■成長戦略
2. 新製品開発・新規事業創出
三洋化成工業<4471>の中期成長に向けた戦略としては、事業を通じて持続可能な経済成長と社会的課題の解決に貢献するスペシャリティ・ケミカル企業として、独自技術やアライアンスを活用し、ブルーオーシャン戦略で、遺伝子組み換え技術によって作製された機能性タンパク質「シルクエラスチン(R)」、外科用止血材、アグリ・ニュートリション、匂いセンサーなどの新製品開発・新規事業創出を推進している。
(1) バイオ・メディカル事業分野
バイオ・メディカル事業分野についてはQOL向上の実現に向けた事業拡大を進めている。生体組織の修復・再生促進の足場として高い可能性のある新規治療材料「シルクエラスチン(R)」については、創傷治癒用途で京都大学大学院医学研究科形成外科学講座の森本尚樹教授らと共同開発を進め、2024年7月に製造販売承認申請を行った。そして2024年10月に科研製薬と、新規の創傷治療材料「シルクエラスチン(R)創傷用シート」の日本国内における独占的販売権に関するライセンス契約を締結した。これにより、科研製薬より契約一時金のほか、売上に対する一定のロイヤルティを受け取る。市場規模としては国内90億円、米国900億円が見込まれている。「シルクエラスチン(R)」は創傷治癒用途のほか、半月板再生材用途(広島大学病院で医師主導治験を完了、市場規模は国内120億円、米国1,270億円の見込み)や、肺リーク塞栓材用途(非臨床試験段階、市場規模は国内14億円、米国250億円の見込み)での開発が進んでおり、2030年に日米で営業利益60億円創出を目指している。
外科用止血材「Hydrofit(R)」は、水と反応して柔軟な皮膜をつくるウレタン素材の外科手術用止血材である。胸部大動脈や弓部分岐動脈の人工血管への置換手術の際の吻合部に使用される。同社が製造し、テルモ<4543>に販売委託している。2014年2月に同社初の医療機器として国内で発売開始、2019年7月にCEマーキングを取得して欧州市場への展開を開始、2020年3月に脳血管を除く血管全体吻合部の止血材へ適応拡大した。2021年7月には香港での発売を開始したほか、台湾でも医療機器の薬事承認を取得して同年12月に臨床使用を開始した。
2022年6月には富士フイルム(株)と共同で富士フイルム三洋化成ヘルスケア(株)を設立し、同年10月に富士フイルム和光純薬(株)の自動化学発光酵素免疫分析装置「Accuraseed(R)(アキュラシード)」の専用試薬として使用される体外診断用医薬品の製造を開始した。これに伴い富士フイルム三洋化成ヘルスケアに製造を集約する体制に変更した。
(2) アグリ・ニュートリション事業分野
アグリ・ニュートリション分野への事業展開としては、ペプチドの活用(ペプチド農業)を研究開発している。2021年3月にファーマフーズと資本業務提携したほか、同年6月には持続可能な農業を目指して宮崎県新富町と連携協定を締結した。ペプチド技術を農作物の育成に活用し、持続可能な農業に貢献できる技術の実用化を目指す。なお同年9月にファーマフーズと「アグリ・ニュートリション基本計画」を策定している。新たなペプチド農業を確立し、宮崎県新富町において農業支援を本格展開する計画だ。
2022年8月には、卵由来の液体肥料の開発を行うENEGGOと資本業務提携した。ENEGGOは、廃棄物である卵殻及び卵殻膜に含まれているタンパク質を独自の技術で可溶化させ、植物の成長に重要なアミノ酸を抽出し、世界初の卵由来有機アミノ酸を配合した液体肥料を開発している。「アグリ・ニュートリション基本計画」の中核であるペプチド技術との融合やパイプライン拡充により、ペプチド農業の早期確立を目指す。
(3) 匂いセンサー
AI技術を応用した「匂いセンサー」については、2021年7月に長瀬産業<8012>と共同事業化で合意した。「匂いセンサー」の特徴は、界面制御技術を織り込んだ樹脂材料で構成されていることである。匂いの検知材料に先端AI技術を融合し、特定の匂いをデジタルで識別、定量化するデジタル嗅覚技術は環境モニタリングや医療分野、食品・飲料などの生活関連分野での応用が期待されている。2023年11月に販売開始した匂いセンサー「FlavoTone(フラボトーン)」は、特定の匂いだけでなく複雑な匂いを可視化できるため、匂いによる品質管理、特性比較、モニタリングといったソリューションを提供できる。また、販売だけでなくレンタルや受託分析に加え、個別の課題に対するソリューション提案などのサービスも提供している。
(4) その他
2021年12月にはロート製薬と資本業務提携した。両社が注力しているスキンケア・医療分野をはじめ、戦略的に相互のリソースを活用して独自の原料開発及び新機能・異業種への適用を図り、事業拡大・企業価値向上を目指す。
2022年1月には、京都大学発のベンチャー企業である(株)FLOSFIAに資本参画した。FLOSFIAは、電力変換用に用いられるパワー半導体として圧倒的な材料ポテンシャルを有する最先端半導体材料「コランダム構造酸化ガリウム(α-Ga2O3)」を用いた半導体デバイスの事業化に取り組んでいる。資本参画によってFLOSFIAとの連携を強化し、パワー半導体の量産プロセスの確立やパワーモジュールの社会実装を支援する方針だ。なお2023年12月に、FLOSFIAの基板埋込技術と同社が独自開発したヒューズエレメントを組み合わせることで、超小型・薄型のパワーモジュールにも基板埋込できるマイクロ温度ヒューズの開発に成功した。
2022年12月には生分解性の肥料被覆材を開発した。非食用米を用いたバイオマスプラスチック「ライスレジン(R)」を開発販売する(株)バイオマスレジンホールディングスの生分解性樹脂「ネオリザ(R)」を用いて、同社が得意とする界面制御技術により、肥料成分溶出後の非生分解性プラスチック(被膜殻)残存による土壌汚染問題の解決など、持続可能な農業の実現に貢献していく。2024年4月には、再生可能炭素に特化した英国のディープテクノロジー企業であるエコニック(Econic Technologies Ltd)とCO2ポリオールの製造事業開発に関する覚書を締結した。エコニックのCO2利用技術を活用し、同社の重点分野であるカーボンニュートラルに向けた取り組みを進めている。同年7月には環境配慮型プラスチックに適した練り込み型消臭剤「ケシュナール」を開発した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
■增长战略
2。新产品开发和新业务创建
作为三洋化学工业(4471)的中期增长战略,作为一家通过业务为可持续经济增长和社会问题解决方案做出贡献的特种化学品公司,我们将利用自己的技术和联盟,促进新产品和新业务的开发,例如使用转基因技术产生的功能蛋白 “silkerastin(R)”、外科止血材料、农业营养和使用蓝海战略的气味传感器它在那里。
(1)生物医学业务领域
在生物医学业务领域,我们正在扩大业务以改善生活质量。与京都大学医学研究生院整形外科学系的森本直树教授共同开发了用于伤口愈合应用的新型治疗材料 “丝弹性蛋白(R)”,该材料作为促进生物组织修复和再生的支架具有很大的潜力。然后,在2024/10年度,与Kankaku制药签署了关于新型伤口治疗材料 “丝质弹性蛋白(R)伤口片” 在日本的独家销售权的许可协议。因此,除了一次性合同付款外,还从Kagaku Pharmaceutical获得固定的销售特许权使用费。国内市场规模预计为90亿日元,美国市场规模为900亿日元。除了伤口愈合应用外,“丝质弹性蛋白(R)” 正在开发用于半月板再生材料应用(由医生主导的临床试验在广岛大学医院完成,国内市场规模预计为120亿日元,美国为1270亿日元)和肺泄栓塞应用(非临床试验阶段,国内市场规模预计为14亿日元,美国为250亿日元),它们的目标是创造60亿日元 2030年日本和美国的营业利润。
外科止血材料 “Hydrofit(R)” 是一种外科止血材料,由聚氨酯材料制成,可与水反应形成柔性薄膜。它用于手术期间的吻合,用人造血管代替胸主动脉或弓状分支动脉。它由该公司制造,销售外包给Terumo <4543>。作为该公司的第一款医疗器械,于2014/2年开始在国内销售,于2019/7年获得CE标志,并开始向欧洲市场扩张,2020/3年,适应范围扩大到用于不包括脑血管在内的全血管吻合口的止血材料。除了于2021年7月在香港开始销售外,台湾还获得了医疗器械的监管批准,并于同年12月开始临床使用。
2022年6月,富士胶片三洋化学医疗保健有限公司与富士胶片公司合作成立,为富士胶片和光纯制药有限公司生产用作专用试剂的体外诊断药物。”自动化学发光酶免疫分析仪 “Accuraseed(R)”(Acura Seed)于同年10月推出。除此之外,它还改为将制造业整合到富士胶片三洋化成医疗保健的系统。
(2)农业营养业务领域
作为农业营养领域的业务发展,我们正在研究和开发肽的用途(肽农业)。除了在2021年3月与Pharma Foods建立资本和商业联盟外,还于同年6月与宫崎县新富町签订了旨在实现可持续农业的合作协议。利用肽技术种植农作物,我们的目标是将有助于可持续农业的技术付诸实践。此外,同年9月与Pharma Foods共同制定了 “农业营养基本计划”。该计划是在宫崎县新富町建立新的肽农业并认真扩大农业支持。
2022/8 年,与 ENEGGO 建立了资本和商业联盟,后者开发源自鸡蛋的液体肥料。ENEGGO正在通过溶解蛋壳和蛋壳膜(废物)中所含的蛋白质,提取对植物生长至关重要的氨基酸,开发世界上第一种含有蛋源有机氨基酸的液体肥料。我们的目标是通过融合肽技术和扩大产品线,尽早建立多肽农业,这是 “农业营养基本计划” 的核心。
(3) 气味传感器
2021/7年,与长濑产业<8012>就应用人工智能技术的 “气味传感器” 达成了联合商业化协议。“气味传感器” 的特点是它们由采用接口控制技术的树脂材料组成。数字嗅觉技术将先进的人工智能技术与气味检测材料相结合,以数字方式识别和量化特定气味,预计将应用于环境监测、医疗领域以及食品和饮料等生活方式相关领域。气味传感器 “flavotone(flavotone)” 于2023/11年度开始销售,它不仅可以可视化特定的气味,还可以可视化复杂的气味,因此可以提供质量控制、特性比较和基于气味的监测等解决方案。此外,除销售外,除了租赁和合同分析外,他们还提供服务,例如针对个别问题的解决方案建议。
(4) 其他
2021年12月,与乐敦制药成立了资本和商业联盟。从两家公司都专注的护肤/医疗领域开始,我们的目标是通过战略性地利用相互资源来开发独特的原材料并将其应用于新功能和不同行业,从而扩大我们的业务并提高企业价值。
2022年1月,它对京都大学的风险投资公司FLOSFIA有限公司进行了资本投资。FLOSFIA正在使用尖端的半导体材料 “刚玉结构氧化镓(α-Ga2O3)” 进行半导体器件的商业化,该材料作为用于功率转换的功率半导体具有巨大的材料潜力。这项政策旨在通过资本参与加强与FLOSFIA的合作,并支持建立功率半导体的批量生产流程和功率模块的社会实施。此外,在2023/12年,通过将FLOSFIA板嵌入技术与公司自主开发的保险丝元件相结合,我们成功开发出一种微型热熔丝,即使在超紧凑和超薄的功率模块中也可以嵌入到电路板中。
2022/12 年度开发了一种可生物降解的肥料涂层材料。使用使用不可食用大米开发和销售生物质塑料 “稻米树脂(R)” 的生物质树脂控股有限公司的可生物降解树脂 “Neoriza(R)”,我们将为实现可持续农业做出贡献,例如解决使用该公司擅长的接口控制技术洗脱肥料成分后残留的不可生物降解塑料(涂层外壳)造成的土壤污染问题。2024/4年,与英国一家专门从事可再生碳的深度技术公司Econic Technologies Ltd(Econic Technologies Ltd)签署了关于二氧化碳多元醇制造业务发展的谅解备忘录。利用Econic的二氧化碳利用技术,我们正在努力实现碳中和,这是公司的优先领域。同年7月,开发了一种适用于环保塑料的混合除臭剂 “Kechnal”。
(作者:FISCO客座分析师水田正史展览)