チームスピリット<4397>は、勤怠管理、経費精算、工数管理等を一体化したクラウドサービス「TeamSpirit」等の提供を行う。
クラウド上のサービスを通じて、働く人と企業の「働き方改革」を推進する顧客サービスを事業として展開する。具体的には、企業向けに勤怠管理・就業管理・工数管理・経費精算、電子稟議等の従業員が日々利用するアプリケーションを1つにまとめた「TeamSpirit」やユーザー企業を有償で支援するプロフェッショナルサービスを提供している。「TeamSpirit」は、勤怠管理・就業管理の領域において単なる出退社時刻の記録だけでなく、有給休暇の取得状況・残業時間の推移・36協定の抵触・インターバル時間・必要な休日確保の状況など、近年特にニーズの高い長時間労働の抑制や健康確保措置としての労働時間管理を実現する。SaaSによるサブスクリプション型ビジネスモデルで安定した事業基盤を構築している。
24年8月期第3四半期累計の売上高は前年同期比16.5%増の3,279百万円、営業損益は32百万円の赤字(前年同期は75百万円の赤字)で赤字幅を縮小した。第3四半期(3-5月)のみの営業利益は47百万円で、四半期ベースで黒字に転換している。ARRは3,726百万円(同15.8%増)、ライセンス数は520,176(同22.6%増)、契約社数は1,898社(同130社増)と好調に推移しており、月次解約率は0.38%と低い水準を維持。ARRの純増は、エンタープライズセグメント(同28%増)及びミッドセグメント(同14.2%増)での導入が進んだことが要因となっている。リカーリングレベニュー比率は87.3%。同時に通期業績予想の上方修正を発表しており、25年12月期の売上高は、従来計画水準の4,400百万円、営業損益は120百万円の赤字に赤字幅を縮小した。投資領域の選択と集中により下半期での収益性改善が進んでいるようだ。
同社は、多くの上場企業や未上場の成長企業を中心に、顧客基盤を構築できている。従業員の勤怠管理や経費精算などのソリューションという枠組みでは、競合企業が多く存在するが、多くの競合がミッド・スモールセグメントで事業を展開している。ミッド・スモールとエンタープライズでは求められる製品の機能要件の複雑さや性能要件が異なっている。エンタープライズ向けは日々の残業計算を行い、給与計算に直結する勤怠管理システムがERPなどの基幹システムと同様のミッションクリティカル領域にあるシステムであり、参入障壁が非常に高く、SaaSでの競合プレイヤーがほとんど存在しない。
多くの大企業にとってDXの加速は経営課題となっており、同社がターゲット市場とするエンタープライズ、ミッド領域のすべての企業にサービス提供した場合における現在のシェアは約1.4%と、まだまだ広大な開拓余地が残っていると言える。同社は、26年8月期にARR70億円以上、営業利益率15%以上の目標を掲げており、エンタープライズ市場での成長加速と新機能・新領域の立ち上げによって着実な成長を図っていく。新規領域では、既にAI議事録ソリューション「Synclog」を展開しており、今後も順次市場投入していく予定で、新規領域における定量目標として2026年時点で5~10億円程度のARR貢献を目指すという。自社開発、アライアンス、M&Aを駆使して、2025年度までに3~5つの新サービスをローンチし、新規顧客層の開拓に加えて既存ユーザーへのアップセル・クロスセルを加速させていくようで、黒字転換フェーズに入った同社の今後の動向には注目しておきたい。
TeamSpirit<4397>提供了集勤怠管理、经费报销、工时管理等为一体化的云服务“TeamSpirit”等。
通过云上的服务,推动客户服务作为业务,推进员工和企业的“工作方式改革”。具体来说,提供面向企业的集勤怠管理、就业管理、工时管理、经费报销、发起电子议事等员工每天使用的应用程序,整合在“TeamSpirit”中,并提供有偿的专业服务来支持用户企业。TeamSpirit不仅仅是出退社时间的记录,还能实现有偿休假的使用情况、加班时间的变化、与36协定是否符合、间隔时间、必要的节假日保障等,特别是近年来需求旺盛的长时间工作的限制和健康保障措施。公司建立了一个稳定的通过SaaS订阅模式的业务基础设施。
截至24年8月期第三季度累计,销售额较去年同期增长16.5%,达到32.79亿日元,营业亏损为3200万日元(去年同期为7500万日元亏损),亏损幅度缩小。仅第三季度(3-5月)的营业利润为4700万日元,实现了季度级别的盈利转变。ARR为37.26亿日元(同比增长15.8%),许可证数量为520176(同比增长22.6%),合同公司数量为1898家(增加了130家),良好地推进,月度解约率维持在0.38%的低水平。ARR的净增长主要归因于企业部门(增长28%)和中小型企业(增长14.2%)的推广。循环收入比率为87.3%。同时宣布上调全年业绩预测,25年12月期销售额达到440亿元,营业亏损缩小至1.2亿元。通过投资领域的选择和集中,收益改善在下半年已经开始进行。
该公司主要在上市公司和未上市的成长型企业中建立了客户基础。在员工的考勤管理和费用报销等解决方案框架内,存在许多竞争对手,但大多数竞争对手在中小型领域展开业务。中小型企业和大企业对产品功能要求的复杂性和性能要求不同。面向大企业的是一种与日常加班计算紧密相连、与工资计算直接相关的考勤管理系统,属于像ERP等核心系统一样的任务中心领域,进入障碍非常高,几乎不存在基于SaaS的竞争对手。
对于许多大企业来说,加快数字化转型是经营挑战,而该公司以企业和中小型企业为目标市场提供服务,目前在所有企业中的市场占有率约为1.4%,仍然存在广阔的开拓空间。该公司在26年8月期设定了超过70亿日元的ARR和超过15%的营业利润率的目标,并通过加速在企业市场的增长和新功能、新领域的启动来实现稳定的增长。在新领域方面,该公司已经推出了AI议事录解决方案“Synclog”,并计划逐步投入市场,作为新领域的定量目标,计划在2026年实现约5-10亿日元的ARR贡献。公司将充分利用自主开发、联盟、并购等手段,在2025财年之前推出3-5个新服务,加速开拓新客户层和向现有用户进行提升和跨销售,因此值得关注该公司进入盈利阶段后的动态。