■成長戦略
マクロミル<3978>は、海外事業の譲渡や経営環境を踏まえ、2023年8月に「主力の『オンライン及びデジタルリサーチ』に再フォーカス」と「『事業モデルの変革』を継続」を方針とする中期経営計画(2024年6月期〜2026年6月期)を策定し公表している。2026年6月期の経営目標は売上収益53,000百万円、営業利益7,500百万円である。財務レバレッジは従来目標を維持し、Net Debt/EBITDA倍率を2.0〜2.5倍にコントロールする。株主還元は配当性向50%を指標とし、機動的な自己株取得を継続する。新中期経営計画では、利益額や利益率の改善状況を正確に把握するため報告セグメントを再定義し、日本事業の内訳を注力領域・戦略投資領域・基盤強化領域の3つに分け、それぞれの目標と基本戦略を明確にした。
日本事業では、オンライン及びデジタルリサーチの成長回帰に注力し、アジア地域での事業拡大やグローバルリサーチの強化、データコンサルティング、サブスクリプション型ソリューション開発を推進する。2026年6月期の売上収益目標は46,000百万円(3年平均成長率10.0%)である。韓国事業では、購買データ提供に係るサービスを開始し、2026年6月期の売上収益7,000百万円(3年平均成長率7.0%)を目指す。売上収益拡大とともに、業務効率化と生産性向上に取り組み、利益の最大化を図る。
1. 日本事業の成長戦略
日本事業では、圧倒的なパネル基盤を生かし、総合マーケティング支援企業へと事業モデルの変革を加速させる。
具体的には、マーケティングリサーチ以外の領域で、既に2021年より開始しているマーケティングコンサルティングを拡大すること、さらに2025年6月期からは新しいマーケティングソリューションとして開発が進むサブスクリプションモデルのサービス提供開始を計画している。またこうした取り組みを進める上で、同社ではリサーチ基幹システムの刷新に取り組んでいる。基幹システムの刷新により、従来以上に多様なデータをスピーディに提供できる体制となり、新サービス開発や既存サービスの付加価値向上が見込まれる。また、生産性の部分では、現在は人が介在している業務について生成AI等を活用することで抜本的に効率化していく想定である。
2. 韓国事業の成長戦略
韓国事業では、業界最大規模のパネル基盤を生かし、日本事業の成長プロセスの再現を目標として、日本で成功しているデータ提供ビジネスを韓国においても本格化し、事業モデルの変革を加速させる。売上収益は、市場シェアが拡大し新たな成長フェーズへ移行したと捉えていることから、従来対比では抑えた目標設定とする。営業利益については、データ提供ビジネスへの投資を積極化し、同ビジネスの拡大に伴う収益モデルの多様化を見込む。中期経営計画の最終年度である2026年6月期に収穫期を迎えるよう注力する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
■增长战略
MacroMill <3978>根据海外交易や管理环境,在2023年8月制定并公布了中期经营计划(2024年6月至2026年6月期),旨在"重新聚焦主力的'在线和数字化研究'"和"继续实施'业务模式变革'"。2026年6月期的经营目标为销售收入530亿元,营业利润75亿元。财务杠杆保持在之前的目标水平,将净债务/EBITDA倍数控制在2.0到2.5倍。股东回报将以50%的分红倾向作为指标,持续灵活进行自家股票回购。新的中期经营计划中,为准确把握利润额和利润率的改善情况,重新定义了报告板块,将日本业务细分为重点领域、战略投资领域和基础强化领域的3个部分,并明确了各自的目标和基本战略。
在日本业务中,重点放在在线和数字化研究的增长回归上,推动在亚洲地区的业务扩张、加强全球研究、数据咨询、订阅型解决方案的开发。2026年6月期的销售收入目标为460亿元(3年平均增长率10.0%)。在韩国业务中,开始提供购买数据相关服务,目标是在2026年6月期实现销售收入70亿元(3年平均增长率7.0%)。随着销售收入的扩大,致力于提高业务效率和生产力,并实现利润最大化。
1. 日本业务的增长战略
在日本业务中,充分利用强大的面板基础,加速业务模式改革,朝向综合营销支持企业迈进。
具体而言,在营销研究以外的领域,扩大早在2021年就已开始的营销咨询,同时计划从2025年6月期开始提供具有发展潜力的订阅模式服务。此外,在推进这些举措的同时,公司正致力于更新研究核心系统。通过更新核心系统,将建立能够更快提供更多样化数据的机制,从而预计能增加新服务开发和现有服务的附加值。此外,就生产率而言,公司计划通过利用生成AI等技术,根本性地提高介入人员的业务效率。
2. 韩国业务的增长战略
在韩国业务中,利用行业最大规模的面板基础,以在日本取得成功的数据提供业务为目标,在韩国全面实施,并加速业务模式的改革。由于市场份额扩大并且进入新的增长阶段,因此设定了相对保守的目标。对于营业利润,公司将积极投资于数据提供业务,并预期伴随该业务的扩大,收入模型将多样化。致力于在中期经营计划的最终年度,也就是2026年6月期取得丰硕的成果。
(撰写者:富士客座分析师茂木稜司)