■会社概要
1. 会社概要
ランドコンピュータ<3924>は、独立系システムインテグレータとして歴史を重ね、2021年1月に創立50周年を迎えた。情報サービス業界では珍しく学校法人を起源としている。「こころできまる」を社是に、「1) 顧客価値の創造と顧客満足度の追求を図り企業価値を高める。2) 次代を拓くプロフェッショナル集団として、情報技術のリーディングカンパニーとなる。3) 常に革新的企業文化風土を維持、継続する。」を経営理念として事業を展開する。
学校法人を設立母体に持つことから、社員教育に熱心なことが特徴である。従業員にはIT系だけでなく業務系の資格を取得するよう奨励し、1人当たり平均3つ以上の資格を保持している。ITと顧客業務の両方のスキルと知識を有することで、顧客満足度の高いシステム開発を可能にしている。
2. 沿革
同社は1971年の創立時から富士通<6702>と銀行のシステム開発で取り引きしており、銀行や保険などの金融システムの受託開発を中心に事業規模を拡大した。2006年には、システムインテグレーション・サービスにおけるインフラ関連業務をインフラソリューション・サービスとして開始した。2010年4月からは、(株)セールスフォース・ドットコム(現 (株)セールスフォース・ジャパン)と協業し、クラウドコンピューティングサービスを開始したほか、システムインテグレーション・サービスにおけるパッケージシステムの導入・アドオン開発業務をパッケージベースSI・サービスとして開始した。
2020年4月にDXの動きが加速していることに呼応し、組織の変更を行った。「DX推進本部」を新設し、その直下に「Salesforce推進室」(現 Salesforceビジネス推進室)と新たに設立した「クラウド戦略室」(現 DXテクノロジーセンター)を配置した。現在、「DX推進本部」を中心としたローコード開発やアジャイル開発等の新デジタル技術人材の強化、クラウドシフトへの取り組みを推進している。
2015年12月に東京証券取引所第2部に新規上場し、2018年5月に同市場第1部に指定替えとなった。また、2022年4月の同市場再編に伴いプライム市場へ移行した。
2021年4月に、同社初のM&AとしてドイツSAPの基幹システムパッケージ(ERP)を取り扱う(株)インフリーの全株式を取得し子会社化した。2022年4月に会計パッケージ「SuperStream」専業の(株)NESCO SUPER SOLUTION(現 (株)テクニゲート)を買収、子会社化した。これら子会社は連結決算の対象となっており、2022年3月期より連結決算を開示している。
3. 事業構成
同社の事業はシステムインテグレーション・サービス、インフラソリューション・サービス、パッケージベースSI・サービスの3つのサービスラインがあり、ビジネスの課題解決に向けたシステムをトータルに提供する体制を構築している。2024年3月期のサービスライン別連結売上高構成比は、システムインテグレーション・サービス55.1%、インフラソリューション・サービス10.8%、パッケージベースSI・サービス34.0%となった。
2024年3月期までの3期間におけるサービスライン別売上高の年平均成長率は、全体が15.7%、システムインテグレーション・サービスが11.1%、インフラソリューション・サービスが2.7%、パッケージベースSI・サービスが33.2%となった。
2021年3月期は売上高が前期比2.4%減、営業利益が同12.6%減と、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受け、減収減益となった。サービスライン別売上高の増減率は、システムインテグレーション・サービスが同7.0%減、インフラソリューション・サービスが同9.3%減、パッケージベースSI・サービスが同20.7%増と明暗を分けた。インフラソリューション・サービスは2020年3月期のWindows10更新関連ビジネスからの反動減とコロナ禍の影響を最も受けた。2022年3月期には売上高と営業利益がコロナ禍前の水準を上回り、事業環境の変化を1期で克服した。
同社の業績は、顧客企業の予算執行のタイミングや開発システムの工期との兼ね合いから、第2四半期(7~9月)及び第4四半期(1~3月)に売上計上が集中し、営業利益は、年度末の第4四半期に偏重する傾向がある。第1四半期の売上高営業利益率は1~2%と極めて低かったが、2022年3月期以降はパッケージベースSI・サービスの売上高が増加したこともあり収益性が大幅に改善し、同社の収益の季節性が幾分緩和される傾向が見られた。
同社は、システムインテグレーション・サービスとインフラソリューション・サービスを安定成長事業とし、パッケージベースSI・サービスを高成長事業と位置付けており、2020年4月にSalesforceを同社全体で展開するため、「Salesforceビジネス推進室」を配置した。早くも2021年3月期に効果が表れた。2021年4月に子会社化したインフリーが優れた社内教育システムを有しており、同社のSAP関連ビジネスに携わっていた従業員も活用した。これによりSAP関連ビジネスの売上高は、持続的な成長を実現している。また子会社が高度で報酬の高い業務に就いていたことで、同社従業員がより高付加価値な業務を志向するなど企業文化にも好影響を与えている。パッケージベースSI・サービスの拡大による売上構成差もあって、売上高営業利益率はコロナ禍前の2020年3月期の7.8%から2023年3月期に10.6%へ、2024年3月期は12.6%へと上昇、そして2025年3月期は12.9%へとさらなる飛躍を見込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
■公司资料
1. 公司资料
Land Computing<3924>作为一家独立的系统集成商,历经50年发展,于2021年1月庆祝了创立50周年。在信息服务行业中,它是罕见的源于学校法人的企业。公司以“心定义”为企业信条,“1)创造客户价值和追求客户满意度,提高企业价值。2)作为开创未来的专业人才,成为信息技术的领导公司。3)始终保持创新的企业文化和传统。”为经营理念来扩大业务。
由于母公司是学校法人,公司致力于员工教育。员工不仅要获得IT相关证书,还要获得业务相关证书,平均每个人持有3个以上的证书。通过拥有IT和客户服务方面的技能和知识,公司能够开发出客户满意度高的系统。
2. 发展历程
自1971年成立以来,Land Computing<3924>一直与富士通<6702>和银行进行系统开发交易,并且以受托开发金融系统(如银行和保险等)为中心扩大业务规模。2006年开始,在系统集成服务中开展基础设施相关业务作为基础设施解决方案和服务。从2010年4月开始,与Salesforce.com(现称Salesforce Japan)合作,开始提供云计算服务等,还开始推出基于软件套件的SI服务的引入和附加开发业务作为基于软件套件的SI服务。
为响应2020年加速的DX动向,进行了组织变更。新设立了“DX推进本部”,直接下设有“Salesforce推进室”(现称Salesforce业务推进室)和新成立的“云战略室”(现在是DX技术中心)。现在,他们正在推进以新数字技术人才为中心的低代码开发和敏捷开发等,以及努力朝云转型。
2015年12月,该公司在东京证券交易所第二部上市,2018年5月转至该市场第一部。另外,随着东京证券交易所市场重组于2022年4月,Land Computing<3924>已移至Prime市场。
2021年4月,该公司首次进行了M&A,以收购德国SAP的基干系统软件包(ERP)并将其子公司化。2022年4月,作为财务软件“SuperStream”的专营子公司收购了NESCO SUPER SOLUTION(现称TekniGate)。这些子公司是合并报表的对象,公司自2022年3月期开始披露了合并报表。
3.业务构成
该公司的业务由三个服务线构成:构建提供解决业务问题的系统。包括系统集成服务,基础设施解决方案和服务,基于软件套件的SI服务。
2024年3月期服务线销售额组成比为:系统集成服务占55.1%,基础设施解决方案和服务占10.8%,基于软件套件的SI服务占34.0%。
2021年3月期销售额比上一期下降2.4%,营业利润下降12.6%,受新型冠状病毒感染病例扩大(以下简称“冠状病毒危机”)的影响,收入和盈利都出现了下滑。服务线销售额的增长和减少率为:系统集成服务下降7.0%,基础设施解决方案和服务下降9.3%,基于软件套件的SI服务增长20.7%。基础设施解决方案和服务是受2020年3月期Windows 10更新相关业务的影响和冠状病毒危机的影响最大的。在2022年3月期,销售额和营业利润超过了冠状病毒危机前的水平,并且在一期中克服了业务环境的变化。
公司的业绩受客户企业的预算执行时间和开发系统的时间安排的影响,在第二季度(7-9月)和第四季度(1-3月)销售收入集中计入,营业利润倾向于集中在财年末的第四个季度。第一季度的销售收入营业利润率非常低,仅为1-2%,但由于基于包装的SI和服务的销售增加,收益性得到了大幅改善,该公司的季节性收益趋势已略微缓解至2022年3月和以后。
该公司将系统集成服务和基础设施解决方案作为稳定增长业务,并将基于包装的SI和服务视为高增长业务,于2020年4月设立了“Salesforce商业推进室”,以全公司的力量展开Salesforce。该计划已经在2021年3月度显示了成效。2021年4月,子公司Infrie具有出色的内部教育系统,并且该公司的SAP相关业务也得到了 员工的利用。由于子公司从事了高度高报酬的业务,公司员工的志向也更加强调高附加值业务,对企业文化产生了积极影响。由于包装基于的SI和服务的扩展,销售收入营业利润率差异也很大,从2020年3月前的7.8%上升到2023年3月的10.6%,2024年3月为12.6%,2025年3月则有望跃升至12.9%。
(作者:FISCO客员分析师永冈宏树)