フリービット<3843>は13日、2025年4月期第2四半期(24年5月-10月)連結決算を発表した。売上高が266.22億円、営業利益が30.24億円、経常利益が30.76億円、親会社株主に帰属する中間純利益が17.68億円となった。前連結会計年度において、連結子会社であるギガプライズ及びその子会社が決算日を3月31日から4月30日に変更しており、前中間連結会計期間は決算期変更の経過期間であったことから、対前年中間期増減率は記載していない。
5Gインフラ支援事業の売上高は前年同期比4.9%増の51.66億円、セグメント利益は同27.4%減の6.89億円となった。固定回線網においては、インターネットを介した多くのサービスの利用増加が継続しており、それによって回線利用量が増えることでネットワーク原価の高止まり基調が続いている。モバイル回線網においては、IoTやインバウンド向けの利用が増加する見込みであるなど、モバイル市場全体としての成長は継続しており、今後も拡大していくと捉えている。このような状況のもと、MVNE(Mobile Virtual Network Enabler:MVNOの支援事業者)としてのMVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)向け事業支援サービスの規模拡大が堅調に推移した一方、通信品質の向上に係る費用や人件費などが増加した。
5G生活様式支援事業は、主に5G Homestyle(集合住宅向けインターネットサービス)におけるサービス提供戸数が順調に推移した結果、売上高126.19億円、セグメント利益16.37億円となった。5G Homestyleにおいては、集合住宅向けインターネットサービスや戸建賃貸住宅向けサービスに加え、防犯・監視クラウドカメラサービスといったセキュリティ関連サービスなど提供範囲を拡大し、さらなる収益基盤の拡充を図った。そして、5G Homestyleを提供するギガプライズは、クラウドカメラサービスなどのIoTソリューションサービスの拡大に向け、さらなるサービス品質の向上と競争力の強化を目的に、NHN JAPANが設立したNHNアイカメへの出資を実施し、より一層のシェア拡大と、飲食店や介護施設などといった新たな市場への展開に向け体制を強化した。5G Lifestyle(個人向けのモバイル通信サービスやインターネット関連サービス)では、同社グループが提供するスマートフォンサービス「トーンモバイル」で培った技術やサービスを自社以外のスマートフォンや幅広い機器での展開を可能とし、IoTを始めとした他分野へと展開していく「TONE IN」戦略に則り、対象のスマートフォン機種を160種へと拡大し、さらなる利用者の増加を推進している。なお、連結子会社のギガプライズ及びその子会社の決算日変更により、対前年同期増減率は記載していない。
企業・クリエイター5G DX支援事業の売上高は前年同期比2.8%増の100.75億円、セグメント利益は同64.5%増の7.09億円となった。連結子会社のフルスピード及びその子会社が展開するインターネットマーケティング、アドテクノロジーサービスにおいては、コロナ禍を契機とした社会や働き方の多様化によるデジタル施策の加速に伴い、広告需要が引き続き増加した。そのような環境のもと、アドテクノロジーサービスのアフィリエイト事業における国内外での需要獲得が好調に推移したほか、コスト削減施策も実施し、効率的な事業運営に努めた。また、5G/web3時代におけるファンコミュニティの形成とクリエイターエコノミー(クリエイターが自らのスキルによって収益化をおこなう経済圏)の拡大を目指した、クリエイターが大手プラットフォーマーを介さずに自ら情報発信し、その価値を最大化できるクリエイタープラットフォーム「StandAlone」サービスの提供件数も伸長した。そして、フルスピードの子会社フォーイットは、フォーイットの100%子会社であるマレーシア現地法人FORIT DIGITAL SDN.BHD.を通じて、東南アジアを中心としたインフルエンサープラットフォーム「PopStar」を提供するYOYO Holdings Pte.Ltd.が発行する株式の過半数を2024年9月3日付で取得し、子会社化した。この子会社化を通じて、成長市場への早期参入、ASEAN地域におけるパフォーマンスマーケティング市場及びインフルエンサーマーケティング市場でのポジショニングの大幅な強化を実現していくとしている。
2025年4月期通期の連結業績予想については、売上高が540.00億円、営業利益が57.00億円、経常利益が55.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が30.00億円とする期初計画を据え置いている。