■中長期の成長戦略
Laboro.AI<5586>は、特に中期経営計画などは発表していない。しかし下記に述べるように市場環境は今後も堅調に推移するであると考えられ、顧客からプロジェクトを受注し執行するための専門人材の体制をさらに強化することで成長を図る計画だ。
1. 市場環境:バリューアップ型AIテーマの市場規模予想
同社の説明資料によれば、国内AIビジネス市場の規模は2021年度の1.1兆円から2025年度には1.7兆円(54.5%増)、AI構築サービス市場は同5,000億円から8,000億円(60%増)の成長が見込まれている。
また同社では、「AI構築サービス市場におけるバリューアップ型テーマとランザビジネス型(現行ビジネスの維持・運営)テーマの比率はおおむねIT投資における両予算の配分比率と現在同傾向にあり、また今後は各社のバリューアップ予算配分の増加意向を反映する形でバリューアップ型の比率が拡大するであろうと考え、2021年にはAI構築サービス市場の24%を構成する1,400億円程度の規模が存在し、2025年には33%を構成する2,800億円程度へ拡大すると予想する」と述べている。
2. 「バリューアップ型AIテーマ」の市場
(1) 同社が狙う「バリューアップ型AIテーマ」とは
新規製品・サービス創出やビジネスモデル変革などの新しいビジネス施策展開によって企業成長を図るAI開発テーマを「バリューアップ型AIテーマ」と定義し注力する。
(2) 注力産業分野
同社では、バリューアップ型AIテーマ市場を開拓する切り口として、今後も主に以下の2つの産業分野に注力していく。
(研究開発型産業)
製造業などにおける研究開発を通じて、革新的な製品・サービスの創出を目指す分野。取り組み実績としては、化学・素材メーカー(新規材料の探索や新規製法の考案、研究論文情報の探索・要約)、半導体製造装置メーカー(AIを組み込んだ装置・生産ラインの新規開発)などがある。
(社会基盤・生活者産業)
消費者・生活者に直接製品・サービスを提供したり社会インフラを担う分野。取り組み実績としては、食品メーカー(パーソナル献立提案サービスの開発)、製薬メーカー(パーソナル・ヘルス・レコードデータを活用した個別化医療支援プラットフォームの開発)、消費財メーカー(対話AIを活用した1to1マーケティングサービスの開発)などがある。
3. 今後の成長戦略
(1) 第一段階:成長に向けた“土台づくり”(~2024年9月期)
以下の施策を実施した。
a) 顧客基盤の安定的拡大
・既存顧客の深耕
・新規顧客の獲得
b) ソリューションの整備
・既存VDテーマの営業展開の促進
・新たなVDテーマの掘り起こし
c) 成長を支える体制の整備
・ソリューションデザイナ・機械学習エンジニアの採用の加速化
・新規参画メンバーが迅速に立ち上がり、活躍するための育成の仕組みの整備・強化
・人材が持続的かつエンゲージメント高く働くための環境整備
2024年9月期に表出した体制構築上の課題も踏まえ、2025年9月期はc) 体制の整備については、経営の最重要アジェンダの1つとして注力していく方針である。
(2) 第二段階:カスタムAI事業の確立と非連続な成長機会の模索(2025年9月期以降)
以下の施策を実施していく。
VM/VDの好循環を通じた市場成長を超えるペースでの収益の安定成長
・産業のリーダー企業とのAIの新たな事業価値の共創(VM)
・VMを通じて得られたノウハウの蓄積・ソリューション化
・異業種を含む他社へのソリューションの“面展開”を通じた顧客基盤の拡大(VD)
(3) 第三段階:更なる拡大に向けた新たな事業モデルの確立(長期)
非連続な成長に向けた新たな領域への染み出しの検討
・カスタムAIと補完的な領域(例:システム開発)への進出
・上記に向けたインオーガニックな手法の活用検討
■株主還元策
現在は将来への投資優先で配当は無配
同社は株主還元策として配当を行う予定ではあるが、現在は事業がまだ成長過程であることから内部留保・先行投資を優先し、配当は行っていない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
中长期的增长战略
Laboro.AI<5586>并没有特别发布中期经营计划。不过,正如下面所述,市场环境预计将持续保持稳定,因此计划通过进一步加强为客户执行项目所需的专业人才体系来实现增长。
1. 市场环境:价值提升型AI概念板块的市场规模预测
根据该公司的说明资料,国内AI业务市场的规模预计从2021财年的1.1兆日元到2025财年将达到1.7兆日元(增加54.5%),AI构建服务市场预计将从5,000亿日元增长到8,000亿日元(增加60%)。
此外,该公司表示:“在AI构建服务市场中,价值提升型概念板块与持续运营型(现行业务的维持・经营)概念板块的比例大致与IT投资中两项预算的分配比例相同,并且预计未来各公司的价值提升预算分配意向增加将会推动价值提升型比例的扩大。预计在2021年,AI构建服务市场将构成大约1,400亿日元的规模,占市场的24%;到2025年,该比例将扩大到33%,规模约为2,800亿日元。”
2. “价值提升型AI概念板块”的市场
(1) 本公司所瞄准的“价值提升型AI概念板块”是指通过新产品·服务的创造或商业模式的变革等新业务措施的开展来推动企业成长的AI开发主题。
该主题被定义为“价值提升型AI概念板块”,并得到了重点关注。
(2) 注力行业领域
公司将继续主要关注未来以下两个行业领域,作为开发价值提升型AI概念板块市场的切入点。
(研发型行业)
通过在制造业等领域的研究与开发,旨在创造创新的产品和服务。作为实践成果,包括化学品和材料制造商(探索新材料和新工艺的构思、研究论文信息的探索和总结)、半导体制造设备制造商(嵌入AI的设备和生产线的新开发)等。
(社会基础设施和生活者行业)
在这个领域直接向消费者和生活者提供产品和服务或承担社会基础设施。作为实践成果,包括食品制造商(个人化菜单推荐服务的开发)、制药制造商(利用个人健康记录数据的个性化医疗支持平台的开发)、消费品制造商(利用对话AI进行1对1营销服务的开发)等。
3.未来的增长战略
(1) 第一阶段:为增长打下“基础”(至2024年9月期)
实施了以下措施。
a) 稳定扩大客户基础
・深化现有客户
・获取新客户
b) 完善解决方案
・促进现有VD概念板块的业务拓展
・挖掘新的VD概念板块
c) 完善支持增长的体制
・加速招聘解决方案设计师和机器学习工程师
・完善和强化新成员快速晋升和活跃的培养机制
・为人才持续、高度参与地工作提供环境保障
考虑到2024年9月期显示出的体制结构问题,2025年9月期将把体制建设作为经营最重要的议程之一来重点关注。
(2) 第二阶段:确立定制AI业务并寻找非连续增长机会(2025年9月期以后)
将实施以下措施。
在VM/VD的良性循环中,实现超过市场增长速度的收入稳定增长
・与行业领先企业共创AI的新业务价值(VM)
・通过VM积累获得的知识和经验·解决方案化
·通过在异业种的其他公司的解决方案的“面推广”来扩展客户基础(VD)
(3) 第三阶段:为了进一步扩展而确立的新业务模型(长期)
探索向非连续增长的新领域的渗透
·进军定制AI和补充领域(例如:系统开发)
·考虑利用以上方法的非内部手段
股东回报策略
目前优先考虑未来投资,因此不进行分红
该公司计划作为股东回报措施进行分红派息,但由于目前业务仍在成长过程中优先考虑内部留存和前期投资,因此未进行分红派息。
(作者:日经FISCO客座分析师 寺岛昇)