■今後の見通し
2. 企業価値向上に向けた取り組み
明豊ファシリティワークス<1717>は新築から維持保全までの施設のライフサイクルやオフィス構築等において、これらからの発注者に必要な価値と意思決定プロセスを提供していくことで、発注者支援事業の将来性を高めると同時に企業価値の向上に取り組む。同社の経営理念でもある「フェアネス・透明性」のベースとした人材育成とDXも活用した付加価値の高いCMサービスを提供し続けることで収益の持続的成長を目指すとともに、透明で納得感の高い社会への貢献やESG投資及び株主還元の充実を通じて社会に貢献する「発注者支援事業そのもので社会還元」というビジョンを実現していく。
(1) 対処すべき課題と取り組み方針
建設投資における発注者の意思決定や品質確保が一層高度化するなか、発注者支援事業へのニーズが高まり、マーケットの拡大や事業の将来性を高められる環境にあり、こうした環境の中で同社は発注者支援の先頭に立ち、さらなる企業価値の向上を図るため、CMサービスの価値向上、CM事業の新たな価値創造、人的資本の強化、の3点に取り組んでいく方針だ。あわせて株主還元を充実させていくとともにESG投資、フェアで透明な社会の実現に貢献していく考えだ。
a) CMサービスの価値向上
建設プロジェクトにおける第三者性とその価値の確立、先見性とリスク管理を徹底しながら社会の変化とともにCMサービスを進化させ、サービスの価値向上を追求していく。また、発注者にとっての価値を向上させ、顧客と持続的な関係を構築し、経営基盤の安定化を図る。
b) CM事業の新たな価値創造(CX×DX)
市場環境が激しく変化するなかで、10年先を見据えてDXを融合させた発注者支援事業の新たな価値創造に着手していく。また、建設、維持保全、オフィスづくりにおいて、発注者にとってより効率的で価値のある意思決定プロセスに変革していく考えだ。
c) 人的資本の強化
「フェアネス・透明性」の経営理念のもと、価値向上、価値創造を支える基盤として、社内のプロによる顧客本位の体制強化、リーダーの育成、女性活躍推進、ナレッジセンター※の拡大と完成度向上、学びあう風土の醸成に取り組む。
※デジタル基盤上に構築したナレッジセンターにおいて、業務上のベストプラクティスが共有できるほか、サービス品質向上に不可欠なドキュメントレベルの周知や学習が行えるようになっている。
(2) CM×DX
同社は発注者支援事業を普及させるという第1フェーズを達成し、現在は各事業分野とDX推進事業が一体となったサービスを提供する第2フェーズ(CX×DX)に取り組んでいる。具体的には、プロジェクト情報をデジタル化し、顧客と同社の間で可視化・一元管理することでプロジェクトリスクに対応し、アウトプットの精度を向上させ、難度の高い顧客の意思決定を支援しており、こうしたCX×DXの取り組みが同社の強みともなっている。また、情報のデータベース化によって同社社員は効率的に新たなナレッジを共有する体制を構築し、学習しながらプロジェクトを推進することで、人材の育成にもつなげている。また、公共施設などの老朽化による維持保全ニーズが高まるなかで、「MPS」を用いてLCCを最適化し効率的かつ適切な予防型維持保全の実現を支援していく。
(3) ESG/SDGsへの取り組み
同社は、企業理念である「フェアネス」「透明性」「顧客側に立つプロ」のもと、持続可能な社会の実現に向けて社会課題の解決に取り組んでいる。環境面での取り組みとしては、社内にCASBEE建築評価員49名、LEED AP3名が在籍しており、顧客側に立つプロが顧客の環境対策を環境CMによって支援することで、企業価値の向上と地球環境の保全に貢献している。具体的には、社内技術チームによる脱炭素化支援CMを提供しており、環境に配慮した施設の導入・運用支援(ZEB、オフグリッド等脱炭素化に資するCMの提供)や、施設の長寿命化のための各種提案、実現支援(MSPの運用等)を行うなど、発注者支援事業を通じて顧客の環境対策ニーズに貢献している。
さらに、同社は気候変動に関するリスク等への対応について、TCFD提言※の趣旨に賛同し、TCFDコンソーシアムに加盟し、気候変動に関する推奨されたフレームワークの整備と透明性向上に取り組んでいる。開示基礎項目であるガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標を策定しており、このうちCO2排出量削減に関しては2020年3月期比で2024年3月期は37.5%の削減を達成しており、2031年3月期までに50%削減、2051年3月期までにカーボンニュートラルの達成を目指している。
※金融安定理事会(FSB:各国の金融関連省庁及び中央銀行からなり、国際金融に関する監督業務を行う機関)によって設立された気候関連財務情報開示タスクフォースの提言。気候変動に起因する財務的影響の分析、開示が推奨されている。
そのほか、ESG投資として東京都発行のグリーンボンド(2019年10月、2021年10月、2022年10月、2023年10月)への投資を継続的に実施している。同グリーンボンドは気候変動への適応、自然環境の保全、生活環境の向上に関連した事業等に充当されている。また、日本学生支援機構が奨学金事業の財源を目的に発行したソーシャルボンドにも、2021年5月に投資した。
一方、ダイバーシティやワークライフバランスの充実を図るため、多様性の確保に向けた人材育成やITを活用した職場環境の整備などに取り組んでいる。女性の活躍を重要テーマの1つとして産休・育休制度、時短勤務、健康活動支援、リフレッシュ休暇制度などを整備しており、2022年6月には「くるみん認定」※を受けた。
※「くるみん」は、仕事と家庭を両立しやすい職場環境づくりに取り組んでいる企業として、一定の基準を満たした場合に申請を行うことで「子育てサポート企業」として、厚生労働省より認定を受けた証となる。認定を受けた企業は「くるみんマーク」を広告等に表示し、子育てサポート企業であることを公表できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
■未来展望
2. 应对企业价值提升的措施
明豊ファシリティワークス<1717>致力于为这些委托方提供必要的价值和决策过程,包括从新建到维护保养的设施生命周期和办公室构建等,以增加委托方支持业务的未来性,同时致力于提高企业价值。公司在经营理念上,利用人才培育和DX以及基于“公正透明”的基础提供高附加值的CM服务来持续增长收益,通过透明且令人满意的社会贡献及ESG投资和股东回报,实现“社会回报即支持委托方业务的社会回报”的愿景。
(1)需要应对的问题及方针
在建设投资中,随着委托方决策和质量保证的进一步提高,委托方支援业务需求增加,处于扩大市场和增加业务未来性的环境中,公司将致力于提高CM服务的价值、创造CM业务的新价值和加强人的资本,以提高企业价值。同时,公司计划加强股东回报的同时,为ESG投资和实现透明而令人满意的社会做出贡献。
a)提高CM服务的价值
通过确立建设项目中第三方性及其价值,坚持看到社会变化发展的CM服务,追求服务的价值提高。同时,提高委托方价值、建立持续的顾客关系、稳定管理基础。
b)创造新的CM业务价值(CX×DX)
在市场竞争日益激烈的情况下,公司计划从DX的角度出发,开展支持委托方的事业,在建设、维护、办公室建设领域中进行更为高效和有价值的决策和变革。
c)加强人的资本
公司在经营理念“公正透明”基础上,致力于以该基础为支撑的基础设施增强,由公司内部专业人员建立以顾客为导向的架构加强,开展领导者的培养、女性积极参与推进、拓展和完善知识中心,并建立倡导互相学习的文化。
※在建立在数字基础上的知识中心上,可以共享业务上的最佳实践,以及能够开展文件级别的周知和学习,这是不可或缺的,可以实现服务品质的提高。
(2)CM×DX
公司已经实现了推广委托方支援业务的第一阶段,并正在推进第2阶段(CX×DX),将各种业务区域和DX推进业务作为一个整体提供服务。具体而言,公司数字化了项目信息,通过在客户和公司之间进行可视化和集中的管理,以应对项目风险,提高输出精度,支持困难客户的决策,并增强CX×DX,成为公司的优势。此外,通过将信息数据库化,公司员工建立了一个共享新知识的有效体系,支持培养人才。此外,在公共设施等老化导致保养需求增长的情况下,公司利用MPS的助力,优化LCC并支持高效而适当的预防性保养。
(3)对ESG/SDGs的处理方式
公司根据经营理念“公正透明”及“专业面向客户”的立场,致力于通过解决社会问题,实现可持续社会。作为对应环境问题的努力,公司在社内设有49名CASBEE建筑评价员和3名LEED AP,公司的专业成员将通过环境CM来支持客户的环境措施,从而增加企业价值和保护地球环境。具体来说,公司提供了通过公司内部技术团队提供的低碳化支援CM,推行张贴环境CM、在施设备(ZEB、孤立管道等碳化技术),提供各种改善办法并实现(MSP)等,为委托方的环境对策需求作出贡献。
此外,该公司支持TCFD提议的精神,加入了TCFD联盟,并致力于建立气候变化推荐框架和提高透明度,以应对气候变化所带来的风险。其制定了披露的基础项目,包括治理、战略、风险管理、因子和目标。在这些项目中,2024财年对比2020年3月期,其二氧化碳排放量将减少37.5%,并且计划在2031年3月期之前将减少50%,在2051年3月期之前达到碳中和。
※金融稳定理事会(FSB, Financial Stability Board)成立了应对气候变化的财务信息披露任务力量,推荐进行分析和披露气候变化所带来的财务影响。
此外,该公司持续投资于东京发行的绿色债券(分别为2019年10月、2021年10月、2022年10月和2023年10月)作为ESG投资。该绿色债券用于与适应气候变化、保护自然环境和改善生活环境相关的业务等。此外,该公司还于2021年5月投资了由日本学生支援机构发行的社会债券,用于奖学金项目的资金来源。
另一方面,为了实现多样性和工作与生活的平衡,该公司致力于人才培养和改善IT使用的工作环境等,以确保多样化。该公司已经制定了申产假和育儿假制度、缩短工作时间、支持健康活动和休闲假等,将女性的发展作为一个重要主题,并于2022年6月获得了“Kurumin认证”※。
※如果达到一定的标准,公司可以申请“Kurumin认证”为支持创造适合工作和家庭兼顾的工作环境的企业,并获得厚生劳动省的认证。获得认证的公司可以在广告等上展示Kurumin标志,并公布其为子育企业。
(撰写:FISCO客座分析师佐藤让)