■極東貿易<8093>の資本政策と株主還元策
1. 株主価値に資する資本政策の実行
コロナ禍の影響から脱し、同社の売上高・利益は順調に回復し、収益基盤が盤石になりつつある。中期経営計画では資本コストや株価を意識したグループ経営を推進している。5つの経営指標(ROE、WACC、自己資本比率、株主資本コスト、PBR)と目標値(2026年3月期)を掲げ、資本収益性と資本コストのバランスを図りながら、ROE5.4%(当初目標8%を修正)が株主資本コストを上回ることを追求し、株価を重視した経営に取り組んでいる。
利益分配方針を変更、「成長M&A投資」と「積極的な株主還元策」のバランスを図る
2. 株主還元策
同社の利益分配の基本方針は、「株主への継続的な成果の還元と企業価値の持続的向上を実現するため、適正な資本政策の下、将来の事業展開や財務状況、収益動向を総合的に勘案して配当を実施する」としている。また、中期経営計画「KBKプラスワン2025」では、「株価を意識し、資本効率を高めるために、2022年3月期から3年間は配当性向100%の積極的な株主還元を実施する」と掲げており、2024年3月期の年間配当金は93.5円であった。2025年3月期以降については、「高水準の株主還元を維持しつつ、成長投資により一層注力する」としている。具体的には、利益をM&A(2件を実施済み)などの成長投資に最優先で振り分け、その結果、2025年3月期は年間配当金を70円(中間配当金35円、期末配当金35円)とし、2026年3月期も年間配当金は70円(下限)を予定している。今後も、成長投資を進め、持続的成長を背景とした積極的な株主還元を続ける方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
■极东贸易<8093>的资本政策和股东回报政策
1. 执行有利于股东价值的资本政策
克服新冠疫情的影响,该公司的营业收入和利润逐渐恢复,收入基础变得稳固。在中期经营计划中,推动意识到资本成本和股价的集团经营。该计划提出了5个经营指标(roe、WACC、自有资本比率、股东资本成本、市净率)和目标值(2026年3月期),在确保资本收益率和资本成本平衡的同时,追求roe达到5.4%(最初目标8%已修正)超过股东资本成本,致力于重视股价的经营。
调整盈利分配政策,平衡“增长性并购投资”和“积极的股东回报策略”
2. 股东回报策略
该公司的盈利分配基本方针为“在合适的资本政策下,综合考虑未来业务发展、财务状况和盈利走势,实施股东长期持续地回报和公司价值的持续提升”。此外,在中期经营计划“KBK Plus One 2025”中,提出“为了着眼于股价,提高资本效率,在2022年3月期至2024年3月期的3年间实施股利支付比率达100%的积极股东回报措施”,2024年3月期的年度股利为93.5日元。至于2025年3月期后,“将坚持高水平的股东回报,同时加大成长投资力度”。具体而言,优先将利润分配给M&A(已完成2宗)等成长投资,因此,2025年3月期年度股利为70日元(中期股利35日元,期末股利35日元),2026年3月期年度股利预计也为70日元(下限)。未来,将继续推进成长投资,坚持积极的股东回报政策,背景是持续增长。
(作者:富士客座分析师清水啟司)