上升到了2024年3月期末的59.8%,这表明该公司的财务状况正在改善。考虑到现金流状况尤其没有任何明显问题,我们认为,该公司的财务状况已经变得更加健康。
(撰写: FISCO特约分析师 水田雅展)