■要約
テクマトリックス<3762>は、情報基盤事業とアプリケーション・サービス事業、医療システム事業を展開する。情報基盤事業では、独自の“目利き力”により、北米を中心に高い技術力、競争力、成長力を持つネットワーク及びセキュリティ関連の製品を見出し、製品販売にとどまらずシステム構築、保守・サポート、運用・監視サービスまでを含めたワンストップ・ソリューションサービスを提供している。また、アプリケーション・サービス事業では、CRM、ビジネスソリューション、ソフトウェア品質保証(以下、SE)及び教育の4つの分野でソリューションサービスを展開、医療システム事業は医療機関向けPACS※が主力製品・サービスであり、稼働施設数ベースのシェアで約2割、クラウドPACSだけで見ると約7割の高シェアを握る。
※ PACS(Picture Archiving and Communication Systems):MRIやCT、超音波診断装置、内視鏡、PETなどの医療検査機器で撮影された画像データを受信、データベースへ保存し、端末に表示するシステム。
1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期中間期(2024年4月~9月)の連結業績は、売上収益で前年同期比25.4%増の30,841百万円、営業利益で同32.5%増の3,023百万円といずれも期初計画(売上収益27,400百万円、営業利益2,600百万円)を上回り、過去最高を更新した。情報基盤事業において、次世代ファイアウォールの大型案件も含め情報セキュリティ対策製品・サービスが好調に推移したのが主因で、同事業は売上収益で同34.7%増の22,046百万円、営業利益で同50.8%増の2,559百万円と大幅増収増益となった。また、連結受注高は3事業すべて増加し同49.3%増の43,485百万円となり、中間期末の受注残高も複数年契約の案件が増加したことにより同42.7%増の81,210百万円と大幅に積み上がった。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は売上収益で前期比20.8%増の64,400百万円、営業利益で同19.7%増の7,000百万円と期初計画(売上収益59,000百万円、営業利益6,500百万円)を上方修正した。営業利益に関しては中間期までの上振れ分をほぼスライドさせた格好だが、足元の為替動向や景気動向が不透明なことから保守的に見直したもので、市場環境が大きく変化しなければ情報基盤事業を中心にさらに上乗せされる可能性があると弊社では見ている。なお、2024年11月にマレーシアの大手サイバーセキュリティ事業者であるFirmus Sdn.Bhd.の全株式を取得し、子会社化したことを発表した。両社のサービスやノウハウを補完しあい、専門性の深掘り・販売網の拡大を図ること、また経済成長率の高い東南アジア市場で事業基盤を構築し、同地域の成長を取り込んでいくことが子会社化の狙いだ。2025年3月期の連結業績への影響は軽微だが、Firmusの売上成長率は年率15%以上の成長が期待できると見ており、中長期的に業績貢献するものと期待される(Firmusの2023年12月期の業績は売上収益で22.0億円、営業利益で4.8億円)。
3. 中期経営計画「Creating Customer Value in the New Era」の進捗状況
2024年5月に発表した新中期経営計画「Creating Customer Value in the New Era」(2025年3月期~2027年3月期)では、新たな時代が到来するなかでも、「目利き力」と「業務ノウハウ」を詰め込んだソリューションで社会課題を解決し、より良い未来を創造する会社であり続け、より多くの顧客価値を提供することで収益成長を目指す方針を掲げた。経営数値目標としては、売上収益で75,000百万円、営業利益で8,200百万円を設定したが、初年度となる2025年3月期の業績が計画を上回る進捗となっていることや、新たにFirmusを子会社化したこともあり、2025年5月の本決算発表とあわせて修正目標を発表する予定にしている。引き続き情報基盤事業がけん引することに変わりないが、PACSのクラウドシフトを進めている医療システム事業も2027年3月期以降、成長軌道に入る見込みとなっている。また、アプリケーション・サービス事業もCRM分野やSE分野を中心にストック売上高の積み上げが進んでいることから、安定成長が見込まれる。株主還元方針は連結配当性向で30%以上を目安としており、2025年3月期の1株当たり配当金で前期比4.0増配の32.0円(配当性向同31.3%)と10期連続の増配を行う予定だ。
■Key Points
・2025年3月期の中間期の業績は情報基盤事業がけん引し計画を上回る大幅増収増益に
・下期も旺盛な需要が続き上方修正した2025年3月期の業績は上振れ余地残す
・潜在成長力の高い東南アジア市場を取り込むべく、大手サイバーセキュリティ事業者のFirmusを子会社化
・中期経営計画の初年度は順調な滑り出し、2026年3月期以降の業績目標は2025年5月に修正発表予定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
■摘要
テクマトリックス<3762>正在开展信息基础设施业务、应用服务业务和医疗系统业务。在信息基础设施业务中,凭借独特的“鉴别能力”,公司发掘了以北美为中心的具有高技术能力、竞争力和成长能力的网络及安防-半导体相关产品,不仅包括产品销售,还提供涵盖系统构建、维护与支撑位、运营与监控服务的一站式解决方案服务。此外,在应用服务业务中,公司在客户关系管理、业务解决方案、软件质量保证(以下简称SE)及内地教育股等四个领域提供解决方案服务,医疗系统业务以医疗机构用PACS为主力产品及服务,按运营设施数量的市场份额约为20%,仅查看云PACS则市场份额更是高达约70%。
※ PACS(图像存档与通信系统):接收由MRI、CT、超声诊断设备、内窥镜、PET等医疗检测设备拍摄的图像数据,将其保存至数据库,并在终端显示的系统。
1. 2025年3月期中期的业绩概要
2025年3月期中间期(2024年4月至9月)的合并业绩中,营业收入同比增长25.4%,达到30,841百万元,营业利润同比增长32.5%,达到3,023百万元,均超出了期初计划(营业收入27,400百万元,营业利润2,600百万元),创下历史新高。在信息基础设施业务中,包括下一代防火墙的大型项目在内的信息安全防护产品及服务表现良好,成为主要原因,该业务的营业收入同比增长34.7%,达到22,046百万元,营业利润同比增长50.8%,达到2,559百万元,分别大幅增长。此外,合并订单量在三项业务中全部增长,同比增长49.3%,达到43,485百万元,中期末的订单余额也因多年的合约项目增加而同比增长42.7%,达到81,210百万元,明显上升。
2. 2025年3月期的业绩预测
2025年3月期的合并业绩显示,营业收入较上期增长20.8%,达到64,400百万元,营业利润同样增长19.7%,达到7,000百万元,并对期初计划(营业收入59,000百万元,营业利润6,500百万元)进行了上调。关于营业利润,中间期的上浮部分几乎被滑移了,但鉴于目前的汇率趋势和经济形势不明朗,因此进行了保守的调整。我们认为,除非市场环境发生重大变化,否则围绕信息基础设施业务可能会进一步增加。此外,我们在2024年11月宣布收购马来西亚大型网络安全概念厂家Firmus Sdn.Bhd.的全部股票,成为其子公司。双方的服务和专业知识相互补充,力求深化专业性和扩展销售网络,并在经济增长率较高的东南亚市场建立业务基础,以吸引该地区的增长。这次收购对2025年3月期的合并业绩影响轻微,但预计Firmus的营业收入增长率可望达到15%以上,预计将对中长期业绩做出贡献(Firmus的2023年12月期业绩为营业收入22.0亿日元,营业利润4.8亿日元)。
3. 中期经营计划“在新时代创造客户价值”的进展情况
在2024年5月发布的新中期经营计划《在新时代创造客户价值》(2025年3月期~2027年3月期)中,提出了即使在新时代到来之际,也要通过蕴含“鉴别能力”和“业务经验”的解决方案来解决社会问题,继续成为创造更美好未来的公司,并通过提供更多客户价值来实现收益增长的方针。作为经营数值目标,设定了营业收入为750亿日元,营业利润为82亿日元,但作为第一年度的2025年3月期的业绩已经超出计划进展,并且由于新近将Firmus并入子公司,因此计划在2025年5月的本决算发布时一并公布修正目标。虽然持续由信息基础产业驱动,但医疗系统事业也在推进PACS的云转型,预计在2027年3月期后将进入增长轨道。此外,由于应用服务业务在CRM领域和SE领域的存量营业收入不断增加,因此预计将实现稳定增长。股东回报方针以合并分红派息率30%以上为目标,2025年3月期的每股分红将增加到32.0日元(分红派息率同31.3%),预计连续10期增配。
■关键点
·2025年3月期的中期业绩预计由信息基础产业推动,超出计划实现大幅增长的营业收入和营业利润。
·下半年的旺盛需求持续,2025年3月期上调的业绩仍有上升空间。
·为吸纳潜在增长力强的东南亚市场,已将大型网络安全概念公司Firmus纳入子公司。
·中期经营计划的第一年度顺利开局,2026年3月期之后的业绩目标计划于2025年5月修正发布。
(撰写:FISCO客座分析师佐藤让)