■ファンペップ<4881>の主要開発パイプラインの動向
同社の開発パイプラインは、皮膚潰瘍を適応症とする「SR-0379」のほか、抗体誘導ペプチド技術で開発した乾癬及び強直性脊椎炎を適応症とする「FPP003」、花粉症を適応症とする「FPP004X」、乾癬を適応症とする「FPP005」の4品目があり、そのほかにも複数の開発候補品を抱えている。2024年に入っての新たな進捗として、3月に塩野義製薬と「FPP004X」に関する全世界を対象とした独占的開発及び商業化権に関するオプション契約を締結し、2025年第1四半期から第1相臨床試験を開始するほか、「SR-0379」に関して第3相臨床試験の追加試験を2025年第1四半期から開始することを決定し、準備に入っている。
皮膚潰瘍向け治療薬は対象を絞り追加試験を行う。2028年に上市する可能性
1. SR-0379(皮膚潰瘍)
現在、皮膚潰瘍(褥瘡※及び糖尿病性潰瘍)の治療法としては、皮膚組織の欠損部分に感染の疑いがある場合にはまず感染リスクを見極めるための一定の観察期間が必要であり、その後、次の段階で組織再生のための治療(細胞増殖因子の投与や湿潤療法の実施)などを行うため、長い治療期間を要することが課題となっていた。「SR-0379」は、抗菌作用に加えて創傷治癒促進効果(血管新生作用)もあることから観察期間が必要なく、速やかに治療を開始できる。現行よりも治療期間を短縮できる効果が期待でき、患者のQOL向上につながる治療薬として開発を進めてきたものである。
※ 褥瘡とは、寝たきりや車いす生活などによって、体重で圧迫されている皮膚の血流が滞ることで、皮膚の一部が赤い色味を帯びて、ただれや傷ができる症状のことで、一般的に「床ずれ」と言われている。
2022年11月に発表された第3相臨床試験※の速報結果では、主要評価項目である「簡単な外科的措置に至るまでの日数」において、プラセボ群と比較して日数を短縮する傾向が見られたものの、統計学的な有意差は得られなかった。ただ、事後部分集団解析を実施したところ潰瘍サイズ(長径×短径)36cm2未満の被験者(N=101)のデータを比較したところ、プラセボ群が外科的措置までの日数で27日要したのに対して、「SR-0379」は22日間と5日間の短縮、有意差(p=0.027)も確認できたことから、ライセンス契約先である塩野義製薬と協議を行い、潰瘍サイズを36cm2未満に限定して追加の第3相臨床試験(02試験)を実施する方針を決定した。予定症例数は142例でプラセボ対照二重盲検比較試験(1日1回、28日間投与)とし、01試験と同様に外科的処置に至るまでの日数をプラセボ群と比較する。2025年12月期第1四半期より開始し、順調に進めば2027年に承認申請を行い2028年にも上市する可能性がある。なお、海外市場での開発方針については国内の試験結果を見て塩野義製薬が判断することになる。
※ 外科的措置(縫合、植皮、有茎皮弁)が必要な重度な患者(入院患者)120例を対象に、プラセボ対照二重盲検比較試験を2021年6月より実施した。
皮膚潰瘍は患者や介護者、医療現場からも治療期間の短縮に対するニーズが強く、高齢化社会の進展に伴い「寝たきり患者」や糖尿病性皮膚潰瘍患者も増加傾向にあることから社会ニーズにマッチした製品と言える。「SR-0379」は誰にでも使えるスプレー式でベッドサイドに置けるため、安定性や利便性の面でもメリットがある。同社は各種統計データから、皮膚潰瘍患者数を国内で約100万人(褥瘡約20万人、糖尿病性潰瘍約80万人)、米国で約230万人(褥瘡約50万人、糖尿病性潰瘍約180万人)と試算している。これら患者のうち、潰瘍サイズ36cm2未満の患者の割合がどの程度かは不明だが、01試験の結果(101/120例)から8割程度が対象となる可能性がある。
現在、皮膚潰瘍治療薬としては軟膏タイプのものから湿布、スプレータイプのものまで様々なものがあるが、スプレータイプの治療薬となる「フィブラストスプレー(科研製薬<4521>)」は薬価が約7千円/瓶で、国内売上が約26億円(2024年3月期実績)である。すべての皮膚潰瘍患者で利用されることになれば、国内だけで潜在市場は約100億円程度と見られるが、対象範囲をやや絞り込むため市場規模も数十億円規模になると予想される。なお、塩野義製薬と締結した全世界を対象としたライセンス契約では、契約総額(契約一時金、開発及び販売マイルストーンの合計)が100億円となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
■ 范佩普<4881>主要开发管道动态
该公司的开发管道包括适应皮肤溃疡的“SR-0379”,适应乳糜疮和强直性脊椎炎的抗体诱导肽技术开发的“FPP003”,适应花粉症的“FPP004X”,适应乳糜疮的“FPP005”等4个产品,还有其他多个开发候选品。自2024年以来,作为新的进展,该公司在3月与塩野義製薬签订了关于FPP004X的全球独家开发和商业化权利的期权契约,并决定从2025年第一季度开始进行第一阶段临床试验,此外,也决定从2025年第一季度开始进行SR-0379的第三阶段临床试验的附加试验,并已做好准备。
治疗皮肤溃疡的药物正在进行针对性的附加试验。可能在2028年上市
1. SR-0379(皮肤溃疡)
目前,对于皮肤溃疡(床疮和糖尿病性溃疡)的治疗方法,在存在感染风险的皮肤组织缺损部位,首先需要一段观察期来判断感染风险,然后在下一个阶段进行组织再生治疗(注射细胞生长因子或进行湿敷疗法)等,需要较长的治疗时间。SR-0379除具有抗菌作用外,还具有促进伤口愈合(血管新生作用)的效果,因此不需要观察期,可以立即开始治疗。预计可以缩短治疗时间,提高患者的生活质量,是一种治疗药物。
※ 床疮是指由于卧床或使用轮椅等导致皮肤受到体重压迫而血液流通不畅,导致皮肤部分呈红色,并出现溃疡和伤痕的症状,通常被称为“床垫疮”。
根据2022年11月发布的第三阶段临床试验※的初步结果,主要评估指标“进行简单外科手术的天数”显示,与安慰剂组相比,虽然有缩短天数的趋势,但并未获得统计学上的显著差异。但是,在进行事后亚组分析后,比较了溃疡大小(长径×短径)小于36cm2的被试者数据(N=101),结果显示,安慰剂组需要27天才能进行外科手术,而“SR-0379”只需要22天,且有显著差异(p=0.027),因此与授权合作方塩野義製薬进行了磋商,并决定在限定溃疡大小小于36cm2的情况下进行额外的第三阶段临床试验(试验02),计划包括142个病例的安慰剂对照双盲比较试验(每天1次,连续28天给药),并与安慰剂组对比,观察进行外科手术所需的天数。预计从2025年第一季度开始,如果顺利进行,可能会在2027年申请批准,并有可能在2028年上市。关于海外市场的开发计划,将根据国内试验结果来判断,由塩野義製薬决定。
※ 进行外科手术(缝合、移植皮片、带蒂皮瓣)所需的重型患者(住院患者)共120例是对象,在2021年6月开始进行了安慰剂对照双盲比较试验。
皮肤溃疡对患者、护理人员和医疗机构来说,短期内缩短治疗时间的需求非常强烈,随着人口老龄化社会的发展,“卧床患者”和糖尿病性皮肤溃疡患者也呈增长趋势,从而适应了社会需求。 "SR-0379" 是一种可供任何人使用的喷雾剂,可以放在床边,因此在稳定性和便利性方面有优势。该公司根据各种统计数据估计,国内皮肤溃疡患者约100万人(褥疮约20万人,糖尿病性溃疡约80万人),美国约230万人(褥疮约50万人,糖尿病性溃疡约180万人)。 不清楚这些患者中有多少是溃疡大小不超过36平方厘米的患者,但从01试验结果(101/120例)来看,80%左右可能是目标对象。
目前,皮肤溃疡治疗药物类型多种多样,从软膏、湿敷到喷雾型等,而喷雾型治疗药物“フィブラストスプレー(科研制药<4521>)”的药价约为每瓶7000日元,国内销售额约26亿日元(2024财年实绩)。如果被所有皮肤溃疡患者使用,国内潜在市场规模约为约100亿日元,但为了缩小目标范围,预计市场规模将达数十亿日元。此外,该公司与塩野義制药签署了全球范围的许可协议,协议总额(一次性费用、开发与销售里程碑总计)为100亿日元。
(撰写:FISCO客座分析师佐藤让)