■要約
イー・ガーディアン<6050>は、eコマース(EC)やSNS、ソーシャルゲームの運営者向けに、監視や顧客サポートなどを中心に、サイバーセキュリティからデバッグ、運用までをワンストップで提供する総合ネットセキュリティ企業である。2010年に東京証券取引所(以下、東証)マザーズに上場してからは、人材派遣業、デバッグ事業、ネットセキュリティコンサルティング事業、クラウド型サイバーセキュリティ事業などをM&Aで獲得し、“総合ネットセキュリティ企業”としての基盤を確立した。海外展開においてはE-Guardian Philippines Inc.(2017年設立)が拡大中であり、2021年にはE-Guardian Vietnam Co.,Ltd.を設立。近年ではクラウド型セキュリティサービスの(株)グレスアベイルの子会社化(2019年)、ソフトウェア型WAF※の(株)ジェイピー・セキュアの完全子会社化(2020年)など、サイバーセキュリティ分野を強化している。2023年8月にはチェンジホールディングス<3962>(以下、チェンジHD)と資本業務提携し、サイバーセキュリティ業界の再編をリードする体制を構築するとともに、エンタープライズ(大企業・自治体)向けのデジタルBPO領域へ進出した。
※ WAF:Web Application Firewallの略。Webアプリ向けの攻撃からWebサイトを保護するシステム。
1. 事業概要
売上高の主力はソーシャルサポートであり、2024年9月期で売上高の59.3%を占める。ゲームサポート(同13.9%)、アド・プロセス(同12.4%)、サイバーセキュリティ(同7.9%)が続く。その他はハードウェアに対するデバッグなどである(同6.5%)。
2. 業績動向
2024年9月期の連結業績は、売上高が前期比4.3%減の11,391百万円、営業利益が同4.1%減の1,705百万円、と減収減益となった。売上高に関しては、修正計画値(11,503百万円)に対して99.0%とわずかに届かなかった。好調だったのは、EC・フリマサイト向けのカスタマーサポートが堅調に推移したほか、下期以降は既存顧客の新規案件獲得が進捗した。また、脆弱性診断やWAFの拡販によりサイバーセキュリティが大きく伸長した。一方で、既存顧客の売上高の減少を吸収できず、減収となった。なお、チェンジHDとの協業に関しては、ソーシャルサポート等の主力事業及びサイバーセキュリティ事業において、チェンジHDグループの既存外注業務の同社への移管、相互の顧客基盤を活用した共同提案を既に開始している。四半期ごとの売上高では、2024年9月期4Q単独では前年同期比で2.8%増加しており、業績の底打ちが確認できる。
2025年9月期の連結業績予想は、売上高が前期比8.5%増の12,365百万円、営業利益が同6.7%増の1,819百万円であり、前期の底打ちから回復軌道に戻り、増収増益基調を確認できる予想である。既存BPO領域では、外部環境が良好であり、EC・フリマ、Fintech関連、ゲームサポートにおけるSNS運用、風評調査などに成長の余地がある。引き続き営業組織の体制強化に取り組み、顧客の潜在的なニーズを汲み取り提案を強化することで、新たな案件創出に注力する。サイバーセキュリティ事業においては、サイバー攻撃などを背景とした旺盛な需要を受け、既存サービスである脆弱性診断、WAF、コンサルティングサービスを軸に展開する。さらなる成長に向けて、人材の確保育成に注力する。また、マーケティング施策に引き続き注力することで、業績拡大に繋げるとともに、同社のブランドイメージ向上を目指す。
3. 成長戦略・トピック
提案営業力の強化策の効果が顕在化しつつある。2023年10月のチェンジHDとの提携を機に、これまでのエンターテインメント業界向けに加え、大企業や自治体などのエンタープライズ業界を顧客対象とする方向に舵を切った。エンタープライズデジタルBPO案件は、相対的に案件が大規模であり、費用対効果が厳密に求められるため提案営業・コンサルティング営業のスキルが求められる。同社では、営業責任者の採用による組織強化、教育の実施等により新規案件を能動的に獲得するためのケイパビリティ構築に取り組んでいる。チェンジHDとの相互送客や共同提案も活発化しており、ノウハウ共有の機会にもなっているという。エンタープライズ向けデジタルBPO案件は、営業とともに“生産体制”(運用サービスを行う人材の確保とスキル向上)も伴うため、ある程度の準備期間が必要になる。“生産体制”に関しては、すでにチェンジHDグループの外への外注業務を同社に移管する取り組みが道半ばまで進んでおり、同社の人材やシステムが対応できることは確認できている。中期的にはエンタープライズ業界向けの業務が新しい事業の柱の1つになることが期待される。
■Key Points
・2024年9月期は、下期業績回復傾向も減収減益で着地
・2025年9月期は、売上高123億円、営業利益18億円と復調予想
・チェンジHDとの連携によりエンタープライズ大型デジタルBPO案件向けの提案営業力の強化が進行中。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
■摘要
E-Guardian <6050>是一家综合性互联网安全企业,以电子商务(EC)、SNS和社交游戏运营商的监控、客户支持等为中心,提供从网络安全到调试和操作的一站式服务。自2010年在东京证券交易所(以下简称东京证券交易所)Mothers上市以来,它通过并购收购了临时人员配备服务、调试业务、互联网安全咨询业务、基于云的网络安全业务等,并成立了 “综合互联网安全企业” 的基金会。E-Guardian菲律宾公司(成立于2017年)正在向海外扩张,并于2021年成立了E-Guardian越南有限公司。近年来,网络安全领域得到了加强,例如将基于云的安全服务Glace Avail有限公司(2019年)作为子公司(2019年),以及将软件类型的WAF*日本安全有限公司定为全资子公司(2020年)。2023/8年,与Change Holdings<3962>(以下简称Change HD)成立了资本和商业联盟,建立了引领网络安全行业重组的体系,并扩展到企业(大型企业/地方政府)的数字业务流程外包领域。
※ WAF:Web 应用程序防火墙的缩写。一种保护网站免受针对 Web 应用程序的攻击的系统。
1。业务概述
社会支持是销售的主要驱动力,占2024/9财年销售额的59.3%。游戏支持(相同的13.9%),广告流程(相同的12.4%)和网络安全(相同的7.9%)仍在继续。其他包括硬件调试等(相同 6.5%)。
2。性能趋势
截至2024/9财年的合并财务业绩显示,销售额下降了113.91亿日元,比上一财年下降了4.3%,营业利润为17.05亿日元,同期下降了4.1%。在销售额方面,与修订后的计划价值(115.03亿日元)相比,销售额略低于99.0%。强劲之处在于,对EC和跳蚤市场网站的客户支持保持稳定,从下半年开始,为现有客户收购新项目取得了进展。此外,由于漏洞诊断和WAF销售扩大,网络安全已显著增长。同时,无法吸收现有客户销售额的下降,导致销售额下降。此外,在与Change HD的合作方面,他们已经开始将Change HD集团现有的外包业务移交给该公司,主要业务包括社会支持和网络安全业务,以及利用共同客户群的联合提案。就季度销售额而言,仅在截至2024/9财年的第四季度中,与去年同期相比增长了2.8%,可以证实业务业绩已触底。
截至2025/9财年的合并收益预测是,销售额为123.65亿日元,比上一财年增长8.5%,营业利润为18.19亿日元,较同期增长6.7%,从上一财年的底部恢复了复苏轨迹,预计销售和利润趋势可以得到证实。在现有的业务流程外包领域,外部环境良好,电子商务、跳蚤市场、游戏支持、声誉调查等与金融科技相关的SNS业务仍有增长空间。我们将继续努力加强销售组织体系,通过捕捉潜在客户需求和强化提案来专注于创建新项目。在网络安全业务中,我们将应对网络攻击等背景下的强劲需求,并将围绕漏洞诊断、WAF和咨询服务(即现有服务)进行开发。我们将专注于保护和开发人力资源以实现进一步增长。此外,通过继续专注于营销措施,我们的目标是促进业务扩张并改善公司的品牌形象。
3.增长策略和主题
拟议的加强销售能力的措施的效果已变得显而易见。除了迄今为止娱乐行业的合作外,它还利用了2023/10年度与Change HD的合作伙伴关系,朝着将大型企业和地方政府等企业行业作为客户的方向发展。企业数字业务流程外包项目相对较大,由于严格要求成本效益,因此需要提案销售和咨询销售方面的技能。该公司正在努力通过雇用销售经理、实施教育等加强组织来建设积极收购新项目的能力。相互客户转移和与Change HD的联合提案也正在活跃,据说这也是分享专业知识的机会。由于企业的数字业务流程外包项目涉及 “生产系统”(确保人力资源以提供运营服务和提高技能)以及销售,因此需要一定的准备期。关于 “生产系统”,将Change HD集团以外的外包业务移交给该公司的努力已经进展到中途,而且已经证实该公司的人力资源和系统可以应付。预计从中期来看,企业行业的业务将成为新业务的支柱之一。
■要点
・在截至2024/9财年中,由于销售额和利润的下降,截至财年的下半年的复苏趋势也出现了
・预计截至2025/9财年将恢复,销售额为123亿日元,营业收入为18亿日元
・通过与Change HD的合作,正在加强大型企业数字业务流程外包项目的拟议销售能力。
(由 FISCO 客座分析师角田秀夫撰写)