■一正蒲鉾<2904>の事業概要
3. ESG経営
同社は「ICHIMASA30ビジョン」を実現するための基礎となる経営基盤としてESG経営を標榜しており、2021年7月に「ESG経営宣言」を制定した。「食の安全・安心、新たな食の価値の提供」「資源の有効活用」「ES(従業員満足)向上、人財育成」「地球温暖化抑制対応」「社内外との協働」を重要課題として取り組んでいる。
1) 「食の安全・安心、新たな食の価値の提供」
食品の衛生管理システムHACCPに基づいて製造工程の管理を行っており、食品安全のマネジメントシステムとしての国際認証規格ISO22000の認証を2013年1月に全社で取得した。さらなる食品安全の取り組みを進めるべく、ISO22000をベースにより確実な食品安全管理を実践するために作られた食品安全マネジメントシステムに関する国際規格FSSC22000の認証を、本社・本社工場・本社第二工場・聖籠工場・東港工場・北海道工場で取得した。また、労働安全衛生マネジメントシステムに関する国際規格ISO45001の認証は2024年6月に全生産拠点で取得終了し、環境マネジメントシステムに関する国際規格ISO14001の認証も2024年6月に全生産拠点で取得終了した。
加えて、同社がチャレンジしてきた「モノづくり」を生かしながら新たな食の価値を提供する取り組みを進めている。たとえば、プロテインブームのなかで魚肉たんぱくを「フィッシュプロテイン」に改め、業界としてプロテイン含有量の基準(8.1g/100g以上または4.1g/100kcal以上)やフィッシュプロテインマークを制定し、業界の価値を上げる取り組みを推進している。同社商品も、カニかまを中心に基準に合致するものにはフィッシュプロテインマークを表記している。また、消費者の健康志向から減塩商品、低脂肪・脂肪ゼロ商品のラインナップも拡充している。さらに、まいたけに多く含有するビタミンDに着目し、同社はまいたけのビタミンDの含有量を安定的にコントロールする栽培方法を確立し、まいたけ商品の表記をすべて「ビタミンD 舞茸」に切り替えた。
2) 「資源の有効活用」
食品ロス削減に向けて、賞味期限を延長した商品を拡充し、さつま揚げの徳用として開発した「小判てんぷら」は冷凍保存を可能にした。「小判てんぷら」は店頭での食品廃棄ロスも削減できると販売先から好評を得ていると言う。さらに、枯渇する海洋資源保全を目的とした代替食品の開発に注力している。“うなぎフリー”の商品化に成功した「うなる美味しさ うな次郎」を皮切りに、魚のすり身を使用した代替水産製品の総称として“ネクストシーフード”を提唱し、「ネクストシーフード うに風味」と「ネクストシーフード 明太子風味」を発売した。そのほか、食品リサイクル率の向上や廃プラスチック排出量削減に向けて、循環型のECOトレーの商品ラインナップ拡充や内容量をライフスタイルに合わせたトレーレス包装の商品拡充に取り組んでいる。
3) 「ES向上、人財育成」
同社は、従業員にIWS(いちまさワークスタイル)を推奨している。IWSとは、働きがい向上やライフ・ワーク・バランスの実現、多様な生き方への対応に寄与することを目的とした就業時間内で能力開発や知的創造活動に取り組む働き方である。最大で就業時間の10%(年間約200時間)を従業員自らが自身の能力開発・知的創造活動に充てることができ、自発的な計画・実施を推奨している。そのための自己啓発制度の拡充、研修チャネル・プログラムの充実にも取り組んでいる。
また、女性の積極的な採用をはじめ、職場環境の整備、福利厚生制度の充実を図り「働きやすい・働きがいのある」会社を目指している。2023年6月には、女性の活躍推進に関する取り組みの実施状況が優良な企業を厚生労働省が認定する「えるぼし認定」の“3つ星”を取得した。採用/継続就業/労働時間などの働き方/女性の管理職比率/多様なキャリアコースの評価項目について要件が設定されており、同社はこの5要件すべてを満たした。また、2015年に次世代育成支援対策推進法に基づき、特に高い水準の子育て支援を実施している企業に与えられる「プラチナくるみん」を取得し、家庭と仕事の両立支援の取り組みを推進してきたが、2023年7月より従来3歳に達する日まで利用可能であった育児短時間勤務制度を小学校3年生終了時まで延長し、従業員のライフステージに合わせた多様な生き方の拡充、女性の就業継続支援を進めている。
4) 「地球温暖化抑制対応」
小樽市にある北海道工場は、販売シェアが首位の北海道エリアへの商品供給を行う拠点で、北海道限定商品の開発・生産や「made in 北海道」を訴求できる海外輸出用商品の生産を担っている。2024年4月に使用電力を実質100%再生可能エネルギー由来の電力(以下、再エネ電力)に切り替えた。これは、海外輸出用商品においては訴求力にもつながるだろう。また、新潟県聖籠工場はおせちの主力工場であり、主原料から副原料まで国産原料100%にこだわった「国産原料100%『純』シリーズ」、第75回全国蒲鉾品評会にて農林水産大臣賞を受賞した「国産甘鯛入り御蒲鉾 京禄」をはじめとした「禄シリーズ」などを製造している。環境に配慮した工場として、こちらも2023年7月に使用電力を再エネ電力に100%切り替え、さらに太陽光発電を設置予定である。また「カリッこシリーズ」や「胡麻とうふ シリーズ」などを生産する新潟県山木戸工場においても2023年7月に再エネ電力に100%切り替えた。
新潟県阿賀野市のまいたけ栽培センターは7棟の栽培施設があり、全国にまいたけを供給している。まいたけは温度、湿度管理に大きなエネルギーを消費するため、同センターでは太陽光発電設備を設置し、日中消費電力(夏季)の約24%を発電している。太陽光発電は本社第二工場にも設置されており、本社第二工場と栽培センターに導入されている太陽光発電設備と北海道工場、聖籠工場、山木戸工場の再エネ電力とを合わせると、同社使用電力の約26%が再生可能エネルギー由来となり、約5,700トン分のCO2排出量の削減が見込まれる。
5) 「社内外との協働」
サプライチェーン全体で法令遵守、環境保全、労働環境への配慮などに責任をもって取り組むことが求められている環境下で、150社を超えるサプライチェーン取引先との交流会「一正やまびこ会」の活動を通して取り組みを推進している。HACCP導入をはじめとした食品安全に関する法令改正への対応については、合同勉強会などを実施してパートナーシップを強化した。サステナブルな課題についても同様に、サプライチェーン全体で認識を共有しアプローチしている。2023年7月に「一正蒲鉾人権方針」を制定した際には、併せて「一正蒲鉾サプライヤー行動規範」も制定した。また、研究分野においても産官学の協働に取り組んでいる。2022年8月にはマルハニチロ<1333>、インテグリカルチャー(株)と魚類の筋肉細胞培養技術の確立に向けた共同研究開発を進めることを公表した。また、山形大学と“未来の食卓”で有効利用が期待される3Dフードプリンターの研究を協働で開始した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
■一商蒲鉾的业务概要 <2904>
3.ESG 管理
该公司倡导将ESG管理作为实现 “ICHIMASA30 愿景” 的基本管理基础,并于2021/7年制定了 “ESG管理宣言”。我们正在努力 “食品安全保障、提供新的食品价值”、“资源的有效利用”、“ES(员工满意度)改善、人力资源开发”、“抑制全球变暖的对策” 以及 “公司内部和外部的合作”。
1) “提供食品安全保障和新的食品价值”
生产过程基于食品卫生管理体系 HACCP 进行管理,整个公司在 2013/1 年获得了国际认证标准 ISO22000 作为食品安全管理体系的认证。为了进一步推进食品安全工作,总公司、总公司工厂、总公司第二工厂、西罗工厂、东港工厂和北海道工厂已获得食品安全管理体系国际标准 FSSC22000 的认证,该标准旨在实现基于 ISO22000 的更可靠的食品安全管理。此外,职业安全与健康管理体系国际标准 ISO45001 的认证已于 2024/6 年在所有生产基地完成,与环境管理体系相关的国际标准 ISO14001 的认证也于 2024/6 年在所有生产基地完成。
此外,我们正在努力提供新的食品价值,同时利用公司一直面临挑战的 “制造”。例如,在蛋白质热潮中,鱼蛋白被改为 “鱼蛋白”,蛋白质含量(8.1 g/100 g或更多或4.1 g/100 kcal或更多)和鱼蛋白标志作为一个行业制定了标准,并正在推动提高该行业价值的努力。该公司的产品在符合标准的产品上还带有鱼蛋白标记,主要是蟹棒。此外,由于消费者的健康意识,低盐产品和低脂/零脂肪产品的阵容也在扩大。此外,该公司专注于舞茸中丰富的维生素D,建立了一种稳定控制舞茸中维生素D含量的种植方法,并将舞茸产品的所有描述改为 “维生素D舞茸蘑菇”。
2) “资源的有效利用”
为了减少食物损失,延长保质期的产品已扩大了保质期,而作为油炸萨摩价值而开发的 “小天妇罗” 可以冷冻储存。据说 “koban tempura” 之所以受到销售合作伙伴的好评,是因为它还可以减少商店的食物浪费损失。此外,我们正在重点开发替代食品,以保护枯竭的海洋资源。从成功实现 “无鳗鱼” 商业化的 “Unagi Deliciousy Eel Jiro” 开始,他们倡导将 “下一代海鲜” 作为使用鱼糜的替代渔业产品的总称,并推出了 “下一代海鲜海胆味” 和 “下一代海鲜明太子口味”。此外,为了提高食品回收率和减少废塑料排放,我们正在努力扩大可回收环保托盘的产品阵容,并根据生活方式扩大与内容量相匹配的无托盘包装产品。
3) “ES改进、人力资源开发”
该公司向员工推荐IWS(一政工作方式)。IWS是一种在工作时间内发展能力和参与智力创造活动的工作方式,目的是提高工作满意度,实现生活与工作的平衡,并应对多样化的生活方式。员工自己最多可以将工作时间的10%(每年约200小时)分配给自己的能力发展和智力创造活动,并建议自愿进行计划和实施。为此,我们还在努力扩大自我发展体系,加强培训渠道和计划。
此外,我们的目标是通过积极雇用女性、改善工作环境和加强福利体系,成为一家 “舒适而有回报” 的公司。2023/6年,厚生劳动和福利部认证的促进女性积极参与相关工作执行状况良好的公司获得 “三星”。对招聘/持续雇用/工作时间等工作方式、女性管理人员比例、多样化职业课程等评估项目设定了要求,公司满足了所有5项要求。此外,在2015年,根据《下一代发展支持措施促进法》,我们收购了 “铂金胡桃木”,发放给实施特别高水平的育儿支持的公司,并促进了支持家庭与工作平衡的努力,但是从2023/07年起,可以一直使用到小学三年级结束的儿童保育短时工作制度已延长至小学三年级结束, 并正在促进对妇女的就业连续性支持.
4) “缓解全球变暖的对策”
位于小樽市的北海道工厂是向销售份额最高的北海道地区供应产品的基地,负责开发和生产北海道限定产品以及生产可以推广 “北海道制造” 的海外出口产品。在 2024/4 年,使用的电力改为几乎完全来自可再生能源(以下简称可再生能源)的电力。这也将为海外出口产品带来吸引力。此外,新泻县西郎工厂是新年食品的主要工厂,生产 “100% 国产原料 “纯” 系列,该系列主要生产从主要原料到辅助原料的100%国产原料,以及 “roku系列”,以在第75届全国蒲鉾博览会上获得农林水产部长奖的 “日本甜海鲷omamaboko Kyoroku Kyoroku” 为起点。作为一家环保工厂,在2023/7年,100%的用电将转换为可再生能源,还将安装太阳能发电。此外,生产 “Karikko系列” 和 “芝麻豆腐系列” 等的新泻县山木户工厂在2023/7年 100% 转向可再生能源。
新泻县阿贺野市的舞茸种植中心拥有7个种植设施,并在全国范围内供应舞茸蘑菇。由于舞茸消耗大量能量来控制温度和湿度,因此太阳能发电设施安装在同一个中心,白天(夏季)消耗的电量中约有24%是产生的。第二总部工厂也安装了太阳能发电,当总部第二工厂和种植中心引入的光伏发电设备与北海道工厂、西郎工厂和山木户工厂的可再生能源相结合时,该公司使用的电力中约有26%来自可再生能源,预计二氧化碳排放量将减少约5,700吨。
5) “公司内部和外部的合作”
在要求整个供应链负责任地开展法律合规、环境保护、工作环境考虑等工作的环境中,正在通过与150多家供应链供应商举行的 “Issho Yamabiko Association” 交流会议,推动各项举措。在应对与食品安全相关的法律修订方面,从引入HACCP开始,通过举行联合学习会议等加强了伙伴关系。同样,我们正在通过在整个供应链中共享意识,来解决可持续发展问题。当2023/7年 “一商蒲鉾人权政策” 制定时,“一商蒲鉾供应商行为准则” 也被制定了。他们还致力于工业、政府和学术界在研究领域的合作。2022/8年,宣布丸叶日弘<1333>和Integriculture株式会社将继续进行联合研发,旨在建立鱼类肌肉细胞培养技术。此外,与山形大学合作已开始研究有望在 “未来餐桌” 中有效使用的3D食品打印机。
(由FISCO客座分析师松本明弘撰写)