■AIAIグループ<6557>の事業概要
5. リスク要因と対策・課題
保育分野における一般的なリスク要因としては、利用者の減少、国や自治体による政策変更、関連法規制や許認可、施設における事故や感染症、保育士の確保や競合激化などが挙げられる。保育分野においては待機児童問題の解消が進み、今後は利用者減少によって競争激化や採算性低下も想定されている。しかし、保育分野の待機児童問題が解消に向かう一方で、障害児の数が増加傾向という事業環境の変化のあり、事業環境はおおむね良好に推移すると弊社では考えている。
なお、こども家庭庁は少子化対策及び教育・保育の質の向上のための取り組みとして、保護者の就労を問わず生後6ヶ月から3歳未満の子どもは保育を利用できる「こども誰でも通園制度」の創設、職員配置基準改善、出産を機に退職した親が再就職する際に子どもを保育所に預けやすくする「入所予約枠」制度の開始、これまで特別区で運用していた地域限定保育士の全国展開の開始、保育士不足解消に向けた保育補助者支援金の有資格者への拡大など、2024年度から保育政策が大きく転換する。
同社は千葉県を中心とするドミナント戦略などを推進し、保育分野にとどまらず、需要が高まっている未就学児の療育の分野においても豊富なノウハウと実績を有するなど競合優位性を維持している。また、今後は事業環境の変化に対応して、AIAI PLUSやAIAI VISITの拡大など新たなビジネスモデル構築を推進する方針としている。2024年度からの保育政策転換も、競合優位性を発揮してビジネスチャンス拡大につながる可能性があるだろうと弊社では考えている。
■業績動向
2025年3月期第2四半期累計(中間期)は大幅増益と順調
1. 2025年3月期第2四半期累計(中間期)連結業績の概要
2025年3月期第2四半期累計(中間期)の連結業績は、売上高が前年同期比6.8%増の6,032百万円、営業利益が同19.0%増の244百万円、経常利益が同35.3%増の208百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同913.0%増の185百万円だった。売上面では介護事業譲渡に伴う減収要因があったものの、既存施設の園児数の増加や新規施設開設により増収となった。利益面では、新規施設開設に伴う保育士増、保育士の負担軽減のための増配置、保育士の処遇改善のための冬季賞与引当金計上等で人件費が増加したが、増収効果や業務効率化などで吸収して大幅増益と順調だった。親会社株主に帰属する中間純利益については介護事業譲渡に伴う特別利益計上が寄与した。新規開設はAIAI NURSERYが3施設(東京都1施設、千葉県2施設)、AIAI PLUSが1施設(神奈川県)で、中間期末時点の施設数はAIAI NURSERYが87施設、AIAI PLUSが21施設の合計108施設となった。2024年9月末時点のAIAI NURSERYの園児数は前年同月末比237人増加して5,006人、充足率は前年同月末と同水準の95%となった。
売上総利益は前年同期比11.6%増加し、売上総利益率は同0.6ポイント上昇して14.9%となった。販管費は株主優待費用の計上や新規事業への投資(AIAI VISITやM&A)などで同9.0%増加し、販管費率は同0.2ポイント上昇して10.9%となった。この結果、営業利益率は同0.5ポイント上昇して4.1%となった。営業利益39百万円増加の内訳は、売上高要因で合計373百万円増加(既存施設で364百万円増加、新規施設で193百万円増加、前期の年度末調整等の影響で39百万円増加、介護事業譲渡で223百万円減少)、売上原価要因で合計290百万円減少(人件費増加で383百万円減少、採用費増加で22百万円減少、その他原価の増加で89百万円減少、介護事業譲渡による人件費等減少で204百万円増加)、販管費要因で合計54百万円減少(株主優待費用計上で20百万円減少、その他の販管費増加で54百万円減少、介護事業譲渡による販管費減少で20百万円増加)だった。なお営業外収益では補助金収入12百万円(前年同期はなし)計上、営業外費用では新規施設開設が前期よりも少なかったため開園準備費が11百万円減少、特別利益では関係会社株式売却益35百万円及び短期売買利益受贈益20百万円を計上、特別損失では減損損失が57百万円減少(前年同期は145百万円計上、当中間期は88百万円計上)した。
財務面に特段の懸念材料はなし
2. 財務の状況
財務面で見ると、2025年3月期中間期末の資産合計は前期末比554百万円減少して11,103百万円となった。主に現金及び預金が274百万円増加、投資有価証券が534百万円増加した一方で、売掛金及び契約資産が276百万円減少、未収入金が446百万円減少、リース資産(純額)が148百万円減少、建設仮勘定が460百万円減少、のれんが58百万円減少した。負債合計は同1,345百万円減少して8,566百万円となった。主に賞与引当金が90百万円増加した一方で、長短借入金残高が889百万円減少して6,707百万円となったほか、未払法人税等が136百万円減少、未払費用が137百万円減少、リース債務が137百万円減少した。純資産合計は791百万円増加して2,536百万円となった。主に資本剰余金が133百万円増加、利益剰余金が185百万円増加したほか、その他有価証券評価差額金が339百万円増加した。この結果、自己資本比率は同7.8ポイント上昇して22.7%となった。なお、2024年8月に千葉銀行<8331>とコミットメントライン契約(借入極度額500百万円)を締結した。
有利子負債の削減が進展し、自己資本比率が大幅に上昇した。中長期的には利益積み上げによって財務基盤を一段と強固にすることが課題となるものの、現在は成長過程にあることなどを勘案すれば、財務面に特段の懸念材料はないと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
■AIAI集团<6557>的业务概要
5. 风险因素与对策・课题
保育领域的一般风险因素包括:用户减少、国家和地方政府的政策变化、相关法律法规或许可、设施内的事故和疫情、保育员的招聘及竞争加剧等。保育领域在解决待机儿童问题上取得进展,未来预计由于用户减少,将出现竞争加剧和盈利能力下降的情况。然而,保育领域待机儿童问题的解决与残疾儿童数量的增加趋势相伴随,这种商业环境的变化使我们认为整体业务环境趋于良好。
有关儿童家庭厅为应对少子化以及提升教育・保育质量所采取的措施,包括不论父母就业情况,自出生满6个月至3岁以下的儿童均可利用保育的"儿童无障碍通园制度"的创设、改善职员配置标准、创建"入所预约枠"制度以便利因生育而辞职的父母在再就业时更容易将儿童托付给保育所、全国推广此前仅在特定区实施的地域限定保育士、扩大向有资格者提供的保育辅助者支援金等政策,预计保育政策将在2024年度大幅转变。
公司推进以千叶县为中心的主导战略,不仅在保育领域,在需求日益增加的学龄前儿童康复领域也具备丰富的经验和业绩,从而保持竞争优势。此外,未来将应对业务环境的变化,推进AIAI PLUS和AIAI VISIT的扩展等新业务模式的构建。我们认为,从2024年度开始保育政策的转变也可能通过发挥竞争优势来扩大商业机会。
■业绩动态
2025年3月期第2季度累计(中期)丰厚利润大幅增长,发展顺利。
1. 2025年3月期第二季度累计(中期)合并业绩概况
2025年3月期第2四半期累计(中间期)的合并业绩显示,营业收入为去年同期相比增长6.8%,达到603.2亿日元,营业利润同比增长19.0%,为24.4亿日元,经常利润同比增长35.3%,为20.8亿日元,归属于母公司股东的中期净利润同比增长913.0%,为1.85亿日元。虽然在收入方面由于护理业务的转让导致减少因素的存在,但由于现有设施的儿童数量增加以及新建设施的开设,收入得以增长。在利润方面,因新建设施而增加的保育士数量、为了减轻保育士负担而增配人员、以及为了改善保育士待遇而计提的冬季奖金准备金等导致人件费用增加,但通过增收效应和业务效率化等被吸收,使得利润大幅增加,情况良好。归属于母公司股东的中期净利润的增加得益于护理业务转让带来的特别收益。新开设的设施有AIAI NURSERY 3个(东京都1个,千叶县2个),AIAI PLUS 1个(神奈川县),截至中期末的设施数量,包括AIAI NURSERY 87个,AIAI PLUS 21个,总计108个。到2024年9月末,AIAI NURSERY的儿童人数相比去年同月末增加237人,达到5006人,充足率保持在95%不变。
营业总利润同比增加11.6%,营业总利润率同比上升0.6个百分点,达到14.9%。销售和管理费用由于计入股东优待费用和对新业务的投资(AIAI VISIT和M&A等)也增加9.0%,销售和管理费用率同比上升0.2个百分点,达到10.9%。因此,营业利润率同比上升0.5个百分点,达到4.1%。营业利润增加的39百万元中,营业收入因素增加了373百万元(现有设施增加了364百万元,新建设施增加了193百万元,前期的年度末调整影响增加了39百万元,护理业务转让减少了223百万元),营业成本因素减少了290百万元(人件费用增加减少了383百万元,招聘费用增加减少了22百万元,其他成本增加减少了89百万元,护理业务转让导致人件费用等减少增加了204百万元),销售和管理费用因素减少了54百万元(股东优待费用计入减少了20百万元,其他销售和管理费用增加减少了54百万元,护理业务转让导致销售和管理费用减少增加了20百万元)。此外,营业外收益计入补助金收入12百万元(去年同期无),营业外费用由于新设施开设少于前期,开园准备费减少了11百万元,特别收益计入了关联公司股票出售收益35百万元及短期交易收益受赠益20百万元,特别损失则计入减损损失减少了57百万元(去年同期为145百万元,本中期为88百万元)。
财务方面没有特别的担忧因素。
2. 财务状况
从财务角度来看,2025年3月期中间期末的资产总额相比前期末减少554百万元,达到1110.3亿日元。主要是现金和存款增加了274百万元,投资有价证券增加534百万元,而应收账款和合同资产减少276百万元,未收收入减少446百万元,租赁资产(净额)减少148百万元,建设暂估减少460百万元,商誉减少58百万元。负债总额减少1345百万元,达到856.6亿日元。主要是奖金准备金增加了90百万元,短期借款余额减少889百万元,达到670.7亿日元,其余未付法人税等减少136百万元,未付费用减少137百万元,租赁债务减少137百万元。净资产总额增加791百万元,达到253.6亿日元。主要是资本盈余增加133百万元,利润盈余增加185百万元,另外其他有价证券评估差额金增加339百万元。因此,自有资本比例上升7.8个百分点,达到22.7%。此外,2024年8月与千叶银行签署了承诺贷款协议(借款上限500百万元)。
有利子负债的削减取得进展,自有资本比例大幅上升。尽管中长期内通过利润累计加强财务基础仍为课题,但考虑到目前处于成长过程中的状况,我们公司认为财务方面没有特别的担忧因素。
(撰写: FISCO特约分析师 水田雅展)