■株主還元策と企業価値向上に向けた取り組み
1. 株主還元策
ウェーブロックホールディングス<7940>は、株主還元策として配当性向35%以上を目安にしつつ、単年度の業績変化に左右されない安定的な配当を維持することを基本方針とし、状況によって株式分割や自己株式の取得等を含めた株主還元も検討する考えである。この基本方針に基づき、2024年3月期の1株当たり配当金は前期と同額の30.0円(配当性向55.5%)を実施し、2025年3月期も同額の30.0円(同57.5%)を予定している。なお、2026年3月期以降の業績が新中期経営計画(当期純利益で2026年3月期800百万円、2027年3月期1,000百万円)どおりに推移すれば、2026年3月期以降は配当性向が35%を下回ることになり増配する必要がでてくる。今後発行株式数が変わらなければ、2027年3月期の1株当たり当期純利益は118.5円となり、配当性向35%とすると1株当たり配当金は41.5円になると試算される。
収益力の強化・成長性の獲得により資本コストを上回るROEを目指す
2. 企業価値向上に向けた取り組み方針
同社のPBRは長らく1倍を下回る状態が続いており(2024年3月期末のBPSは1,902円、PBRは0.3倍台)、企業価値を高めてこの状態を改善することが重要な経営課題の1つであると同社では考えている。PBRが1倍割れの水準が続いているのは、ROEの水準が2024年3月期で2.9%と同社の株主資本コスト(6%程度)を大きく下回っていることに加え、主力事業であるマテリアルソリューション事業が成熟市場のなかで低成長かつ収益力が低く、将来の成長イメージが投資家に伝わりにくいことが要因と弊社では考えている。
こうしたなか、同社は企業価値を高めるために、(1)新中期経営計画を着実に実行し、成長分野を中心とした既存事業の拡大とM&Aによる新たな事業拡大ルートを創出することにより、収益力の強化と成長性を獲得、(2)投資の判断は資本コスト超過を基準とするなど、経営資源を適切に配分していくこと、(3)低コストな有利子負債の活用により資本コストを抑制すること、の3点に取り組み、収益拡大とともに2027年3月期のROEを6.3%と資本コスト並みの水準まで引き上げる。また同時に、配当方針に従い業績向上に応じた増配を目指すほか、IR活動についても株主や投資家との対話並びに適切な情報開示を行い、同社の成長性に対する認識を広めていくことで、PBR1倍超の達成を目指す。弊社では、中期的な成長ドライバーとなる自動車向けの金属調加飾フィルム及びパーツ成形品が順調に拡大していけば、同社業績に対する中長期的な成長期待も高まってくると見ており、その動向に注目している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
爲了回饋股東並提高企業價值,我們積極推進以下措施:
1.股東回報政策
Wave Block Holdings<7940>將以派息佔35%以上爲指導方向,保持穩定的派息政策,不受單年業績的影響,同時考慮股票分割和股票回購等回報股東的措施。根據此方針,2024年3月期每股派息爲30.0日元(派息佔55.5%),2025年3月期也計劃派息30.0日元(同57.5%)。如果未來業績按照新的中期經營計劃(2026年3月期淨利潤爲8億日元,2027年3月期淨利潤爲10億日元)的方向發展,未來業績將增長,唯有派息率低於35%時需要增加派息。如果未來發行的股票數量不變,則每股淨利潤爲118.5日元(2027年3月期),如果派息佔35%,則按計算結果爲每股派息41.5日元。
通過增強盈利能力和獲得成長性,致力於實現超越資本成本的ROE。
2.針對企業價值提升的方針
這家公司的市淨率長期低於1倍(2024年3月期末每股淨資產1,902日元,市淨率0.3倍),該公司認爲提高企業價值是重要的經營課題之一。市淨率長期低於1倍是因爲ROE水平在2024年3月期僅爲2.9%,大幅低於該公司的股東資本成本(約6%),此外,主要業務材料解決方案業務在成熟市場中增長緩慢且盈利能力低,投資者難以了解未來的增長前景是造成這種現象的原因。
在此背景下,該公司通過以下三個方面提高企業價值:(1)切實執行新中期經營計劃,拓展成長領域爲中心的現有業務和通過M&A開發新的業務拓展路徑,獲得盈利能力和成長性,並投資決策以超過資本成本爲基準,適當分配管理資源;(3)利用低成本的有息負債抑制資本成本,擴大收益,並在業績擴張的基礎上擬拓展配當政策,根據經營業績提高,實現增加派息的目標,同時進行投資者關係活動與適當的信息披露,促進該公司的增長性,以實現PBR 1倍以上的目標。該公司對用於中期增長驅動機的汽車用金屬貼附膜和零部件成型品的擴大越來越受關注,預計中長期業績期望也會提高。
(撰寫:FISCO客座分析師佐藤讓)