■ローランド<7944>の中期経営計画
(3) LTV向上
「Roland Cloud」を生涯顧客を生み出す仕掛けとし、「いつでも、どこでも、誰でも」楽しめる、パーソナライズされた体験サービスを拡充することで、LTVの向上を目指す。中期経営計画では、2025年12月期のサブスクリプション登録者数50,000人、サブスクリプション登録者数と年度内の単品購入者数の合計200,000人を目標としている。また、「Roland Platform」では、顧客データの一元化、データの見える化、データによって得られた深い顧客理解に基づく製品やサービスの充実、顧客とのコミュニケーションの向上、のサイクルにより、LTVの向上を目指す。中期経営計画では、2025年12月期のRoland Account340万人(2022年12月期は230万人)を目指している。このほか、アーティストやインフルエンサーとの関係強化、デジタルソーシャルメディアコンテンツを充実させ、ターゲティング広告とイベントによりストーリーを拡散することで、ブランド認知度の向上を図る。一方で、同社は創業以来のポリシーとして、ミュージシャンと宣伝を目的とした製品使用に関するエンドース契約を結ばないことを基本方針としている。ミュージシャンが自ら手に取り選ばれるような製品を開発することで、製品価値が自然と高まることに加え、同社製品を好んで使っているミュージシャンをサポートすることで、同社とミュージシャンの間でより強固な信頼関係が築かれていると弊社では見ている。
(4) 基盤強化
グローバル人事として、全世界統一人事システムによる人材の最適配置や、株式報酬制度のグローバル展開、従業員のエンゲージメントと生産性スコアの向上に努める。基盤強化としては、ビジネスのさらなる拡大に向けて基幹システムを更新するほか、事業所再編による生産性向上、エンゲージメント強化、イノベーションの加速に注力する。基幹システムについては、ERPのアップデートや、生産管理システムの入れ替えを予定しており、将来の成長に向けた基礎的な投資を進める。また、事業所再編には、本社リニューアルが含まれており、新本社社屋は2024年8月の着工、2025年内の竣工を予定している。
サプライチェーンの高度化については、部材の早期確保と共通化により販売機会ロスの低減を図る。また、販売チャネルに適した物流プロセスを構築しリードタイムを短縮する。加えて、オートメーション化の推進や新システムの導入によりアジリティを強化する。具体的には、マレーシア工場とグローバルHUB倉庫のさらなる強化や生産拠点の拡大を進める。Drum Workshop, Inc.とは、生産拠点の相互活用や、アコースティック・ドラムの生産技術を同社の電子楽器生産技術と融合させることで、生産能力及び生産技術の向上を目指す。そのほか、主力製品での半製品の共通化や、自動化・機械化のさらなる推進、外注工程の内製化を進め、利益改善を図る。
2. サステナビリティの取り組み
同社の事業は、音楽・映像文化を通じて社会の持続的発展に貢献する一方で、環境や社会全体の安定と豊かさのもとに成り立っていると認識している。そのため、環境・社会の安定や持続性が損なわれ、音楽・映像文化や同社事業が存続しえなくなる負の連鎖を避けるため、事業と環境・社会の相互の持続可能性を高め合う好循環を生み出す活動を、経営の重要課題に位置付けている。SDGsで掲げる17の目標に対しては「サプライチェーン・マネジメントの高度化」「音楽・映像文化の発展支援」「人材の活力、能力発揮の最大化」「成長(無形資産)への投資」「ガバナンスのたゆみない強化」を重要課題とし、中期経営計画における重点施策として取り組んでいる。
女性活躍の推進については、女性エンジニアの採用や女性管理職の登用など、女性活躍推進に取り組みつつ、「ワークライフバランス」を強化させるための取り組みを行っている。また、女性管理職の比率については、同社が公表している「女性活躍推進に基づく行動計画」で、日本の女性管理職比率を2021年時点の6%から2025年末までに倍の12%にする目標を設定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
□罗兰德<7944>中期经营计划
(3) LTV的提高
将“Roland Cloud”打造成终身客户的策略,通过扩大个性化体验服务——“任何时候、任何地点、任何人都可以”解锁的方式,以提高LTV为目标。中期经营计划的目标是:在2025年12月份,订阅用户数为50,000人,订阅用户数和该年度的单品购买者总数为200,000人。此外,“Roland Platform”将一统客户数据的一元化,以可见化的数据,充实基于深入了解顾客的产品和服务,提高与客户的沟通等,从而提高LTV。中期经营计划的目标是,在2025年12月底时追求Roland Account 340万名(2022年12月目标230万名)。 此外,加强与艺术家和影响者的关系,丰富数字社交媒体内容,通过定向广告和活动扩散故事,提高品牌认知度。与此同时,作为该公司自创建以来的政策,我们的基本方针是不达成面向音乐家和推广目的的产品使用的认可合同。作为开发音乐家自己选择的产品,产品的价值自然上升,加上支持一直在使用我们的产品的音乐家,我们在该公司和音乐家之间建立了更为牢固的信任关系。
(4) 基盤強化
作为全球人事,我们努力实现最佳人力配置和全球股权报酬制度,提高员工参与以及生产力分数。基础设施方面,除了更新基础系统以扩大业务规模之外,还专注于通过企业重组来提高生产力,增强员工参与度和创新加速。为基础系统,我们计划更新ERP以及生产管理系统,并推进面向未来增长的基本投资。此外,办事处的重组包括总部的翻新,并计划在2024年8月开工,2025年内竣工。
关于供应链的高度化,我们通过部件的早期确认和常规化来减少销售机会的流失,同时建立适合销售渠道的物流流程以缩短交货期。此外,我们还通过自动化推进和新系统的引入来增强灵敏度。具体来说,我们将进一步加强马来西亚工厂和全球HUB仓库,并扩大生产基地。我们与Drum Workshop,Inc.合作,旨在通过互相利用生产基地和将原声鼓的生产技术融合到该公司的电子乐器生产技术中,实现生产能力和生产技术方面的提升。此外,我们还将通过在主力产品中共享半成品、进一步推进自动化和机械化以及在外协流程内部制造等方式来提高利润。
2. 可持续发展的实施
该公司通过音乐和影像文化对社会的持续发展做出贡献,同时认识到该公司业务的基础是建立在环境和社会的稳定和繁荣之上的。因此,该公司将提高业务与环境和社会的彼此可持续性作为经营的重要课题,以避免业务和环境、社会稳定性和持久性被破坏,创造优势循环,在“可持续供应链管理”、“音乐和影视文化发展支持”、“人力资源活力和能力发挥的最大化”、“向(无形资产)成长的投资树立好例子”、“不断强化治理”的基础上,作为中期经营计划的重点措施展开工作。
关于推进女性活跃,我们通过招聘女性工程师和女性管理人员等措施推进女性活跃,同时实施增强“工作与生活的平衡”的措施。此外,关于女性管理人员的比例,在该公司公布的《以推进女性活跃为基础的行动计划》中,该公司设定了目标,即将日本女性管理比例从2021年的6%增加到2025年底的12%。
(撰写者:富士客座分析师茂木稜司)