■天昇電気工業＜6776＞の業績動向
1. 2024年3月期の業績概要
(1) 損益状況
2024年3月期の連結業績は、売上高26,905百万円（前期比12.6%増）、営業利益1,062百万円（同75.7%増）、経常利益1,322百万円（同75.8%増）、親会社株主に帰属する当期純利益948百万円（同55.0%増）となった。
主たる向け先である自動車メーカーの生産・販売が回復したことに加え、過去数年に積極的に設備投資を行ってきた米国子会社が好調であったことにより、連結売上高は大幅増収となった。
売上総利益率は16.1%（前期は15.7%）と0.4ポイント改善したのは、主力の自動車向け製品の稼働率が上がったことが主要因だ。この結果、売上総利益は前期比15.3%増となったが、一方で販管費は同3.7%増に留まったことから、営業利益は前期比で大幅増益となった。金型を中心に積極的な投資を行ってきたことから減価償却費は2,233百万円（前期比340百万円増）となったが、これを吸収して営業利益は増益を確保した。この結果、償却前営業利益は3,295百万円（同32.0%増）となった。経常利益は、営業外収益で受取利息の増加や為替差益を計上したことなどもあり、同75.8%増となった。前期に特別利益として補助金収入を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は同55.0%増と経常利益の増益率よりは低くなった。
(2) セグメント別状況
日本成形関連事業では、主要顧客である自動車メーカーの生産が回復したことなどから、売上高は20,247百万円（前期比5.0%増）、セグメント利益568百万円（同34.1%増）となった。
中国成形関連事業では、前期まで比較的堅調であったICトレーの受注が失速したことなどから売上高は445百万円（同38.9%減）、セグメント利益は9百万円（同86.2%減）となった。
アメリカ成形関連事業は、過去数年間に行ってきた設備投資により生産能力が大幅にアップしたことに加えて、需要サイドでも物流向けの需要が回復してきたことから売上高は5,927百万円（同65.0%増）と大きく改善した。設備投資による減価償却費負担があったものの、これを吸収してセグメント利益240百万円（前期は132百万円の損失）となり、収益性は大きく改善した。
(3) 設備投資額と減価償却費
2024年3月期の設備投資額（有形固定資産取得額）はメキシコ第二工場への投資が一巡したことから、キャッシュ・フローベースで2,733百万円（前期は4,122百万円）と大幅減となった。一方で減価償却費は2,233百万円（同1,893百万円）と大きく増加した。
（執筆：フィスコ客員アナリスト 寺島 昇）
天升电气工业＜6776＞的业绩动向
2024年3月期业绩概要
(1) 盈亏分析
2024年3月期的合并财务报表显示，营业收入为269.05亿元日元（同比增长12.6%），营业利润为10.62亿元日元（同比增长75.7%），经营利润为13.22亿元日元（同比增长75.8%），隶属于母公司股东的净利润为9.48亿元日元（同比增长55.0%）。
由于主要客户汽车制造商的生产和销售复苏，以及过去几年美国子公司积极进行设备投资而表现强劲，合并营业额实现了大幅增长。
销售毛利率达到16.1%（去年同期为15.7%），提高了0.4个百分点，原因是主要汽车产品的运营率提高。因此，营业毛利润同比增长了15.3%，而销售费用只增长了3.7%，因此营业利润同比显著增长。由于积极投资于金型等方面，折旧费用增加了22.33亿元日元（同比增加3.4亿元日元），但是营业利润仍实现了增长。因此，摊销前营业利润达到32.95亿元日元（同比增长32.0%）。经营利润同比增长了75.8%，这部分是由于营业外收入增加，例如收取的利息增加以及汇兑差额等。由于去年同期计入了政府补贴收入，母公司股东的净利润同比增长率低于经营利润增长率。
(2) 按业务部门分状况
在日本成型相关业务中，由于主要客户汽车制造商的生产得到恢复，营业收入达到202.47亿元日元（同比增长5.0%），业务部门利润为5.68亿元日元（同比增长34.1%）。
在中国成型相关业务中，由于前期相对强劲的IC托盘订单失速等原因，营业收入为4.45亿元日元（同比减少38.9%），业务部门利润为0.09亿元日元（同比减少86.2%）。
在美国成型相关业务中，由于过去几年进行的设备投资使产能大幅提高，以及物流需求恢复，营业收入大幅改善，达到59.27亿元日元（同比增长65.0%）。虽然设备投资带来了折旧费用负担，但吸收了这些费用后，业务部门利润为2.4亿元日元（去年同期为1.32亿元日元的亏损），收益性大幅改善。
(3) 设备投资额度和折旧费
2024年3月期的有形固定资产获取额度在完成对墨西哥第二工厂的投资后被显著减少，以经营现金流计算为2,733亿元日元（前年同期为4,122亿元日元），且折旧费显著增加为22.33亿元日元（前年同期为18.93亿元日元）。
（作者：日经FISCO客座分析师 寺岛昇）
