■業績動向
1. 2024年3月期連結業績の概要
サイバートラスト＜4498＞の2024年3月期の連結業績は、売上高が前期比4.8%増の6,466百万円、営業利益が同5.5%増の1,112百万円、経常利益が同5.2%増の1,121百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同28.5%減の518百万円だった。期初計画を下方修正したものの、おおむね前回予想（2024年1月30日付修正値、売上高6,500百万円、営業利益1,100百万円、経常利益1,100百万円）水準の増収、営業・経常増益で着地した。9期連続の増収・営業増益だった。EBITDAは同5.7%増の1,716百万円だった。親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損失にIoTサービスの固定資産に係る減損損失345百万円を計上したため、前回予想を下回り大幅減益だった。
売上面では、Linux/OSSサービス及びIoTサービスが一時的要因も影響してやや伸び悩む形となったが、主力の認証・セキュリティサービスにおいてiTrustを中心にリカーリングサービス売上高が順調に拡大し、全体として増収だった。全社ベースのリカーリングサービス売上高は前期比5.6%増の4,229百万円で過去最高となり、リカーリングサービス売上比率は同0.5ポイント上昇して65.4%となった。利益面では、人件費や償却費が増加したものの、リカーリングサービス売上を中心とする増収効果で吸収した。売上総利益は同5.8%増加し、売上総利益率は同0.4ポイント上昇して47.2%となった。販管費は同5.9%増加し、販管費比率は同0.3ポイント上昇して30.0%となった。この結果、営業利益率は同0.1ポイント上昇して17.2%となった。
iTrustが高成長継続
2. サービス別の動向
認証・セキュリティサービスの売上高は前期比11.3%増の3,943百万円（取引形態別内訳にはライセンスが同2.3%増の158百万円、プロフェッショナルサービスが同33.2%増の598百万円、リカーリングサービスが同8.4%増の3,186百万円）だった。iTrustを中心にリカーリングサービスが順調に拡大した。iTrustは大手銀行の口座開設や自治体の給付金申請での本人確認、企業間や不動産賃貸の電子契約での電子署名などに採用され、60.8%増収と高成長を継続した。安定高収益サービスのサーバー証明書やデバイスIDも堅調に推移した。またプロフェッショナルサービスも大幅増収だった。国立研究開発法人産業技術総合研究所のネットワーク向け認証基盤など、リカーリングにつながる公共大型受託開発案件の受注が寄与した。
Linux/OSSサービスの売上高は前期比3.6%減の1,394百万円（取引形態別内訳にはライセンスが同12.6%減の294百万円、プロフェッショナルサービスが同26.6%増の157百万円、リカーリングサービスが同4.4%減の942百万円）だった。全体としては小幅減収だった。CentOS7サポート終了（2024年6月）に伴う延長サポート需要について、技術的問題の解決に時間を要したため販促活動開始が一部遅れたこと等もあり、延長サポート実施をサポート終了後の2024年7月以降にする企業が想定以上に多かった。また第4四半期に予定していた新規の大型案件を失注したことも影響した。ただしCentOS7延長サポートの問い合わせ件数が急増（約7割が新規顧客候補）しており、全体としてのサービスラインナップ拡充や、マーケティングから営業までの一連のプロセス統合などの重点取組施策も順調に進展した。
IoTサービスの売上高は前期比4.1%減の1,128百万円（取引形態別内訳にはライセンスが同3.5%減の111百万円、プロフェッショナルサービスが同6.5%減の917百万円、リカーリングサービスが同24.7%増の100百万円）だった。全体としては小幅減収だった。プロフェッショナルサービスにおいて、経済安全保障に関わる国際安全基準や法規制への対応のためのセキュリティコンサルティングが堅調だったが、国内製造業からの大型受託開発案件に対応する協業パートナーの開拓遅れが影響した。ただしリカーリングサービスが拡大した。従来の車載機器や産業制御機器の事業分野に加え、新たに医療機器分野で複数の企業がEMLinuxを採用した。また子会社リネオソリューションズの受託開発も2ケタ増収と順調だった。
財務面は高い健全性を維持
3. 財務の状況
財務面で見ると、2024年3月期末の資産合計は2023年3月期末比548百万円増加して8,417百万円となった。主にソフトウェアが減価償却や減損損失計上により387百万円減少した一方で、現金及び預金が525百万円増加、受取手形・売掛金及び契約資産が190百万円増加した。負債合計は141百万円増加して2,384百万円となった。主に買掛金が58百万円増加、未払金が75百万円増加した。純資産合計は407百万円増加して6,032百万円となった。主に利益剰余金が378百万円増加した。この結果、自己資本比率は0.1ポイント上昇して71.6%となった。特に大きな変動項目は見られず、無借金経営であること、自己資本比率が高水準であることなどから、弊社では財務面で高い健全性が維持されていると評価している。
（執筆：フィスコ客員アナリスト 水田雅展）
■业绩动向
2024年3月期联合业绩概要
Cyber Trust（4498）2024年3月财年的合并业绩，营业额比上一会计年度增长4.8％至6,466百万元，营业利润增长5.5％至1,112百万元，经常性利润增长5.2％至1,121百万元，归属于母公司股东当期净利润同比下降28.5％至518百万元。尽管下调了期初计划，但总的来说，达到了前次预测水平（2024年1月30日修正值，营业额6,500百万元，营业利润1,100百万元，经常性利润1,100百万元），实现了增收和营运、经常性利润利率的提升。第9次实现营收和营业利润的同比增长。EBITDA同比增长5.7％，达到1,716百万元。关于归属于母公司股东的净利润，由于计提了IoT服务固定资产减值损失3.45亿日元的特殊损失，因此低于上次预测，利润大幅下降。
在销售额方面，Linux/OSS服务和IoT服务由于一些暂时的原因略有下降，但主要的认证和安全服务中的iTrust等每月循环收入服务销售额稳步扩大，整体上实现了增长。全社循环服务销售额达到了历史最高水平，同比增长5.6％，为4,229百万元，循环服务销售比率同比上升0.5个百分点至65.4％。在利润方面，人力成本和折旧费增加，但受到以循环服务销售为主的增收效应的带动，卖家毛利率同比增长5.8％，卖家毛利率同比上升0.4个百分点至47.2％。销售和一般管理费用同比增加5.9％，销售和一般管理费用比率同比上升0.3个百分点至30.0％。因此，营业利润率同比上升0.1个百分点至17.2％。
iTrust实现了高速增长
2. 按服务分类的趋势
认证和安全服务的销售额同比增长11.3％至3,943百万元（按交易形式分类的内部明细为，许可证同比增长2.3％至1.58亿日元，专业服务同比增长33.2％至5.98亿日元，每月循环收入服务同比增长8.4％至31.86亿日元）。iTrust作为中心，循环式收入服务继续扩大。iTrust在大型银行开户、地方政府补贴申请中的身份验证，企业间和房地产租赁电子合同中的电子签名等方面被采用，销售额同比增长了60.8％，实现了高速增长。而且，稳定的高收益服务的服务器证书和设备ID也得到了稳固增长。此外，专业服务也大幅增长。在一般公共建筑的循环服务中，如国立研究开发法人产业技术综合研究所的网络认证基础设施等，受到订单的贡献。
Linux/OSS服务销售额同比下降3.6％，为1,394百万元（按交易形式分类内部为许可证同比下降12.6％至2.94亿日元，专业服务同比增长26.6％至1.57亿日元，每月循环收入服务同比下降4.4％至9.42亿日元）。总体来说，略微下降。季 CentOS7支援結束（2024年6月）延长支援的需求，花费一些时间解决技术问题，因此推广活动的开始部分有所延迟，预计延长支援实际上将延后到2024年7月以后的公司比预想中多。另外，预计将在第4四半期输掉计划中的新的大型案例也影响了销售额。但是CentOS7延长支持的查询数量急剧增加（约70％是新客户候选人），整体服务阵容的扩大以及从市场营销到销售的一系列流程整合等重点取舍措施也顺利进行。
物联网服务的营业收入为1,128百万日元，比上期减少4.1%（按交易方式分类的详细情况为授权费收入同比减少3.5%的111百万日元，专业服务同比减少6.5%的917百万日元，循环服务同比增加24.7%的100百万日元）。总体而言，营业收入轻微减少。在专业服务方面，安防咨询因应国际安全标准及法规保障领域表现稳固，但因探寻合作伙伴的延迟而受到国内制造业大型代表性开发项目的影响。但循环服务有所扩大。在传统的汽车设备和工业控制设备领域之外，多家公司采用EMLinux进入新的医疗设备领域。此外，子公司Lino Solutions的代表项目开发也取得了两位数增长并保持顺利。
从财务面来看，到2024年3月期末为止的资产总额比2023年3月期末增加了548百万元，达到8,417百万元。软件主要因为折旧和减值损失计入减少了3.87亿元，而现金及存款增加5.25亿元，应收票据、应收账款及合同资产增加了1.9亿元。总负债增加了1.41亿元，达到2,384百万元。主要原因是应付账款增加了580万元，未付款项增加了750万元。净资产总额增加了4.07亿元，达到6,032百万元。主要是因为盈余公积金增加了3.78亿元。由此，自我资本比率上升了0.1个百分点，达到71.6%。鉴于公司无债务经营且自我资本比率处于高水平，因此我们认为公司在财务方面保持了高度的稳健性。
3. 财务状况
从财务面来看，到2024年3月期末为止的资产总额比2023年3月期末增加了548百万元，达到8,417百万元。软件主要因为折旧和减值损失计入减少了3.87亿元，而现金及存款增加5.25亿元，应收票据、应收账款及合同资产增加了1.9亿元。总负债增加了1.41亿元，达到2,384百万元。主要原因是应付账款增加了580万元，未付款项增加了750万元。净资产总额增加了4.07亿元，达到6,032百万元。主要是因为盈余公积金增加了3.78亿元。由此，自我资本比率上升了0.1个百分点，达到71.6%。鉴于公司无债务经营且自我资本比率处于高水平，因此我们认为公司在财务方面保持了高度的稳健性。
(撰写: FISCO特约分析师 水田雅展)
