アミタホールディングス<2195>は、持続可能な企業経営・地域運営を統合的に支援する「社会デザイン事業」を展開している。「持続可能社会=発展すればするほど自然資本と人間関係資本が増加する社会」の実現をミッションに掲げ、1977年の創立以来、循環の仕組みで環境問題をはじめとする社会課題の解決に寄与するESG市場を開拓。
同社は企業や自治体などとの積極的な協業・連携を通じて、互いの知見とネットワークを活かした事業推進を行う。近年では、2022年にアジア最大級の独立系資産運用会社であるMCPグループと合弁会社Codo Advisory(コウドウアドバイザリー)(本社:福岡市)を設立し、脱炭素経営に向けた移行戦略支援サービスを提供。また、2024年には三井住友ファイナンス&リースグループと合弁会社サーキュラーリンクス(本社:東京都千代田区)を立ち上げ、両社のノウハウ・ネットワークを活用した環境管理業務のアウトソーシング・ICTサービスを提供している。自社だけでは困難な商品開発や技術開発、営業力強化等を実現し、事業を展開している。
取引実績のある企業・自治体は1,562に達する(2023年度実績)。具体的な事業内容は以下の通り。
<1>持続可能な企業経営の統合支援
企業のサステナブル経営への移行支援を行う「Cyano Project(シアノプロジェクト)」では、持続可能な原材料調達や、循環型のビジネスモデルへの移行(ものから機能売り:サービサイジング)などを、戦略立案のコンサルテーションから、オペレーションメニューによる実行・運営まで一気通貫で統合的に支援する。特徴は、サステナブル経営の重要な3要素である「サーキュラーエコノミー」「カーボンニュートラル」「ネイチャーポジティブ」の3領域を横断し、全体最適の視点でビジネスモデルの変革・移行を提案することである。
■オペレーションメニュー(一部抜粋)
・ダブルゼロ・エミッションサービス
子会社アミタサーキュラー (本社:東京都千代田区)が提供する、独自の「調合技術」を用いて年間約1,600種類の廃棄物を、天然資源の代替となる循環資源に再資源化するサービス。排出元企業の廃棄物ゼロと脱炭素、並びに循環資源ユーザー企業のサステナブル調達を叶える。国内外に8カ所の循環資源の製造拠点を有する。
・サステナブルBPOサービス
合弁会社サーキュラーリンクスによる、企業の環境管理業務の支援を行うアウトソーシング・ICTサービス。顧客企業の人材不足やナレッジ継承の課題に起因するガバナンスリスク等に対し、専門スタッフの代行とICTシステムの提供を通じて、複雑な環境管理業務にかかるリスクとコストを低減する。
<2>環境認証審査サービス
森や海などの自然資本の持続可能な利用を支えるトレーサビリティを認証・審査するサービス。
子会社アミタ(本社:東京都千代田区)は、認証機関・審査会社として、森林認証 FSCや水産認証 MSC / ASCなどの第三者認証制度に基づく、公正・公平な環境認証審査を実施している。
<3>海外事業
子会社AMITA CIRCULAR DESIGN SDN. BHD.(アミタ・サーキュラーデザイン)(本社:マレーシア クアラルンプール)は、国内事業で培った技術を応用し、マレーシアにて産業廃棄物の100%再資源化事業を展開。また、中国台湾、韓国、インドネシア、パラオなど、アジア・大洋州地域における循環型市場の開拓を推進している。その他、代替原料・燃料の輸出入事業や、海外に事業展開する際の環境リスク・事業性の調査なども手掛ける。
<4>持続可能なまちづくり支援
地方自治体の4大課題(人口減少、少子高齢化、社会保障費の増大、雇用縮小)に対して、地域住民・自治体・企業が三位一体となり「関係性の増幅」と「循環の促進」によって解決する地域モデル「Co-Creation City(コ・クリエーションシティ)」の開発・展開を推進している。中でも、互助共助コミュニティ型資源回収ステーション「MEGURU STATION(めぐるステーション)」の開発・提供に注力し、2024年10月末時点で、福岡県大刀洗町、兵庫県神戸市、奈良市月ヶ瀬地域、愛知県長久手市など4地域13箇所に展開。
業績は順調に推移している。2024年11月12日発表の、2024年12月期第3四半期連結決算(2024年1月-9月)では、売上高が前年同期比7.7%増の34.91億円、営業利益が同33.9%増の3.00億円、経常利益が同27.7%増の3.52億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同91.5%増の2.77億円となった。
売上面では、資源価格の高騰やサステナブル調達ニーズの高まりを受け、セメント代替原燃料(受け入れた産業廃棄物をセメントメーカーが求める規格に合わせて調合した循環資源のこと。セメントの製造工程での石炭、重油の燃料代替や粘土等の原料代替として使用される。)の利用ニーズが高く、姫路循環資源製造所やアミタ地上資源製造パートナーズである愛知海運(本社:名古屋市)の産業廃棄物再資源化施設である蒲郡リサイクルS.C.での取扱量が増加した。また、北九州循環資源製造所における半導体産業から排出されるシリコンスラリー廃液を再資源化する「シリコン再資源化事業」での取扱量の増加などが寄与した。営業利益は、価値創出の源泉である人財への投資や、関係構築・戦略実現のための先行投資があったものの、売上総利益率が1.1ポイント改善し46.6%となったことや増収効果があった。経常利益は、マレーシア事業に関わる持分法による投資利益の増加が寄与した。四半期純利益の増益率が大きいのは、繰延税金資産の増加に伴う法人税等調整額(益)0.87億円の計上などがあったことによる。
2024年12月期連結業績予想は、売上高が前期比6.0%増の48.09億円、営業利益が同14.6%増の5.40億円、経常利益が同12.8%増の5.99億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同20.4%増の3.71億円と期初見通しを据え置いている。
今後の施策としては、1)Cyano Projectの受注拡大に向けた商品設計の再構築、マーケティング施策の強化。2)合弁会社サーキュラーリンクスによるサステナブルBPO・ICTサービスの営業強化。3)代替資源ニーズの更なる捕捉に向けた循環資源の提供体制の強化。4)シリコン再資源化事業の製造量拡大。5)海外統括会社AMITA CIRCULAR DESIGN SDN. BHD.がインドネシアで設立した合弁会社にて、同国内での100%再資源化事業の本格展開準備を加速。6)福岡県豊前市から受託した事業を通じて、MEGURU STATIONの導入も含めた同市の持続可能なまちづくりの推進を挙げている。
阿米塔控股有限公司<2195>推出了整合支持可持续企业经营和地域运营的“社会设计事业”。他们的使命是实现“可持续社会=发展越多,自然资本和人际关系资本就越多的社会”,自1977年成立以来,致力于通过循环机制解决环境问题等社会课题,开拓ESG市场。
该公司通过与企业和地方政府等的积极合作,推动基于彼此的知识和网络的业务发展。近年来,在2022年与亚洲最大独立资产管理公司MCP集团成立了合资公司Codo Advisory(编码咨询)(总部:福冈市),提供向脱碳经营的转型战略支持服务。此外,2024年与三井住友金融与租赁集团成立合资公司Circular Links(总部:东京都千代田区),提供基于双方的知识和网络的环境管理业务外包和ICT服务。他们发展业务,实现了单靠自己难以做到的产品开发、技术开发和销售力强化等。
与他们有交易记录的企业和地方政府已达到1,562家(2023年度实绩)。具体的业务内容如下。
<1>可持续企业经营的整合支持
在支持企业向可持续经营过渡的“Cyano Project(青氰项目)”中,从战略规划咨询到通过操作菜单的执行和运营,提供对可持续原材料采购和向循环型商业模式的转型(从商品售卖转向功能售卖:服务化)等的整合支持。其特点是跨越可持续经营的重要三个要素“循环经济”、“碳中和”、“自然积极”的三个领域,从整体优化的视角提出商业模式的变革和转型建议。
■操作菜单(部分摘录)
・双零排放服务
子公司阿米塔循环(总部:东京都千代田区)提供的服务,利用独特的“调配技术”,每年将约1,600种废弃物再资源化为替代天然资源的循环资源。实现排放源企业的废弃物零和脱碳,同时实现循环资源用户企业的可持续采购。公司在国内外拥有8个循环资源的生产基地。
·可持续BPO服务
合资公司循环链提供支持企业环境管理业务的外包ICT服务。通过替代客户企业的人才缺乏和知识传承所导致的治理风险等问题,提供专业人员的代行和ICT系统,从而降低复杂的环境管理业务所涉及的风险和成本。
<2>环境认证审核服务
支持森林和海洋等自然资本可持续利用的可追溯性认证和审核服务。
子公司阿米塔(总部:东京都千代田区)作为认证机构和审核公司,根据森林认证FSC和水产业认证MSC / ASC等第三方认证制度,实施公正公平的环境认证审核。
<3>境外业务
子公司AMITA CIRCULAR DESIGN SDN. BHD.(阿米塔循环设计)(总部:马来西亚吉隆坡)应用在国内业务中培养的技术,在马来西亚开展工业废物100%再资源化业务。此外,还在中国台湾、韩国、印度尼西亚、帕劳等亚洲和大洋洲地区推进循环型市场的开发。其他方面,还从事替代原料和燃料的进出口业务以及在境外开展业务时的环境风险和商业性调查等。
<4>可持续城市建设支持
地方自治体面临着四大问题(人口减少、少子老龄化、社会保障费用增加、就业缩减),地方居民、自治体和企业三位一体,通过 "关系的增强 "和 "循环的促进 "来解决的问题模型 "合作共创城市(Co-Creation City)" 的开发与推广。在这方面,重点开发和提供互助共助社区型资源回收站 "MEGURU STATION(巡回站)",截至2024年10月底,在福冈县大刀洗町、兵库县神户市、奈良市月瀬地区、爱知县长久手市等4个地区的13个地点展开。
业绩稳步增长。2024年11月12日发布的2024年12月期第三季度合并财务报告(2024年1月至9月)显示,营业收入同比增长7.7%,达到34.91亿日元;营业利润同比增长33.9%,达到3.00亿日元;经常利润同比增长27.7%,达到3.52亿日元;归属于母公司股东的季度净利润同比增长91.5%,达到2.77亿日元。
在销售方面,由于资源价格的上涨和可持续采购需求的增加,水泥替代原燃料(指根据水泥制造厂的要求,对接受的工业废弃物进行调配的循环资源。用于水泥生产过程中煤、重油的燃料替代以及粘土等原料的替代。)的需求极高,因此在姬路循环资源制造所和阿米达地面资源制造合作伙伴的爱知海运(总部:名古屋市)的工业废弃物再资源化设施——蒲郡回收S.C.的处理量增加。此外,北九州循环资源制造所的半导体行业排放的硅浆废液再资源化“硅再资源化业务”的处理量增加等也起到了贡献。尽管营业利润由于对人力资源这一价值创造源泉的投资,以及为了关系构建和战略实现的前期投资,但销售总利润率改善了1.1个百分点,达到了46.6%,实现了增长效果。经常利润受益于涉及马来西亚业务的权益法投资收益的增加。季度净利润的增加幅度较大,是因为递延所得税资产的增加导致记录了法人税等调整数(收益)0.87亿日元等因素。
对于2024年12月期的合并业绩预测,营业收入预计比上期增长6.0%,达到48.09亿日元;营业利润预计同比增长14.6%,达到5.40亿日元;经常利润预计同比增长12.8%,达到5.99亿日元;归属于母公司股东的当期净利润预计同比增长20.4%,达到3.71亿日元,维持期初预期不变。
未来的施策包括:1)针对Cyano项目的订单扩展进行产品设计的重构与市场营销施策的强化。2)合资公司循环链接(Circular Links)加强可持续的BPO和ICT服务销售。3)加强循环资源提供体系,以进一步捕捉替代资源需求。4)扩大硅再资源化业务的生产量。5)由境外控股公司AMITA CIRCULAR DESIGN SDN. BHD. 在印度尼西亚成立的合资公司,加速在该国内实现100%再资源化业务的全面展开准备。6)通过从福冈县丰前市承接的项目,推动包括MEGURU STATION的引入在内的该市的可持续城市建设。