■会社概要・事業概要
1. 会社概要
オーバル<7727>は、1949年5月に創業された流量計のパイオニアで、流体計測機器メーカーの専業最大手である。社名のオーバル(OVAL)とは、卵型や長円形を示す言葉であり、楕円形の歯車が流れとともに回転することで流体の体積を計測するという同社のルーツでもある看板製品を表すものである。工場やプラントなどを対象とするBtoBビジネスが主体で、生産工程において「石油(灯油・ガソリン・重油)」「水」「気体」などの流れるもの(流体)を計測する流量計を主要な製品とし、その他システムソリューションなど流体に関するビジネスを創業以来70年以上続けてきた。今後もモノづくりの自動化には、流量計などのセンサが不可欠であり、産業を支えるマザーツールを長年培ってきた技術とともに提供する計画である。
同社は、東京都新宿区に本社を置き、傘下に連結子会社11社(国内4社、海外7社)を有し、特に中国・韓国・中国台湾・東南アジアなどアジアを中心にグローバル展開している。2024年3月31日現在の連結従業員数は698名で、現在は東証スタンダード市場に上場している。2011年6月より谷本 淳(たにもと じゅん)氏が代表取締役社長を務め、中長期経営ビジョン及び中期経営計画に基づいて「アジアNo.1のセンシング・ソリューション・カンパニー」を目指している。また、同社の知名度アップ戦略の一環として、マスコットキャラクターの「おーちゃん」と「ばるちゃん」をWebサイトや決算説明資料などに活用しているほか、クロスカントリースキーヤーの宮崎日香里選手と所属契約を結んでいる。
2. 沿革
同社の前身となる「オーバル機器工業株式会社」は1949年5月に設立され、1992年12月に現在の「株式会社オーバル」に社名変更した。設立以降、連結子会社を現在の11社に増やし、事業領域も拡大してきた。現在では、各種流量計、計測管理及びエネルギー管理用諸機器、諸装置及び流体制御装置などの工場用計測機器等の製造・販売事業を中心として、関連するメンテナンスや流量計の検定業務を行うサービス部門事業なども展開している。2006年9月には、JCSS(計量法校正事業者登録制度)に基づく登録を取得しており、「校正品質」という付加価値で顧客の課題を解決することが同社の強みとなっている。同社は1961年7月に東証2部に上場し、2014年5月に東証1部に指定変更、2022年4月には東証プライム市場へ移行したが、2023年10月より東証スタンダード市場に移行している。これは、プライム市場上場基準に到達することに偏重することなく、堅実で地に足をつけた経営を行うことが最適かつ最良の選択であるとの経営判断によるものである。
3. 事業内容
同社グループは、計測機器等の製造・販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しているが、事業部門別の開示をしている。センサ部門は、流量計をはじめとする計量計測機器及び関連機器の製造販売を行っている。システム部門は、流体計測制御に関連する製造、出荷、検査、分析等のシステム装置の設計、開発、販売・施工を担う。サービス部門は、製品のフィールド対応、修理、メンテナンス及び校正事業(JCSS含む)を行う。同社では工業計器を中心に取り扱っており、一般的な家庭用の水道・ガスなどのメータは取り扱っていない。
2025年3月期中間期の事業部門別の売上構成比は、センサ部門が67.3%、システム部門が12.9%、サービス部門が19.8%である。利益率はセンサ部門が最も高く、サービス部門、システム部門が続く。このように、売上高・利益において、センサ部門が同社の主力事業である。システム部門は国際競争が激しい分野だが、同社では成長する余地が大きく長期的には有望な分野と見ている。地域別売上高では国内が中心であるが、アジアを中心に海外売上高も20~30%を占めており、2023年3月期からスタートした中期経営計画では「アジアNo.1」をキーワードに、さらなる躍進を目指している。なお、センサ部門・システム部門は海外展開をしているが、サービス部門は国内が中心である。
4. 同社の強み
「幅広い製品ラインナップ」「流量計を中核としたシステム・サービス」「計量標準の供給を担うJCSS(計量法校正事業者登録制度)」の3つが同社の強みである。
第1の「幅広い製品ラインナップ」では、工業計器の分野において、容積流量計、コリオリ流量計、渦流量計、超音波流量計、熱式質量流量計、タービン流量計、電子計器、その他周辺機器など、低温から高温までの液体・ガス・蒸気を幅広く計測する製品を提供するのは同社のみである。なかでも容積流量計、コリオリ流量計、渦流量計は同社の主力製品であり、センサ部門売上高の90%を占めるとともに、容積流量計は国内市場シェアの約50%を占めている。同社のこの幅広い製品群に対して、業界大手の横河電機<6841>や、東芝インフラシステムズ(株)などでは一部の流量計にとどまる。
第2の「流量計を中核としたシステム・サービス」では、流体計測制御システムで受入出荷システムや検定システムを提供し、サービス・校正(計器類の狂い・精度を標準器と比べることで正すこと)として現地での修理・メンテナンスを行い、移動検定車も保有している。このように、計測機器の製造・販売だけでなく、幅広いネットワークを持ち、システム・サービスまでカバーしている。
第3の「計量標準の供給を担うJCSS」について、同社は「石油(灯油・ガソリン・重油)」「水」「気体」3種類の流量で計量法に基づくJCSS登録を有している唯一のJCSS登録事業者であり、特に石油の校正可能流量は国内校正事業者では最大で、流量範囲も国内校正事業者では最も広い範囲である。様々なタイプの流量計に対し、異なる液種でかつ広い流量範囲でJCSS校正が可能であることを生かし、同社は流量計に対して「校正品質」という付加価値で顧客の課題を解決している。同社製品のみならず、他社製品の流量計についても校正サービス(流量計の検査)を提供しており、今後は自動車会社や薬品会社などが保有している流量計にもサービスを拡大する計画である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
■公司概况/业务概述
1。公司概述
Oval (7727) 是流量计的先驱,成立于 1949/5 年,是最大的专门生产流体测量设备的制造商。公司名称椭圆形(OVAL)是一个表示鸡蛋形状或长方形的词,它代表着一种标志性产品,也是该公司通过随流量旋转来测量流体量的根源。以工厂和工厂为目标的BtoB业务是主要产品,用于测量生产过程中的 “石油(煤油、汽油、重油)”、“水” 和 “气体” 等流动物体(流体)的流量计是主要产品,与其他系统解决方案等流体相关的业务自成立以来已持续了70多年。展望未来,流量计等传感器对于自动化制造至关重要,计划提供支持该行业的母工具以及多年来培育的技术。
该公司总部位于东京新宿区,旗下有11家合并子公司(4家国内公司,7家海外公司),并且正在全球扩张,特别是在中国、韩国、台湾和东南亚等亚洲。截至2024/3/31年,合并员工人数为698人,目前在东京证券交易所标准市场上市。谷本纯先生(谷本纯)自2011年6月起担任总裁兼首席执行官,目标是根据中长期管理愿景和中期管理计划,成为 “亚洲第一传感解决方案公司”。此外,作为公司知名战略的一部分,除了在网站和财务业绩说明材料等上使用吉祥物角色 “O-chan” 和 “Baru-chan” 外,还与越野滑雪运动员宫崎光签署了加盟协议。
2。历史
该公司的前身 “椭圆设备有限公司” 成立于1949/5年,并于1992/12年更名为现在的 “Oval Co., Ltd.”。自成立以来,合并子公司的数量已增加到目前的11家公司,业务领域也有所扩大。目前,一项服务部门业务也在开发中,负责流量计的相关维护和检查工作,该业务以各种流量计、各种测量管理和能源管理设备、工厂测量设备等(例如各种设备和流体控制设备)的制造和销售业务为中心。2006/9年,获得了基于JCSS(计量校准业务注册系统)的注册,以 “校准质量” 的附加值解决客户问题已成为公司的强项。该公司于1961/7年在东京证券交易所第二部上市,2014/5年改名为东京证券交易所第一部,并于2022/4年过渡到东京证券交易所主要市场,但自2023/10年度以来已过渡到东京证券交易所标准市场。这是因为管理层认为,在不专注于达到Prime市场上市标准的情况下进行稳定而扎实的管理是最佳和最佳选择。
3.业务内容
由于公司集团是测量仪器等的制造和销售业务的单一部门,因此省略了分部信息的描述,但由业务部门披露。传感器部门制造和销售测量设备及相关设备,首先是流量计。系统部负责设计、开发、销售和建造与流体测量和控制相关的系统设备,用于制造、运输、检查、分析等。该服务部门开展产品现场支持、维修、维护和校准业务(包括JCSS)。该公司主要经营工业仪器,不经营普通家用水、煤气等仪表。
在截至2025/3财年的中期财年中,按业务部门划分的销售构成比率为传感器部门的67.3%,系统部门的12.9%,服务部门的19.8%。传感器行业的利润率最高,其次是服务部门和系统部门。因此,就销售额和利润而言,传感器部门是公司的主要业务。系统部门是国际竞争激烈的领域,但该公司看到了充足的增长空间,从长远来看前景光明。国内销售以地区销售为中心,但以亚洲为主的海外销售也占20%至30%,在截至2023/3财年的中期管理计划中,他们的目标是以 “亚洲第一” 为关键词实现进一步突破。注意,传感器部门和系统部门正在向海外扩展,但服务部门主要在国内。
4。公司的优势
该公司的三大优势是 “广泛的产品阵容”、“以流量计为中心的系统和服务” 以及负责提供测量标准的 “JCSS(测量法校准企业注册系统)”。
在第一个 “广泛的产品阵容” 中,该公司是唯一一家提供从低温到高温测量各种液体、气体和蒸汽的产品的公司,例如体积流量计、科里奥利流量计、涡街流量计、超声波流量计、热质量流量计、涡轮流量计、电子仪器以及工业仪器领域的其他外围设备。其中,体积流量计、科里奥利流量计和涡街流量计是该公司的主要产品,它们占传感器部门销售额的90%,体积流量计约占国内市场份额的50%。为了应对该公司广泛的产品范围,业内主要公司横河电机(6841)和东芝基础设施系统有限公司等公司仅限于某些流量计。
第二项 “以流量计为核心的系统服务” 提供验收和装运系统以及带有流体测量和控制系统的检查系统,以服务/校准的形式进行本地维修和维护(通过与标准仪器进行比较来纠正仪器的误差/精度),还拥有移动认证车辆。因此,它不仅制造和销售测量仪器,而且还拥有广泛的网络并涵盖系统和服务。
关于第三个 “负责提供测量标准的JCSS”,该公司是唯一一家根据《计量法》对三种 “石油(煤油/汽油/重油)”、“水” 和 “天然气” 进行JCSS注册的JCSS注册运营商,特别是可以校准石油的流速是国内校准器中最大的,流量范围也是在国内校准操作员中范围最广。由于可以对不同的液体类型进行JCSS校准,并且可以对各种类型的流量计进行宽流量范围校准,该公司正在利用流量计 “校准质量” 的附加值来解决客户问题。不仅为公司的产品提供校准服务(流量计检查),还为其他公司产品的流量计提供校准服务(流量计检查),计划将来将该服务扩展到汽车公司、制药公司等拥有的流量计。
(由FISCO客座分析师国茂树撰写)