■富士紡ホールディングス<3104>の業績動向
1. 2025年3月期第2四半期の業績概要
同社は中期経営計画「増強21-25」において、計画期間5年間の前半3年間を「高収益体質への転換と種まき」ステージ、後半2年間を「成長投資の拡大」ステージと位置付け、各事業の成長基盤の増強に取り組んでいる。中期経営計画1年目は順調なスタートを切ったが、2年目の2023年3月期下期から2024年3月期上期にかけて、“史上最悪級”の半導体不況が直撃し、半導体関連材料の研磨材を扱う事業を中核とする同社も深刻な受注減に陥った。しかし、4年目の2025年3月期上期は、生成AIなどの先端半導体がけん引役となり半導体需要は回復局面に転じ、研磨材事業も急速に回復・拡大し、同時に化学工業品事業も緩やかな回復基調となり、中期経営計画期間中では最高の上期業績(売上高)を達成した。
2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が前期比23.2%増の21,060百万円、営業利益が同226.1%増の2,992百万円、経常利益が同143.4%増の3,071百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同133.6%増の2,095百万円となった。また期初計画比では、売上高で2.7%増、営業利益で24.7%増、経常利益で22.8%増、親会社株主に帰属する中間純利益で30.9%増と、売上高・利益とも期初計画を上回った。
利益が大きく上昇したのは、今回の半導体需要回復による研磨材事業の大幅受注増、化学工業品事業の業績回復と販売価格の値上げが貢献している。また、研磨材事業は限界利益率が高く、受注数量が増大すればするほど利益が増幅する高収益構造であり、半導体需要が本格的に回復する2025年頃には、同社の2017年3月期における最高益(営業利益68億円)の水準に迫るのではないかと弊社では見ている。
研磨材事業における最適な販売チャネルミックス政策
半導体業界のサプライチェーンの視点で見ると、半導体材料メーカーと顧客(大手ファウンドリーメーカー※)の間に半導体商社が介在するケースは多い。なぜならば、大手ファウンドリーメーカーは多種多様な半導体材料メーカーと取引することより、各種半導体材料の供給・在庫管理などを半導体商社に任せた方が効率的だからである。同社における当面の販売チャネル政策は3つある。まず、研究開発面では、同社の研究開発部門は大手顧客の研究開発部門や製造部門と直接接点があり、それを起点により深い関係性(顧客と協同して良い製品を作り込み・合わせ込む)を築いていく。同社では、このビジネスモデルを「営業とR&D及び製造が一体となったソリューション型受託モデル」と名付けている。また、販売面では主力であるCMP用途市場は半導体商社が持つ機能(グローバルな拡販チャネル)を最大限有効活用する。一方で、シリコンウエハー、ハードディスクなどでは、顧客とも相談しつつ直販を順次進めていく。
※ 半導体の製造プロセスのみを請け負う委託生産企業。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
■富士纺控股<3104>的业绩动态
1. 2025年3月期第二季度的业绩概况
该公司在中期经营计划“增强21-25”中,将计划期的前3年定位为“向高收益体质转型和种植阶段”,后2年定位为“扩大成长投资”阶段,致力于增强各业务的成长基础。中期经营计划的第一年顺利开始,但在第二年的2023年3月期下半年至2024年3月期上半年,遭遇了“史上最严重”的半导体衰退,专注于半导体相关材料的磨料业务也出现了严重的订单减少。然而,2025年3月期上半年,由生成AI等引领的先进半导体将推动半导体需求回暖,磨料业务也迅速恢复和扩展,同时化学工业品业务也逐渐回暖,实现了中期经营计划期间的最佳上半年业绩(营业收入)。
2025年3月期第二季度的合并业绩显示,营业收入比上期增长23.2%,达到21,060百万元,营业利润增长226.1%,达到2,992百万元,经常利润增长143.4%,达到3,071百万元,归属于母公司股东的季度净利润增长133.6%,达到2,095百万元。此外,与期初计划相比,营业收入增长2.7%,营业利润增长24.7%,经常利润增长22.8%,归属于母公司股东的中间净利润增长30.9%,营业收入和利润均超过期初计划。
利润大幅上涨的原因在于此次半导体需求的恢复大幅增加了磨料业务的订单,化学工业品业务的业绩恢复及售价上涨也发挥了重要作用。此外,磨料业务的边际利润率较高,订单数量的增加将进一步放大利润。我们认为,在半导体需求在2025年左右全面恢复时,公司将接近2017年3月期的最高盈利水平(营业利润68亿日元)。
磨料业务中的最佳销售渠道组合政策
从半导体行业的供应链角度来看,半导体材料制造商与客户(大厂代工制造商)之间,半导体商社介入的情况较为普遍。这是因为大厂代工制造商与多种多样的半导体材料制造商交易,相比之下,委托半导体商社负责各类半导体材料的供应和库存管理更有效率。该公司的近期销售渠道政策有三个。首先,在研发方面,该公司的研发部门与主要客户的研发部门和制造部门直接接触,借此建立更深层次的关系(与客户共同开发优质产品)。该公司将这一商业模式称为“销售和研发及制造一体化的解决方案型委托模型”。在销售方面,以CMP用途市场为主的商社将最大程度地利用其功能(全球的扩销渠道)。另一方面,对于硅晶圆、硬盘等,将在与客户商讨的情况下,逐步推进直销。
※ 仅负责半导体的制造过程的委托生产企业。
(执笔:Fisco特约分析师 清水启司)