■今後の見通し
1. 2025年3月期の業績見通し
nmsホールディングス<2162>の2025年3月期の連結業績予想は、売上高が75,000百万円(前期比2.9%増)、営業利益が2,100百万円(同11.2%増)、経常利益が1,900百万円(同21.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が1,300百万円(同76.4%増)。上期を中心に引き続きEMS事業における主要顧客の在庫調整影響が残ること、PS事業においても複写機メーカーの需要停滞や在庫調整影響があり厳しい事業環境が続くことを見込んでおり、売上高は大きな拡大を計画には織り込んでいない。一方、これらの調整はおおむね上期いっぱいで完了し、下期においては外部環境が好転、売上高も前期比で増収へと転換する見通しであり、回復ペース次第では売上高の上振れ余地も十分にあると見られる。EMS事業では製造業の脱中国化の進展による同社ベトナム拠点の売上大幅増加が見込まれることに加え、依然として収益性に課題のあったメキシコ拠点における黒字化の達成を必達目標としている。EMS事業においては業界としての目指すべきベンチマークの営業利益率が5%程度と弊社では考えており、同社の2024年3月期の営業利益率は1.7%であることから、依然として改善余地は大きい。
2. 事業別業績見通し
(1) HS事業
需要は2025年3月期にかけても引き続き高水準で推移することを見込んでいる。引き続き顧客ニーズに合わせた多様なサービス・人材の提案・提供、製造業の海外進出・製造支援サービス事業の拡大、デジタルプラットフォームの構築・展開を主眼に据え、事業規模拡大を図っていく。事業環境の変化に対応する形でグループ内製造受託インフラ・ノウハウを顧客ニーズに合わせて提案・提供するほか、製造業のファブレス化に即応するため、即戦力となるシニアエキスパート人材の雇用推進にも注力し、幅広い人材の雇用機会を創出することで、採用枠の拡大と生産性の向上をさらに推し進めていく。また、多様な外国人材の活用も推進する。同社ではエンジニア人材に特化した「技術センター」を設置し、2024年春に稼働をスタートさせた。さらに、「グローバル・プラットフォーム・サービス」事業規模拡大に向けてベトナムにおいて基盤強化策を実行していく。利益面に関しても、基盤強化策を継続していく。具体的には、既存取引における原価率の改善、販管費の管理強化などを推進する計画である。
(2) EMS事業
EMS事業は、2024年3月期と同様に、マレーシア拠点における客先在庫調整の影響により、売上高は前期比で減収計画としている。一方、同社ではベトナム拠点とメキシコ拠点において各種活動に注力していく。ベトナム拠点では、車載用ワイヤレス充電器関連やAV・音響機器関連など、プレス技術を核に完成品まで生産できる特長を生かし、ベトナムへの生産移管を進める日系企業のニーズに合わせた対応に注力する。製造業の脱中国化及び東南アジアへの生産地移転が進むなか、EMS業界におけるベトナムの重要性が高まっており、需要が好調に推移することが見込まれる。メキシコ拠点では、主軸の車載関連部品に加え、北米において大きなマーケットを有し、需要が安定している家電や電動工具、産業機器などの顧客にフォーカスし事業を推進していく。こうしたなか、利益確保に向けて基盤強化策による収益性の向上に引き続き取り組んでいくことで、メキシコ拠点を2025年3月期は黒字化させる計画としており、メキシコ拠点の赤字解消に向けた進捗が2025年3月期のEMS事業の営業利益達成のために必要不可欠な最重要項目である。
(3) PS事業
PS事業においても上期は需要横ばいが続く想定の計画となっている。こうしたなか、高圧電源、マグネットロールを中心に引き続き安定した収益体質への転換を図る。また、産業機器市場への製品展開、新規顧客の獲得・拡販にも引き続き注力する方針だ。さらに、省人化・自動化ニーズによるロボティクス市場の拡大や、新型コロナウイルス感染症の拡大を背景とした殺菌・滅菌機器市場への製品展開など、新市場の開拓にも注力していく。ロボティクス市場や産業機器市場への展開は確実に進捗しており、さらなる新市場の開拓が期待される。利益面に関しても生産性向上のための各種施策を実行し、収益確保に注力する。加えて、部材の調達ソースを拡大することによって、生産活動の安定化も進める計画だ。戦略投資や基盤強化策の着実な実行によって、2025年3月期においても収益性が着実に高まっている状況にある。複写機メーカー向けでは構造的に売上高の大幅な成長は見込みにくいが、収益性改善への取り組みにより着実に利益を積み上げていく事業である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
■未来展望
1。截至2025年3月31日的财年收益预测
NMS Holdings截至2025/3财年的合并收益预测为销售额为7.5亿日元(较上一财年增长2.9%),营业收入为2,1亿日元(较同期增长11.2%),普通利润为19亿日元(较同期增长21.0%),归属于母公司股东的净收益为1.3亿日元(较同期增长76.4%)。EMS业务主要客户库存调整的影响将继续存在,主要是在上半年。由于复印机制造商的需求停滞以及库存调整的影响,预计PS业务的严峻商业环境将持续下去,因此该计划未将销售考虑在内。同时,这些调整总体上是在上半年末完成的,预计下半年外部环境将有所改善,与上一财年相比,销售额也将增加,并且根据复苏的步伐,销售还有很大的上升空间。在EMS业务方面,由于制造业去中国化的进展,该公司越南基地的销售额预计将急剧增长外,不可避免的目标是在墨西哥基地实现盈利,那里的盈利能力仍然存在问题。在EMS业务方面,我们认为,作为一个行业,我们应该将基准营业利润率定为5%左右,而且由于该公司截至2024/3财年的营业利润率为1.7%,因此仍有很大的改进空间。
2。按业务划分的收益预测
(1) 美国业务
预计到2025/3财年,需求将继续保持在较高水平。我们将继续提出和提供满足客户需求的多样化服务和人力资源,扩大制造业的海外扩张/制造支持服务业务,以建设和部署数字平台为主要重点,并旨在扩大业务规模。除了根据客户需求提出和提供集团内部的制造合同基础设施和专业知识以应对业务环境的变化外,我们还将重点促进雇用随时准备快速工作以快速应对无晶圆厂制造的高级专家人力资源,通过为广泛的人力资源创造就业机会,我们将进一步促进招聘配额的扩大和生产率的提高。我们还将促进使用多种外国人力资源。该公司建立了专门从事工程师人力资源的 “技术中心”,并于2024年春季开始运营。此外,越南将实施基础设施强化措施,以扩大 “全球平台服务” 业务的规模。在利润方面,我们将继续采取措施加强基础。具体而言,计划提高现有交易的成本率,加强对销售和收购费用的管理等。
(2) EMS业务
在EMS业务中,与2024/3财年类似,由于马来西亚基地客户库存调整的影响,销售额计划与上一财年相比有所下降。同时,该公司将专注于其越南基地和墨西哥基地的各种活动。在越南基地,我们将重点利用与无线车载充电器相关的功能以及可以以印刷技术为核心生产的影音/音频设备相关功能来满足日本企业的需求,从而将生产转移到越南。随着制造业去中国化和向东南亚转移生产基地的进展,越南在EMS行业中的重要性正在增加,预计需求将强劲。在墨西哥基地,除了与汽车相关的主轴零件外,我们还将重点关注在北美拥有庞大市场且需求稳定的家用电器、电动工具、工业设备等的客户。在这种情况下,计划通过加强基础设施的措施来确保利润,继续努力提高盈利能力,从而使墨西哥基地在截至2025/3财年的财年实现盈利,而在解决墨西哥基地赤字方面取得进展是EMS业务在截至2025/3财年实现营业利润的最重要项目。
(3) PS 业务
该计划基于这样的假设,即PS业务的上半年需求将继续保持平稳。在这种情况下,我们将继续转向以高压电源和磁辊为中心的稳定的利润结构。此外,继续专注于向工业设备市场开发产品和扩大新客户的收购/销售是一项政策。此外,我们将专注于开发新市场,例如由于节省劳动力/自动化需求而扩大机器人市场,以及在新型冠状病毒感染蔓延的背景下向消毒/消毒设备市场开发产品。向机器人市场和工业设备市场的扩张正在稳步推进,预计新市场的进一步发展。在利润方面,我们还将采取各种措施来提高生产率并专注于确保利润。此外,计划通过扩大零部件的采购来源来稳定生产活动。由于战略投资和基础设施强化措施的稳步实施,即使在截至2025/3的财年中,盈利能力也在稳步增长。从结构上讲,很难预测复印机制造商的显著销售增长,但这是一项通过努力提高盈利能力来稳步积累利润的企业。
(由FISCO客座分析师长冈宏树撰写)