■事業概要
1. 主要な事業セグメント
コニシ<4956>の事業セグメントは、2021年3月期までは「ボンド」「化成品」「土木建設」「その他」の4セグメントとしていた。2022年3月期から、それまで「土木建設」に含まれていたボンド事業の一部の製品(主に土木建設用接着剤やシーリング材等)を再び「ボンド」セグメントに移管し、残った工事会社4社を「工事事業」セグメントとした。この結果、2024年3月期の売上高比率は、ボンド53.9%、化成品29.6%、工事事業16.4%、その他0.1%となった。
(1) ボンド
ボンドでは、主に一般家庭用、住宅・建材用、産業資材用の各種接着剤、シーリング材及びワックス・両面テープ等の製造・販売を国内外で行っている。また、子会社のサンライズでは、主に戸建て用の建築用シーリング材や自動車用シール材・接着剤を製造・販売している。ウォールボンド工業は、壁紙用接着剤の製造・販売を行っている。
(2) 化成品
化成品では石油化学製品、合成樹脂、工業用薬品全般、電子機能性材料の仕入販売を行っており、主たる業務は商社的な事業である。同社の根源とも言える事業であるが利益率は低いため、新しい中期経営計画では抜本的な改革を打ち出すとしている。
(3) 工事事業
同社で製造される土木建設用接着剤やシーリング材が「ボンド」へ移管されたため、この事業の内容は子会社のボンドエンジニアリング(株)、コニシ工営(株)、近畿鉄筋コンクリート(株)、角丸建設(株)で手掛ける工事請負事業である。主に官公庁、鉄道会社、道路公団等から発注された道路、鉄道、トンネル、橋梁などの補修・補強工事を請負うもの。同社の場合は接着剤メーカーとしてのノウハウや経験を生かした独自の工法を活用し、工事事業子会社が補修・補強工事を専門で行っているのが特徴である。
(4) その他
その他事業は不動産賃貸業を展開している。以前は売上高・利益ともに微少であったが、本社ビルを取得し、その一部の賃貸を開始したことから、利益において一定程度の比重となった。
2. 市場シェアと競合企業
主力製品である合成接着剤においては生産量ベースでの市場シェアは10%強の水準と推計され、ここ数年はわずかながら上昇トレンドにある。また、金額ベースのシェアは12~13%(建設用シーリング材を除く)と推計され、国内では数量・金額ともトップシェアとなっている。
主な競合企業は、一般家庭用ではセメダイン(株)、住関連用では主にアイカ工業<4206>、(株)オーシカなどがある。建設シーリング材ではシーカ・ハマタイト(株)、サンスター技研(株)などと競合する。建設・土木用では、接着剤ではショーボンドマテリアル(株)との競合となるが、実際の工事現場では子会社のボンドエンジニアリングがショーボンド建設(株)と競合する格好となっている。また、工場生産用ではレゾナック・ホールディングス<4004>、ヘンケルジャパン(株)やオーシカ等が競合大手である。また、エレクトロニクス製品の生産用ではセメダインや(株)スリーボンドと競合するが、両面テープまで広げると日東電工<6988>やスリーエムジャパン(株)が競合企業として挙げられる。
3. 特色、強み
(1) ブランド力
同社の最大の強みは「ボンド」の持つブランド力である。一般家庭向けの「ボンド木工用」から建築用・産業用の「ボンド」まで、多くの人が「ボンド」の名を知っている。
(2) 製品ラインナップ
製品ラインナップが豊富なことも同社の特色である。アイテム数は「ボンド」のブランドが付く商品だけで3,000種以上あり、業界での品揃えは国内で際立っている。また、幅広い製品ラインナップは企業の収益基盤としての強みでもある。
(3) 接着剤専業としての強み
多くの競合企業(セメダインを除く)は接着剤の専門メーカーではなく、化学品メーカーが多い。言い換えれば、競合企業にとって接着剤は本業ではなく1つの事業でしかない。これに比べて同社は接着剤専業メーカーであるため、顧客からの信頼は厚い。これも同社の特色であり、強みと言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
■事业概要
1. 主要业务分部
科尼西<4956>的业务分部到2021年3月期为止分为“粘合剂”、“化工品”、“施工”、“其他”四个分部。从2022年3月期开始,将之前“施工”分部中包含的部分粘合剂产品(主要是土木建筑用的粘合剂和密封材料等)重新划归“粘合剂”分部,剩下的四家施工公司则归为“施工业务”分部。结果,2024年3月期的营业收入比例为:粘合剂53.9%、化工品29.6%、施工业务16.4%、其他0.1%。
(1) 粘合剂
在粘合剂领域,主要在国内外生产和销售各种家庭用、住宅与建筑材料用、工业材料用的粘合剂、密封材料以及蜡和双面胶带等。此外,子公司日出主要生产和销售单户住宅用的建筑密封材料和汽车用密封材料及粘合剂。墙粘工业则生产和销售壁纸用的粘合剂。
(2) 化工品
在化工品领域,进行石油与天然气产品、合成树脂、工业用药品全般及电子功能材料的采购和销售,主要业务为商社性质的业务。该业务可以说是公司根源所在,但由于利润率低,因此在新的中期经营计划中将提出根本性改革。
(3) 施工业务
由于由该公司生产的土木施工用接着剂和密封材料已移交给"博恩",因此该业务的内容由子公司博恩工程株式会社、木西工营株式会社、近畿铁筋混凝土株式会社、角圆建设株式会社承接的工程承包业务。主要承接来自政府机关、铁路公司、道路公团等的道路、铁路、隧道、桥梁等的维修和加固工程。在该公司的情况下,利用作为接着剂制造商的专业知识和经验,发挥独特的施工方法,其工程事业子公司专门进行维修和加固工程,这是其特点。
(4)其他板块
其他业务正在开展房产租赁业务。以前营业收入和利润都很少,但由于收购了总部大楼,并开始出租其中的一部分,因此在利润上占据了一定的比重。
2. 市场共享与竞争企业
以主力产品合成接着剂为例,按生产量计算的市场分享率约为10%以上,近几年略有上升趋势。此外,按金额计算的分享率预计为12%至13%(不包括建筑用密封材料),在国内数量和金额方面均为市场领导者。
主要竞争企业包括,家庭用方面的世美达(株)、住宅相关方面主要是爱卡工业<4206>、(株)欧士卡等。在建筑密封材料方面,与西卡·哈马泰(株)、三星星技术(株)等公司竞争。在建筑和土木用方面,接着剂方面则与秀邦材料(株)竞争,但在实际施工现场,子公司博恩工程与秀邦建设(株)实际形成竞争。此外,在工厂生产用方面,竞争激烈的公司有雷索纳克控股<4004>、汉高日本(株)和欧士卡等。在电子产品生产方面,世美达和(株)三邦亦为竞争对手,但如果扩展到双面胶带,日东电工<6988>和3M日本(株)则也是竞争企业。
3. 特色、优势
(1) 品牌力
该公司的最大优势是“胶水”所拥有的品牌力。从面向普通家庭的“胶水木工用”到建筑用和工业用的“胶水”,许多人都知道“胶水”这个品牌。
(2) 产品线
丰富的产品线也是该公司的特色。仅“胶水”品牌的产品就有超过3,000种,行业内的产品种类在国内独树一帜。此外,广泛的产品线也是企业收入基础的强项。
(3) 作为专业胶水厂商的优势
许多竞争对手(不包括世美达)并不是专门的胶水制造商,而是以化工品制造为主的公司。换句话说,对于竞争对手来说,胶水不是主营业务,而仅仅是一个事业。相比之下,该公司作为胶水专业制造商,客户的信任度很高。这也是该公司的特色,可以说是其优势所在。
(作者:日经FISCO客座分析师 寺岛昇)