■会社概要
1. 会社概要
テクマトリックス<3762>は、ニチメン(株)(現 双日<2768>)の営業部門の戦略子会社として1984年に設立されたニチメンデータシステム(株)が前身である。技術・ビジネスの両面で優れた製品・サービスを発掘する“目利き力”及び“マーケティング力”、レベルの高い“ビジネスオペレーション力”といった商社で培われたノウハウを受け継ぎ、事業展開を進めていることが最大の強みであり、特長となっている。
同社グループは、同社が情報基盤事業とCRM分野、ビジネスソリューション分野、SE分野、教育分野等の業界及び業務特化型ソリューションサービスを展開しており、そのほか医療機関向けPACSを主に展開するPSP(株)※1や、ITシステム基盤のコンサルティング・設計・構築、ネットワークシステムの運用・監視等を行うクロス・ヘッド(株)、システム開発やIT技術者の教育サービス等を展開する(株)カサレアル、金融取引統合管理システム「ARECCIA」シリーズの設計・開発等を行うアレクシアフィンテック(株)※2、ASEAN地域でコンタクトセンターCRMシステム/FAQナレッジシステムの提供・マーケティング・技術サポートを展開するTechMatrix Asia Co., Ltd.(タイ、2023年4月設立)など合計9社の連結子会社で構成されている。また、2022年4月にPSPとエムスリー<2413>の合弁会社として、AI技術を用いた医療画像診断支援サービスを提供するエムスリーAI(株)を設立し持分法適用会社としたほか、2024年3月に資本業務提携先のモビルス<4370>に追加出資し、持分法適用会社とした。モビルスはコンタクトセンター向けSaaSを提供しており、チャットボットや生成AIを活用したCXソリューションのノウハウを持つ。同社は、こうした技術・ノウハウを自社のCRM製品と連携することでCRM事業の強化・拡大を目指している。
※1 2018年に同社が医療システム事業を分割して設立した(株)NOBORIを、2022年2月に子会社化した旧PSPが吸収統合する形で新生PSPがスタートした。新生PSPの株主構成比率は、同社50.02%、三井物産<8031>20.00%、エムスリー18.70%、大日本印刷<7912>11.28%である。
※2 2023年7月に金融分野のさらなる事業拡大を目的に、同社の金融システム関連事業をアレクシアフィンテック(2019年連結子会社化)に移管統合するとともに完全子会社化した。
2. 事業内容
同社の事業セグメントは、情報基盤事業とアプリケーション・サービス事業、医療システム事業の3つの事業で構成されている。直近3期間の事業セグメント別構成比を見ると、情報基盤事業が売上収益、営業利益で60%以上を占める主力事業となっている。また、アプリケーション・サービス事業と医療システム事業は売上収益で10%台後半と同規模となっているが、営業利益の構成比では、アプリケーション・サービス事業が2024年3月期で5.4%と低水準となっている。これは新規分野として育成中の教育分野への先行投資が続いていることが主因である。2024年3月期の事業セグメント別営業利益率で見ると、医療システム事業が15.5%と最も高く、次いで情報基盤事業が11.4%、アプリケーション・サービス事業が3.9%となっている。
(1) 情報基盤事業
情報基盤事業では、ネットワーク及びセキュリティ分野において独自の目利き力を生かし、北米を中心に高い技術力、競争力、成長力を持つ製品を見極め、単なる製品販売にとどまらずシステム構築から保守・サポート、運用・監視サービスに至るまでワンストップ・ソリューションでサービスを提供している。
主に、仮想化ソリューション※1、次世代ネットワーク、セキュリティ、ストレージ等の分野を対象としており、ここ数年は企業の情報システムに対するサイバー攻撃の増大を背景に、クラウド型セキュリティ対策製品の需要が大きく伸長している。主要取扱製品・サービスとしては、Palo Alto Networks<PANW>の次世代ファイアウォール※2及びSASE※3(Secure Access Service Edge)、F5<FFIV>の負荷分散装置※4、Trellixの不正侵入防御システム、Proofpoint<PFPT>の次世代型メールセキュリティソリューション、Dell Technologiesのクラスターストレージなど世界でも高いシェアを有する製品が多く、それぞれ販売一次代理店となっている。単体売上収益に占める製品売上構成比ではPalo Alto Networks製品が最も大きい。
※1 コンピュータシステムを構成する資源(サーバ、ストレージ、ソフトウェア等)に関する技術。複数から構成されるものを論理的に1つのもののように見せかけて利用できるほか、逆に1つのものを論理的に複数に見せかけて利用できる。
※2 使用されるポート番号やプロトコルなどに関係なく通過するアプリケーションを識別し、それを使うユーザの特定及び制御を行う。さらに幅広い脅威に対するスキャニングを実施することでITネットワーク環境において必要とされる可視化と制御を行うセキュリティシステム。
※3 SASE:ネットワークとセキュリティの機能を包括的にクラウドから提供すること。クラウドサービスの普及が進むなかで、これまでクラウドのポリシーは利用サービス別に適用されることが多かったが、SASEは単一のクラウドに集約し包括的に管理するという新しい概念である。
※4 Webサイトへのアクセス集中による反応の低下やシステムダウンを防止するため、多数のアクセス(負荷)が集中した場合に適切に複数のサーバに振り分ける(分散する)装置。
情報セキュリティ関連市場の拡大が続くなかで受注競争も激しくなっているが、同社は多様なニーズに応えることができる先進的かつ競争力の高い商品ラインナップと技術力に裏打ちされた高いソリューション能力を持つことに加えて、24時間365日の保守サポート体制、運用・監視サービスなど、ワンストップで高品質なサービスを提供できる総合力が強みとなっており、大手企業や官公庁向けを中心に販売実績を拡大している。各ベンダーからもその取り組みが評価され数多くの賞を受賞している。具体的には、Palo Alto Networksからは2018年以降6年連続で「JAPAN Distribution Partner of the Year」※を受賞したのに続き、2023年はアジア太平洋地域で最も優れた功績を残した代理店に贈られる「2023 JAPAC Distribution Partner of the Year(JAPAC:日本を含むアジア太平洋地域)」も受賞した。そのほかにも、エンドポイントセキュリティ製品を提供するTanium(合)や次世代型メールセキュリティ製品を提供する日本プルーフポイント(株)、ストレージ製品を提供するDell Technologiesなど多くのベンダーから同様の賞を受賞している。
※「JAPAN Distribution Partner of the Year」は、販売実績や前年度からの成長、販売後のサポートサービスの提供において大きな成果を達成した日本のディストリビュータを表彰するもので、同社は2018年から6年連続受賞している。
連結子会社のクロス・ヘッドは、ネットワークシステムの運用・監視、セキュリティ製品・ストレージ製品の販売、クラウドサービスの導入支援等を行っている。AWS(Amazon Web Services)の導入支援やサイボウズ<4776>のSaaSソリューションの導入支援を数多く手掛けている。クロス・ヘッドの子会社であるOCHは、中小企業向けにデータバックアップや情報セキュリティ対策関連の自社開発プロダクト、リモートワーク環境構築のための製品をサポートサービスとともに販売・提供している。これら子会社の同事業セグメントに占める売上構成比は15%程度と見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
■公司资料
1. 公司资料
TechMatrix<3762>是日本(双日<2768>现)业务部门的战略子公司,成立于1984年,前身为NICHIMEN Data Systems(株)。公司沿袭商社的识别和营销能力、高水平的业务操作技能以及发掘出优秀的技术及商业两方面的产品和服务。这些都是 TechMatrix 的最大优势,也是其特点。
该公司集团展开信息基础设施业务和CRM领域、业务特化型解决方案、SE领域、教育领域等行业的解决方案服务。此外,其还包括:PSP(株)※1,主要提供医疗机构的 PACS,Cross-Head Inc.,提供IT系统基础设施咨询、设计、构建和网络系统运营监控等服务;Kasarearu(株),提供系统开发和IT技术人员教育服务等;ALEXIA FinTech Co., Ltd.※2,负责金融交易统合管理系统“ARECCIA”系列的设计、开发等;TechMatrix Asia Co., Ltd. 作为 TechMatrix 集团的下属公司之一,其业务拓展到东南亚地区,提供联系中心CRM系统和FAQ知识系统的供应、市场营销和技术支持等。TechMatrix 共由9家关联子公司组成。另外,该公司在2022年4月成立了Emurie AI(株),作为PSP与Emurie<2413>合资公司,提供基于AI技术的医疗图像诊断支持服务;在2024年3月增资业务合作方Mobiles<4370>,已成为它的持分法适用公司。Mobiles 提供联系中心的SaaS,拥有利用聊天机器人和智能生成的CX解决方案的知识。该公司将将此种技术和知识与其自己的CRM产品结合起来,以增强和扩大 CRM 业务。
※1 在2018年,PSP作为倒扁化的医疗系统业务分离而成立了(株)NOBORI,在2022年2月由吸收合并旧PSP的方式设立一个新PSP。新PSP的股东构成比率为:该公司50.02%、三井物产<8031>20.00%、Emurie<2413>18.70%、大日本印刷<7912>11.28%。
※2 为了在2023年7月进一步扩大金融领域的业务,该公司将其金融系统相关业务移交ALEXIA FinTech(2019年成为附属公司的公司)并将其并入其完全附属公司。
2.业务内容
该公司的业务领域包括信息基础设施、应用和服务,以及医疗系统。如果直接查看最近三期的业务领域构成比例,则信息基础设施是业务收入、营业利润占比的主要业务。此外,虽然应用和服务业务与医疗系统业务在销售收入上处于同样水平的10%左右,但在营业利润占比上,应用和服务业务在2024年3月期仅为5.4%。这主要是由于该公司一直投资于教育领域的开发,而该领域是一个新的领域。 是否考虑 2024 年度的业务领域与利润率组合,医疗系统份额越高,信息基础设施业务份额较低,为最高的15.5%。信息基础设施业务排在其后,占比为11.4%,应用和服务业务为3.9%。
(1) 信息基础设施业务
信息基础设施业务计划营收同比增长14.3%至400亿日元,在营业利润方面实现同比增长11.8%至44.4亿日元。随着网络攻击变得更加复杂,企业和政府机构需要不断寻求最新的安全解决方案,同时对运营和监视的需求也在增加。因此,预计今后对公司提出的问题会继续增加,提供全套解决方案的公司很可能在引言中被提到。营业利润率有望从前一期的11.4%略微下降到11.1%,但随着云安全解决方案的客户数量增加,预计有可能增强运营和监视服务的人员规模,并谨慎考虑未来复杂的汇率变化等因素。
在信息基础设施业务中,该公司利用其独有的识别和安全领域的目力,在北美为主体发现具有高技术水平、高竞争力能力和高增长能力产品,不仅仅是销售产品,还能提供从系统建设到维护、支持和操作/监视服务的一站式方案。
主要涉及虚拟化软件解决方案,下一代网络,安全和存储等领域,由于过去几年企业信息系统遭受网络攻击的增加,云安全解决方案的需求迅速增长。其中主要涉及产品及服务包括Palo Alto Networks的下一代防火墙和由SASE组成的云安全网络,F5 的负载均衡器等等世界上市场份额很高的产品,均为销售一级代理商。单个销售收益产品销售构成比中,Palo Alto Networks产品占比最大。
※1是指有关构成计算机系统资源(服务器,存储,软件等)的技术。它可以逻辑上将多个资源组合成一个资源使用,也可以通过逻辑方式将单个资源分成多个资源使用。
※2是指可以识别通过的应用程序,而不受使用的端口号或协议等的影响,并进行用户特定和控制的网络安全系统。此外,它通过实施广泛的威胁扫描,提供IT网络环境所需的可视化和控制。
※3 SASE:提供全面网络和安全功能的云端服务。在云服务普及中,SASE是一个新的概念,将以前在服务使用方面的云策略集中在单个云中进行综合管理。
※4是指装置,它将多个服务器分配(分散)到适当的多个服务器上,以防止Web站点访问集中,导致反应减慢或系统崩溃。
在信息安全相关市场不断扩大的同时,订单竞争也愈加激烈。然而,该公司除了拥有能够满足各种需求的先进且具有高竞争力的产品系列和技术之外,还拥有能够提供高品质的全方位服务,例如24小时全年无休的支持服务、运营/监视服务等,并具有综合实力,在大型企业和政府机构中扩大了销售记录。他们的努力得到了许多供应商的赞扬和获奖,例如Palo Alto Networks连续6年获得了“日本分销合作伙伴之年”的奖项,而2023年获得了象征亚太地区最优秀业绩的“2023 JAPAC分销合作伙伴之年(JAPAC:含日本在内的亚太地区) ”。他们还获得了来自许多供应商的同样奖项,例如提供终端点安全产品的Tanium(合)、提供下一代邮件安全产品的日本Proofpoint(株)和提供存储产品的Dell Technologies。
※“JAPAN Distribution Partner of the Year”表彰在销售实绩,与前一年的增长,提供售后支持服务方面取得重大成果的日本经销商,并连续六年获得该奖项。
旗下子公司Cross Head从事网络系统运营/监视、安全/存储产品销售、云服务导入支援等。他们处理了许多AWS(Amazon Web Services)的导入支援和Cybozu<4776>的SaaS解决方案的导入支援。子公司OCH提供数据备份和信息安全相关的自主开发产品、用于远程工作环境搭建的产品以及支持服务,以支持中小企业。这些子公司的业务部门在销售构成比中大约占15%。
(撰写:FISCO客座分析师佐藤让)