■今後の方向性
1. 今後の方向性とこれまでの進捗
SFPホールディングス<3198>は、2020年2月期までは毎年、向こう3ヶ年の中期経営計画を公表してきたが、2021年2月期以降はコロナ禍の影響により先行き不透明な状況にあったことから公表を見送っている。ただ、今後の環境変化等を見据え、短・中期的な方向性を明示しており、(1) 地方都市への出店、(2) 注力している大衆酒場業態の拡大、(3) 既存店の伸び(訪日観光客・深夜営業)、(4) インフレ対策(価格転嫁等)、(5) DX推進(キャッシュレス等)などに取り組んでいる。
(1) 地方都市への新規出店
主力業態「磯丸水産」の展開は首都圏の1都3県が中心となっているが、他の業態も含めコロナ禍前から地方都市への進出を模索してきた。2024年2月期までの実績を振り返ると、京都・大阪・兵庫(3エリア合計21店舗)に加え、仙台(4店舗)、静岡(1店舗)、長野(2店舗)、熊本(2店舗)への出店※に成功したほか、FC展開により、札幌(1店舗)、愛知(8店舗)、福岡(5店舗)をカバーしてきた。同社では、未開拓の中核都市への出店機会に目を向けており、中期的な成長ドライバーの1つとして位置付けている。特に北陸・中国・九州を重点開拓エリアとし、まずは足場を固めてから追加出店することで、エリア単位での規模拡大を図る。
※そのうち、長野、熊本への出店は「アライアンス構想」によるもの。
(2) 大衆酒場業態の拡大
コロナ禍をきっかけとした環境変化へ機動的に対応するため、これまでの主力業態の強みを生かしながら、低投資で安定的に稼げる大衆酒場業態に注力している。大衆酒場は、1) 住宅/商店街、2) 路面、3) 小型、4) 17時から29時(翌朝5時)までの営業、5) 少人数/高回転などに特長を持つ業態(収益モデル)であり、今後は「五の五」「浜焼ドラゴン」「鳥平ちゃん」「焼きとん ふく助」の4ブランドを中心に展開していく。大衆酒場のジャンルのなかでも複数の業態を有していることから、市場の立地や客層、競合他社の状況と照らし合わせて最もマッチする業態を選んで出店することが可能となっており、この点も強みである。すなわち、主力業態における路面立地や昼夜までの営業(利用シーンに応じた幅広い需要の取り込み)、高回転などの優位性を残しつつ、住宅/商店街を中心として低投資で安定的に稼げる業態と定義できる。今後は地方都市を含め、「磯丸水産」で足場を固めたエリアを中心に出店を増やす考えだ。
(3) 既存店の伸び(需要の取り込み)
足元業績をけん引する訪日客の増加は、さらなる既存店の伸びしろとして期待できるため、需要の取りこぼしが出ないように体制(人事制度改訂、給与水準上昇)を整える方針である。
(4) インフレ対策
今後も原材料価格やエネルギー価格の高止まりが想定されるなか、クリエイト・レストランツ・ホールディングスグループとのスケールメリットを生かした調達コストの適正化を進めつつ、引き続き適正な価格転嫁等により原価率を維持していくとともに、販管費の抑制にも努める。
2. 中長期的な注目点
弊社でも、アフターコロナに向けて、同社の主力業態がどこまで回復していくのかとともに、地方都市への進出や大衆酒場業態の出店加速が今後の新たな成長の軸になるかどうかに注目している。特に、地方都市への進出については、これまで実験的に運営してきた地方店舗(磯丸水産)も総じて堅調に推移しており、いよいよ本格的な展開が予想される。その際、直営店なのか、FCなのか、M&A(アライアンス構想)なのか、展開方式が気になるが、スピード、収益性、投資負担(リスク)などの面から、状況に応じて複数の選択肢を有していることも成功確率を高める要因になると考えられる。一方、大衆酒場業態については、まさに「磯丸水産」の収益モデルを環境変化に合わせてチューニングしたものと捉えられ、既に想定どおりの結果を示していることから、今後どのような進化をとげていくのか、これからの動向を見守りたい。また、インフレ対策やDX推進については、クリエイト・レストランツ・ホールディングス(グループ各社)との連携が大きなアドバンテージとなるだろう。いずれもスケールメリットがポイントとなる分野であり、こういった動きのなかから業界の再編が進む可能性も高いと見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
■未來發展方向
1. 未來的發展方向和到目前爲止的進展
SFP Holdings <3198> 每年會公佈未來 3 年的中期經營計劃,但是由於新冠疫情的影響,從 2021 年 2 月期開始,公司決定不再公佈中期計劃。儘管如此,爲了應對未來的環境變化,公司已經明確了短期和中期的方向,着重於以下幾個方面的工作:(1)向地方城市擴張;(2)擴大重點業務——大衆酒館業態;(3)減少店鋪減少(訪日觀光客、深夜經營);(4)通脹對策(價格轉嫁等);(5)推進數字化(無現金等)。
(1)向地方城市新店鋪擴張
主力品牌 “磯丸水産(Isomaru Suisan)” 的拓展重點在首都圈 1 都 3 県,但此外該公司也在探索衝向地方城市的道路。回顧截至 2024 年 2 月期的過去表現,該公司在京都、大阪、兵庫(3 個地區,21 家店鋪的總計)之外,還成功在仙台(4 家店鋪)、靜岡(1 家店鋪)、長野(2 家店鋪)、熊本(2 家店鋪)擴張。此外,SFP Holdings 還通過加盟展開,在札幌(1 家店鋪)、愛知(8 家店鋪)和福岡(5 家店鋪)等地開設店鋪。該公司正在注視未開發的核心城市作爲新店機會,並將其作爲中期增長的驅動力之一,特別是將重點放在北陸、中國、九州等地區的開拓上,先鞏固腳跟,再以擴張店鋪規模爲目標。
※其中,長野和熊本的擴張是通過“聯合結構概念”實現的。
(2)大衆酒館業態的擴展
爲了靈活應對因疫情而發生的環境變化,在充分發揮主營業務的優勢的同時,公司正在專注於低成本穩定盈利的大衆酒館業態。大衆酒館業態具有以下特點,即(1)住宅/商業區、(2)路面、(3)小型、(4)在下午 5 點到次日凌晨 5 點之間營業,(5)少人/高週轉等受益模式,在將來公司主要將以“五五”、“濱燒龍”、“鳥平さん”和“炭火烤肉 Fukusuke” 四個品牌爲中心展開。由於大衆酒館業態中包括多種業態,因此公司可以根據市場的位置、客戶的層面和競爭對手的情況選擇最適合的業態進行開店,這也是其優勢之一。也就是說,在保留主營業態的優勢(如路面營業、全天營業等)的同時,定義爲以住宅/商業區爲中心,以低成本穩定盈利爲目的的業態。該公司計劃在包括地方城市在內的區域擴展店鋪,以“磯丸水産”爲中心打造足夠的奠定。
(3)現有店鋪的增長(吸納需求)
由於來日客增多會推動業績,所以公司因此實行了取得需求的策略(人員制度改革、工資水平提高)以避免失去需求。
(4)對抗通貨膨脹
未來,由於匯率和能源價格的高漲,公司將利用和Create Restaurants Holdings Group合併後的規模優勢,促進採購成本的合理化,同時通過適當的價格轉嫁等方式保持成本面率和維持銷售和行政開支。 The company will also strive to reduce sales and administrative expenses.
2. 注目點中長期展望
公司也在關注在疫後時期主力業態能夠恢復到什麼程度,並且也在關注是否將進軍地方城市和加速開設大衆酒吧業態成爲未來的新的增長支點。尤其是關於進軍地方城市的問題,迄今還處於試驗階段的地方門店(伊橋海鮮)總體上也表現強勁,終於已經預期到了合格開始大規模開設地方店鋪的時刻。在這種情況下,開設自營店、加盟連鎖店或F&B模式、M&A(聯盟構想)等展開方式,從速度、盈利性、投資負擔(風險)等方面考慮,可以選擇多種選擇,這也有利於提高成功率。另一方面,大衆酒吧業態可以視爲根據環境變化調整“伊橋海鮮”收益模型的結果,並已經展示出預期的結果,因此我們想觀察未來會如何發展和發展趨勢。此外,關於通貨膨脹對策和DX推進,與Create Restaurants Holdings (集團各公司)的合作將成爲重大優勢。這兩個領域都是點睛之筆,這些舉措可能會有助於行業的重新整合。
(撰寫:FiSCO客座分析師柴田鬱夫)