■中期経営計画の方向性
4. 中期経営計画達成に向けた主な施策
(1) 既存Web3事業の拡大
・カイカコイン(CICC)の資産価値向上
CAICA DIGITAL<2315>が発行するカイカコインについては、GameFiとして注目されるゲーム内決済通貨としての活用をはじめ、活用シーンを増やすことで資産価値の向上を図る。
・「Zaif INO」におけるサービスの拡充
NFTローンチパッド「Zaif INO」については、クリエイターが制作した作品のNFT化からマーケティングまで包括して行っているが、2023年11月に「Zaif INO」でのカイカコイン決済を実装するとともに、12月にはカイカコインで決済可能なNFTの第1弾販売を実現した※。2024年1月にはクレジットカード決済も可能となったほか、2024年5月からはTOPPANとの連携により、NFCタグ機能を活用したNFT配布サービス(NFTカード)の提供を開始するなど、ユーティリティの向上を図っている。
※カイカコインで「Zaif INOデジタルプレミアムチケット」を購入すると、通常価格よりもディスカウントで購入できる特典がついている。
・Web3型のデータ保管サービスの展開
同社ではブロックチェーン技術を活用した次世代のストレージサービスを展開しているが、従来のストレージサービスはデータセンターのセキュリティに関する潜在的なリスクをはらんでおり、分散台帳技術の活用によりセキュリティ向上を図っていく考えだ。また、決済にカイカコインを用いることでユースケースの拡大にも寄与していく※。今後は事業ドメインの拡大とユーザビリティの向上を継続して行うことでシェアの拡大を図る戦略である。
※BtoB決済にカイカコインが利用される事例として、カイカコイン、及びブロックチェーンの分散型ストレージ技術を活用し、改ざん不可能かつ永続的な運用が可能な電子帳簿保存サービスを開始している。
(2) DXコンサルティングによるSI事業の伸長
これまでの暗号資産交換所「Zaif」の運営やNFTローンチパッド「Zaif INO」の運用実績を生かし、CtoCプラットフォームやIPを保有する企業に対してWeb3事業開発のノウハウを提供していく※1。また、主力の「ITサービス事業」については、従来、開発案件の二次請け受注業務が中心であったが、新しい体制を構築することで、上流工程の高単価案件獲得により収益構造の抜本的な改革を目指していく方針である。その一環として、従来のウォーターフォール型の開発体制と併せて、アジャイル型の開発チームにて新たなスクラム体制を組織した※2。
※1 Web3の事業化に対するコンサルティングとして、「CAICA Web3 For Biz」の提供を開始。
※2 アジャイル開発は、「計画→設計→実装→テスト」といった開発工程を機能単位の小さいサイクルで繰り返すところに最大の特徴がある。仕様変更に強いうえ、サービスインまでの期間を短縮することができる。
(3) M&Aによる事業拡大
引き続き、M&Aも重要な戦略の1つとして位置付けており、以下のような対象企業を想定している。
・ブロックチェーン関連企業
ブロックチェーンを活用したサービスを展開する企業を対象とし、同社のノウハウを注入することでさらなる事業拡大を図る。
・Web3と親和性の高い企業
ゲーム開発会社や、独自のIPを所有する会社を対象とし、同社とのシナジー創出により高い収益性を目指す。
・システム開発企業
旺盛なシステム投資意欲を背景とする需要過多な状況に対応するため、M&Aにより獲得したリソース(人的資本等)を活用するとともに、新規顧客の開拓により事業拡大を図る。
5. 人材の確保
上記の施策を進めていくうえでの課題は、専門分野に特化した人材及びハイスペックな人材の確保であるとの認識に立ち、人材の獲得にも注力していく方針である。具体的には、ヘッドハンティング会社や専門分野に特化した紹介会社の利用による採用活動に加え、現状の社員紹介制度を充実させていく考えだ。中期経営計画最終年度の2026年10月期までに「ITサービス事業」の人員(パートナーを含む)を725名(2023年10月期末比57名増)に増やす計画であり、1人当たりの売上高は8.5%増加する想定である。
6. 弊社による注目点
弊社でも、好調な受注環境の下、安定したキャッシュを稼げる「ITサービス事業」への集中を図るとともに、ブロックチェーン技術の活用やWeb3ビジネスとの連携により、ほかのシステム開発会社との差別化(高成長及び高付加価値化)を図る方向性は、同社の強みを生かす理にかなった戦略と評価している。一方、中期経営計画(数値目標)については、成長領域をリードする同社にとってやや物足りなさを感じる印象を受けるが、弊社ではあくまでも既存の延長線上にあるベースラインとして捉えており、いかにWeb3ビジネスの拡大(「Zaif INO」やWeb3コンサルティングなど)や高付加価値案件の獲得、さらにはM&Aを通じた業容拡大などにより、アップサイドを目指していくのかがポイントになると判断している。とりわけ今後に向けては、Web3ビジネスの拡大が同社の収益構造や成長モデルにどのような変化を及ぼすのかに注目している。Web3の世界ではユーティリティ性の高いコイン(トークン)が活用され、手数料収入が収益源となるため、同社が目指す相場の影響を受けにくい収益構造への転換(収益の安定化)が一段と進むことになるだろう。その上、アライアンスパートナーの成長が同社自身の成長につながるため、いかに有力なタイトルやスタートアップを探り出し、成長を支援していけるかが重要なカギを握る。いくつもの成長の種をプラットフォーム上(「Zaif INO」など)に囲い込み、そこから成功事例を輩出できれば、アップサイドの利益を存分に享受できる成長モデルとして高い評価を得ることもできるだろう。また、新たな取り組みとして韓国市場への参入も気になるところである。暗号資産やNFTが活発な韓国市場で先に成功事例を積み上げることができれば、国内の展開スピードにも拍車がかかる可能性がある。いずれにしても、需要が拡大しているDXコンサルティングの伸び、さらには中長期的なWeb3ビジネスのポテンシャルの両方を取り込むためには、人材の確保が最大のテーマであることは明らかであり、M&Aを含めた人的資本の強化にも注意を払う必要がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
中期经营计划的方向性
4. 为实现中期经营计划的目标所采取的主要措施
(1) 扩大既有的Web3业务
提高KaiKaCoin(CICC)的资产价值
KaiKaCoin由CAICA DIGITAL<2315>发行,将作为GameFi内的支付货币受到关注,并扩大使用场景以提高资产价值。
扩大“Zaif INO”服务的规模
对于NFT Launchpad“Zaif INO”,公司将从制作者的作品NFT化到营销等全方面进行包括运营,其中包括在2023年11月实现KaiKaCoin支付,并在12月实现可用KaiKaCoin支付的NFT的第一批销售。在2024年1月,将实现信用卡支付,而从2024年5月开始,将通过与TOPPAN的合作提供基于NFC标签技术的NFT发布服务(NFT Card)等服务来提高其效用。
使用KaiKaCoin购买“Zaif INO Digital Premium Ticket”可享有低价格折扣。
推广Web3类型的数据保管服务
虽然同类的数据保管服务存在着数据中心方面的潜在风险,但该公司正在利用区块链技术推广下一代服务,并计划通过使用KaiKaCoin进行支付来扩大其适用的用途※。未来,该公司将继续通过扩大业务领域和提高用户友好性来推广并扩大市场份额。
作为BtoB支付的一个例子,公司开始利用KaiKaCoin和基于区块链的分散式存储技术推出了一项不可篡改且永久运行的电子账簿保存服务。
(2) 通过DX咨询扩大SI业务
在借鉴了迄今为止加密货币交换所“Zaif”的经营经验以及NFT发行平台“Zaif INO”的运营经验基础上,提供Web3业务开发方面的专业技术给那些持有CtoC平台和知识产权的公司。此外,关于其主要的“IT服务业务”,该公司之前主要是接二连三的二次承包开发方面的业务,但经过新体制的构建,该公司目标是通过获得高价值的上游案件来实现利润结构的彻底改革。作为这一计划的一部分,除了传统瀑布式的开发方式外,该公司还组织了一个敏捷开发的团队来构建一个新的Scrum框架。
作为Web3事业化咨询的一部分,公司已推出“CAICA Web3 For Biz”的服务。
敏捷开发是一个从功能小的周期开始重复“规划→设计→实现→测试”等开发过程的一种方法,具有对规格更改强的适应性,并且可以缩短服务上线的时间。
(3) 通过并购扩大业务领域
在未来,公司仍视并购为一项重要策略之一,计划收购以下类型的目标企业。
与区块链相关的企业
将以营销该公司的专业知识为例,将业务扩大到利用区块链的企业为目标。
和Web3相关的企业
面向游戏开发公司和拥有自主知识产权的公司,依靠与该公司的协同效应追求更高的收益性。
·系统开发企业
为应对旺盛的系统投资热情和供不应求的局面,该公司利用通过M&A获得的资源(人力资本等)并开拓新客户,扩大业务。
5. 人才的确保
在推进上述举措的过程中,我们认识到专业领域及高规格人才的获取是面临的主要问题,因此我们将注重人才招聘,具体措施包括寻求猎头公司或专业介绍公司的帮助,加强员工推荐制度。该公司计划在中期经营计划的最后一年(2026年10月期)将“IT服务业务”的人员(包括合作伙伴)增加到725人(比2023年10月期末增加57人),预计每人的营业收入将增长8.5%。
6. 我们的关注点
我们公司也致力于集中于稳定的现金流并在具体型以及与Web3业务合作中利用区块链技术,旨在差异化(高成长和高增加值化)与其他系统开发公司(利用与Web3相关的“Zaif INO”和Web3咨询等)方向性,这是我们公司利用优势制定的策略。另一方面,关于中期经营计划(数字目标),我们认为这对于领导增长领域的同一公司来说有些令人失望,但我们将其视为现有基础线的延伸,并考虑如何通过Web3业务的扩大(例如“Zaif INO”或Web3咨询)和获得高增加值案例,甚至通过M&A来扩大业务,以实现上限。特别是对于未来,我们将关注Web3业务的扩张对该公司收益结构和增长模式产生的变化。在Web3的世界中,使用价值很高的代币(令牌)并收取费用成为收入来源,因此该公司将更容易转变为收入结构不会受到市场波动影响的稳定收入。此外,该公司成长的联盟伙伴将有助于该公司自身的成长,因此如何寻找有潜力的标题和新创公司并支持其成长是至关重要的。在平台上(例如“Zaif INO”等)收割更多成长种子,从中获得成功案例,可以作为高评价的成长模式成果享受上限利润。此外,我们也对进军韩国市场作为新的尝试抱有兴趣。在活跃的加密资产和NFT市场,如果我们可以先积累成功的案例,将加速国内的扩张。无论如何,为了吸收日益增长的DX咨询的发展以及中长期Web3业务的潜力,人才的获取应该是最重要的主题之一,我们需要关注加强通过M&A获得高质量人力资本这一问题。
(撰写:FiSCO客座分析师柴田郁夫)