■会社概要
1. 会社概要
極東貿易<8093>は2024年11月に設立77周年を迎える。第2次世界大戦の終戦後、財閥解体に伴い三井物産<8031>は解散となったが、機械部門(営業課及び貿易課)が主体となり独立して同社が設立された。その後、海外の最先端の建設・鉱山機械や製造装置などを国内の基幹産業(建設、製鉄、化学プラント、電力、繊維、エレクトロニクス)へ輸入販売して日本の経済復興に貢献し、日本の高度経済成長とともに成長してきた。同社は、国内の大手企業から厚い信頼とロイヤリティを得ながら、基幹産業界のなかで一定の地位を確保してきた。
同社は、エンジニアリング商社として、1) 経営理念:「ニーズとシーズの橋になる」、2) 社是:「人と技術と信頼と」を掲げ、「顧客からどんな高度な要求をされても、それに応えられる商社でありたい。そのためには、単にモノを提供するだけでなく、技術サポートを行い、ベストな商品を企業に提供する」ことを重視している。
2. 事業概要
大手商社に比べると企業体力で劣る中堅商社は、得意分野に絞り込み専門商社として事業展開するケースが一般的である。同社は設立76年の歴史のなかで、基幹産業からインフラ、炭素繊維やメタンハイドレートなどの先端分野まで幅広い業種を対象としてきた。
事業ポートフォリオの観点から見ても、同社の事業構造は景気に左右されにくい収益構造である。高い成長性は見込めないが安定受注・収益に寄与する重電、鉄鋼、化学プラント向け基幹産業事業や、特定車種に採用が決まれば、3~5年間安定的に受注できる自動車関連事業(樹脂・塗料など)などを事業展開しており、個々の事業での需給変動や価格変動などの各種ビジネスリスクを吸収して事業の好不調を補い合える、安定的かつバランスの取れた事業運営となっている。またエネルギー市場関連ビジネスに関しては、昨今のESG動向に鑑みて火力発電所向け計装システム事業から撤退し、今後は成長分野である洋上風力発電関連事業へシフトしている。
地域的には、世界各国に現地法人などを11拠点配置している。また、ヱトーの現地法人11拠点を合わせると22拠点のグローバルネットワークとなり、世界各地に散らばるサプライヤー及びカスタマーに適時的確に質の高いビジネス情報を提供できるようになった。
3. 特長と強み
(1) 理系出身の営業職・技術営業職は7割以上
通常、商社の営業現場は文系出身者が多いとされているが、同社では営業マンの6割以上を大学の理系出身者が占める。顧客へ納入した装置が原因不明の停止や故障になる度に海外メーカーに問い合わせるのでは時間がかかることから、導入・据付、運用・保守までエンジニアリング全般を同社営業マンが仕入れ先の海外メーカーに頼らず、顧客に対して自主的に技術サポートできるように、理系出身者の採用を重視してきた。さらに、同社では点検・保守メンテナンスを適時的確に対応すべく、専門子会社(日本システム工業(株))を設立して運用している。
同社では資源開発機器事業を展開しており、大学の地質工学や自然エネルギー資源の研究をしてきた学生を積極的に採用している。同事業の担当者は海外の採掘メーカーの技術者とともに海洋資源探査船に約3ヶ月間乗り込み、採掘装置の動作試験や立会試験まで関わっている。
(2) 顧客は大手企業が中心
同社はこれまで日本の基幹産業に深く関わってきたため、大手企業との取引が多い。同社設立以来、取引が継続している企業もあり、信頼関係とロイヤリティを得ている。欧米などの海外市場でも米国自動車Big3や独自動車メーカーとも取引がある。これは同業技術商社と比較しても優良な顧客構造になっている。その根拠として、中堅商社の課題である「貸し倒れ」が、同社ではほとんど発生していないことが挙げられる。
また、国内主力製鉄所には出張所(室蘭、東関東、知多、広畑、水島、大分)を配置して、細やかな営業サービスで差別化を図ってきた。製鋼の特定プロセス分野の装置を含めたプロセスソリューションの役割を同社が担っている。
(3) 「誠実さ」と「粘り強さ」で取引先から高い評価
大手企業から厚い信頼を得ている背景には、誠実さと真面目さが挙げられる。顧客との交渉シーンでも顧客から「この価格でお宅は商売になるの」と言われることもあるようだ。また、新商材・新規事業において困難があっても粘り強さを発揮する点も特長だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
■公司资料
1. 公司资料
极东贸易<8093>将于2024年11月迎来成立77周年。第二次世界大战结束后,随着财阀解体,三井物产<8031>解散,但机械部门(营业科和贸易科)独立出来,成立了该公司。随后,通过将海外先进的建设和采矿机械、制造设备等进口销售到国内的基干产业(建设、炼铁、化工装置、电力、纺织、电子)中,为日本经济复兴做出贡献,随着日本经济高度增长不断发展壮大。该公司在获得国内大企业的高度信任和忠诚度的同时,在基干产业界确保了一定的地位。
该公司作为工程贸易公司,提出了1)经营理念:“成为顾客需求与市场需求之间的桥梁”,2)公司宗旨:“以人为本、以技术为先、以信誉求生存”,希望成为能够满足客户任何高度要求的商社。为此,公司重视不仅仅提供产品,更注重技术支持,为企业提供最佳商品。
2. 业务概要
与大型商社相比,中型商社在企业实力方面劣势明显,通常会选择聚焦在自身擅长领域,作为专业商社进行业务拓展。在其76年的历史中,该公司面向基干产业到基础设施、碳纤维、甲烷水合物等前沿领域的大范围行业展开了业务。
从业务组合的角度来看,该公司的业务结构不容易受景气影响。虽然不能期望高增长,但通过重电、钢铁、化工装置等面向基干产业的业务以及一旦特定车型采用,就能稳定3至5年的汽车相关业务(树脂、涂料等),公司能够吸收各种业务风险,平衡经营,以稳定和均衡的方式运营业务。此外,在能源市场相关业务上,考虑到最近的ESG趋势,公司已退出火力发电厂计量系统业务,转向未来增长领域的海上风力发电相关业务。
在地域上,该公司在世界各国设有11个本地法人等分支机构。此外,加上托罗配件的11个海外法人,形成了22个全球网络,能够及时为遍布全球的供应商和客户提供高质量的业务信息。
3. 特点和优势
(1) 大多数从事销售职务和技术销售的人员为理工科出身
通常商社的销售现场被认为以文科专业人员为主,但该公司超过六成的销售员来自理工科院校。安装在客户处的设备出现原因不明的停止或故障时,若每次都向海外制造商查询会耗费大量时间,因此该公司重视招聘理工科出身者,以便销售人员不仅在设备引入、安装、运营和维护等各方面不依赖海外制造商,而且能够独立为客户提供技术支持。此外,该公司为了及时有效地应对检查和维护保养工作,成立并经营了专门子公司(日本系统工业株式会社)
该公司开展资源开发设备业务,并积极招聘从事地质工程和自然能源资源研究的大学生。该业务负责人与海外采矿制造商的工程师一同乘坐海洋资源勘探船约三个月时间,参与采矿设备的运行试验和调试试验。
(2) 客户主要为大型企业
由于该公司长期参与日本的主要产业,因此与大型企业的交易较多。自公司成立以来,也有一些长期合作的企业,积累了信任和忠诚。在欧美等海外市场也与美国汽车Big3和德国汽车制造商等进行交易。相比其他同行技术商社,该公司的客户结构更偏向优质。相应的根据是,中小型商社面临的“坏账”问题在该公司几乎不会发生。
另外,该公司在国内主要钢铁厂设立了出差点(室兰、东关东、知多、广泽、水岛、大分),通过周到的销售服务实现差异化。该公司承担了包括特定钢铁生产领域设备在内的工艺解决方案的角色。
(3) 以“诚实”和“毅力”赢得客户高度评价
得到大公司高度信任的背后,追溯到诚实和认真的态度。在与客户谈判时,也可能会听到客户说"以这个价格您可能会做生意"。此外,在新产品和新业务方面,表现出坚韧不拔的特点,即使遇到困难。
(作者:富士客座分析师清水啟司)