■事業概要
2. SWOT分析
平山ホールディングス<7781>の経営を取り巻く外部環境と経営の現状について、SWOT分析を用いてまとめてみる。SWOT分析とは、企業の持つ強み「Strength」や弱み「Weakness」、外部環境における成長機会「Opportunity」や脅威「Threat」などの4つに区分してまとめ、組織のビジョンや事業戦略を立案する際に利用する、経営分析の一般的な手法である。
人材サービス市場の見通しについては、国内労働人口の減少傾向が今後も続くなかで、ワークスタイルの多様化や女性・シニア層の労働参加、将来の労働人口不足に対処するための外国人労働者受け入れ政策の推進、並びに国家戦略としての製造業の国内回帰といった動きを背景に、中期的に安定成長が見込まれる。一方、市場のリスク要因としては、景気悪化に伴う求人件数の減少に加えて、ロボットやITサービスの普及による人材需要の減少などが挙げられる。特にコロナ禍を契機として人との接触機会を減らす取り組みが製造現場でも進んでおり、ロボットやITサービスで代替できる業務については今後減少すると予想される。
同社固有の強みとしては、主力事業である製造請負において、現場改善コンサルタントと連携することで生産性向上を実現できる点にある。コンサルティングによる現場改善力は、日研トータルソーシング(株)やNISSOホールディングス<9332>、UTグループ<2146>、アウトソーシング<2427>、ワールドホールディングス<2429>、ウイルテック<7087>、nmsホールディングス<2162>など製造請負・派遣事業を展開する同業他社に対する大きな差別化要因になると考えられる。実際、2023年7月から2024年6月までの1年間の事業セグメント利益率を同業他社と比較すると、同社は5.7%と最も高い水準となっている。売上規模の大きいUTグループやNISSOホールディングス、ワールドホールディングスに対して収益性で上回っているのは、こうした現場改善力の強みが生かされているものと弊社では評価している。また、同社は長年蓄積してきた現場改善のノウハウをパッケージ化し、現場改善コンサルティング・教育サービスとして日系企業の海外工場に提供しているほか、ここ2~3年はAIやloTなどの先進技術を取り入れて現場改善の効果をさらに高めるソリューション提案も行っている。製造現場の改善を様々な角度から支援できる点も同社の強みであり、顧客数の拡大につながっていると考えられる。
また、インソーシング・派遣事業においては、輸出型企業から内需型企業まで幅広い業界に展開しているため、特定業界の景気変動の影響は受け難く、不況抵抗力が強いことも強みの1つと言える。そのほか、同社はプロフェッショナルな人材の高度な技術や顧客企業の生産性向上等、質の高いサービスを提供する独自の人材育成体制を構築しており、顧客企業からの要望があればこうした人材を紹介するサービスも行っている。結果として、働き手だけでなく企業からも選ばれるWin-Winの体制を構築しており、同社の強みとなっている。同社は、社内で育成した人材を社会へ還元する教育会社としての「人材輩出企業」を目指しており、契約社員・派遣社員として入社したスタッフにも、自分がやりたいことを見出して自立できるよう、キャリア支援「ソロフライトプラン」※1とメンタル支援「ココロケアサポート」※2という2つの従業員支援プログラム(Employee Assistance Program)制度を用意している。
※1 契約社員・派遣社員として入社した社員を、最終的に自社または他社の正社員として輩出することを目的とした制度。個々にキャリアカウンセリングを行い、目標に沿った研修カリキュラムを設定し、働きながら正社員になるための教育が受けられる。
※2 従業員のキャリア支援にはメンタル面のサポートも必要と考え、より充実したメンタルヘルスケアを実現するために、国家資格を取得しているカウンセラー(社内または社外機関からの選択が可能)が、中立の立場で各事業所や希望の面談場所に出向き、カウンセリング(訪問型相談支援)を行う。
一方、同社の抱える課題としては、技術者派遣事業において離職率が19.8%台(2024年6月期)とやや高いことや、同業大手と比べて規模が小さく採用力の弱い点が挙げられる。また、売上規模が年間20億円台と小さいため、採用数や採用コストの動向によって利益率が変動するリスクがある。同社では40億円以上の売上規模になれば、営業利益率5%以上の水準で安定すると見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
■业务概要
2. SWOT分析
平山控股<7781>的经营环境和经营现状,可以使用SWOT分析来总结。SWOT分析是将企业的优势“Strength”和弱点“Weakness”,外部环境中的成长机会“Opportunity”和威胁“Threat”等4个方面进行分类汇总,用于制定组织愿景和业务战略的经营分析常用方法。
人才服务市场的展望是,在国内劳动人口减少趋势持续的情况下,由于工作方式多样化、女性和老年人参与劳动以及外国劳工接纳政策的推进以对抗未来劳动人口短缺,以及作为国家战略的制造业国内回归等背景下,中期内预计有稳定增长。另一方面,市场的风险因素包括随着经济衰退导致的求职机会减少,以及由于机器人和IT服务的普及而导致人才需求减少等。特别是在新冠疫情的刺激下,制造现场也开始减少与人接触的举措,预计未来可以通过机器人和IT服务来替代的工作将会减少。
作为该公司的特有优势,主要业务是制造外包,通过与现场改善顾问合作实现生产效率提升。通过咨询服务带来的现场改善能力,被认为是对国内外其他制造外包和派遣企业具有重大差异化因素。事实上,2023年7月至2024年6月的一年内,将其业务利润率与同业其他公司进行比较,显示出该公司的5.7%是最高水平。与规模大的UT集团、NISSO控股、World控股相比,它在盈利能力上超过,我们认为这种现场改善能力的优势得到充分发挥。此外,该公司积累了长时间的现场改善专业知识,将其打包提供现场改善咨询和教育服务给日本企业的海外工厂,并且在过去2至3年已经开始引入AI、物联网等先进技术,以进一步提高现场改善效果的解决方案。该公司的能够支持制造现场改进的多方位支援也是其优势之一,可能导致客户数量增加。
此外,在内创业务和派遣业务中,由于覆盖了从出口型企业到内需型企业的广泛行业,因此不受特定行业景气变动的影响,具有较强的抗经济衰退能力也是其中一项优势。此外,该公司建立了一个独特的人才培养体系,提供专业人才的高度技术和客户企业的生产力提升等高质量服务,并且提供介绍此类人才的服务。因此,该公司已建立了一个既被员工选中也被企业选中的双赢体制,成为了其优势。该公司作为一个教育公司,旨在将其内部培养的人才回馈给社会,对于契约员工和派遣员工,公司提供了“Solo Flight Plan”*1和“Kokoro Care Support”*2两种员工支持计划,以帮助员工找到自己想做的事情并独立发展。
*1 以成为公司内部或其他公司正式员工为目标的制度,为作为契约员工或派遣员工入职的员工提供职业咨询,设定符合目标的培训课程,使员工能够在工作的同时接受成为正式员工所需的教育。
*2 因认为对员工的职业支持需要精神面的支持,为实现更完善的心理健康护理,已获得国家资格的顾问(可以选择公司内或外部机构的选择)会以中立立场访问各事业处或希望的面谈场所,并提供咨询服务(访问型咨询支持)。
另一方面,公司面临的问题包括,技术人员派遣业务的离职率较高,达到19.8%(2024年6月期),相对较小的规模和较弱的招聘能力与同行业巨头相比。此外,由于销售规模每年只有20亿日元左右,因此存在根据招聘人数和招聘成本的变化而波动的利润率风险。该公司认为,一旦实现超过40亿日元的销售规模,将在业务利润率5%以上的水平上稳定。
(撰写:FISCO客座分析师佐藤让)