■サンフロンティア不動産<8934>の事業概要
3. ホテル・観光事業
ホテル・観光事業では、「ホテル運営事業」「ホテル開発事業」「地域創生事業」を手掛けている。
「ホテル運営事業」は「心温かい楽しいホテル」をテーマに、地域の文化と歴史を大切にした、上質で心地よいプライベート感のあるホテルを目指している。「HIYORI HOTELS & RESORTS」のブランド展開により、「BUDGET」「ECONOMY」「UPPER MIDDLE」「UPPER」「LUXURY」にクラス分けし、3,144室を運営している(2024年11月現在)。
「ホテル開発事業」は、自社開発によるホテル建設、自社ブランドによる既存ホテルのリニューアルといったホテルの最有効活用を企画・提案している。ホテル開発では、顧客が所有する不動産を同社グループが購入し、ホテル建設・運営を行う事業方式や、既存ホテルを購入し同社グループでリニューアル・運営を行う事業方式がある。その他にも、建物賃貸借開発方式や土地賃貸借開発方式、他社運営によるホテル保有事業がある。ホテル開発のほかに再生では、顧客視点の付加価値の創出により高収益ホテルへの再生を行っている。再生工事は、企画立案、建築デザイン、資材調達、工程進捗、引渡しまで、すべて一括して同社グループが行うことで、細部にこだわり、使いやすく清潔感のある高品質な不動産に改修する。ホテルの再生には建物だけではなく運営面での再生も重要である。ホテルに従事するスタッフと併走して再生に向けた取り組みを行っている。
「地域創生事業」は、その地域ならではの魅力や特長をテーマにした事業に取り組んでいる。同事業の背景には、日本が誇る文化・歴史・自然・食事・温泉・おもてなしなどに魅了される訪日外国人旅行者の急増があり、創業者の出身地でもある新潟県・佐渡島より事業を開始した。佐渡島では観光産業を軸に地域創生を進めており、既に100人を超える雇用を創出した。また、ホテル事業の運営を基軸に沖縄県・宮古島にも進出を果たしており、「日本の素晴らしさ」を備える地方に視点を向け、その地方ならではの魅力を生かした地域創生事業に挑戦を続けている。
4. その他事業
その他事業では、「海外開発事業」「建設事業」を手掛けている。
「海外開発事業」は、成長が期待できるベトナムへ進出し、日本の高度な施工技術によるマンション・住宅等を中心とした不動産開発事業を展開している。都市型高層分譲マンション事業では、ベトナム中部に位置するダナン市において高層分譲マンションの開発・販売、運営を行っている。2019年12月には「HIYORI Garden Tower」を竣工し、住居306戸が完売している。また、分譲マンションプロジェクト第2号案件として、2024年8月に「HIYORI Aqua Tower」を着工しており、2026年9月末に竣工予定である。
「建設事業」は、事業用ビルのリニューアル企画や修繕・改修工事、内装仕上工事及び電気通信工事等を行っている。ビル空間や外観・エントランスのリニューアルをプロデュース、入居テナントにとって魅力的で使いやすい空間を創造することによりテナントの満足度を高め、オーナーが保有するビルの競争力や資産価値の向上につなげている。現状分析・コンサルティング・デザインから設計・施工までをワンストップで提供することで、高い品質とコスト効率を実現している。
5. 同社グループの強み
同社グループの強みとして、不動産再生事業における内製化したワンストップサービスの提供力が挙げられる。ビルの仕入れから、再生・活用企画、建設工事、テナント誘致、管理、販売、販売後のビル経営に至るまでを一貫して内製化し、高い付加価値を創出している。この一連のワンストップサービスは、不動産サービス事業の各部門(リーシングマネジメント、ビルメンテナンス、資産コンサルティング、滞納賃料保証、貸会議室)が協業することで実現している。こうした協業を行えているのは、同社グループがフィロソフィ経営を実践するなか、最上位概念であるクレド「利他」の精神が、従業員同士をしっかりと結び付けているためである。
管理会計の手法においては、「アメーバ経営」システムを導入している。これは、グループの事業を5人~10人の小集団(アメーバ)に分類し、アメーバごとに時間当たりの採算の最大化を図るものである(時間当たり採算=売上総利益÷労働時間)。各アメーバにはリーダーが存在し、期初に設定した年間予算・月次予算(売上総利益と時間当たりアメーバ)に対する進捗管理を行う。アメーバ経営による管理会計手法は、市場に直結した部門別採算制度の確立のみならず、全員参加による従業員の採算意識向上や、経営者人財の育成につながるメリットがある。小集団であることにより意思決定のスピードアップが図られ、環境変化による市場ニーズの変化などにも柔軟な対応が可能なため、効果的な経営手法であると弊社では考える。
6. 事業環境
同社を取り巻く事業環境として、世界経済では欧米での利下げの効果が期待される一方、中国経済の変化や中東・ウクライナ情勢が懸念されている。IMFは、2024年及び2025年の世界経済の実質成長率を3.2%で据え置き、安定的な成長が見込まれている。米国では、利下げに伴う経済成長の持続が期待され、また大統領交代後の政策の動向が注目される。日本においては、緩やかな経済回復が続くなかで実質賃金の改善が期待され、日銀がマイナス金利を解除した後も政策金利の引き上げは緩やかであり、全体として堅調に推移している。物価上昇が続くなか、賃金と物価の好循環が形成されつつあり、持続的な賃金上昇への期待が高まっている。
また、都心のオフィスビル市場では賃料上昇と空室率の改善が続いており、投資意欲も高い状況にある。オフィスビルの新規供給量が減少しつつあり、オフィス回帰の動きが進むなかで賃料上昇と空室率改善が続くと見られる。金利が今後上昇する可能性はあるものの、アジアを中心とした富裕層及び機関投資家からの高い投資意欲が続いている。一方、ホテルや観光市場については、円安基調を背景にインバウンド需要が拡大し、国内旅行需要も好調である。2023年の訪日客による旅行消費額は5兆3,065億円を超え、過去最高額を更新した。訪日外国人数も増加しており、9月単月で287万人、1月から9月の累計で2,688万人に達し、2023年の年間累計を超えて過去最高を記録している。
このような事業環境のなか、同社事業は都心のオフィスビル市場と観光・ホテル市場での安定的な成長が期待される。オフィス市場では、賃料の上昇と空室率の改善が続き、投資需要も堅調であり、同社の収益基盤を支える重要な要素となっている。さらに、円安基調がインバウンド需要を後押しし、ホテル事業の収益拡大に寄与している。また、国内経済は緩やかな回復基調にあり、賃金と物価の好循環が進んでいるため、堅調な不動産市場の支援を受けやすい環境が整っている。地政学的リスクや中国経済の変化が懸念材料ではあるものの、日本の政策金利の引き上げが緩やかであることから資金調達環境も良好であり、総合的に見て安定した成長と収益拡大の機会が見込まれると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
■太阳风电不动产 <8934> 业务概览
3.酒店和旅游业务
在酒店和旅游业务中,我们涉足 “酒店管理业务”,“酒店开发业务” 和 “区域振兴业务”。
“酒店管理业务” 以 “一家温馨而有趣的酒店” 为主题,旨在成为一家重视当地文化和历史的高品质、舒适的私人酒店。由于 “日和酒店及度假村” 的品牌发展,它们被分为 “廉价酒店”、“经济舱”、“中上层”、“高层” 和 “豪华”,它们运营着3,144间客房(截至2024/11年度)。
“酒店开发业务” 计划并提出最有效的酒店使用方法,例如通过内部开发和更新我们自有品牌的现有酒店来建造酒店。在酒店开发中,存在一种业务系统,即公司集团购买客户拥有的房地产并建造和运营酒店,另一种业务系统是公司集团购买、更新和运营现有酒店。此外,还有建筑物租赁开发系统、土地租赁开发方法以及由其他公司经营的酒店所有权业务。除酒店开发外,还通过从客户的角度创造附加价值,对高利润酒店进行改造。填海工作由公司集团共同完成,从规划和起草、施工设计、材料采购、工艺进度到交付,因此他们对细节非常讲究,经过翻新,变成了易于使用且具有清洁感的高质量房地产。为了重建酒店,不仅建筑物很重要,运营的修复也很重要。在酒店工作的员工的同时,还开展了以重建为目标的各项工作。
“区域振兴项目” 正在开展一项以吸引力和该地区特点为主题的业务。该项目的背景是访问日本的外国游客迅速增加,他们对日本引以为豪的文化、历史、自然、美食、温泉、热情好客等着迷,该业务始于新泻县的佐渡岛,那里也是创始人的出生地。佐渡岛正在以旅游业为中心促进地区振兴,已经为100多人创造了就业机会。此外,基于酒店业务的运营,它已将业务扩展到冲绳县的宫古岛,并继续挑战利用该地区特有的吸引力的区域振兴项目,着眼于 “日本的辉煌” 的地区。
4。其他业务
其他业务包括 “海外开发业务” 和 “建筑业务”。
“海外开发业务” 已扩展到可以预期增长的越南,并且正在利用日本先进的建筑技术发展以公寓、房屋等为中心的房地产开发业务。在城市高层公寓业务中,我们在越南中部的岘港市开发、销售和运营高层公寓。“日和花园大厦” 于2019/12年度竣工,306套住宅已售罄。此外,作为第二个公寓项目,“HIYORI Aqua Tower” 的建设于2024/8年度开始,计划于2026/9年底完工。
“建筑业务” 进行商业建筑的更新规划、维修/翻新工作、室内装修工作、电信工作等。通过更新建筑空间、外部和入口,创造对租户有吸引力且易于使用的空间,租户满意度得到提高,从而提高了业主拥有的建筑物的竞争力和资产价值。通过提供从现状分析、咨询、设计到设计和施工的一站式服务,可以实现高质量和成本效益。
5。集团的优势
公司集团的优势之一是能够在房地产修复业务中提供内部一站式服务。从建筑物购买到修复/利用规划、施工工作、租户吸引、管理、销售和售后建筑物管理,所有产品均由内部制造,创造了高附加值。这一系列的一站式服务是通过房地产服务业务的各个部门(租赁管理、建筑物维护、资产咨询、延迟租金保障、租赁会议室)之间的合作实现的。我们之所以能够进行这种合作,是因为在公司集团实行理念管理的同时,“利他主义” 的信条精神,即最高理念,将员工彼此紧密地联系在一起。
在管理会计方法中,引入了 “变形虫管理” 系统。这将集团的业务分为由5至10人组成的小组(变形虫),旨在最大限度地提高每只变形虫的每小时盈利能力(每小时利润=毛利润÷ 工作时间)。每个变形虫都有一位领导者,进度管理是针对财政年度开始时设定的年度预算/月度预算(毛利润和每小时变形虫)进行的。使用变形虫管理的管理会计方法不仅建立了与市场直接相关的部门盈利体系,而且还具有通过所有人的参与提高员工盈利意识和开发管理人力资源的优势。通过分成小组,可以加快决策速度,并且由于可以灵活地应对环境变化引起的市场需求变化,因此我们认为这是一种有效的管理方法。
6。商业环境
作为公司周围的商业环境,尽管预计欧洲和美国的降息将对全球经济产生影响,但人们对中国经济的变化以及中东和乌克兰的局势感到担忧。国际货币基金组织在2024年和2025年将世界经济的实际增长率维持在3.2%不变,预计将保持稳定增长。在美国,预计经济将随着降息而继续增长,总统更迭后的政策趋势正在引起人们的关注。在日本,随着经济逐步复苏的继续,预计实际工资将有所改善,尽管日本央行提高了负利率,而且总体趋势保持稳定,但政策利率上调幅度仍然温和。随着物价的持续上涨,工资和物价的良性循环正在形成,对可持续工资增长的预期也在增长。
此外,在中心城市写字楼市场,租金上涨和空置率持续改善,投资动机也很高。新办公楼的供应量正在下降,随着恢复办公的进展,预计租金上涨和空置率的改善将继续下去。尽管未来利率有可能上升,但富人和机构投资者的投资动机仍然很高,主要是亚洲的富人和机构投资者。同时,在酒店和旅游市场方面,在日元走势疲软的背景下,入境需求有所扩大,国内旅行需求也很强劲。2023年日本游客的旅行消费超过5,3065亿日元,打破了历史新高。日本的外国游客数量也有所增加,9月单月达到287万人,1月至9月的累计游客总数达到2688万人,超过了2023年的年度累计总数,创下历史新高。
在这样的商业环境中,预计该公司的业务将在中心城市办公楼市场和旅游/酒店市场稳步增长。在写字楼市场,租金上涨和空置率持续改善,投资需求也很强劲,这是支撑公司盈利基础的重要因素。此外,日元的贬值趋势提振了入境需求,并促进了酒店业务利润的扩大。此外,国内经济正处于逐步复苏的趋势,而且由于工资和价格的良性循环正在向前发展,因此很容易从强劲的房地产市场获得支持的环境。尽管有人担心地缘政治风险和中国经济的变化,但由于日本的政策利率上调幅度适中,融资环境也良好,从综合角度来看,我们预计稳定增长和利润扩张的机会。
(由 FISCO 客座分析师茂木良司撰写)