■事業概要
1. 事業内容及びセグメント別概要
萩原電気ホールディングス<7467>の主たる事業は、SoCやマイクロコンピュータ(マイコン)、各種半導体等を半導体メーカーから仕入れ、販売する半導体商社としての機能であるが、それに加えIT機器の仕入れ、販売やインテグレーション、産業用電子機器の開発、製造、販売も行っている。売上高の約89%が自動車関連企業向けであり、単なる部品や部材の販売だけでなく、商品企画・設計段階から参画して、顧客企業の要望に沿ったスペックのマイコンや周辺デバイスの提供、システム開発なども行っている。ハイブリッド車やEVの普及、ADASの進展に伴う電装化の高まりが同社の成長を支えているが、今後は自動車のさらなる自動化(自動運転、自動ブレーキ等)や製造現場でのIT化の波も同社にとって追い風になると弊社では見ている。
同社は、2018年4月から持株会社制へ移行したが、これに伴いセグメントの名称も「デバイス事業」と「ソリューション事業」へ変更した。また、重要な社内組織として「開発生産本部」が関わっている。概要は次のとおり。
(1) デバイス事業(2024年3月期売上高比率87.1%)
主に自動車関連企業向けに、SoC、マイコン、カスタムLSI、アナログ・パワー半導体、コンデンサ、リレー、コネクタ、カラー液晶パネルなどの半導体、電子部品の販売を行う。また、カスタムLSIの設計や組込ソフトウェア/ハードウェア開発支援などの技術サポートも展開する。
具体的には、次世代モデルの企画時に顧客メーカーの機能的要望を聞き取り、それを実現する最適なマイコンを含めた周辺デバイスを提案している。またデバイスの開発時には、マイコンの性能や各種開発ツールの技術面でのサポート、デバイスの動作確認や評価を行い、量産時にはそのデバイスを適時供給するというワンストップソリューションを提供する。
(2) ソリューション事業(同12.9%)
IT機器、組込機器及び計測・FA機器の販売とITプラットフォーム基盤・IoTシステムの構築を核とし、自社製品である産業用コンピュータの開発、製造や各種FA・特殊計測システムの設計・製造も手掛け、これらを組み合わせた各種ソリューションを提供する提案型のビジネスを行っている。近年はサイバーセキュリティ対策からのネットワーク再構築サービスや、データ利活用、業務オペレーションの自動化、エッジ、IoTシステムや生産管理システムなどのインフラ整備やシステム開発などに注力している。
(3) 開発生産本部
ソリューション事業に含まれ、同事業配下の1つの事業部門として分かれている。電子・情報プロダクツの開発、製造に取り組むメーカー部門である。
同部門では、各産業分野に対応したタイムスケールを最重要課題とし、効率と環境を追求した信頼できる電子機器や組込ソリューションを提案する。同社が長年携わってきた産業機器・計測制御機器の開発における経験を新しい技術と融合させ、多岐にわたる分野に応用している。
2. 特色、強み
同社の主力事業はルネサスエレクトロニクス<6723>から半導体を仕入れ、主にトヨタグループに販売する「商社機能」であるが、同社の場合は単に商品を右から左へ流す商社機能だけでなく、以下のような特色や強みを持っている。
(1) 提案力・開発力
同社は自社内に開発、技術サポート部門(技術者)を有していることから、提案力・開発力に優れている。特にトヨタグループと密接であることから、同グループのニーズを的確に把握し、その内容を半導体メーカーにフィードバックすることで最適なデバイスを提供することが可能になっている。
また、独自の知識や技術を結集し、ユーザーのニーズに最適な製品やモジュール等を提案するほか、顧客の要求に応じ開発支援も行っている。同社は顧客に対して「提案できる」、さらに顧客が求める製品を「開発できる」商社と言えるだろう。
(2) トヨタグループとの太いパイプ
トヨタグループとの密接な関係も同社の強みだ。単に生産面での恩恵(トヨタグループの生産増→同社の売上げ増)だけでなく、ハイブリッド車、EVなどの次世代自動車で高い技術を有するトヨタグループとのビジネスにより、同社自身の技術力・提案力・開発力にも一段と磨きがかかるだろう。
将来はこの技術力・提案力・開発力を自動車関連企業だけでなく各種の産業機器やFA機器、生産システム、検査システムなどに応用することで事業の拡大が可能になってくる。世界で最も要求が厳しいと言われるトヨタグループと関係があること自体が、同社の財産とも言える。
一方で、売上高の多くをトヨタグループに依存していることはリスクが高いとの見方もあるが、必ずしもそうではない。現在、トヨタ自動車は世界市場での勝ち組の1つと言われており、そのトヨタグループ向けの売上高が多いことは、同社にとってプラスと考えられる。
(3) 非自動車関連企業向けの技術力
同社の売上高の約11%は非自動車関連企業向けだが、この大部分は単なる商社機能ではなく、むしろIT企業としてのシステム構築等によるものである。特に生産現場でのシステム構築に強い。ソリューション事業の売上高(2024年3月期は29,023百万円)及び営業利益(同2,040百万円)は、一般的な上場システムインテグレーター(SI)企業の売上高及び利益規模に匹敵し、このようなSI機能を持っていることも同社の特色であり、強みでもある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
■业务概要
1. 业务内容和按部门综述
萩原电子控股<7467>的主要业务是作为半导体分销商,从半导体制造商采购SoC、微控制器(MCU)和各种半导体等产品进行销售。此外,该公司还从事IT设备的采购、销售和集成,工业电子设备的开发、制造和销售。营业收入的约89%面向汽车相关企业,不仅销售零部件,还从商品企划和设计阶段开始参与,提供符合客户企业要求的MCU和周边设备的规格,进行系统开发等。混合动力车和电动汽车的普及,ADAS的发展促进了该公司的增长,但未来我们认为,汽车的进一步自动化(无人驾驶,自动制动等)和工厂内的IT化浪潮也将成为该公司的助力。
该公司于2018年4月转型为控股公司,同时也将段落名称更改为“设备业务”和“解决方案业务”。此外,“开发生产部门”作为重要的内部组织被涉及。概述如下。
(1)设备业务(2024财年销售收入比率为87.1%)
主要为汽车相关企业销售SoC、MCU、定制LSI、模拟/功率半导体、电容器、继电器、连接器、彩色液晶面板等半导体、电子部件。此外,还提供定制LSI的设计和嵌入式软件/硬件开发支持等技术支持。
具体来说,在企划下一代型号时,该公司提出包括最佳MCU在内的周边设备来实现客户制造商的功能需求。此外,在开发设备时,该公司提供MCU性能和各种开发工具的技术支持,进行设备操作的验证和评估,以及及时提供设备以提供一站式解决方案。
(2)解决方案业务(相同的12.9%)
以销售IT设备、组嵌设备、计量/FA设备和构建IT平台、IoT系统为核心,展开业务的概略。该公司还从事自主生产的工业计算机开发,制造各种FA和特殊计量系统的设计/制造,并提供结合各种支持的各种解决方案推荐型业务。近年来,他们专注于网络安全对策后的网络再建筑服务,以及数据利用,业务操作的自动化,边缘,IoT系统,生产管理系统等的基础架构建设和系统开发。
(3)开发生产部门
是解决方案业务的一部分,分为一个业务部门。这是一个制造商部门,专注于电子/信息产品的开发和制造。
该部门将各产业领域的适应时间范围视为最重要任务,并提出可靠的电子设备和集成解决方案,追求效率和环境。将该公司多年参与的产业设备/计量控制设备的开发经验与新技术融合,并将其应用于多个领域。
2. 特色、优势
该公司的主营业务是从瑞萨电子<6723>采购半导体,并主要向丰田集团进行销售的“商贸功能”。但是,该公司不仅具有仅将商品从右到左流动的商品功能,还具有以下特点和优势。
(1)提案能力・开发能力
该公司由于拥有公司内的开发和技术支持部门(技术人员),因此拥有出色的提案和开发能力。特别是,由于与丰田集团的联系密切,因此可以准确把握该集团的需求,通过将其内容反馈给半导体制造商,可以提供最佳设备。
此外,该公司还整合了自己的专业知识和技术,提供最适合用户需求的产品和模块,并为客户提供开发支持。可以说,该公司是一家能够为客户“提供建议”并且“能够开发客户要求的产品”的商业机构。
(2) 与丰田集团紧密联系
丰田集团也是该公司的优势之一。除了在生产方面获得收益(丰田集团的生产量增加–>该公司的销售额增加)之外,与丰田集团在下一代汽车领域,如混合动力汽车,电动汽车等方面拥有高水平技术的业务,也能进一步提升该公司的技术力量,提案力量和开发力量。
未来,将该公司的技术力量、提案力量和开发力量应用于各种工业设备,FA设备,生产系统,检测系统等,不仅限于汽车相关企业,可以实现业务扩张。与世界上被认为是最苛刻的丰田集团有关系本身就是该公司的财富。
另一方面,有人认为该公司过于依赖丰田集团的销售额,存在很高的风险,但并非必然如此。目前,丰田汽车是世界市场的赢家之一,丰田集团的销售额高对该公司来说也是有利的。
(3) 提供非汽车相关企业的技术
该公司的约11%的销售额来自非汽车相关企业,但其中大部分不仅是商业机构,而且是作为IT公司通过系统构建等而实现的。在生产现场特别擅长系统构建。该公司的解决方案业务销售额(2024财年为290.23亿日元)和营业利润(同204亿日元)与一般上市的SI公司的销售额和利润规模相当,拥有这种SI功能也是该公司的特色和优势。
(作者:日经FISCO客座分析师 寺岛昇)