■STIフードホールディングス<2932>の重点方針と重点施策
1. 重点方針
コロナ禍や原材料高という厳しい時期を経て、同社は、原材料、開発、製造、知的財産に関する各機能が事業への貢献を追求することで、より強い企業集団を作り上げるという重点方針を再確認した。品質や価格、海洋資源保護など持続可能性を考慮した原材料調達への徹底したこだわりによって原価率を低減し、一貫生産、良品製造の徹底、生産キャパシティの増強、原材料の使い切り、CO2削減など製造能力を磨き上げることで生産効率を引き上げ、独自性の強い技術開発やコア技術の周辺展開、技術プラットフォーマーとしての地位構築など新技術の知的財産化により市場競争力を向上させる方針だ。これにより圧倒的に差別化されたポジションを獲得し、経常利益率10%以上を目指す。
なかでも原材料調達は、同社の祖業が商社であったことを強みに最適な産地を開発するとともに、高い品質にこだわりつつ、幅広いサイズやあらゆる部位に対応した商品開発を徹底している。一方、マーケットイン型の商品開発にも注力し、北米などをターゲットに、国内の売れ筋商品をベースにしたグローバル商品の開発も推進する。そのためにも、一貫生産や良品製造の徹底、生産キャパシティ増強、フードロス低減、CO2削減など製造能力のレベルアップを図る。また、新技術の持続的な開発や水産特許の数などから技術面で他社を圧倒的に差別化していることが見て取れるが、さらに、知財管理委員会を設置し、新技術の知的財産化やコア技術の周辺展開、技術プラットフォーム化などを推進していく。
重点施策を遂行するうえで重要な関西新工場
2. 重点施策
重点方針の下、おいしさと経済合理性の両立を狙い、重点施策として、原材料の品質に妥協せず、複数拠点による製造最適化を図り、グループ各社の技術をクロスオーバーしていく。原材料の品質については、付加価値に自信を持っていることから原材料費が上昇しても品質を低下させず、リニューアルを伴った価格改定で対応するほか、従業員のスキルアップなどによる生産性の向上で吸収していく考えだ。一方、石巻工場の焼き魚や白岡工場の窒素凍結ラインといった各工場の特徴的な技術をより一層活用するため、生産する商品の選択と集中を進める。また、STIミヤギのレトルト技術や石巻工場のスモーク技術など各工場の技術をクロスオーバーすることで、付加価値の高い商品を創出するとともに獲った魚の全身を収益化していく。このように複数拠点の製造の最適化を進めることで、既存商品の改善・改良、新しい商品グループの創造を加速し、グローバル商品の開発につなげていく。
こうした重点施策の実践の面からも、セブン-イレブンに対する関西での供給体制という面からも、建設中の関西工場は重要なポジションを占める。関西工場は2024年11月に稼働を開始し、12月には通常稼働に入る予定で、フル稼働時には約70億円の増収を計画、同社の短中期的な成長をけん引することが期待される。また、通常稼働に入れば月次のブレークイーブンをクリア、2025年12月期にはほかの工場並みの利益率確保を目指す。関西工場では、セブンプレミアムを中心に焼魚やカップデリ、冷凍惣菜などを製造する予定で、関西エリアの供給効率化や販売期間延長に留まらず、余力の生じたSTIミヤギで製造した複数のデイリー商品を北海道に配送するなど製造の最適化も促進することができる。このため、全社的な利益率の改善も進む見込みだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
■STI食品控股<2932>的重点方针和重点施策
1. 重点方针
经历了新冠疫情和原材料价格上涨等严峻时期后,公司再次确认了追求原材料、开发、制造、知识产权等各功能对业务贡献的重点方针,以打造更强大的企业集团。严格坚持以考虑持续性的原材料采购,致力于降低成本率,提高生产效率,增强生产能力,充分利用原材料,减少CO2排放等措施,提升生产效率,通过技术开发和知识产权化提升市场竞争力,加强技术开发的独特性和核心技术的周边拓展,建立技术平台等,从而提高市场竞争力。通过这些措施,公司将获得明显差异化的地位,并力争实现营业利润率达到10%以上。
特别是原材料采购方面,公司以商社业务为底蕴,致力于开发最佳产地,坚持高品质,全方位的商品开发。公司还专注于市场导向型的商品开发,以北美等地为目标,推动基于国内热销商品的全球商品开发。为实现这一目标,公司将全力提升一贯生产、优质制造、生产能力增强、粮食损失减少、CO2减排等方面的制造能力水平。此外,公司在技术方面明显区别于他企业,通过持续的新技术开发和水产专利数量等,同时设立知识产权管理委员会,推动新技术的知识产权化和核心技术的周边拓展,实现技术平台化。
在执行重点施策中至关重要的关西新工厂
2. 重点施策
在重点方针下,公司旨在实现美味与经济效益的兼顾,将原材料质量作为重点施策,通过不妥协的原料品质,实现多地点的制造优化,并通过跨公司的技术共享。在原材料质量方面,公司对附加价值充满信心,即使原材料成本上升,也不会降低品质,而是通过价格调整进行更新,并通过员工技能提升等提高生产效率进行吸收。同时,为更充分利用各工厂的特色技术,如石卷工厂的烤鱼和白冈工厂的氮冻结技术,公司将进一步推进产品选择和集中生产。此外,通过各工厂技术的共享,如STI宫城的热食技术和石卷工厂的熏制技术,创造附加值高的商品,并实现对鱼全身的增值。通过推进多地点的制造优化,加速改善和改进现有商品,创造新的商品群体,并推动全球商品开发。
从重点施策的实践角度,以及关于关西地区供应体制的角度看,在建设中的关西工厂占据重要地位。预计关西工厂将于2024年11月开始运营,计划于12月正式运营。一旦全面运营,预计将实现约70亿日元的增收,有望推动公司短中期的增长。此外,一旦正常运营,有望实现月度盈亏平衡,力争在2025年12月期实现其他工厂同等的利润率。关西工厂计划以生产七店面为主,包括烤鱼、杯装餐和冷冻熟食等,这不仅有助于优化关西地区的供应效率和延长销售期限,还可以通过将在运营内耗产生的STI宫城的多种日常商品运往北海道等来推动制造的最优化。因此,公司整体利润率的改善也有望继续推进。
(作者:华富证券客座分析师宫田仁光)