■要約
1. 会社概要
日本アジア投資<8518>は、日本とアジアにまたがる独立系の総合投資会社として、プライベートエクイティ投資(以下、PE投資)や再生可能エネルギー等のプロジェクト投資(実物資産投資)を手掛けている。革新的な技術やビジネスモデルを持ち、高い成長力を有するベンチャー企業及び中堅・中小企業等への投資や成長支援を通じて、日本とアジアの両地域における産業活性化や経済連携の拡大などに貢献をしてきた。同社グループが管理運用等を行っているファンド運用残高は12,596百万円(7ファンド)となっている(2024年9月末時点)。
2. 2025年3月期上期の業績
2025年3月期上期の業績(ファンド連結基準※)は、営業収益が前年同期比12.9%増の1,432百万円、営業利益が68百万円(前年同期は239百万円の損失)となった。
※ 同社は2007年3月期より、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」を適用し、同社グループが管理運用する投資事業組合等を連結範囲に加えるファンド連結基準に移行している。なお、ファンド連結基準は同社以外の外部出資者の持分が含まれていることやファンドごとの財務方針が反映されるところに注意する必要がある。同社では投資家からの要望に応じて従来連結基準も同時に開示しているが、弊社でもより実態を示しているとの判断から従来連結基準による分析を行っている。
従来連結基準では、営業収益が前年同期比55.8%増の664百万円と増収となり、営業損失が61百万円(前年同期は535百万円の損失)と損失幅は縮小した。投資金額の比較的多額な未上場株式の売却は下期に予定されているため、上期はそのほかの未上場株式の売却を進めたほか、プロジェクト(物流施設1件)の売却益計上が増収に大きく寄与した。損益面でも売却益の増加に加え、評価損・引当金の縮小により損失幅が大きく縮小した。活動面では、ソーシャルプロジェクトボンドの活用による障がい者グループホーム(16棟)の譲渡(業績寄与は下期)や戦略的業務提携の締結でも大きな成果を上げることができた。
3. 2025年3月期の業績予想
同社は株式市場等の変動要因による影響が極めて大きく、合理的な業績予想が困難な事業特性であることから業績予想(ファンド連結基準)の公表を行っていない。ただ、2025年3月期については、ある一定の前提をもとに策定した「従来連結基準による見込値」を参考情報として開示している。
「従来連結基準による見込値」によれば、2025年3月期の営業収益を1,600百万円~2,650百万円、営業利益を150万円~850百万円とレンジ内での着地を見込んでおり、期初見込値を据え置いている。比較的多額な未上場株式の売却が実現した場合が上限、その売却がなかった場合が下限となっている。ただ下限となった場合でも、プロジェクトの売却により利益転換を実現する想定である。
4. 新中期経営計画の方向性
2024年8月に公表した3ヶ年の中期経営計画では、国内外の投資家とのネットワークやファンド運営のノウハウ等を生かしてファンドビジネスの強化を図る方針である。自己資金による投資を抑制・圧縮する一方、AUM(運用資産規模)を増やしてAMフィー※による安定収益を積み上げるとともに、財務の健全化をさらに進めていく。最終年度の2027年3月期に営業収益2,800百万円、営業総利益2,200百万円、営業利益1,250百万円、経常利益1,250百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,000百万円を目標に掲げている(従来連結基準)。
※ AMフィーはAUMに対して2%と計画している。
■Key Points
・2025年3月期上期はプロジェクト(物流施設)の売却益計上等により増収となり、損失幅が改善
・ソーシャルプロジェクトボンドを活用したグループホームの譲渡や戦略的業務提携でも大きな成果
・2025年3月期は期初見込値を据え置き、株式及びプロジェクトの売却により利益転換を見込む
・新たな中期経営計画では、国内外の投資家とのネットワークやファンド運営のノウハウを生かしたファンドビジネスの強化により、AUMの拡大と安定収益の積み上げを目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
■摘要
1. 公司资料
日本亚洲投资<8518>作为一家跨越日本和亚洲的独立综合投资公司,专注于私募股权投资(以下称为PE投资)和可再生能源等项目投资(实物资产投资)。通过对拥有创新技术和商业模式的高成长性创业公司以及中型和小型企业的投资与成长支持,为日本和亚洲两个地区的产业活性化和经济合作的扩大作出了贡献。该公司集团管理运作的基金管理余额为12,596百万元(7个基金)(截至2024年9月底)。
2. 2025年3月期上半年的业绩
2025年3月期上半年的业绩(基金合并标准※)显示,营业收益较去年同期增长12.9%,达到1,432百万元,营业利润为68百万元(去年同期为239百万元的损失)。
※ 公司自2007年3月期开始,适用“对投资事业联盟的控制标准和影响力标准的实务处理”,并转向把公司集团管理运作的投资事业联盟等纳入合并范围的基金合并标准。需要注意的是,基金合并标准包含公司的外部投资者的持股以及基金各自财务方针的反映。根据投资者的要求,公司也同时披露传统合并标准,但本公司基于更能反映实际情况的判断,进行传统合并标准的分析。
在传统合并标准下,营业收益较去年同期增长55.8%,达到664百万元,营业损失为61百万元(去年同期为535百万元的损失),损失幅度缩小。由于比较大额的未上市股票的出售计划在下半年进行,因此上半年进行了其他未上市股票的出售,同时,基于项目(物流设施1件)的出售收益大幅提升,贡献了收入增长。在损益方面,除了出售收益的增加外,评估损失和准备金的缩小也大大降低了损失幅度。在活动方面,通过利用社会项目债券实现了对残障人士集团家庭(16栋)的转让(业绩贡献在下半年)以及达成战略业务合作等方面取得了显著成果。
3. 2025年3月期的业绩财务预测
由于公司受股票市场等变动因素影响极大,合理的业绩预测困难,因此未发布业绩预测(基金合并标准)。不过,对于2025年3月期,根据一定的前提制定了"传统合并标准的预估值",作为参考信息进行披露。
"传统合并标准的预估值"显示,预计2025年3月期的营业收入在16亿到26.5亿日元之间,营业利润在150万到850万日元之间,维持期初预估值。当未上市股票的出售实现时为上限,未出售时为下限。但即使是达到下限的情况下,也预计通过项目的出售实现利润转化。
4. 新中期经营计划的方向性
在2024年8月发布的三年中期经营计划中,计划利用国内外投资者的网络和基金运营的经验,强化基金业务。控制和压缩自有资金的投资,同时增加AUM(管理资产规模),利用管理费※积累稳定收益,并进一步推进财务健康化。目标在最终年度2027年3月期实现营业收入28亿日元、营业总利润22亿日元、营业利润12.5亿日元、经常利润12.5亿日元、归属于母公司股东的当期净利润10亿日元(传统合并标准)。
※管理费计划为对管理资产的2%。
■关键点
• 2025年3月期上半年,由于项目(物流设施)的出售收益计入,收入增长,损失幅度改善
• 通过利用社会项目债券进行的群体住宅转让或战略业务合作也取得了重大成果
・2025年3月期维持期初财务预测值,预计通过股票及项目的出售实现盈利转变
・新的中期经营计划旨在通过利用与国内外投资者的网络及基金运营的专业知识,强化基金业务,以实现AUM的扩展和稳定收益的积累
(撰写:FiSCO客座分析师柴田郁夫)