■ドリーム・アーツ<4811>の業績動向
2.事業セグメント別動向
(1) クラウド事業
a) ホリゾンタルSaaS
ホリゾンタルSaaSで提供している「SmartDB」「InsuiteX」導入企業数は155社(前年同期比36社増)と順調に増加した。加えて、既存顧客へのアップセルが好調に推移し、売上高は1,374百万円(同33.8%増)となり、クラウド事業の成長をけん引した。マーケテイング活動の強化により「SmartDB」の認知度が上がり、新規案件も顧客企業の部署単位での採用からERPフロントシステムなど全社で利用するシステムへの採用が増えるなど大型化した。KPIである平均月額利用料(ARPA※)は2024年6月時点で1,579千円と2020年12月期以降高い水準を維持し、NRRは同117.9%となった。なお、「SmartDB」はホリゾンタルSaaS売上高の82.2%(2024年12月期第2四半期会計期間)を占め、ホリゾンタルSaaSの成長をけん引している。導入実績としては、日本経済新聞社がERPシステムを刷新したことに伴い、ERPフロントシステムとして財務会計の周辺業務に係る経理業務のデジタル化に活用している事例、2022年11月より「SmartDB」を導入しているダスキン<4665>が、基幹となる会計業務のフロントシステムとして本格利用を開始した事例、インターネット企業であるグリー<3632>が20社近くあるグループ会社を横断する契約管理業務に2024年4月より本格導入し、今後は契約管理業務以外の範囲で業務デジタル化の検証を予定している事例などが挙げられる。システム開発要員を多く抱えるグリーに評価された実績は特筆されよう。
※ ARPA:Average Revenue Per Accountの略。四半期末月の月額利用料の合計を同時点での利用企業数で除して算出。
b) バーティカルSaaS
バーティカルSaaSで提供している「Shopらん」の導入企業数は163社(前年同期比11社減)と小規模チェーンの解約があったものの、大規模チェーンストアでの導入が進み、売上高は389百万円(同8.1%増)と堅調に推移した。2024年8月には「Shopらん」「店舗matic」の導入実績が60,000店舗を突破した。ARPAについては新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け鈍化していたが、2021年12月期第3四半期の301千円で底打ちし、店舗数の多いチェーンへのシフトにより2024年12月期第2四半期には395千円まで増加した。導入事例としては、首都圏を中心に約140店舗の保険薬局を展開する薬樹(株)での利用が挙げられる。薬樹は全社DXを推進すべく2022年12月より全店舗で「Shopらん」を利用しているが、回答率や作業実施率が改善されるなどの効果があったことから、2023年9月より「フレッシュマニュアル機能」(マニュアル上に店舗独自のやり方やアイデアを店舗メモとして付箋付けできる機能)を活用することにした。同様な事例では、全国に約300店舗のスーパーセンターを展開するトライアルカンパニー(株)が2023年11月より全店舗で「Shopらん」を利用していたが、2024年3月より「フレッシュマニュアル機能」の利用を開始した。こうした機能面での継続的なアップデートは、多店舗展開するチェーンストアから高く評価されているようだ。
c) DCR
「DCR」の売上高は89百万円(前年同期比1.4%増)となった。特定顧客の個別要件に基づいて開発したシステムをクラウド基盤上で運用しており、契約企業数は3社(同変動なし)であった。既に提供を開始しているサービスの利活用の促進により、ユーザー数、バインダー数の増加と運用の安定化を確保している。
(2) オンプレミス事業
オンプレミス事業の売上高は296百万円(前年同期比9.0%減)、セグメント利益は126百万円(同20.0%減)となった。パッケージ・ソフトウェアライセンスは、新規顧客への提供を停止しており、既存顧客の社員増加に伴う追加ライセンス受注があるのみで、売上高は19百万円(同55.7%減)となった。ソフトウェアメンテナンスは、SaaSへの移行などに伴い解約が進行し、売上高は276百万円(同1.7%減)となった。ただし、解約は同社の想定した水準を下回っており、期初計画に対する売上高の進捗率は60.0%と50.0%を上回っている。
(3) プロフェッショナルサービス事業
プロフェッショナルサービス事業の売上高は265百万円(前年同期比33.8%減)、セグメント損失10百万円(前年同期は99百万円の利益)となった。前年同期にERPフロントシステムの大型プロジェクトを受注したことの反動に加え、顧客にクラウド移行など最新プラットフォームへの移行提案を積極的に推進したため、提案・相談だけの無償稼働が増加し、減収減益となった。
3. 財務状況
2024年12月期第2四半期は、税金等調整前中間純利益357百万円に加えて、クラウド事業の成長に伴い契約負債が879百万円増加し、営業活動によるキャッシュ・フローは1,160百万円の収入となった。クラウド事業においては、一定期間の利用料を前受で受領し、契約未履行分を契約負債として計上しており、事業の成長がフリーキャッシュ・フローの増加に直結している。無形固定資産の取得などで投資活動によるキャッシュ・フローは98百万円の支出、配当金の支払などで財務活動によるキャッシュ・フローは77百万円の支出となり、その結果、2024年12月期第2四半期末の現金及び現金同等物は前期末比1,001百万円増加し、3,817百万円となった。社債は300百万円発行しているが、返済財源は十分にあり、借入金に依存せずに成長投資に振り向けることのできる流動性資金を潤沢に確保する財務構造を作り上げている。親会社株主に帰属する中間純利益250百万円から配当金77百万円を差し引いた172百万円が利益剰余金として増加するなど、純資産合計は前期末比187百万円増加した。一方、契約負債が大きく増加したため自己資本比率は40.8%と前期末比5.4ポイント低下したが、財務の安全性は問題なく担保されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
■Dream Arts公司<4811>的业绩走势
2.业务细分行业趋势
(1) 云计算业务
a) 水平saas
在水平saas领域,提供的「SmartDB」和「InsuiteX」的用户数为155家(比去年同期增加36家),持续增长。此外,现有客户的升级销售进展顺利,营业收入为13.74亿日元(同比增长33.8%),推动了云计算业务的增长。通过加强营销活动,提高了「SmartDB」的知名度,新的合同也开始从客户公司单个部门的采用转向ERP前端系统等公司全面使用的系统,规模更大。根据关键绩效指标,平均每月利用费用(ARPA)在2024年6月达到了1,579千日元,并保持在2020年12月期后的高水平,净保留率达到了117.9%。需要特别提到的是,“SmartDB”占据了水平saas营业收入的82.2%(截至2024年12月第2季度财务期间),推动了水平saas的增长。在落地案例方面,日本经济新闻社因更新ERP系统而将其用于财务会计周边业务的帐务数字化处理,从2022年11月起安装了「SmartDB」;达芬尼<4665>从2022年12月开始使用「SmartDB」作为核心会计业务的前端系统;互联网公司Gree<3632>从2024年4月开始在集团公司之间横跨20多个公司的合同管理业务中全面使用了「SmartDB」,未来还计划在除合同管理业务之外的范围进行业务数字化验证等。得到Gree等拥有大量系统开发人员的公司的认可是值得一提的。
※ ARPA:平均账户收入。将季末月的月度使用费总额除以同时点的使用企业数量计算。
b) 垂直saas
在垂直saas领域,提供的「Shopらん」的用户数为163家(比去年同期减少11家),虽然有小型连锁店的解约,但大型连锁商店的采用逐渐增加,营业收入为3.89亿日元(同比增长8.1%),发展保持稳健。到2024年8月,「Shopらん」和「店舗matic」的安装实例达到了6 万家店铺。关于ARPA,受新型冠状病毒感染率扩大的影响,2021年12月第3季度触底为301千日元,但随着向店铺数较多的连锁店的转变,到2024年12月第2季度增加至395千日元。作为引入实例,约有140家药局在首都圈展开业务的Yakuki Corporation使用「Shopらん」。为了推动全面数字化,Yakuki从2022年12月开始在所有门店使用「Shopらん」,得到了回答率和工作实施率改善等效果,因此自2023年9月开始使用「新鲜手册功能」(可在手册上作为店铺备忘录的便签添加店铺独特的方法和想法的功能)。类似案例,全国约有300家超级连锁店扩展业务的Trial Company从2023年11月开始在所有门店使用「Shopらん」,但从2024年3月开始使用「新鲜手册功能」。这种功能持续更新方面的努力收到了连锁店的高度评价。
c) DCR
“DCR” 的营业收入为89百万日元(相比去年同期增长1.4%)。基于特定客户个性化需求开发的系统,正在云平台上运作,合约企业数量为3家(同比持平)。通过促进早已提供服务的利用,确保用户数量和绑定器数量的增加以及运作的稳定性。
(2) 本地业务
本地业务的营业收入为296百万日元(相比去年同期减少9.0%),分部利润为126百万日元(同比减少20.0%)。包装软件许可证已经停止提供给新客户,仅有与现有客户的员工增加有关的额外许可证订单,营业收入为19百万日元(同比减少55.7%)。软件维护由于转向SaaS等服务的推动,解约正在进行,营业收入为276百万日元(同比减少1.7%)。然而,解约率低于公司预期水平,营收进度超过期初计划的60.0%和50.0%。
(3) 专业服务业务
专业服务业务的营业收入为265百万日元(相比去年同期减少33.8%),分部损失10百万日元(去年同期为利润99百万日元)。由于去年同期接受大型ERP前端系统项目的影响,以及积极推动客户转向云端等最新平台的提议,导致提议和咨询的免费运营增加,导致收入减少和亏损。
3. 财务状况
2024年12月期第2季度,税前中间净利润为357百万日元,随着云业务的增长,合约负债增加了879百万日元,营业活动产生的现金流为1,160百万日元。云业务中,预先收取一定期限的使用费用,将未履行合约部分计为合约负债,业务增长直接影响自由现金流的增加。投资活动产生的现金流为98百万日元支出,财务活动产生的现金流为77百万日元支出,因此,2024年12月期第2季末现金及现金等价物比上期增加1,001百万日元,达到3,817百万日元。虽然发行了300百万日元的公司债,但偿还资金充足,可以将流动资金用于增长投资,确保充足的流动性资金。向母公司股东归属的中间净利润250百万日元扣除77百万日元的股息,剩余的172百万日元作为利润留存金增加,总的净资产较上期末增加了187百万日元。然而,由于合约负债大幅增加,自有资本比率为40.8%,比上期末下降了5.4个百分点,但财务安全性没有问题,得到了充分担保。
(编写:Fisco客户体验分析师Matsumoto Akira)