■一正蒲鉾<2904>の今後の見通し
1. 2025年6月期業績見通し
2025年6月期の連結業績は売上高36,500百万円(前期比5.8%増)、営業利益1,300百万円(同2.3%増)、経常利益1,350百万円(同8.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益960百万円(同0.3%増)と、増収増益を見込む。2024年6月期より準備してきたカニかま発売50周年記念キャンペーンの開始、まいたけの業務用・加工用チャネルの開拓などにより、販売数量増を計画する。まいたけは販売単価の交渉を実施する予定である。値上げ圧力が強いすり身の原料価格は上昇リスクを織り込んでいる。キャンペーンによる販促費増、販売数量増に伴う物流費増、昇給による人件費増などの販管費の増加も見込むが、それらを合理化投資による省人化や生産性向上により吸収する計画である。
営業利益の増減分析では、販売数量増による増収効果で17.0億円、生産の省人化・合理化投資や省エネ設備の導入・更新の効果で2.4億円の計19.4億円の利益拡大を見込む。一方、すり身購入量の増加や油脂・包材など副原料・補助材料価格の高止まりにより原価のコストアップ6.6億円、販売数量・売上高増加に比例した販売費・物流費の増加6.7億円、カニかま発売50周年記念の販促費、ベースアップなどの人件費の増加5.8億円の計19.1億円のコスト増を見込み、2024年6月期をやや上回る営業利益での着地を見込む。
2. 事業別の動向
(1) 水産練製品・惣菜事業
カニかま発売50周年記念キャンペーンが開始する。2024年6〜7月には情報誌「ダイヤモンド・チェーンストア」とタイアップした大量陳列コンテストによる売場コンテストを実施した。また、「サラダスティック」をベースにカニかま類の売場取扱いの拡大を計画している。
また、マーケット・イン型開発を強化するため、研究・開発、生産、営業を横断的に統括するマーケティング開発本部を2024年7月に新たに設置した。見えにくくなった消費者ニーズを探索し、新たな商品提案、新たな販促方法の開発などにつなげる計画だ。一方、本社第二工場の稼働によるカニかま生産量20%増強分の拡販はほぼ達成し、フル稼働の状況が続いている。今後の成長に向けて生産体制の再編が急務となっている。今後の一段の市場シェア拡大の重要なカギになると言えるだろう。
(2) きのこ事業
まいたけ市場は業界他社の生産調整により販売価格はやや改善してきている。同社は、引き続き販売単価の値上げ交渉を進めるとともに、ビタミンD機能の浸透に向けたタイムリーな販促提案を行うなど、チャネル別販売単価の管理を徹底する。また、まいたけの付加価値を訴求する販売促進策の提案などにより、外食など業務用・加工用チャネルへの新規開拓を進める計画だ。生産面では、包装工程の自動化・合理化による省人化を進め、生産効率の向上によるコストダウンを実施するとともに、AI・IoTを活用した温度・湿度など栽培の最適環境構築による生産の安定化、品質の向上に取り組む。
(3) その他
運送事業においては、2024年問題により人手不足・輸送能力不足がさらに強まると予測され、傭車先との連携強化を図り、輸送体制の最適化・効率化を推進し収益の増強を図る。倉庫事業においては、WMS(新倉庫管理システム)の構築に向けたDX基盤づくりを推進するとともに、エネルギー価格高騰によるコスト上昇を庫内管理の強化や適切な価格改定により吸収し、安定的な収益の確保を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
■一正蒲鉾<2904>的未来展望
1. 2025年6月期业绩展望
2025年6月期的合并业绩预计营业收入为365,000百万円(同比增长5.8%),营业利润为13,000百万円(同比增长2.3%),经常利益为13,500百万円(同比增长8.2%),归属于母公司股东的净利润为9,600百万円(同比增长0.3%),预计将实现增收增益。由于计划开始准备已久的蟹肉棒发布50周年纪念活动以及开发舞茸的业务用和加工用渠道,预计销售数量将增加。舞茸也计划进行销售单价的谈判。面临价格上涨压力的鱼浆原料价格已埋入上涨风险。尽管预计因活动导致的促销费用增加、销售数量增长引起的物流费用增加、升职导致的人力成本增加等销售管理费用增加,但计划通过合理化投资的方式来吸收这些成本,以实现人力的减少和生产率的提高。
在营业利润的增减分析中,预计因销售数量增加带来的增收效果为17.0亿日元,因生产的省人化、合理化投资及节能设备的引进与更新的效果为2.4亿日元,总计预计利润扩大的19.4亿日元。另一方面,因鱼浆采购量的增加以及油脂、包装材料等副原料和辅助材料价格高企,预计原材料成本上升6.6亿日元,销售数量和营业收入的增长导致销售费用和物流费用增加6.7亿日元,因蟹肉棒发布50周年纪念的促销费、基础工资上调等人力成本增加5.8亿日元,总计预计成本增加19.1亿日元,预计营业利润将稍微高于2024年6月期的水平。
2. 按业务的动向
(1) 水产加工品和速食事业
蟹肉棒发布50周年纪念活动将启动。在2024年6月至7月期间,将与信息杂志《金刚石·期权链商店》合作举办大规模陈列比赛,并实施销售场所比赛。此外,计划以“沙拉棒”为基础,扩大蟹肉棒类的销售场所。
此外,为了加强市场导向型开发,将于2024年7月新设立跨部门的营销开发总部,统筹研究、开发、生产和销售。计划探索日益模糊的消费者需求,促进新的商品提案和促销方法的开发。另一方面,由于总部第二工厂的投产,蟹肉棒的生产量已增至20%,扩销计划几乎实现,保持着全面运转的状态。为了今后的成长,生产体系的重组刻不容缓。可以说,这将是未来进一步扩大市场共享的重要关键。
(2) 蘑菇业务
由于行业其他公司的生产调整,舞茸市场的销售价格有所改善。公司将继续推进销售单价的提价谈判,并进行面向维生素D功能推广的及时促销建议,彻底管理渠道销售单价。此外,计划通过提议强调舞茸附加价值的销售促进策略,推进外食等业务用和加工用渠道的新开发。在生产方面,将推进包装工序的自动化和合理化,以实现省人化,并通过提高生产效率来进行成本降低。同时,利用AI和物联网构建温度、湿度等栽培的最佳环境,从而稳定生产,提高质量。
(3) 其他
在运输业务方面,预测由于2024年问题人手短缺和运输能力不足将进一步加剧,将加强与承包车的合作,推进运输体系的优化和效率提升,以增强收益。在仓库业务方面,推进WMS(新仓库管理系统)建设的数字化转型基础设施,同时通过加强仓内管理和适当的价格调整来吸收因能源价格高企而导致的成本上升,力争确保稳定的收益。
(编写:Fisco客户体验分析师Matsumoto Akira)