クシム<2345>が11月25日に発表した取締役1名に対する辞任勧告の決議および社内調査委員会設置に関するお知らせを受けて、ウルフパック戦略の議論が再燃している。
ウルフパック戦略とは、裏で連携している個々の株主が対象企業の株式保有割合を5%未満にとどめることで、大量保有報告制度の適用を回避する手法である。大量保有報告書を提出してしまうと、株価が上昇してしまう可能性があるため、提出を遅らせて安値で株式を買い進めることを目的としている。金融商品取引法では、共同して株式を取得・譲渡・議決権行使をする場合は共同保有者とみなされるため、意図して大量保有報告を出さないことは非合法であるといえる。
クシムのプレスリリースによれば、クシムの重要事実の情報受領者であるA氏から、クシム取締役の田原弘貴氏(以下「田原氏」)からクシムの重要事実が情報共有されていると確定できる発言があったこと、直接・間接的にクシム株式を保有していること、クシム連結子会社である株式会社Zaifに、中国本土からビットコインを持ち込むことが可能である旨の提案があったとされている。それが事実であれば、インサイダー取引の疑義が発生するとともに、直接・間接のクシム株式保有が5%を上回っているのであれば、ウルフパック戦略が採られている可能性があるということで、議論が再燃している訳だ。
非合法なウルフパック戦略は、中国資本グループによく使用される手段であり、過去にも複数の事例が報告されている。日本の金融商品取引法における量刑が軽いことを利用し、意図的に違法行為を行っているとの指摘もある。
また、別の論点となるが、中国本土からビットコインを持ち込むという提案は、マネーロンダリングの懸念が伴うとともに、国内の暗号資産交換業者が遵守すべきFATF(金融活動作業部会)の基準を無視した内容が含まれており、クシムの経済的基盤に重大な影響を及ぼす恐れがあるだけでなく、国家の経済安全保障上のリスクにもつながり得るものであったとクシムは指摘している。クシムは子会社に暗号資産取引所であるZaifを擁しており、マネーロンダリングの懸念とともに、交換所の買収ということになれば、日本の経済安全保障の問題にも発展するということを訴えているのであろう。
外国からの投資に対する審査・規制を行う仕組みは、米国においてCFIUS(Committee on Foreign Investment in the United States : 米国外国投資委員会)が有名である。地経学的なリスクが高まる中で、日本版CFIUSの確立が求められている状況にもあり、今回のクシムの問題は様々な問題をクローズアップさせた事案であるといえる。
根据Kusum<2345>于11月25日发布的关于推荐一名董事辞职并成立内部调查委员会的通知,狼群策略的讨论再次升温。
狼群策略指的是,背后关联的各个股东将目标公司的股份保有比例控制在5%以下,以规避大量持股报告制度的方法。一旦提交大量持股报告书,可能导致股价上涨,因此旨在推迟提交以低价买入股票。根据金融商品交易法,共同收购、转让、行使表决权的股份被视为共同持有者,因此故意不提交大量持股报告可视为非法。
根据Kusim新闻稿,Kusim接收到重要信息的A先生确认从Kusim董事田原弘贵先生(以下简称“田原先生”)那里共享了Kusim的重要信息,直接或间接持有Kusim股票,并收到了中国内地比特币引入Kusim子公司Zaif的建议。如果这是事实,将涉及内幕交易嫌疑,以及直接或间接持有超过5%的Kusim股份,可能采取了狼群策略的讨论再次升温。
非法的狼群策略经常被中国资本集团使用,过去也曾发生多起案例。利用日本金融商品交易法量刑较轻的特点,有指责故意进行违法行为。
另外,提议从中国内地引入比特币存在洗钱担忧,并包含忽视暗号资产交易所需遵守FATF(金融行动特别工作组)标准的内容。Kusim指出,这可能对Kusim的经济基础产生严重影响,甚至可能带来国家经济安全方面的风险。Kusim拥有子公司Zaif,如果交易所被收购将涉及洗钱担忧,并呼吁这可能会演变成日本经济安全方面的问题。
对外国投资进行审查和规范的机制,美国的CFIUS(美国外国投资委员会)是著名的。在地缘风险加剧的情况下,日本版CFIUS的建立已成必要,并可以说Kusim的问题将引起各种问题的关注。