オーウエル<7670>は、工業用塗料販売で国内トップクラスのコーティング関連事業を主として、自動車向け半導体部品やソフトウェア等を扱うエレクトロニクス関連事業をグローバルに展開する生産財商社である。
事業セグメントはコーティング関連事業とエレクトロニクス関連事業に分かれ、2023年3月期売上高64,329百万円のうちコーティング関連事業が72.1%、エレクトロニクス関連事業が27.9%を占めている。地域別売上高では国内が86.6%、海外が13.4%。コーティング関連事業については、生産ラインで連続的に量産され工業製品に使用される「工業用塗料」と建築用など幅広く使われる「反用塗料」があるが、同社は工業用塗料を主力とする。また、塗料・表面処理剤以外にも化成品・物資、塗装・計測機器なども提供。日本ペイントHD<4612>グループ各社、関西ペイント<4613>グループ各社、大日本塗料<4611>、日本特殊塗料<4619>、神東塗料<4615>等、国内の主たる塗料メーカーを仕入先として、それぞれ特約店契約を締結し、仕入を行っている。販売については様々な製品を広範な産業に供給しているが、自動車業界向けは取引の5割程度と大きな割合を占める。エレクトロニクス関連事業では、ホールIC(センサー)やLED照明などを主要自動車部品メーカーへ納入している。
2025年3月期上期累計の売上高は前年同期比2.9%増の34,241百万円、営業利益は同7.4%増の403百万円で着地した。コーティング関連事業では、自動車業界における国内生産台数は、前期と比較して減少したが、その他得意先の生産が堅調に推移したほか、塗装設備や塗装・計測機器分野の受注増等が寄与したようだ。一方、エレクトロニクス関連事業では、自動車業界における国内生産台数が減少したことや為替が円安で推移した影響によりセグメント利益が減益となった。通期の売上高は前期比1.3%増の72,000百万円、営業利益は同23.6%増の1,150百万円を見込んでいる。今期の年間配当は前期比3円増の35円を予想、配当利回りは4%を超えている。
同社は80年の歴史を重ねた信頼・信用に基づいて、仕入れ先約2,000社、得意先約3,000社と多くの取引先が存在している。両事業ともにものづくり企業のプロセスの幅広い工程で価値提供が可能で、商社の枠を超えた事業展開を行っている。また、厳しい水準が求められる業界で長年培ってきた技術力を多方面へ展開できており、様々な環境・条件においても最適な材料・工法を顧客に提供できる。直近の取り組みでは、コーティング関連でOLDAS(塗装現場管理システム)による塗装現場の高度化と省人化の実現、リブレット形成技術の航空機への実相、塗膜形成技術で空飛ぶクルマの開発を支援するほか、エレクトロニクス関連では車載マーケット(CASE)に向けたテーマを創出している。
中期経営計画も開示しており、2027年3月期に売上高77,000百万円、営業利益1,800百万円を掲げている。OLDASの実装による工業用塗装の省人化・高度化を続け、グローバルビジネスの創出・拡大も図っていく。グローバル展開では、既にインドに現地法人を設立し、メキシコ、インドネシアはそれぞれ営業拠点を拡充している。また、PBR1倍超に向けて、2027年3月期にROE8%超を目指しており、海外事業や技術開発への継続的な投資やM&Aを含む成長事業への投資のほか、政策保有株式の継続的な縮減に加えて安定的かつ継続的な配当も実施していくようだ。製造業はDX化に遅れている環境でもあり、同社は顧客の製造ラインに入って塗装請負を実施し、各種成長施策の実行による業績の拡大は期待感が持てる。特殊な事業を展開して直接的な競合が存在しない中、中期経営計画達成に向けて今後の動向には注目しておきたい。
奥威尔<7670>是一家在工业涂料销售领域国内顶尖的涂层相关业务为主,同时在全球开展汽车半导体元件和软件等电子相关业务的生产资料商社。
业务分为涂层相关业务和电子相关业务,截至2023年3月的营业收入为64,329百万日元,其中涂层相关业务占72.1%,电子相关业务占27.9%。在区域型营业收入中,国内占86.6%,境外占13.4%。关于涂层相关业务,主要使用在生产线中连续批量生产的"工业用涂料"和广泛用于建筑等的"反用涂料",而该公司主要以工业用涂料为主。此外,除了涂料和表面处理剂,还提供化学品和材料、喷涂和测量设备等。该公司与日本涂料HD<4612>集团各公司、关西涂料<4613>集团各公司、大日本涂料<4611>、日本特殊涂料<4619>、神东涂料<4615>等国内主要涂料制造商签订了特约店合同进行采购。在销售方面,虽然向广泛的产业供应多种产品,但汽车行业的交易占大约50%。在电子相关业务中,主要向汽车零件制造商供应霍尔IC(传感器)和LED照明等产品。
2025年3月期上半年累计营业收入为34,241百万日元,同比增长2.9%,营业利润为403百万日元,同比增长7.4%。在涂层相关业务中,汽车行业的国内生产数量与上一期相比有所减少,但其他客户的生产稳定增长,同时涂装设备和涂装及测量设备领域的订单增加等因素也起到了促进作用。另一方面,由于汽车行业的国内生产数量减少以及汇率持续走低,电子相关业务的部分利润出现了下降。预计整年的营业收入将比上期增长1.3%,达到72,000百万日元,营业利润将比上期增长23.6%,达到1,150百万日元。本年度的年分红预期为比上期增加3日元的35日元,分红收益率超过4%。
该公司拥有80年的历史,基于信任与信用,与约2,000家供应商和约3,000家客户建立了广泛的交易关系。两个业务领域均可以在制造企业的广泛过程提供价值,且公司经营超越了商社的框架。此外,凭借在行业中长期以来培养的技术能力,该公司能够将其多方面的技术优势转移到各个领域,并在各种环境和条件下为客户提供最佳的材料和工法。在最近的举措中,涂层相关业务通过OLDAS(涂装现场管理系统)实现涂装现场高效化和省人化,肋板成型技术的航空应用,以及通过涂膜成型技术支持空中车辆的开发,电子相关业务则为车载市场(CASE)创造了新的概念板块。
公司也公开了中期经营计划,目标是到2027年3月期间实现营业收入77,000百万日元,营业利润1,800百万日元。将继续通过OLDAS的实施推进工业用涂装的省人化和高效化,并致力于全球业务的创造与扩展。在全球拓展方面,公司已在印度成立当地法人,同时在墨西哥和印尼分别扩大了营业基地。此外,公司面向PBR达到1倍以上,目标是在2027年3月期间实现ROE超过8%,并将持续对海外业务和技术开发进行投资,包含并购等增长业务的投资,此外也将持续减持政策保有股票,并实施稳定和持续的分红。制造业在数字化转型方面仍处于滞后状态,公司则通过进入客户的生产线进行涂装承包,并通过各项增长策略的实施来期待业绩的扩大。在展开特殊业务且没有直接竞争对手的情况下,未来的动态值得关注以实现中期经营计划的达成。