■ケアネット<2150>の今後の見通し
2. 競争優位性
同社の競合企業には、エムスリーとメドピアが該当する。エムスリーは、医師会員向けプラットフォーム「m3.com」を運営し、製薬マーケティング支援や医療データ利活用を行っている。国内医師の9割超に当たる33万人以上の会員数を持ち、製薬マーケティング支援分野では第1位のシェアを有している。メドピアは、医師専用コミュニティサイト「MedPeer」を運営し、医師同士の情報共有や製薬マーケティング支援を行っている。全国17万人の医師会員数による医師同士のコミュニティ形成に強みがあり、薬剤評価掲示板や症例相談などのコンテンツが充実していることが特徴である。
同社の優位性としては、国内医師の約6割に当たる23万人以上の会員を有していること、医師向けの医学教育コンテンツサービスとしてブランド力を確立していること、同社が有する医師との信頼関係を軸にインターネットと人を融合したハイブリッド型の情報提供モデルを展開していることなどが挙げられる。
医薬DX事業の競争環境としては、今後もエムスリーやメドピアなどが競合となることが予測されるが、医療系広告事業の寡占的な競争環境とは異なる。急激なMRの減少により、製薬業界が求めるものは広告から営業ソリューションにシフトしている。営業ソリューションは広告と異なり住み分けが必然となるため、スピーディーで効率的なソリューションの提供により十分なシェアの獲得が期待できる。また、新たな事業環境では従前のスケールや、AI・データマネジメントのようなテクニカル面は競争優位性の核とはなり得ず、医師の囲い込みが根源的な強みになると同社は見ている。そのため、スピーディーかつ効率的な営業ソリューション、大学病院の教授クラスから専門医のトップクラスが魅力を感じる付加価値の提供に注力することが最重要課題と考えている。
競合企業を含めた3社の直近決算期における業績と主な経営指標、今後の施策は以下のとおりである。
エムスリーの2024年3月期(2023年4月~2024年3月)の業績は、売上高238,833百万円(前期比3.5%増)、営業利益64,381百万円(同10.6%減)となった。売上高は、医療現場の人材支援を手掛けるキャリアソリューション事業が伸びた一方で、収益性の高い製薬企業向けマーケティング支援が軟調した。営業利益は、北米での新型コロナウイルス関連の治験(臨床試験)プロジェクトが不芳となり、のれんなどの減損損失を計上した。トピックスとしては、福利厚生代行の(株)ベネフィット・ワンに対しTOBを実施したが、第一生命ホールディングス<8750>がより有利な条件で対抗TOBを実施したため不成立となった。2025年3月期は、売上高268,000~273,000百万円(同12.2%~14.3%増)、営業利益67,000~70,000百万円(同4.1%~8.7%増)を見込んでいる。製薬マーケティング支援の再成長に向けて、顧客企業の生産性を向上させる新サービスの開発や、自社で保有するデータを活用したコンサル型の提案を強化するとしている。主な経営指標のうち、総資産回転率は0.5回と2016年3月期の1.0回の約半分にまで低下した。同社(2023年12月期は0.8回)やメドピア(2023年9月期は1.2回)を下回る水準であり、成長の鈍化が浮かび上がった。相次ぐM&Aによるのれんや現金及び現金同等物を含む総資産の拡大ペースに対して、売上高の増加ペースが追い付いていないものと思われる。
メドピアの2023年9月期(2022年10月~2023年9月)の業績は、売上高14,540百万円(前期比72.0%増)、営業利益1,119百万円(同5.3%増)となった。売上高は、M&Aにより取得したMIフォース(株)が寄与し、過去最高を更新した。営業利益は、利益率が高いWebサービスと利益率が低い人材派遣のサービスミックスの影響により、計画には達しなかった。2024年9月期は、売上高14,600百万円(同0.4%増)、営業利益1,150百万円(同2.7%増)を見込んでいる。「医師に一番近いプラットフォーム」という強みに立脚し、信頼できるパートナーとしての地位確立を目指す。また、選択と集中による事業ポートフォリオの再構築を行い、投資を加速させる事業を明確にし、場合によっては事業撤退も検討する方針である。主な経営指標のうち、売上高純利益率は前期比5.4ポイント減であり、M&Aによりトップラインを大きく伸ばした一方で、事業ポートフォリオの変動により収益性の悪化が見られた。
同社の2023年12月期(2023年1月~2023年12月)の業績は、売上高10,235百万円(前期比9.7%増)、営業利益2,428百万円(同14.8%減)であった。主力事業を展開するeプロモーション市場が軟調に推移し計画未達となるも、医薬DX事業とメディカルプラットフォーム事業の双方において売上高が前期を上回る成長を見せた。営業利益は、既存サービスの販売体制強化及び販管費削減や効率化等の施策を推進したが、新規事業開発投資や人材補強による販管費の増加により減少した。2024年12月期は、売上高11,600百万円(同13.3%増)、営業利益2,200円(同9.4%減)を見込んでいる。プラットフォームの改善、良質なコンテンツ制作等の施策を推進し、既存事業のオーガニックな成長を継続する方針である。主な経営指標のうち、ROEは14.2%とエムスリー(2024年3月期は13.8%)やメドピア(2023年9月期は7.8%)を上回る水準であり、同社事業の収益性の高さが伺える。
3社を比較すると、eプロモーション市場の成長鈍化が共通して挙げられる。コロナ禍を契機に対面を好む「会える医師」とオンラインを好む「会えない医師」の二極化が進み、さらに医師の働き方改革に伴い製薬企業は医師の勤務時間内に情報提供を行うことが難しくなった。そのため、製薬企業はオンラインでの情報提供や医師が必要な時にアクセスできるPull型の情報提供を強化する必要がある。3社にとっては、デジタルと対面のハイブリッド型の営業に対応したソリューションの提供が求められる状況である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
■关于 CareNet<2150> 的未来展望
2. 竞争优势
该公司的竞争对手包括m3和MedPeer。m3经营面向医生会员的平台“m3.com”,提供制药营销支持和医疗数据利用。拥有超过33万名国内医生会员,占超过国内医生的九成以上,是制药营销支持领域的第一大共享。MedPeer经营医生专用社区网站“MedPeer”,进行医生间信息分享和制药营销支持。以全国17万名医生会员为基础,形成了医生间的社区,并拥有丰富的药物评价和病例咨询等内容,这是其特点所在。
作为该公司的竞争优势,其拥有超过23万名国内医生会员,占国内医生的约六成,以医生专用医学教育内容服务建立了品牌影响力,基于与医生的信任关系,开展了融合互联网和人力的混合型信息提供模式等等。
医药DX业务的竞争环境预计将继续面临来自m3和MedPeer等竞争对手的竞争,但与医疗广告业务的寡占竞争环境不同。随着MR(医学代表)大幅减少,制药行业寻求的是从广告向销售解决方案的转变。销售解决方案与广告不同,必然需要有一定的市场定位,因此通过提供快速高效的解决方案,可以预期获得足够的市场份额。此外,在新的商业环境中,传统的规模和技术方面(如AI和数据管理)不再构成竞争优势,而医生的团体封锁才是该公司认为的根本优势。因此,该公司认为,为了实现医生高效封锁,提供快速高效的销售解决方案,以及为大学医院的教授级别到专业医生级别提供有吸引力的附加价值是最重要的任务。
包括竞争对手在内的3家公司近期财报及主要经营因子和未来举措如下:
m3的2024年3月期(2023年4月~2024年3月)业绩为,营业收入238,833百万日元(同比增长3.5%)、营业利润64,381百万日元(同比减少10.6%)。营业收入方面,医疗现场的人才支援业务实现增长,而高收益性的制药企业营销支持业务则表现疲软。营业利润因北美地区新冠病毒相关临床试验项目表现不佳,导致商誉等减值损失计入。其话题为进行了福利厚生代理公司Benefit-One的公开购买,但由于第一生命控股<8750>提出了更有利的对手性公开购买而未成功。2025年3月期预计营业收入为268,000~273,000百万日元(同比增长12.2%~14.3%),营业利润为67,000~70,000百万日元(同比增长4.1%~8.7%)。为实现制药企业营销支持业务的再次增长,加强开发提高客户企业生产力的新服务以及利用自身拥有的数据加强咨询性提案。在主要经营因子方面,总资产周转率为0.5次,已降至2016年3月期1.0次的大约一半,低于其自身(2023年12月期为0.8次)以及MedPeer(2023年9月期为1.2次),显示增长速度放缓。预计是连续M&A活动使商誉和现金及现金等价物等总资产扩张速度追赶不上营业收入的增长速度。
MedPeer的2023年9月期(2022年10月~2023年9月)业绩为,营业收入14,540百万日元(同比增长72.0%)、营业利润1,119百万日元(同比增长5.3%)。营业收入方面,由于收购MI Force株式会社,创下了历史新高。营业利润因高利润率的Web服务和低利润率的人才派遣服务之间的影响未达预期。2024年9月期预计营业收入14,600百万日元(同比增长0.4%)、营业利益1,150百万日元(同比增长2.7%)。以依靠“距离医生最近的平台”为优势,旨在确立可信赖的伙伴地位。此外,通过选择和集中进行业务投资组合的重塑,明确加速投资的业务,并考虑甚至退出业务。在主要经营因子中,营业收入净利率同比减少5.4个百分点,由于并购大幅增加了营业收入,而业务投资组合的变化导致盈利能力下降。
公司2023年12月期(2023年1月~2023年12月)的业绩为,营业收入1.02亿(同期比增长9.7%),营业利润2.42亿(同期减少14.8%)。尽管核心业务e促销市场表现疲软,未能达到计划,但医药数字化(DX)业务和医疗平台业务的销售额均超过了上一周期,实现了增长。营业利润通过推进现有服务的销售体系强化以及销售和管理费用的削减和提高效率等措施,虽然实现了一定程度的增加,但由于新业务开发投资和人员增加导致销售和管理费用的增加,减少了。预计2024年12月期,营业收入将达到1.16亿(同期增长13.3%),营业利润将达到2.2亿(同期减少9.4%)。公司打算推进平台的改善、优质内容的创作等措施,以实现现有业务的有机增长。在主要的经营因子中,roe为14.2%,超过了m3(2024年3月期为13.8%)和medpeer(2023年9月期为7.8%),显示了该公司业务的高盈利能力。
与三家公司相比,e促销市场的增长放缓是共同的问题。在新冠疫情的背景下,倾向于面对面交流的“可以见到医生”和倾向于在线交流的“无法见到医生”两极分化加剧,随着医生工作方式的改革,制药公司难以在医生的工作时间内提供信息。因此,制药公司需要加强在线信息提供和医生在需要时可以访问的拉动型信息的提供。对于这三家公司来说,他们需要提供适应数字和面对面混合销售模式的解决方案。
(撰写者:富士客座分析师茂木稜司)