■会社概要
2. 事業概要
(1) 事業ポートフォリオ
メディネット<2370>は、「細胞加工業」及び戦略事業として「再生医療等製品事業」を展開している。細胞加工業は特定細胞加工物製造業(2024年9月期第2四半期の売上構成比79.7%)、CDMO事業(同13.0%)、バリューチェーン事業(同7.0%)から構成される。主に企業や大学、医療機関・研究機関からの特定細胞加工物製造の受託、再生医療等・治験製品の製造、細胞培養加工施設の運営管理、細胞加工技術者の派遣・教育システムなどの提供を行っている。
再生医療等製品事業は同社の研究開発のほか大学病院との共同研究を通じて、再生医療等製品の製造・販売承認取得を目指して研究開発を行っている。また、国内外で行われている再生医療等製品の開発動向にも注目し、有望な技術・物資などを持つ企業などとのアライアンスによるパイプラインの拡充を視野に入れた活動を行っている。同事業においては再生医療等製品の開発段階にあるため、事業収益はまだ発生していない。
経営における一般論として、“深化”は企業の事業収益の屋台骨を支えるものだが、“深化”だけを追求するとやがて成長の限界を迎えてしまう。そこに“探索”が加われば、自社が限界を迎える前に持続的成長を推進する選択肢を得やすくなる。企業総体としては、“深化”“探索”の両方(両利きの経営)があるとなお良いとされる。同社においては“深化”は細胞加工業、“探索”は再生医療等製品事業と言える。同社の“両利きの経営”は緒に就いたばかりである。
(2) 細胞加工業
細胞加工業のうち特定細胞加工物製造業は、医療機関からの依頼に基づき、再生・細胞医療で用いる治療用の細胞(特定細胞加工物)を製造している。CDMO事業は、主に製薬会社からの依頼に基づき、再生医療等製品及び治験製品を製造している。バリューチェーン事業はフロー型バリューチェーンビジネスとして、再生・細胞医療のコンサルティング、細胞培養加工施設の運営管理、細胞加工技術者の派遣・教育システムの提供といった、特定細胞加工物を取り扱ううえで必要な一連の知見やノウハウを提供している。
2014年に施行された「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づき、2015年5月に品川細胞培養加工施設は「特定細胞加工物製造許可」を取得した。免疫細胞治療にかかる細胞加工に加え、体細胞・幹細胞・iPS細胞などの多様な細胞加工の製造開発を受託することを視野に入れた特定細胞加工物の製造受託や、再生医療等製品の開発から商業生産まで対応が可能となった。これに伴い、同社は医療法人社団滉志会に対して3つの細胞培養加工施設(新横浜・大阪・福岡)を提供し「免疫細胞療法総合支援サービス」を行っていたが、従来の契約を終了し、2017年9月に「特定細胞加工物製造委受託」契約に切り替えた。医師向けの細胞加工から再生医療等製品の製造まで実施することとなり、細胞加工業における製造体制の効率化を図るため、2019年4月までに各細胞培養加工施設を品川細胞培養加工施設に統合した。
(3) がん免疫細胞治療における課題
がん免疫細胞治療は現段階で自費診療である。まだ保険適用に向けたエビデンスデータが不足し、未整備の状態である。
抗がん剤は保険適用であるため、患者の費用負担を軽減できるメリットがある。一方で、治療に用いればがんは小さくできるが、治療を継続するとがんに耐性ができることがある。耐性ができると治療の効果が徐々に薄くなり、がんは完全消滅せずにまた大きくなる。すると2nd、3rdラインの抗がん剤投与が行われるが、最後には使用できる抗がん剤がなくなる恐れがある。標準治療ではがんが細胞レベルで完全に消失することはないと言われるが、がん免疫細胞治療は体内に残存するがん細胞を細胞レベルで攻撃し、再発・転移を抑制するため、標準治療と併用すれば相乗効果を得ることができる。
前述のとおり、がんの治療法は主治医が選択する。このため患者自身ががん免疫細胞治療を希望した場合でも、保険適用外である治療は行わない医師は多い。がん免疫細胞治療が保険適用の承認を得るためには有償で臨床試験を行い、エビデンスデータを出していく必要がある。しかしながらエビデンスデータの収集・蓄積には数年に及ぶ時間を要する。最新の治療を保険診療として誰もが受けられるものとするためには、越えなければならない壁と言える。
(4) 再生医療等製品事業
同社は、2003年東証マザーズ株式上場のころから再生・細胞医療の研究開発に着手した。免疫細胞療法総合支援サービスだけでは事業拡大は困難であると考えたためだと言う。2017年には「再生医療等製品の製造販売承認」の取得や、自家細胞培養軟骨(米国製品名「NeoCart(R)」)(開発番号MDNT-01)の日本国内での製造と販売のライセンス契約締結の事業化を目指し、再生医療等製品事業の原型ができあがった。現在は自家細胞培養軟骨を筆頭に、「慢性心不全治療を目的とした再生医療等製品の実用化」(九州大学との共同研究開発)などの研究開発を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
■公司概述
2。业务概述
(1) 业务组合
Medinet <2370>正在开发 “细胞处理业务” 和 “再生医学产品业务” 作为战略业务。电池加工行业包括特定的电池加工产品制造业(截至2024/9财年第二季度的销售构成比率为79.7%),CDMO业务(相同的13.0%)和价值链业务(相同的7.0%)。它主要提供公司、大学和医疗机构/研究机构的特定细胞加工产品的合同制造、再生医学等和临床试验产品的制造、细胞培养处理设施的运营管理以及细胞处理工程师的派遣/教育系统。
除了公司的研究和开发外,再生医学产品业务正在进行研究和开发,目的是通过与大学医院的联合研究,获得再生医学产品的制造和销售许可。我们还关注国内外正在开展的再生医学产品的发展趋势,并正在开展活动,以期通过与拥有前景技术、供应等的公司结盟来扩大产品线。由于同一业务在再生医学产品等方面处于开发阶段,因此尚未产生业务收入。
作为管理学的一般理论,“深化” 是公司业务利润的支柱,但如果你只追求 “深化”,你最终将达到增长的极限。如果再加上 “探索”,在公司达到极限之前,将更容易获得促进可持续增长的选择。作为一个整体,据说既有 “深化” 又有 “探索”(两手皆宜的管理),那就更好了。在公司,“深化” 可以说是细胞加工行业,“探索” 是再生医学产品业务。该公司的 “双管齐下的管理” 才刚刚开始。
(2)细胞加工行业
在细胞加工行业中,特定细胞加工产品制造行业根据医疗机构的要求制造用于再生/细胞医学治疗的细胞(特定细胞加工产品)。CDMO业务主要根据制药公司的要求生产再生医学产品和临床试验产品。作为流式价值链业务,价值链业务提供处理特定细胞加工产品所需的一系列知识和专有技术,例如再生/细胞医学咨询、细胞培养处理设施的运营管理以及为细胞处理工程师提供派遣和教育系统。
根据2014年生效的《确保再生医学等安全法》,品川细胞培养和加工设施于2015/5年获得了 “特定细胞加工产品制造许可证”。除了与免疫细胞疗法相关的细胞加工外,现在还可以处理特定细胞加工产品的制造合同,以期承包体细胞、干细胞、iPS细胞等各种细胞加工的制造和开发,以及再生医学产品的开发到商业化生产。除此之外,该公司还向医疗公司Koshikai提供了3个细胞培养处理设施(新横滨/大阪/福冈),并提供了 “全面的免疫细胞疗法支持服务”,但传统合同被终止,并在2017/9年度改用 “特定细胞加工产品制造合同” 协议。从医生的细胞处理到制造再生医学产品,将进行所有工作,到2019/4年,每个细胞培养处理设施都已整合到品川细胞培养处理设施中,以提高细胞加工行业制造系统的效率。
(3) 癌症免疫细胞疗法中的问题
癌症免疫细胞疗法目前是自费疗法。保险承保的证据数据仍然短缺,而且还处于不发达状态。
由于抗癌药物由保险承保,因此可以减少患者的费用负担有一个好处。另一方面,用于治疗时可以使癌症变小,但如果继续治疗,癌症可能会产生耐药性。一旦建立了耐药性,治疗效果就会逐渐减弱,癌症不会完全消失并再次生长。然后,使用第二和第三线的抗癌药物,但存在最终无法使用的抗癌药物的风险。据说癌症在标准治疗下不会在细胞层面完全消失,但是由于癌症免疫细胞疗法会在细胞水平上攻击残留在体内的癌细胞并抑制复发和转移,因此与标准疗法结合使用可以获得协同效应。
如上所述,癌症的治疗方法由主治医生选择。因此,即使患者自己申请癌症免疫细胞治疗,也有许多医生不进行保险范围以外的治疗。为了使癌症免疫细胞疗法获得保险的批准,必须进行收费的临床试验并提供证据数据。但是,收集和积累证据数据需要数年时间。可以说,为了使每个人都能获得最新的保险待遇,这是一个必须克服的障碍。
(4) 再生医学产品业务
该公司在2003年在东京证券交易所母亲证券交易所上市时就开始研究和开发再生和细胞医学。他们说这是因为他们认为仅凭全面的免疫细胞疗法支持服务很难扩大业务。2017年,完成了再生医学产品业务的原型,目的是获得 “再生医学产品等的制造和销售许可”,目的是在日本实现自体细胞培养软骨(美国产品名称 “NeoCart(R)”)(开发编号 MDNT-01)的制造和销售许可协议商业化。目前,以自体细胞培养软骨为主导,正在进行诸如 “以治疗慢性心力衰竭为目的的再生医学产品的实际应用”(与九州大学联合研发)之类的研究和开发。
(由FISCO客座分析师清水敬二撰写)