■成長戦略
1. 長期ビジョン「Kanro Vision 2030」
カンロ<2216>は、将来にわたって持続可能な成長を実現するために「Kanro Vision 2030」を策定した。このビジョンでは、長年に渡るキャンディ製造の専門知識を活かし、新しい素材や機能を組み合わせた製品開発により、健康的なライフスタイルへの貢献を目指す。イノベーションを重視し、独自の研究技術に基づいて、環境に配慮した新しいキャンディの製法を開発する一方で、デジタル技術を駆使したマーケティング戦略を通じ、消費者に新しいブランド体験を提供する。加えて、ESG経営を推進することで、社会課題の解決にも取り組み、多様性と包摂性を促進し、ガバナンスを強化することで、社会から選ばれ、信頼される企業を目指す。
(1) 価値創造
同社は創業112年の歴史と伝統に培われたキャンディへの情熱と「素材」と「機能性」の追求で新たな価値を創造し人々の健やかな生活に貢献する企業を目指す。イノベーションによる価値創造に注力しており、「研究技術のイノベーション」と「デジタル起点のイノベーション」を推進する。
(2) ESG経営
同社は、事業活動を通じて生み出される価値を用いて社会的課題の解決に努め、共生する社会、そして人々に支持される企業を目指している。2022年4月、サステナビリティに対する全社員の意識をさらに高め、既存の取り組みを一層推し進めることを目的に、「サステナビリティ委員会」を設立した。同委員会の下で、人権ポリシーの策定、障がい者の雇用率や女性管理職比率の向上、LGBTQへの理解を深める活動、偏見のない職場環境の構築、そして育児や介護のための休暇が取りやすい環境を整えるなどのダイバーシティとインクルージョンの促進に取り組んでいる。災害や感染症に対する事業継続計画(BCP※)の強化やサイバーセキュリティリスク対策の充実といったガバナンスの強化も進めている。
※「事業継続計画」のことで、テロや災害などの状況においても重要な業務を継続できる対策を事前に準備しておくための計画書のこと。
(3) 事業領域の拡大
同社は、国内キャンディ事業をコア事業としながらも、海外市場、デジタル分野、そして将来の市場に目を向けた多面的な事業展開を通じて成長を続けることを目指す。長期ビジョンでは、主要な販売チャネルである「コア事業(飴(ハードキャンディ)・グミ)」においては、既存の製品に焦点を当てて年間平均3%以上の成長を目標としている。一方、新規事業である「グローバル事業」「デジタルコマース・ヒトツブ事業」「フューチャーデザイン事業」では、新製品による市場の拡大を図り、年間平均30%以上の成長を目指す。4つの事業を合わせた年間平均成長率は5%以上が目標だ。
世界は高齢化の進行、人口増加、感染症への懸念、温室効果ガスによる気候変動、食品廃棄物、海洋汚染、大規模な自然災害といった様々な生活と社会の課題に直面している。これらの問題に対処するために、信頼性、ブランド力、研究開発能力、品質保証体制といった同社の強みを生かし、健康で笑顔に溢れる未来を築くことをビジョンとして掲げている。企業の存在意義を示す「Sweeten the Future 心がひとつぶ、大きくなる。」という企業パーパスのもと、2030年までの長期ビジョンを達成する主要な指標として、売上高500億円、営業利益率9%以上、ROIC10%以上を設定している。
2. 中期経営計画2024
2022年に始動した3ヶ年計画の「中期経営計画 2024」は、「Kanro Vision 2030の実現に向けたて新たな事業を起こす」ことを核としている。同計画により、長年の基盤であり強みでもある国内キャンディ事業を中心に据え、成長への投資を加速する方針である。さらに、グローバル事業、デジタルコマース・ヒトツブ事業、フューチャーデザイン事業という3つの新規事業を積極的に推進し、市場や販売チャネル、製品やサービス(ドメイン)を広げることで企業価値の向上を目指す。それぞれの事業を段階的に成長させ、パーパスドリブン経営で社会的価値を同時に創出する企業としての地位を築く戦略である。
同社の「中期経営計画2024」の進捗状況から、同社が着実に成長していることが確認できる。2021年12月期の売上高215億円から、2022年12月期は251億円(前期比16.3%増)、2023年12月期は290億円(同15.5%増)と増加し、2024年12月期には308億円(同6.1%増)が予想されている。営業利益は2021年12月期の12億円から2023年12月期には33億円に大幅増加し、2024年12月期には38億円を見込んでいる。営業利益率も2023年12月期の11.7%から2024年12月期には12.4%に上昇する見通しである。また、ROICも2023年12月期の18.2%から2024年12月期には18.0%と高水準を維持し、配当性向は2024年12月期には40.1%に達する予定である。同社は堅実な成長戦略を実行し、売上高や利益率の向上に成功していることが明らかである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
■增长战略
1。长期愿景 “甘露愿景2030”
甘露<2216>制定了 “甘露2030年愿景”,以实现未来的可持续增长。在这个愿景中,我们的目标是利用我们在糖果制造领域多年的专业知识,开发结合新材料和功能的产品,为健康的生活方式做出贡献。在强调创新和基于独特的研究技术开发新的环保糖果制造方法的同时,通过充分利用数字技术的营销策略为消费者提供全新的品牌体验。此外,通过推动 ESG 管理,我们的目标是通过努力解决社会问题、促进多元化和包容性以及加强治理,成为一家被社会选择并受到社会信任的企业。
(1) 价值创造
该公司的目标是通过其112年的历史和传统培养的对糖果的热情,以及对 “材料” 和 “功能” 的追求,成为一家创造新价值并为人们健康生活做出贡献的企业。我们专注于通过创新创造价值,我们将推动 “研究技术创新” 和 “数字视角下的创新”。
(2) ESG 管理
该公司致力于利用通过商业活动创造的价值来解决社会问题,并致力于成为一个人可以共存的社会和一个由人支持的企业。2022/4 年,成立了 “可持续发展委员会”,旨在进一步提高所有员工对可持续发展的认识,并进一步推广现有举措。在同一个委员会下,我们正在努力促进多元化和包容性,例如制定人权政策,提高残疾人的就业率和女性管理者的比例,开展活动以加深对LGBTQ的理解,营造一个没有偏见的工作环境,以及创造一个易于休假去育儿和护理的环境。我们还在加强治理,例如加强针对灾害和传染病的业务连续性计划(BCP*),以及加强网络安全风险对策。
* “业务连续性计划” 是指提前准备措施的计划,即使在恐怖主义或灾难等情况下也能继续进行重要运营。
(3) 扩大业务领域
虽然该公司将国内糖果业务作为其核心业务,但其目标是通过着眼于海外市场、数字领域和未来市场的多方面业务发展来继续增长。根据长期愿景,在作为主要销售渠道的 “核心业务(糖果(硬糖)/软糖)” 中,我们专注于现有产品,目标是年均增长3%或以上。同时,在作为新业务的 “全球业务”、“数字商务业务” 和 “未来设计业务” 中,我们的目标是通过新产品扩大市场,并目标是平均年增长30%或以上。目标是这四项业务的平均年增长率为5%或以上。
世界正面临着各种生活方式和社会问题,例如老龄化、人口增长、对传染病的担忧、温室气体引起的气候变化、食物浪费、海洋污染和大规模自然灾害。为了解决这些问题,我们的愿景是利用公司的优势,例如可靠性、品牌力、研发能力和质量保证体系,建设一个充满健康和微笑的未来。“甜蜜未来之心成为一个接一个”,它显示了公司存在的理由。基于这一企业宗旨,500亿日元的销售额、9%或以上的营业利润率以及10%或以上的投资回报率被设定为实现2030年前长期愿景的关键指标。
2。2024 年中期管理计划
“2024年中期管理计划” 是一项始于2022年的三年计划,其核心是 “开展旨在实现甘露2030年愿景的新业务”。根据该计划,这是一项政策,通过以国内糖果业务为中心来加快增长投资,这既是长期的基础又是优势。此外,我们的目标是通过积极推广全球业务、数字商务业务和未来设计业务这三项新业务,以及扩大市场、销售渠道以及产品和服务(领域)来提高企业价值。这是一项战略,旨在逐步发展每项业务并确立企业地位,通过目标驱动的管理同时创造社会价值。
从公司 “2024年中期管理计划” 的进展来看,可以证实该公司正在稳步增长。从截至2021年12月的财年的销售额215亿日元,截至2022/12财年的销售额将增加到251亿日元(比上一财年增长16.3%),2022/12财年将增加到290亿日元(比同期增长15.5%),预计2024/12财年的308亿日元(比同期增长6.1%)。预计营业利润将从截至2021年12月的财年的12亿日元大幅增加到截至2024/12财年的33亿日元,以及截至2024/12财年的38亿日元。预计营业利润率也将从2023/12财年的11.7%上升到2024/12财年的12.4%。此外,投资回报率将保持从2023/12财年的18.2%至2024/12财年的18.0%的高水平,预计2024/12财年的股息支付率将达到40.1%。很明显,该公司已经实施了稳健的增长战略,并成功地提高了销售和利润率。
(由FISCO客座分析师中山宏撰写)