■エレマテック<2715>の会社概要
2. 特長と強み
(1) 豊富な商材と盤石な顧客基盤
同社の特長としてまず挙げられるのは、多数の取引先と商材を抱える点だ。仕入先は約7,000社(メーカー)にのぼり、一方で約6,000社の販売先(ユーザー)に対して、電子材料や電子部品を中心とする多様な商材の取引を行っている。個別の仕入先及び販売先は開示されていないが、主な販売先上位10社が売上収益の約40%(2024年3月期)を占める。仕入先や販売先、取扱商品の分散によって、特定の顧客や製品の動向に大きく左右されにくい安定した成長が可能となっている。
(2) 提案力と製造能力(拠点)
多数の顧客を抱えていることから、同社は顧客から多くの要望を受ける。その一方で、長年にわたり多くの商材を取り扱ってきたことから、多数の商材の特色・特性を知り尽くしており、これらの知識と過去のノウハウを組み合わせることで、顧客の要望に応えている。顧客のニーズを先読みして、自ら提案する力を有していることが、「受け身」(Passive)の事業展開だけでなく、「能動的」(Active)な事業展開を行える同社の強みである。
さらに同社の場合、製造部門(国内1工場、海外2工場、多数の製造委託先)を有しているため、単に部材を販売するだけでなく、顧客の要望に応じてモジュール品やカスタマイズ品、半製品も提供できる。ある意味で、顧客にとっては「便利で都合の良いベンダー」であり、この事実によって、多くの顧客が同社とのビジネスを長年継続しているとも言え、この点も同社の強みだろう。
(3) 立体的な収益構造
一般的なエレクトロニクス商社の場合、収益拡大のためには顧客(X軸)と商材(Y軸)が重要な要素であり、平面的な収益構造になっている。同社の場合は、これに加えて企画(提案)・製造・品質管理などの第3軸(Z軸)の要素も持つことで、収益構造が立体的になっていると言える。
特に近年は単なる商社機能だけでなく企画力・提案力も強めており、Z軸方向が高く(厚く)なってきている。一般的な建物に喩えれば、高いビルほど強く崩れにくい構造であることと同様で、同社の収益構造は強く、簡単には崩れないと言える。このように立体的な収益構造を有している点も同社の特色であり強みである。
3. 主なサービス・機能
同社は、最適な部材の供給、信用供与・ファイナンス、納期・在庫の管理といったエレクトロニクス商社としてのベーシックなサービス・機能だけでなく、企画開発・設計、製造サービスなど、より高度で付加価値の高いサービス・機能も提供している。同社では特色として以下のような5つのサービス・機能を掲げているが、こうした機能があるからこそ、多様な商材をビジネスにつなげ、業績に落とし込めていると言える。
(1) 企画開発・設計
営業部門・開発部・技術部が連携し、新しいパーツやユニットを企画開発・設計する。
(2) 調達代行サービス
顧客が求める品質・コスト・納期に最適な部材の調達を代行する。
(3) 製造サービス
自社工場や国内外の優良な外部委託を活用し、カスタマイズ品・モジュール品、完成品(ODM)を提供する。
(4) 品質・環境マネジメント
高品質な商材を届けるために、高度な品質管理体制を確立している。
(5) 海外ネットワーク
ワールドワイドなネットワークを使って、スムーズなグローバル物流を実現している。
同社は、単純な商社機能に付加価値の高いサービス・機能を加えることで相対的に高い売上総利益率を維持している。今後も5つのサービス・機能の活用により、同社の売上総利益率はさらに向上していくことが期待できる。
「成長分野に乗れる体質」で収益成長を維持
4. 長期業績推移
同社の長期的な業績推移を振り返ると、浮沈の激しいエレクトロニクス業界に身を置きながら、経済サイクルや製品サイクルなどの波を乗り越えて安定成長を果たしてきたと言える。2000年代初めは携帯電話関連で伸長し、FPC(プリント配線板)の部材や基板実装、光学フィルムなどが主要な商材だった。これらの製品により、2008年3月期に売上高は初めて1,000億円を超えた。その後、テレビの地上波デジタル放送への移行などもあって液晶テレビ関連の部材が大きなビジネスとなった。また、2010年以降はスマートフォンやタブレットが急成長し、同社はそこに各種フィルム類やガラス類などを販売してリーマンショックからの迅速な回復と、連続で最高益の更新を達成し、2016年3月期には売上高は初めて2,000億円超となった。ここ数年はスマートフォン市場の成熟化により業績の踊り場を迎えた形となっているが、ODM製品としてドライブレコーダーを販売するなど企画力・提案力の強化により成長を維持しており、2023年3月期には過去最高の売上高2,397億円を達成した。さらに同社にとって次の成長市場は自動車関連と海外に移行しつつある。多数の取引先と多様な商材を有するだけでなく、提案力・製造能力も持っている同社の商機が一段と拡大すると期待される。
このように同社は、その時々の市場や状況に応じて適切な部品や製品を提供することで成長を維持してきた。これは「機を見るに敏な戦略」とも言えるが、実際は「勝ち馬に乗れる体質」が同社の強みであり特色であると弊社では見ている。同社は、幅広い顧客基盤、多くの商材、加えて開発力を備えているからこそ「成長分野に乗れる体質」、言い換えれば「勝ち馬に乗れる体質」であるから持続的な成長ができるのであって、どの企業でも可能なことではない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
■埃雷马特克<2715>的公司资料
2. 特点与优势
(1) 丰富的商品和稳固的客户基础
该公司的特点首先在于拥有众多的交易伙伴和商品。其供应商约有7,000家(制造商),而销售对象约为6,000家(用户),主要进行以电子材料和电子元器件为中心的多样商品交易。尽管未公开个别的供应商和销售对象,但主要销售对象前10家公司占据了营业收入的约40%(2024年3月期)。通过供应商和销售对象,以及取扱商品的分散,使得公司能够在很大程度上不受特定客户或产品动态的影响,实现稳定增长。
(2) 提案能力和制造能力(据点)
由于拥有众多客户,公司会收到许多客户的需求。同时,由于多年来处理了许多商品,充分了解众多商品的特色和特性,通过结合这些知识和过往的经验,公司能够满足客户的需求。能够预测客户的需求并主动提出建议的能力是公司在开展“被动”(Passive) 业务拓展的同时,也能进行“主动”(Active) 业务拓展的优势。
此外,在该公司的情况下,由于拥有制造部门(国内1个工厂、境外2个工厂以及众多制造委托商),不仅能销售部件,还能根据客户需求提供模块产品、定制品以及半成品。从某种意义上说,公司是客户“方便且合适的供应商”,而正是这一事实使得许多客户能够与公司长期维持业务关系,这也是公司的优势所在。
(3) 立体的收益结构
一般的的电子元器件商社在收益扩展方面,客户(X轴)和商品ETF(Y轴)是重要因素,形成了平面的收益结构。就该公司而言,除了这些因素外,还具备企划(提案)・制造・质量管理等第三轴(Z轴)要素,使收益结构变得立体化。
尤其是近年来,不仅仅强化了商社功能,还增强了企划力和提案力,Z轴方向也变得更高(更厚)。用一般建筑来比喻,越高的建筑越强,越不容易崩溃,公司的收益结构也很强,不易崩溃。具备这种立体的收益结构也是该公司的特色和优势。
3. 主要服务・功能
该公司不仅提供优化的元件供应、信用提供・融资、交期・库存管理等电子元器件商社的基础服务・功能,还提供企划开发・设计、制造服务等更高级和高附加值的服务・功能。该公司作为特色列出了以下五个服务・功能,正因为有这些功能,才能将多样化的商品ETF与业务连接起来,并转化为业绩。
(1) 企划开发・设计
销售部门・开发部・技术部协作,企划开发・设计新的元件或单元。
(2) 采购代行服务
代为采购客户所需的质量・成本・交期最优的元件。
(3) 制造服务
利用自有工厂及国内外优秀的外包,提供定制品、模块件和成品(ODM)。
(4) 质量与环境管理
为了提供高质量的商品,建立了高度的质量管理体系。
(5) 境外网络
通过全球网络,实现顺畅的全球物流。
本公司通过为单一的商社功能增加高附加值的服务和功能,维持相对较高的营业收入毛利率。预计未来通过五项服务和功能的利用,公司营业收入毛利率将进一步提升。
保持在“能够乘上成长领域”的体质下实现收益增长。
4. 长期业绩推移
回顾该公司的长期业绩进展,可以说在波动剧烈的电子行业中,克服了经济周期和产品周期等波动,实现了稳定增长。2000年代初期,因手机相关业务的增长,FPC(印刷电路板)材料和基板组装、光学薄膜等成为主要商品。凭借这些产品,2008年3月期的营业收入首次超过1,000亿日元。随后,因电视的地面数字广播的过渡,液晶电视相关的元件成为了重要的业务。此外,自2010年以来,智能手机和平板电脑快速增长,该公司通过销售各种薄膜和玻璃等产品,实现了从雷曼危机中的迅速复苏,并连续创造最高利润,2016年3月期的营业收入首次超过2,000亿日元。近几年,因智能手机市场的成熟,业绩迎来了平台期,但通过销售作为ODM产品的行车记录仪等,强化了企划能力和提案能力,保持了增长,2023年3月期实现了历史最高的营业收入2,397亿日元。此外,对该公司来说,下一个增长市场正在转向汽车相关和境外市场。预计该公司不仅拥有众多交易伙伴和多样化的商品,还具备提案能力和制造能力,其商机将进一步扩大。
因此,该公司通过根据当时的市场和情况提供适当的元件和产品,保持了增长。这可以称之为“机敏的战略”,但实际上我们认为,实际上是“能够搭乘赢家之马的体质”,这是该公司的强项和特色。正因为该公司拥有广泛的客户基础、多种商品,及开发能力,才能够具备“能够搭乘增长领域之马的体质”,换句话说,拥有“能够搭乘赢家之马的体质”,从而实现可持续增长,这并不是任何企业都能做到的。
(作者:日经FISCO客座分析师 寺岛昇)