■業績動向
1. 2024年3月期決算の概要
(1) 損益状況
昭栄薬品<3537>の2024年3月期業績は、売上高22,595百万円(前期比7.9%減)、営業利益440百万円(同9.8%減)、経常利益651百万円(同3.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益491百万円(同1.5%増)となった。
天然油脂価格相場の低迷により販売価格が低下したこと、加えて海外経済の減速懸念や中国経済の変化発展などから自動車関連や繊維油剤関連の国内主要得意先からの受注及び販売数量も低下したことで主力の化学品が減収となり、全体も減収となった。
一方で輸入商材の拡販に努めたことが利益率を下支えし、円安により輸出原材料が堅調に推移したことなどから売上総利益率は8.4%(前期は7.7%)と改善した。この結果、売上総利益額は前期比0.3%増の1,891百万円となり過去最高を記録した。しかしながら販管費の増加(前期比3.9%増)を吸収できなかったことから、営業利益は前期比で減益となった。
同社は受取配当金や不動産賃貸料などにより営業外収益が営業外費用を大きく上回っていることから、経常利益は営業利益よりも大きくなる傾向にある。そのため経常利益の減益幅は営業利益よりは小さくなり、法人税等の金額が前期よりも少額であったことから、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比でわずかに増益となった。
(2) 財務状況とキャッシュ・フローの状況
2024年3月期末の財務状況では、流動資産が11,068百万円(前期末比1,509百万円増)となった。主に現金及び預金が664百万円、受取手形及び売掛金(電子記録債権含む)が862百万円それぞれ増加し、棚卸資産が39百万円減少したことによる。固定資産は5,747百万円(同508百万円増)となった。主に減価償却による有形固定資産の減少12百万円、投資その他資産の増加520百万円による。この結果、資産合計は前期比2,017百万円増の16,815百万円となった。
負債合計は8,678百万円(前期末比1,250百万円増)となった。主に支払手形及び買掛金の増加1,162百万円、短期借入金の減少50百万円、繰延税金負債の増加125百万円による。純資産合計は前期比767百万円増の8,137百万円となった。主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金が369百万円、その他有価証券評価差額金が341百万円それぞれ増加したことによる。この結果、2024年3月期末の自己資本比率は48.4%(前期末は49.8%)となった。
2024年3月期のキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが818百万円の収入となった。主な収入は税金等調整前当期純利益651百万円、減価償却費13百万円、棚卸資産の減少48百万円、仕入債務の増加1,128百万円で、主な支出は売上債権の増加846百万円であった。投資活動によるキャッシュ・フローは18百万円の支出となった。主に投資有価証券の取得による支出21百万円であった。財務活動によるキャッシュ・フローは、172百万円の支出となった。主な支出は短期借入金の減少50百万円、配当金の支払額122百万円であった。この結果、2024年3月期中に現金及び同等物は640百万円増加し、期末残高は1,901百万円となった。
2. 2024年3月期の事業セグメント別動向
(1) 化学品事業
化学品事業の売上高は20,520百万円(前期比9.1%減)、営業利益は530百万円(同11.6%減)と減収減益となった。販売価格に影響を及ぼす天然油脂相場価格が1年を通じて前期と比べ低価格水準で推移した結果、販売価格も低調に推移した。さらに海外経済の減速懸念や中国経済の変化発展により、自動車関連や繊維油剤関連の国内主要得意先からの受注も低調に推移した。利益率については輸入商材の拡販や円安による輸出原材料が好調であったことから、利益率を下支えした。
国内の商慣習では、パーム油価格動向を反映してオレオケミカル製品の販売価格が決定され、それをベースに同社の仕入価格が決定されるという流れになる。したがってパーム油の国際相場の動向は同社の販売価格に直接的な影響を与えることになるが、2024年3月期はそれがマイナス方向に働いた。
(2) 日用品事業の動向
日用品事業の売上高は750百万円(前期比9.6%減)、営業利益76百万円(同12.4%減)と減収減益で着地した。一部定番商品(洗浄剤や用途別脱臭剤等)の売行きは堅調に推移したが、全体では物価上昇に伴う買い控えなどにより低迷し、利益面でも円安や原材料高、包材・物流費等のコストアップの影響を受けて厳しい事業環境が続いた。販路別では、主力の生協ルートやネット・販売ルートの割合が増加したが、量販店ルートや業務用ルートの比率が低下した。
(3) 土木建設資材事業の動向
土木建設資材事業の売上高は1,325百万円(前期比18.8%増)、営業利益0百万円(前期は28百万円の営業損失)となった。土木建設資材(地盤改良工事及びコンクリート補修補強工事)の工事は、東京外かく環状道路のトンネル工事や大阪万博関連の道路工事物件等で回復傾向となり、工事に使用される材料・添加剤等の販売は堅調に推移した。環境改善薬剤の販売は、新規に受注した鉄道の大型トンネル工事物件により好調であった。この結果、セグメント利益はわずかながら黒字回復した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
■业绩趋势
1。截至2024年3月31日的财政年度的财务业绩概览
(1) 损益情况
Shoei Pharmaceutical截至2024/3财年的财务业绩为销售额225.95亿日元(比上一财年下降7.9%),营业收入为4.4亿日元(比同期下降9.8%),普通利润为6.51亿日元(较同期下降3.2%),归属于母公司股东的净收益为4.91亿日元(较同期增长1.5%)。
由于天然油和脂肪价格疲软,销售价格下降,此外,由于担心海外经济放缓以及中国经济的变化和发展等,与汽车和纺织油相关的主要国内客户的订单和销售量也有所下降,因此主要化学产品的销售下降,整体销售也有所下降。
同时,扩大进口产品销售的努力支撑了利润率,由于日元贬值导致出口原材料的稳定趋势,毛利率提高至8.4%(上一财年的7.7%)。结果,毛利比上一财年增长了0.3%,达到18.91亿日元,创历史新高。但是,由于无法吸收销售和收购费用的增加(比上一财年增长3.9%),营业利润与上一财年相比有所下降。
由于由于收到的股息、房地产租赁费等,公司的营业外收入大大超过了营业外支出,因此普通收入往往大于营业收入。因此,普通利润的下降幅度小于营业收入,并且由于公司税等的金额小于上一财年,归属于母公司股东的净收益与上一财年相比略有增加。
(2) 财务状况和现金流状况
至于2024/3财年末的财务状况,流动资产为110.68亿日元(较上一财年末增加了15.09亿日元)。主要是由于现金和存款增加了6.64亿日元,应收票据和应收账款(包括电子记录应收账款)分别增加了8.62亿日元,库存资产减少了3,900万日元。固定资产为57.47亿日元(比同期增加5.08亿日元)。主要是由于折旧导致有形固定资产减少了1200万日元,投资和其他资产增加了5.2亿日元。结果,总资产比上一财年增加了20.17亿日元,达到168.15亿日元。
总负债为86.78亿日元(较上一财年末增加了12.5亿日元)。主要是由于应付票据和应付账款增加了11.62亿日元,短期贷款减少了5000万日元,递延所得税负债增加了1.25亿日元。净资产总额比上一财年增加了7.67亿日元,达到81.37亿日元。主要是由于归属于母公司股东的净收益的记录导致留存收益增加了3.69亿日元,其他证券估值差异分别增加了3.41亿日元。结果,2024/3财年末的资本充足率为48.4%(上一财年末为49.8%)。
至于截至2024/3财年的现金流状况,来自经营活动的现金流为收入8.18亿日元。主要收入为税前净收益6.51亿日元,折旧和摊销费用为1300万日元,库存资产减少4,800万日元,购买债务增加11.28亿日元,主要支出为应收销售账款增加8.46亿日元。投资活动产生的现金流为1,800万日元的支出。支出为2,100万日元,主要是由于收购投资证券。来自财务活动的现金流为1.72亿日元的支出。主要支出是减少了5000万日元的短期贷款和1.22亿日元的股息支付。结果,在截至2024/3财年的财政年度中,现金及等价物品增加了6.4亿日元,截至财年末的余额为19.01亿日元。
2。截至2024/3财年按业务分部划分的趋势
(1) 化学品业务
化学品业务的销售额下降至205.2亿日元(比上一财年下降9.1%),营业利润降至5.3亿日元(比同期下降11.6%)。由于天然油脂的市场价格影响了销售价格,与上一财年相比,全年价格处于较低水平,销售价格也保持低迷。此外,由于对海外经济放缓以及中国经济变化和发展的担忧,与汽车和纺织润滑油相关的主要国内客户的订单也仍然疲软。至于利润率,利润率是由进口产品销售的扩大以及日元贬值导致的出口原材料的强劲销售所支撑的。
在国内商业惯例中,油脂化学产品的销售价格是通过反映棕榈油价格趋势来确定的,公司的收购价格就是以此为基础确定的。因此,棕榈油国际市场价格的趋势将对公司的销售价格产生直接影响,但这在2024/3财年呈负面影响。
(2)日用品业务的趋势
日用品业务的销售额达到7.5亿日元(比上一财年下降9.6%),营业利润下降至7,600万日元(比同期下降12.4%)。一些标准产品(洗涤剂、特定用途的除臭剂等)的销售保持稳定,但总体而言,由于价格上涨等而避免采购,销售疲软。在利润方面,受日元贬值、原材料高企以及包装材料和物流成本增加的影响,业务环境持续艰难。按市场渠道划分,主要合作路线和净/销售路线的比例有所增加,但大众零售商路线和商业路线的比例下降了。
(3)土木工程和建筑材料业务的趋势
土木工程和建筑材料业务的销售额为13.25亿日元(比上一财年增长18.8%),营业利润为0万日元(上一财年的营业亏损为2,800万日元)。由于东京外环线的隧道施工以及与大阪世博会相关的道路建设物业等,土木工程材料的建筑(地面改善工程和混凝土修复和加固工程)显示出复苏趋势,建筑中使用的材料、添加剂等的销售保持稳定。由于新订购了大型铁路隧道施工物业,环境改善药物的销售强劲。结果,分部利润略有恢复至盈余。
(由FISCO客座分析师寺岛升撰写)