■事業概要
4. 同社の強み
京橋アートレジデンス<5536>の強みは、ネットワーク、商品力、事業展開力にある。ネットワークはさらに、推進力、企画力、監理力、一気通貫した体制といった強みにもつながっている。こうした強みを背景に、東京23区内の住環境や生活利便性、賃貸需要の高い立地に、4~5階建、8~14戸数という、他社があまり手を出さないニッチな不動産を開発、販売優位性の高い3億円~5億円という手頃な価格で販売したうえで、高い事業収支率を達成できるのである。また、そうした強みは認知度と信用度の向上の源泉にもなっており、同社の成長を支えている。
ネットワークは、ニッチな新築マンションを建設できる施工業者など協力会社とつながることで、瑕疵・住民対策を含め開発から販売までおおむね2年という短期間で事業を展開する推進力、同社内の建築企画部を中心にグループ企業や協力会社を巻き込んだ企画力、用地取得から設計施工、販売・賃貸に至る協力会社に対する監理力という強みを生みだし、さらに開発から販売までの一気通貫した体制の構築にもつながっている。ネットワークはさらに、知名度や信頼が高まるにつれ不動産仲介業者や銀行、証券会社、税理士事務所、会計事務所との関係も太くしている。富裕層という同社のターゲットが重なるこうした企業・事務所とは、同社が顧客を紹介してもらうだけでなく、同社との取引によって顧客に金融や税務、運用、資産処理などのニーズが発生するため、相互補完の関係にある。また、顧客紹介などの点で富裕層とのネットワーク、情報交換の点で同業とのネットワークも強みと言える。特に同業とは、一般的に競合関係に陥ることが多いが、資産形成用収益賃貸レジデンスという競合が起きるにはニッチ過ぎる市場では、顧客情報や販売価格情報など情報交換を行うことで共存共栄が図られている。同社業態に近い新築投資用マンションのタスキが2024年4月に資産運用型の新日本建物と合併してより大きな共同持株会社タスキホールディングス<166A>となったが、同社にとって脅威というより情報力強化の点でメリットが大きいと考えられる。こうしたネットワーク力をさらに強めるため、共同事業、事業提携、資本提携など取引先との関係強化を目的に2024年4月に情報開発部を新設した。さらに6月、証券関連事業と中古不動産再生など不動産関連事業を併営するあかつき本社グループと提携し、資産形成用収益賃貸マンションを共同開発する予定だが、富裕層ネットワークの強化も期待されている。
しかし、商品力や事業展開力がなければ、こうしたネットワークも強みとして生かすことができない。このため同社は、トランクルームやカーシェアを付けたり、防音マンション「ラシクラス(RASICLAS)」を供給する(株)らしくと提携してミュージシャンやユーチューバー、ゲーマーからのニーズが強い防音マンションを開発するなど、企画力やデザイン性、資産価値の高い商品を安定供給できるよう商品力の強化を進めている。また、不動産テック企業と提携するなど不動産開発においてDX導入を続けるなど生産性と効率性の高い事業展開を行っており、相対的に高い事業収支率を実現している。同社は、同社自身とのシナジーも考慮したうえでスタートアップ投資を行っており、2024年6月オンライン上のロケーション情報を管理するDX化を得意とする(株)エフェクチュアルに投資し、事業展開力の強化を図っている。なお、ESG関連事業においても、環境課題や社会課題に継続的に取り組むことで構築してきた様々な業種とのネットワークが強みとなっている。
企画開発の人材を増強し、成長につなげる
5. 同社の課題
強みをさらに発揮するための最大の課題は、人材の確保と育成にあると考えられる。上場によって管理面の人材が補強でき、内部統制やリスク管理体制の整備・強化及びコンプライアンスの徹底は進んだ。今後は開発や企画の人材を増強する計画で、特にニッチで参入企業が少ないため開発余地が非常に大きい新築マンション事業において、開発~引渡を安定的に増やし成長につなげる方針である。また、総資産93億円に対し在庫が56億円、借入金が72億円という財務体質(2024年11月期第2四半期末)も課題と言える。在庫と借入金については、在庫自体がプロジェクトとして資金調達と紐付いていること、金融機関とのネットワークが強固になってきていることから、事業の拡大に伴って在庫や借入金が増加することは問題ないと考えられる。ただし、財務数値的には、在庫をしっかり収益化し(できれば在庫回転率を引き上げ)、将来的に自己資本比率を向上させていく必要があると思われる。また、事業拡大とともに在庫と紐付いているとはいえ借入金が増加していることに対して、エクイティファイナンスなど他の調達方法を検討することも課題かもしれない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
■业务概要
4. 公司的优点
京桥艺术社区<5536>的优势在于网络、产品力和业务拓展能力。网络进一步提高了推进力、企划力、监理力和贯穿一致的体制等优势。在这些背景下,该公司开发了其他公司不太涉足的利基房地产——4-5层、8-14个单元,以优势销售的价格3亿至5亿日元,以达到高企业收支比。此外,这些优势也成为公司知名度和信誉度提高的源泉,支撑着该公司的成长。
网络通过与能够建造利基新公寓的建设承包商等合作公司相连,产生了推进力、企划力以及包含疵点和居民对策在内的开发与销售大约两年的优势,并建立了从用地采购到设计施工、销售和出租的监理体制。随着知名度和信誉度的提高,网络还与不动产仲介公司、银行、证券公司、税务和会计事务所等关系紧密。这些企业和办公室与同社的目标相重叠,不仅可以通过向客户推荐该公司的做法,还可以通过与该公司的交易产生客户的金融、税务、操作和资产管理需求,从而实现相互补充。此外,在客户介绍方面,网络与富裕阶层和同业的网络,并在信息交流方面与同业的网络一样强大。特别是,尽管大多数公司通常会处于竞争关系,但在竞争激烈的竞争下,通过交换有关客户信息和销售价格信息等的信息交换,可以实现共存共荣的关系。虽然这个业务与同公司体系接近的新建房投资公寓任务在2024年4月与资产管理型新日本建筑合并成了更大的共同控股公司Tasks Holdings<166A>,但从信息力量增强的角度来看,它被认为有利得多。为了进一步加强这种网络能力,为了加强与交易伙伴的关系,如合作企业,业务合作和资本合作,于2024年4月设立了信息开发部门。此外,它还将于6月与在证券相关业务和中古不动产再生等房地产相关业务方面进行合作的Akatsuki总部集团合作共同开发资产形成用收益租赁公寓,也期待强化富裕阶层的网络。
然而,如果没有产品实力和业务开展能力,这种网络也不能作为优势利用。因此,该公司正在推进强化产品实力,例如引入行李箱或汽车共享,建立和(株)Rasikuras进行供应防音公寓,他们开发出了企划力、设计性和资产价值高的商品,以稳定供应。此外,该公司还与房地产技术公司合作,引入DX在房地产开发中,进行生产力和效率高的业务扩展,并实现了相对高的企业收支率。该公司考虑到与自身的协同效应,因此在实施创业投资的同时也进行了投资,并在2024年6月投资了管理在线定位信息的DX(株)Effechual,以增强业务开展能力。此外,在环境问题和社会问题的ESG相关业务方面,与该公司构建的各种行业之间的网络成为优势。
增强企划开发人员的数量,促进成长
5. 该公司的问题
为了发挥优势,最大的挑战在于招揽和培养人才。上市后,管理层人员得到了补充,内部管控、风险管理和合规性得到了加强。未来计划增强开发和企划方面的人才,并决定以稳定增加开发和移交量的方式来推动新建公寓业务的发展。该公司目前总资产达93亿日元,库存为56亿日元,借入资金为72亿日元,财务状况(2024年11月第二季度末)也是一个问题。库存和借入资金方面,考虑到库存本身与资金筹集有关,金融机构网络日益强大,故随着业务的扩大,库存和借入资金的增加并不是问题。然而,从财务数据来看,他们需要抓住库存的收益机会(最好提高库存周转率),并在未来提高自有资本比率。此外,随着业务扩大,在庫和借入金的关系已经发生变化,考虑采用股权融资等其他融资方式也是一个课题。
(作者:华富证券客座分析师宫田仁光)