■経営戦略
2. 中期経営計画
中西製作所<5941>は2023年3月期を起点とする中期経営計画(2022~2024年度)を策定している。中期経営計画の基本方針として、既存マーケットにおけるシェアやプレゼンスを維持しつつ周辺分野へ販路を拡大するとともに、新規市場に向けた製品開発と人材育成によって競争力を強化する。主な施策としては、従来通り学校給食や病院給食の市場を基盤としつつ、成長分野である外食産業と食品加工市場などへと事業領域を拡大する計画である。また、環境課題や社会課題に配慮して、省人化、省エネルギー化、節水対応、リサイクル対応といったSDGsに貢献する製品を積極的に開発する方針である。多様な人材が活躍できる環境を整え、ESGへの取り組みやコーポレートガバナンス・コードへの対応、社員満足度の向上などを通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指している。具体的な施策は、周辺領域へのにじみ出し戦略の遂行、SDGsに貢献する製品の開発、多様な人材が活躍できる環境の整備、ESGへの取組みと社員満足度の向上の4つで、詳細を以下に示す。
(1) 周辺領域へのにじみ出し戦略※の遂行
少子高齢化のなか学校給食を食べる児童・生徒の減少傾向は留まらず、また、入院期間の短縮化などにより病院給食市場も飽和状態にある。こうしたなかで同社は、従来通りの学校や病院をターゲットとしつつも、学校統合や単独校方式からセンター方式への切り替えや、病院内調理からセントラルキッチン化への切り替えなどに対応し、ビジネスチャンスを逃さずシェアを拡大していく方針である。また、にじみ出し戦略により、従来の業務用厨房機器市場の周辺領域にあたる食品機械市場へと販路を拡大するとともに、コンベアやロボットの技術などを取り入れて外食へのアプローチを強めていく考えである。さらに、過熱水蒸気SVロースターや炊飯ラインの輸出、バリューチェーンで上流にあたるレイアウト設計やライン設計、動線改善指導などエンジニアリング・コンサルティング分野への進出も図っている。その際、必要に応じてM&Aや出資なども検討する考えである。こうしたことをテコに同社はフードテック企業として飛躍する意向で、そのため、テストキッチン付きワークスペースをベンチャー企業に開放するなど、新たな調理技術の開発も目指している。
※にじみ出し戦略:自社の製品から近い領域での買収により領域を広げていく村田製作所の戦略に基づく。
(2) SDGsに貢献する製品の開発
同社は、国連で採択されたサステナブル(持続可能)な社会を目指したSDGsの課題目標の達成に寄与するべく、5つのマテリアリティ(重要課題)への取り組みを行うことを宣言し、このなかの1つとして「環境にやさしい製品の開発を目指す」ことを掲げた。これまでも同業他社に先駆けて、省力化・省人化への取り組みを進めてきており、加熱機器では消費電力量を30%削減できる電気フライヤー、炊飯機器ではガス消費量を23%削減できるガス連続炊飯機、洗浄機器では水のリサイクル方式や節水ユニットの採用により使用水量を30%削減できる食器洗浄機を開発してきた。このような環境負荷低減のための省エネ性能向上だけでなく、家電リサイクルのためのパーツ洗浄機や、残滓(食べ残し)・腐敗による害獣・害虫及び臭いへの対策のための冷蔵機能付きゴミ箱など、時流にあった新製品を積極的に導入していく考えである。
(3) 多様な人材が活躍できる環境の整備
同社は、業界に先駆けてデジタル技術の活用と情報革新に取り組んでおり、いち早く社員にPCとスマートフォンの配布を完了し、基幹システムの革新と働き方改革を実現してきた。同社のDXビジョンでは、顧客への提供価値、競争力、従業員満足を通じた社会全体への貢献の3つをさらに強化することとしており、DX戦略の実行により厨房機器業界内でのデジタル化推進ナンバーワン企業としての立場をより強固にしていく方針である。また、労働環境や従業員意識の変化に対応しつつ、就業形態や採用、教育など聖域を設けず、人材を確保・維持するための様々な制度について幅広く検討し、積極的に取り入れていく考えである。
(4) ESGへの取り組みと社員満足度の向上
同社は、企業価値の源泉の1つには人材があり、その人材である社員からの様々なアイデアの発露が不可欠だと考えている。また、優れたアイデアを生み出すためには、安心して働き続けられる環境が重要であり、就業しながら子育てを継続し、仕事と子育てを両立する仕組みも必要と考えている。このため、2022年度より社員の子どもの給食費を会社が支給する制度を導入し、安心して子どもを生み育てる環境づくりを整備した。なお、2020年度から、地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)を活用して、全国の自治体が取り組む少子化対策や次世代育成事業への支援を行っており、社会問題の解決への貢献や地域との交流などを通じて社員が誇りを持って仕事を遂行できる取り組みも行っている。このように同社は、同社の社員が業績向上ばかりでなくサステナブルな社会にも貢献することで、社員の家族はもとより、あらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことのできる社会の実現を目指している。
同社は、中期経営計画で2025年3月期に売上高32,500百万円(起点の2023年3月期は30,668百万円)、経常利益1,650百万円(同1,193百万円)を達成するという目標を立てていたが、こうした施策を通じて、中期経営計画2年目の2024年3月期に目標を大きく上回ることができた。なお、同社は、長期的に売上高40,000百万円を目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
■管理策略
2。中期管理计划
中西制作所 <5941>已经制定了从截至2023/3的财政年度开始的中期经营计划(2022年至2024年)。作为中期经营计划的基本方针,将销售渠道扩展到周边领域,同时保持现有市场的市场份额和影响力,并将通过针对新市场的产品开发和人力资源开发来增强竞争力。作为一项主要政策,计划将业务领域扩展到餐饮服务业和食品加工市场等,这些都是增长领域,同时一如既往地在学校午餐和医院午餐市场上再接再厉。此外,考虑到环境和社会问题,该政策是积极开发有助于可持续发展目标的产品,例如节省劳动力、节能、节水和回收支持。我们创造了一个让多元化的人力资源可以发挥积极作用的环境,并通过ESG举措、遵守公司治理准则和提高员工满意度来实现可持续增长和中长期的企业价值改善。有四项具体措施:执行渗透到周边地区的战略、开发有助于实现可持续发展目标的产品、营造让多元化人力资源发挥积极作用的环境、ESG举措以及提高员工满意度,详情如下所示。
(1) 执行渗透策略※ 渗入周边地区
在出生率下降和人口老龄化的背景下,儿童和学生吃学校午餐的下降趋势并未停止,医院午餐市场也因住院时间缩短等而饱和。在这种情况下,在像以前一样以学校和医院为目标的同时,公司计划通过应对学校整合、从单一学校系统转向中央系统以及从院内烹饪转向中央厨房来扩大市场份额。此外,通过渗出战略,其想法是扩大食品机械市场(传统商用厨房设备市场的外围领域)的销售渠道,并通过整合输送机和机器人技术等来加强外出就餐方式。此外,他们正在出口过热蒸汽SV烘焙机和煮饭生产线,并扩展到工程咨询领域,例如布局设计、生产线设计和流线改善指导,这些领域位于价值链的上游。当时,我们的想法是在必要时考虑并购、投资等。利用这一点,该公司打算作为一家食品科技公司向前迈出一大步,因此它还打算开发新的烹饪技术,例如向风险公司开放带有测试厨房的工作空间。
*Oozing 战略:基于村田制作所的战略,即通过收购与自有产品接近的领域来扩大该领域。
(2)开发有助于可持续发展目标的产品
该公司宣布,将在五个重要问题(重要问题)上开展工作,以促进实现联合国通过的以可持续(可持续)社会为目标的可持续发展目标问题,并表示 “旨在开发环保产品” 是其中之一。到目前为止,我们一直领先于同行业的其他公司,推进省力和省力的工作,我们开发了可以将供暖设备功耗降低30%的电炸锅,可以将煮饭设备的燃气消耗减少23%的燃气连续电饭煲,以及通过在清洁设备中采用水回收系统和节水装置可以将用水量减少30%的洗碗机。除了提高节能性能以减少此类环境影响外,其想法是积极推出符合趋势的新产品,例如用于回收家用电器的零件清洗器和具有制冷功能的垃圾桶,以对抗残留物(剩余食物)和腐烂造成的害虫、害虫和异味。
(3)建立多元化人力资源可以发挥积极作用的环境
该公司致力于在业界领先地利用数字技术和信息创新,是第一个完成向员工分发个人电脑和智能手机的公司,并实现了核心系统创新和工作方式改革。该公司的DX愿景进一步强化了为客户提供的价值、竞争力和通过员工满意度对整个社会的贡献这三个要素,该政策旨在通过实施DX战略进一步巩固其作为促进厨房设备行业数字化的头号公司的地位。此外,在应对工作环境和员工态度的变化时,其想法是广泛研究并积极采用各种制度来保护和维护人力资源,而无需建立就业表格、招聘、教育等避难所。
(4) ESG 举措和员工满意度的提高
公司认为,人力资源是企业价值的来源之一,表达作为人力资源的员工的各种想法至关重要。此外,为了产生优秀的想法,人们可以安心地继续工作的环境很重要,我认为,还需要一个在工作和抚养孩子的同时继续抚养子女并平衡工作和抚养孩子的制度。出于这个原因,我们引入了从2022财年起公司为员工子女支付学校午餐费用的制度,并创造了一个可以让孩子安心出生和成长的环境。此外,从2020财年起,我们将利用地区振兴支持税制(企业版家乡纳税)为全国地方政府正在开展的出生率下降对策和下一代开发项目提供支持,还努力通过为解决社会问题和与社区交流做出贡献,使员工能够自豪地开展工作。通过这种方式,公司的目标是通过不仅为提高绩效做出贡献,而且为可持续发展的社会做出贡献,实现一个每个人,不仅是员工的家庭,都能健康和丰富地享受自己的生活的社会。
该公司在中期管理计划中设定了实现325亿日元(起始点:截至2023/3财年的306.68亿日元)和16.5亿日元(同等11.93亿日元)的目标,通过这些措施,有可能大大超过截至2024/3财年(中期经营计划的第二年)的目标。此外,该公司的目标是实现40亿日元的长期销售额。
(由 FISCO 客座分析师宫田仁光撰写)