製品写真:抗体糖鎖自動前処理装置「MUP-3100」
島津製作所は、7月3日に抗体糖鎖自動前処理装置「MUP-3100」を発売いたします。本製品は、抗体医薬品の研究開発や品質管理に必須の抗体糖鎖分析において、手間のかかる「前処理」工程を自動化しました。従来は手作業で行っていた工程を6軸ロボットにより省人化・効率化することで、連続作業を可能にするだけでなく、作業ミスの低減、作業者の安全確保と負担軽減にもつながります。製薬企業や医薬品製造受託機関(CMO)、医薬品開発製造受託機関(CDMO)での利用を想定しており、業務の安全性と効率性を高めて医薬品の研究・開発の迅速化に貢献します。本製品は、住友ベークライト株式会社製の「Auto-EZGlyco mAb-N Kit for SHIMADZU」を用いた抗体糖鎖分析向けの専用装置です。
液体クロマトグラフ(LC)や液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)などによる機器分析で必須の「前処理」と呼ばれる工程は、複数の試薬と遠心分離機・ピペッターなどの機器・器具を用いるため煩雑です。また試薬を量りとる「分注」や試薬添加などの作業は、スキルや経験が求められます。製薬の研究開発や品質管理では、煩雑な前処理が研究者や技師の負担となっており、自動化への要望が高まっています。
抗体医薬品は、遺伝子組み換え技術を用いて細胞に生産させたタンパク質(抗体)で構成される医薬品で、がん細胞などの表面の目印となる抗原を標的とすることにより、高い治療効果と副作用の軽減が期待できます。一方で、抗体の表面に結合する糖鎖(糖が連結した化合物)などは、抗体医薬品の有効性・安全性などに影響するうえ生産管理が難しいため、LC・LC-MSによる糖鎖成分の分析が必要です。また、抗体医薬品などの後続品であるバイオシミラーの開発においても、先行品との糖鎖の比較試験が品質管理項目の一つになっています。本製品で、抗体糖鎖分析の前処理を自動化することで、作業者の負担を軽減し、正しい手順に基づいたより高い分析精度と再現性の提供を支援します。
島津製作所は本製品に加えて、糖鎖合成に関わる金属元素を分析するICP質量分析計や、糖鎖の基質となる糖などを分析するLC-MS用ソフトウェアなど、抗体医薬やバイオシミラーの開発に役立つ製品を幅広く提供しています。これらの製品・技術により、主なバイオ医薬品市場である北米やバイオシミラー産業やCMO、CDMOの成長が著しいアジア地域で販売を拡大するとともに、製薬企業やCMO、CDMOの業務効率の向上を通じて抗体医薬品の研究・開発の迅速化に貢献してまいります。
产品照片:自动抗体糖链预处理装置 “MUP-3100”
岛津公司将于7月3日发布自动抗体糖链预处理设备 “MUP-3100”。该产品使抗体糖链分析耗时的 “预处理” 过程自动化,这对于抗体药物的研发和质量控制至关重要。通过使用6轴机器人来节省劳动力并提高以前由手工执行的流程的效率,这不仅可以实现连续工作,还可以减少工作错误,确保工人的安全并减轻负担。它旨在供制药公司、药品制造合同组织 (CMO) 以及药物开发和制造合同组织 (CDMO) 使用,并通过提高运营安全性和效率来促进药物研发。本产品是使用住友电木株式会社生产的 “适用于岛津的Auto-EZGLYCO mab-n试剂盒” 进行抗体糖链分析的专用设备。
被称为 “预处理” 的过程对于使用液相色谱仪(LC)或液相色谱质谱仪(LC-MS)等进行仪器分析至关重要,因为它使用多种试剂和设备/仪器,例如离心机和移液器,因此非常复杂。此外,诸如 “分配” 和添加试剂来称量试剂之类的任务也需要技能和经验。在药物研发和质量控制中,复杂的预处理给研究人员和工程师带来了负担,对自动化的需求也在增加。
抗体药物是由使用转基因技术在细胞中产生的蛋白质(抗体)组成的药物,通过靶向标记癌细胞表面的抗原等,可以预期具有很高的治疗效果并减少副作用。另一方面,与抗体表面结合的糖链(与糖相关的化合物)等会影响抗体药物的疗效和安全性,生产控制很困难,因此需要通过LC/LC-MS分析糖链成分。此外,在生物仿制药(抗体药物的继承品等)的开发中,糖链与先前产品的比较测试是质量控制项目之一。通过自动化抗体糖链分析的预处理,该产品减轻了工作人员的负担,并支持根据正确的程序提供更高的分析精度和可重复性。
除该产品外,岛津公司还提供各种可用于开发抗体药物和生物仿制药的产品,例如分析糖链合成中涉及的金属元素的ICP质谱仪,以及用于分析糖链底物的糖等的LC-MS软件。通过这些产品和技术,我们将扩大在作为主要生物制药市场的北美以及生物仿制药行业、CMO和CDMO快速增长的亚洲地区的销售,并通过提高制药公司、CMO和CDMO的运营效率,为加快抗体药物的研发做出贡献。