■クリアル<2998>の業績動向
1. 2024年3月期の業績動向
2024年3月期の連結業績は、売上高21,044百万円(前期比28.0%増)、売上総利益3,562百万円(同61.4%増)、営業利益980百万円(同79.1%増)、経常利益941百万円(同89.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益647百万円(同92.6%増)と、売上高は前期比3割弱の増収を見せ、各利益も大幅な増益を達成した。特にクリアル<2998>がKPIのなかでも最重要視している売上総利益は売上高の増加率を超える前期比6割強と大幅な利益伸長を見せた。これは、「CREAL」において一括バルク売却から個別売却へ転換し、利益率が大幅に向上したことが最大の要因であるほか、「CREAL PRO」の取引規模が2倍近くまで伸びたことによる。この結果、広告宣伝費や人件費といった積極的な成長投資を吸収し、各利益においても大幅な増益となった。KPIについても、累計投資家数は63,879人(同56.3%増)、累計GMVは476.2億円(同72.8%増)と順調な進捗を見せた。
2. サービス別業績動向
「CREAL」は、売上高10,974百万円(前期比7.3%増)、売上総利益1,437百万円(同48.9%増)となった。これまでは機関投資家が投資する不動産ファンド償還時に発生する複数の物件を一括売却(バルク売却)することを前提に事業計画を設定していたが、主に外資系の不動産ファンドの活動が総じて低調だったことから、売却計画を見直し、個別に売却する方針に変えた。その結果、売上総利益率が13.1%(同3.7ポイント増)に上昇し、売上総利益は売上高の増加率を上回る大幅な増益で着地した。
「CREAL PRO」は、売上高2,582百万円(前期比87.0%増)、売上総利益1,272百万円(同82.8%増)となった。海外機関投資家を対象に国内レジデンスを複数組み入れたファンドを組成したことによるAUM(運用資産残高)の増加に伴うアセットマネジメントフィーや、富裕層投資家に対する物件の仲介手数料のほか、同社が保有していた物件の売却が大きく貢献し、大幅な増収増益となった。「CREAL PRO」は、「CREAL」がニュースサイトや機関誌で取り上げられて知名度が上ったことで大型物件の取引にもつながり、成長を加速している。
「CREAL PB」は、売上高7,163百万円(前期比56.5%増)、売上総利益637百万円(同50.7%増)となった。DXを有効に活用した販売方法で、都心中心の中古ワンルームマンション(区分レジデンス)の販売戸数を伸ばし、大幅な増収増益を達成した。実物不動産投資ニーズの高さを示す結果となったものの、「CREAL PB」の売上総利益率は9.2%から8.9%とやや低下したことから、競争激化により都心一等地での良質物件の仕入れが難しくなってきていると弊社ではみている。
3. KPIの動向
前述のとおり、「CREAL」の売上総利益はGMV×Take Rateから成る。このうちTake Rateは、案件組成手数料、ファンド運用手数料、償還手数料からなる確定フィーと、ファンドの外部売却時のキャピタルゲインのプロフィット・シェアである変動フィーで構成され、これまでの実績から8~10%としている。GMVは調達時点(ファンド成約時点)の数値で集計・公表される一方で、「CREAL」の売上高及び売上総利益への計上は取引決済時点(物件売却時点)で行われることから、GMVの成約から売上総利益の計上までに多くのファンドでおおむね1年前後のタイムラグが生じる。このため、GMVは「CREAL」のサービスの規模を示すとともに、売上総利益の先行指標となるため、KPIのなかでも重要なものである。一方で、「CREAL PB」の売上総利益は売上高×利益率で算出される。また、「CREAL PRO」はフィービジネスが主体であることから、売上の大部分が売上総利益となる。主力の「CREAL」の売上総利益は全体の40.3%を占め、同社の利益成長に大きく貢献することから、同社はGMVと投資家数を特に重要視しているほか、リピート投資率、売上総利益等もKPIとして設定している。
同社が特に重要視しているKPIであるGMVは累計476.2億円(前期比72.8%増)と大きく成長した(2024年3月期の獲得GMVは200.7億円)。GMVの基盤となる重要な要素である累計投資家数も63,879人(前期比56.3%増)と大きく伸長した。
GMVに関する重要指標の1つである「CREAL」投資家のリピート投資率※は88.5%と前年同四半期比1.3ポイントの低下となったが、依然として高い水準を保っている。リピート投資率は新規投資家の投資割合にもよるため、新規投資家の獲得施策等の状況等によっては減少する場合があることを考慮すると、既存投資家による投資割合は引き続き高水準であり、新規投資家の獲得も順調と言えるだろう。
※ 過去1年間に投資実績がある投資家の投資金額が該当四半期のGMVに占める割合。
なお「CREAL」は、ファンド運営終了後も償還された金額と同水準、もしくはそれ以上の金額を新ファンドへ再投資するロイヤリティの高いユーザー層の獲得に成功していることから、SaaSに近い安定積み上げ型モデルの収益構造となっていることがうかがえる。今後はSBIホールディングスとの提携強化によって、さらにGMV及び累計投資家数の成長が想定され、再投資プラス新規投資のループも大きく拡大するものと予想される。「CREAL」は成長性と安定性を内包し、同社事業全体の成長ドライバーとして、さらなる高い成長ポテンシャルを有するサービスになると弊社ではみている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
■Clear<2998>的業績動向
2024年3月期的業績趨勢規則如下
2024年3月期的合併業績爲,營業收入爲210.44億元(同比增長28.0%),銷售毛利爲35.62億元(同比增長61.4%),營業利潤爲9.8億元(同比增長79.1%),經常利潤爲9.41億元(同比增長89.7%),股東淨利潤爲6.47億元(同比增長92.6%)。營業收入較上期增長了近30%,並實現了大幅利潤增長。特別是KPI中最重要的銷售毛利,在「CREAL 2998」中特別強調,同比增長了超過60%,遠高於營業收入增長率。這主要是因爲在「CREAL」中,從批量成批量銷售轉變爲單獨銷售,利潤率得到了大幅提高,此外,「CREAL PRO」的交易規模增加了近兩倍。這導致吸收了積極的成長投資,且各利潤中實現大幅增益。關於KPI,累計投資者數爲63,879人(同比增長56.3%),累計GMV爲476.2億元(同比增長72.8%),進展順利
2.服務業績動向
「CREAL」的營業收入爲109.74億元(同比增長7.3%),銷售毛利爲14.37億元(同比增長48.9%)。迄今爲止,該公司的業務計劃是以機構投資者在不動產基金贖回時產生的多個物業爲前提進行的批量出售(批量出售),但由於海外不動產基金的整體活動普遍低迷,因此重新審視了出售計劃,並改變了爲個別物業出售的方針。結果,銷售毛利率提高了13.1%(較上期增加了3.7個百分點),銷售毛利較營業收入增長率更高
「CREAL PRO」的營業收入爲25.82億元(同比增長87.0%),銷售毛利爲12.72億元(同比增長82.8%)。該公司組建了多項國內住宅的基金,並針對海外機構投資者,由此引起的AUM(管理資產餘額)的增長,仲介住宅以及該公司持有的物業的出售都作出了巨大貢獻,實現了大幅增收。由於「CREAL」在新聞網站和機構雜誌上的報道提高了知名度,並帶來大型物業交易,「CREAL PRO」的成長也在加速
「CREAL PB」的營業收入爲71.63億元(同比增長56.5%),銷售毛利爲6.37億元(同比增長50.7%)。在有效利用DX的銷售方法方面,該公司的在市中心的中古一居室公寓(區分住宅)的銷售房數增加,實現了大幅增收。雖然這表明了實物不動產投資需求的高漲,但由於競爭加劇,「CREAL PB」的銷售毛利率從9.2%下降至8.9%,該公司認爲在中心城市的優質物業的採購變得困難
3.KPI動向
如前所述,「CREAL」的銷售毛利是由GMV×Take Rate組成的。其中,Take Rate由案件成本手續費、基金運營手續費、贖回手續費組成的定費用以及基金的外部出售所產生的資本收益的利潤分配構成,這些費用的歷史記錄被認爲是8-10%。GMV是在採購時(基金成交時)計算的數值,並公開計算,而「CREAL」的營業收入和銷售毛利的計算是在交易結算時(物業出售時)進行的,因此在許多基金中,從GMV的成交到銷售毛利的記賬通常需要一個一年左右的時間差。因此,GMV既反映了「CREAL」服務的規模,又是銷售毛利的先行指標,因此在KPI中是非常重要的。另一方面,「CREAL PB」的銷售毛利是由銷售收入×利益率計算的。「CREAL PRO」主要是作爲Fee業務的,因此大部分銷售收入都是銷售毛利。主力的銷售毛利佔總銷售毛利的40.3%,對該公司的利潤增長做出了重大貢獻,因此,對於該公司來說,除了GMV和投資者數量外,還特別重視重複投資率、銷售毛利等指標
同公司重視的GMV指標累計增長到4762億日元(較上期增長72.8%)(2024年3月期間獲得GMV爲207億日元)。累計投資者人數是GMV基礎的重要元素,也大幅增加了,爲63879人(較上期增長56.3%)。
GMV的重要指標之一的投資者回頭率“CREAL”爲88.5%,比去年同期下降了1.3個點,但仍保持着較高的水平。回頭率也取決於新投資者的投資比例,因此需要考慮到新投資者獲取策略等情況可能導致它下降,但目前已有投資經驗的既存投資者的投資比例仍保持在高水平,新投資者獲取也在順利進行之中。
※ 過去一年有投資記錄的投資者的投資金額佔相應季度GMV的比例。
此外,由於吸引了投資回報率高、像SaaS一樣穩定累積的用戶,即使基金運營結束後,也可以重新投資到同等或更高的水平,因此“CREAL”成爲了具有穩定收入結構的收益模式。隨着與SBI Holdings的合作加強,預計GMV和累計投資者的增長將進一步擴大,再投資和新投資的循環也將大幅擴大。我們認爲,“CREAL”蘊含了增長性和穩定性,並且是公司整體業務的增長驅動器,是具有更高增長潛力的服務。
(編輯:FISCO分析師村瀬智一)