■企業特長
1. 独自のブランドマネジメントによる収益の安定と成長の両立
業態開発力を生かした保有ブランドの多様性(ブランドポートフォリオ)は、環境変化への機動的な対応や主力ブランドのライフサイクルの分散を図ることで、収益の安定と持続的な成長の両立を実現するものである。2020年以降のコロナ禍においては、度重なる緊急事態宣言など(休業及び時短要請、酒類提供の制限)により業態全般で想定を超える影響を受ける状況となったが、カフェ業態やアミューズメント業態、専門料理業態など、業態によって影響の大きさや回復スピードに違いがあり、ブランドポートフォリオの最適化による効果自体を否定するものではない。今後はアフターコロナを見据えた、ブランドポートフォリオの再構築(外食領域以外でのブランド開発を含む)を推進するとともに、投資の選択と集中にも取り組む方針である。
2. ドミナント展開による効率性及び回遊性の向上
DDグループ<3073>は、保有ブランドの多様性を生かしたドミナント展開を基本としている。好立地への集中出店は、集客面で有利であることに加えて、物流コストの削減など効率性を高めることが可能となる。特に、同社の場合は、ブランドの役割や特性が異なることから、立地に見合ったブランドでの出店が可能なうえ、ブランド間競合(カニバリゼーション)が少なく、ブランド間で顧客の回遊性を高める相乗効果も発揮している。相次ぐM&Aにより首都圏以外の主要都市へ出店エリアが拡大してきたが、そこでもドミナント出店を基本に据える方針である。都心を中心とする店舗展開はコロナ禍の影響を大きく受けたものの、人の流れが戻ってきたことで立地の優位性が復活してきた。また、好立地の店舗資産や空間活用ノウハウは、これからの新規事業の立ち上げや他社とのコラボレーションにおいて大きな武器となる可能性が高い。
3. 独自のコンセプトに基づく個性的な店舗づくり
独自の発想による業態開発並びに店舗づくりも同社の特長(強み)である。「コンセプト」「空間」「ストーリー」を重視した個性的な店舗づくりやスタッフが歌を唄い顧客を熱狂(歓喜)させる「宴」の演出は、他社との差別化要因である。また同社は、「お客様歓喜」を経営理念に掲げており、さらなる同業他社との差別化を推進することに加え、異業種や他社保有IP(アニメやゲームなど)を含めた外部資源との融合(コラボレーション)による新しい価値創造など、経営理念を追求し続ける方針である。
4. 数々のM&Aを成功に導いてきた組織能力
同社の成長を支えてきた要因として、M&Aも重要な役割を担ってきた。規模拡大のみならず、フードスコープの買収により、中・高客単価業態の獲得、バグースの買収によるアミューズメント事業への参入や、商業藝術及びエスエルディーの買収によるカフェ業態、IP事業の獲得など、飲食事業領域の拡大(業態ポートフォリオの最適化)に向けた足掛かりになるとともに、同社グループの経営理念や経営資源、運営ノウハウなどを共有することにより、グループ一体となった価値創造(シナジー創出)を実現した点は高く評価できる。また、そこで培ってきた経験則や組織能力は、今後のグループ再編やM&A戦略においても大きなアドバンテージになると考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
■企业特点
1. 通过独特的品牌管理实现收益的稳定与增长
利用业态开发能力所拥有品牌的多样性(品牌组合),通过灵活应对环境变化和主力品牌生命周期的分散,实现收益的稳定和可持续增长。在2020年以后的疫情期间,由于多次紧急状态宣言(暂停营业及时缩短营业时间的请求、酒类供应限制),各业态普遍受到超出预期的影响,然而在咖啡业态、娱乐业态、专业料理业态等方面,各业态的影响程度和恢复速度存在差异,这并不否认品牌组合优化所带来的效果。未来,我们计划推进基于后疫情时代的品牌组合重构(包括在餐饮领域以外的品牌开发),并致力于投资的选择与集中。
2. 通过主导性展开提高效率及回游性
DD群<3073>在以保有品牌的多样性为基础的主导性展开中,集中在优良地段的开店不仅在吸引客流方面具有优势,还能提高效率,例如降低物流成本。特别是,对于本公司而言,由于品牌的角色和特性有所不同,因此可以在与地理位置相适应的品牌中开店,品牌之间的竞争(同类竞争)较少,同时也能够发挥品牌之间增强顾客回游性的协同效应。通过频繁的并购,除了首都圈之外的主要城市开店区域不断扩大,但此时也基本以主导性开店为方针。尽管以市中心为主的店铺展开受到疫情的重大影响,但随着人流的恢复,地理位置的优势也逐渐恢复。此外,优良地段的店铺资产和空间利用经验,未来在新业务的启动和与其他公司的合作中,可能成为一项重大武器。
3. 基于独特概念的个性化店铺建设
独特的思考方式进行业态开发和店铺建设也是本公司的特点(优势)。重视“概念”、“空间”、“故事”的个性化店铺建设,以及员工唱歌来让顾客狂热(欢喜)的“宴会”演出,都是差异化的因素。此外,公司将“顾客欢喜”作为经营理念,除了推动与同行业其他公司的进一步差异化外,还继续追求与其他行业和公司拥有的IP(如动画和ARVR游戏等)融合(合作)所创造的新价值的方针。
4. 成功引导多个并购的组织能力
同公司成长的因素中,M&A也发挥了重要作用。不仅是规模扩大,通过收购Food Scope获取中高端客单价业态、通过收购Bagus进入娱乐事业,以及通过收购商业艺术和SLD获取咖啡业态和IP业务等,这些都成了饮食事业领域拓展(业态组合优化)的踏脚石。同时,通过共享公司群的经营理念、经营资源和运营经验,实现了群体一体化的价值创造(协同效应),这一点值得高度评价。此外,在那里培养的经验法则和组织能力,预计在未来的集团重组和M&A战略中也将成为很大的优势。
(撰写:FiSCO客座分析师柴田郁夫)